GREAT PRETENDERを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
我欲、復讐、憎悪に殺意。
どす黒い感情と一千億の命金を掴み、悪党どもが揃えた雁首。
それが落ちるか、騙して笑うか。むき出しになる真意は、果たして嘘か真か。
詐欺師とカモのダンスは、銃声を交えて激しく踊る。
最後の仕事だ。派手に行こうじゃないか!
そんな感じのラスト・ビジネス、グレプリ第22話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
朱雀と龍虎帮をまとめてハメる大仕掛け、二転三転する騙し合いの中で見える人間模様。
何が詐術で、何が真意か。どこからが嘘で、どこまでが本当か。
伽藍崩しの衝撃で楽しくポカーンとさせられつつ、答え合わせは来週である。
終章を引っ張ったエダマメの”親殺し”が、ついに火を吹いたわけだが、それが真意なのかハメ手なのか、それが入り混じった混沌なのか、まだ判別はつかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
ヤッパを握って吠えたタンカは、僕が作品に感じていたことでもあったので、完全な嘘であって欲しくはないが…。
状況的にはローラン一味大勝利、詐欺師の未来にレディーゴー! な感じで、エダマメくんも生きてるだろうし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
当人の口で、行動で、主役として歩いた物語をどう感じ、どう決着させるのかを示して欲しい。
最終回のネタバラシが頼みになる、良いラスト一個前でした。
というわけで、明暗入り乱れる身支度から物語は開始。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
朱雀に潜り込んで体験した、生々しい”仕事”。
叩きつけられた過去と、積み重なる裏切り。
エダマメは三章までの泥臭さと甘さが抜けて、セクシーでスタイリッシュな悪党になった…ように見える。
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ローランもエダマメも、完全な闇に身を置くわけではなく、光と闇が入り交じる場所で、詐欺師の身支度を整えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
阿吽の呼吸でしっかり作った、俺達の大舞台。
そこで過去に…自分の感情にどう向き合うか。
カプセル占いは、まだ答えを教えてくれない。
騙される側の悪党も、それぞれの場所で準備を整える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
今回はセットアップの描写にじっくり時間を使って、最後のビズに相応しい雰囲気をしっかり醸し出してくれる。
プロが支度をする描写をどっしり追うの、やっぱり空気あって好きだな。”終わる”という実感も育つし。
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信頼した通訳の口車に乗っかり、用意した薄汚い金。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
毒杯と知らずに飲み込む、酒とコーヒー。
差し出す側も潜入者として”それ”を飲み込み、ハラワタを黒く染めていく。
演じている自分と、本当の自分の境界が薄れていく。
アケミを、命を差し出すに足りる”親”と見るか、否か。
エダマメの過去に”母”があまりに深くぶっ刺さっていることが、悪しき継母たるアケミが匂わせる人情を、受けるか跳ね除けるかのサスペンスに繋がってる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
俺は断然実母派なので、人買いクソアマへの情なんぞ、全力で跳ね除けてほしいわけだが、そういう気持ちも燃料にして、三角関係は湿り気を帯びる。
仕事と私情と劣情がネトネト入り混じった、石神の視線がヤッパ良いんだよな、キモくて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
クソみたいな人買い共も”仕事”はするし、個人的な事情も感情もある。
完全な悪人なんかいないが、しかしやってることは文句なしにクズだ。それは詐欺師も同じ。
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去っていった息子を思い出しつつ、命の儚さを語るアケミの舌。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
エモくて良いシーンだ。
その立派な邸宅が、アジアから買い集めたガキの血で建てられていることを、うっかり忘れそうになるくらい。
疲れた、静かに暮らしたい。
オメェに売られたガキどもも、そう思ってたろうさ。
僕の知ってるエダマメくんは、そこら辺を譲れない甘ちゃんだと思うのだが、クソみたいな過去の因縁を叩きつけられ、魂の根っこも揺さぶられたか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
お母さんとのつながりを示すトーテムたる”猫”を、代理母としてのアケミに差し出してしまうのか。
死せる善なる母と、生きる悪なる母との綱引き、か。
愉快な一味も雁首揃え、不透明な行く先をむしろ楽しみつつ、舞台は整う。ここで予告しとくことで、先の荒れ場を予見/期待出来る運びか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
どっしり構えて若造を見守る、シウォン姐さんが頼もしい。
四章はシウォンの魅力がグンと跳ねて、すげー好きになったの有り難い。
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朱雀と龍虎、悪党はお互い一千億を抱え、その真意をすれ違わせたまま向き合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
用意した殺意は形にならず、違和感に対応するよりも早く、仕込んだ詐術が牙を向く。
LAと手口がソックリなのは、まぁ意識的であろう。後でカッサーノが、セルフツッコミもするしね。
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殺しは無し。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
それがドロシーから継承されてきた、コンフィデンスマンのやり口だ。
劉が用意した殺しの指輪を、逆手に取ってローランは刺す。しかしそれで死なない事こそが、彼なりの答えなんだと思う。
結局彼は、ナイフではなく嘘を武器に選んだ。スタイルは変わらなかった。
亡霊と踊る危うさを乗りこなして、ローランは詐欺師であろうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
ナイフを握った復讐者には、もう戻らない。どうせクズなら、自分の望んだ悪党でいる。
そういう決断をローランは果たし、エダマメは裏切る…のか?
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”親”を護る騎士のように颯爽と、刃を握って立ちふさがり、仕込み返しで逆撃を入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
エダマメの裏切りは鮮烈で、だからこそ詐術として綺麗にハマる…気がする。
護るために刃を握ったように見えて、アケミの手に決定権を渡さないために奪った形だよねぇ、コレ。
カッサーノの再登場も因果応報感、オールスター大集合感があって面白いサプライズであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
『まぁ、そら殴り返したいよな…』という納得、かつての敵とも手を組む現実感覚が、エダマメの豹変と決断を裏打ちする。
と思わせるのが、多分一味(と製作者)の狙いだ。
クソ犯罪者が、聖なる復讐者気取りで企んだ計画。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
その駒として選ばれ、散々弄ばれ傷ついた。
エダマメの離反は、アケミへの情を育む描写と合わせて、『まぁ、そら殴り返したいよな…』という納得を生む。
主役の感情の高ぶりは、丁寧に滑走路を整えられ、上手く飛躍した。自然な流れだ。
だからこそ、それが本当だと乗っかりたくなる視聴者の気持ちを蹴倒して、詐術の要に使う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
自分の中の本当と、カモを騙す嘘っぱちの境がなくなるくらい、本気で演じる。
見ている側すら騙しうる、そんなエダマメの成長を伝えるべく、この舞台はある気がする。
同時にオズとローランにバチギレして叫ぶ言葉は、全くもって正しい。爽快ですらある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
人を騙して銭いくら。人間の最底辺が身内を取られた、ひどい目にあった。
ぴーぴー喚くな、孤独を気取るな。
マトモな人間の情を大事にしたいなら、詐欺師なんかやるな。
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ここでオズの刃はエダマメのネクタイ…母のトーテムたる”猫”が刻まれた、朱雀に繋がる鎖を断ち切ってる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
この表現があるので、エダマメの魂が朱雀にはないことが読める…と思うんだよね。
ここまでメチャクチャネクタイ強調してたのも、この使い方するためだと思うし。
作品の根っこを揺るがすツッコミを、堂々吠えてくれたのは大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
これを言っちゃった以上、それを踏まえてなお、それでも詐欺師で人情派である意味を語る最終回になるだろう。
アンチテーゼを踏まえた上で、しっかり自分なりの答えを出すための下準備。大事だ。
エダマメの吠え声がよく刺さるのは、そこに彼の心情がしっかり滲むだからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
憎かった、寂しかった、見返してやりたかった。
自分を顧みず勝手ばかりする”親”を越えて、自分なりの生き方を選びたい。
そこに宿る熱量は、たとえ芝居だったとしても熱い。
ここは嘘だけではない…と思いたいなぁ。
実際エダマメくんは親世代の無茶苦茶に巻き込まれる形で、人生を歪められた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
それを正してくれたのが、LAから始まる不思議な旅であったとしても、”親”達が好き勝手に自分を利用したのは事実だ。
親父は大事な妻よりも、知らねぇ仕事相手のために人生棒に振った。そら、キレる。
それを受け止めて与えられる死、広がる動揺、無茶苦茶な混乱。アケミのヘナヘナっぷりが、どんだけエダマメが深く刺さっていたかよく教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
ローランは復讐を演じ、エダマメは死を差し出すことで、カモの親玉を無力化する。師弟の息が合ってるなぁ…。
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相手が身を置く状況全てを用意し、操って欲しい物を掴む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
ローランがドロシーから受け継いだ大掛かりなスタイルは、最後の仕事で最高に映える。
崩れる舞台、広がる海。悪党四人のシケズラが、完全に視聴者とシンクロしている。良いヒキだぁ…。
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東京のど真ん中にいたはずが、気づけば謎の無人島。詐欺師は一体いつから、どんなふうにこの大仕掛けを運んだのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
種明かしは一週間後。我慢できねぇならNetflix様に、おゼゼを入れなッ!!
いや待ちますけどね…このモヤモヤは、2クール付き合ったご褒美だ。
悪党を痛快にハメた手口も気になるけども、エダマメくんが吐き出した思いのどれだけが本当で、どれだけがハメ手だったか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
感情にまつわる答え合わせが、やっぱり気になる。
ここまでの物語、やっぱエダマメくん好きだから見てた部分、多々あるからな。
血を吐くような渾身の芝居に、込めた本気。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
悪党が善人ぶる矛盾を突き刺した言葉に、詐欺師達はどう答えるのか。最後の仕事の後に、どんな道を選ぶのか。
これを見ないことには、物語は終わらない。
そういう意味でも、素晴らしいヒキだったと思います。
こんだけ見事な仕事をやり遂げた時点で、詐欺師としての”親殺し”は合格でしょう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月11日
しかし置き去りにされた少年、悪に歪むしかなかった善人としての決着は、まだ付いていない。
どこまで本気だったのか。どこまで嘘だったのか。
次回語られるだろう真実、その先にある未来が、とても楽しみです。