ゆるキャン△ SEASON2を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
迫る年の瀬、蘇る思い出。
今や歴戦のソロキャンパー・志摩リンにも”初めて”があった。
あの時見た景色、あの時食べたカレーメン。
それは特別な出会いとともに形を変え、再び生まれ直す喜び。
また、新しい世界に飛び出していく。
一人で、そして、あなたと。
つー感じの冬にドンピシャ! 少女×キャンプアニメの金字塔、堂々帰還の挨拶である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
あまりに力強い一期を終えて、否応なく上がる期待に完璧に答え、それ以上の景色を見せ空気を吸わせてくれる、完璧なスタートだった。
いやホント、こんなに”ゆるキャン”してるの凄いよ…。
特別ではない時間にある、特別な輝きを切り出すこのアニメ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
セカンドシーズン最初であり、一期からダイレクトな続きともなるこの話数に何を見せるかは気になっていたのだが、一期第一話と呼応するロケーションでしまりんの起源を見せ、新しい旅立ちに繋いできた。
何事もに始まりがあり、それは続いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
今回しまりんのオリジンを見せることで、それがなでしこの(つまりは彼女を主役とする物語全体の)”はじめて”と重なっていて、『二人の出会いは運命が導いたのだ』という思いを強くすることが出来る。
その上で、思い出は未来に続いていく。
最初のキャンプで反省と喜びをたっぷり持って帰ったしまりんは、お父さんの補助がなくても自分の足でソロキャプに挑み、自分なりの楽しさを掘り下げれるようになった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
しかしそれは孤独な道ではなく、友との出会いがあり、家族や地域の人との交流がある。
そんな道が1クール分、実り多く進んでいたことでこの二期があり、それもまた新しい可能性、新しい喜びに必ず繋がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
美しい景色、瑞々しい感情、穏やかな触れ合い。
そういうものが、必ず見れる。
ただ『帰ってきたよ!』と挨拶するだけでなく。(それがちゃんと出来るのは、本当に凄いのだが)
この二期で今までと変わりなく、そして新たに何を描いていくのか、静かに宣誓するような力強さに満ちたスタートとなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
力まず、しかし確かに。
その筆致はとても”ゆるキャン”らしく、久々に胸いっぱいこのアニメの空気を吸い込めて、大変ありがたかった。
というわけで、二期第一話は過去話から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
しまりんの部屋に一つのダンボールが届いた時から、伝説が動き出すのだ。
彼女は寡黙な子なので、感情を言葉や表情にはあまり出さない。カメラもまた、それに寄り添って静かに進む。
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しかし窓の外に見えていたときめきが、ワクワクとテントを組み立てる中だんだん近づいてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
窓を開け放った居間から確かに、ガラスに隔てられず手が届く距離まで連れてきてくれる、魔法の道具。
祖父から継承したキャンプ道具は、本好きな少女の可能性を力強く広げていく。
しまりんの日常にクローズアップする今回、彼女の家庭環境もまた、よく見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
受け継がれた血に乗って、確かに届く真心と優しさ。
そういうものに育まれたからこそ、ムスッと黙りがちでとても優しいしまりんがある。
そういう連続性を感じる見せ方である。
優しく心配してくれながらも、娘が自分のワクワクに踏み出すことをせき止めない父母に見守られ、少女は部屋の外へと出ていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
後にその足は自分のラッタッタになるわけだけど、最初の一歩はパパの車。誰にでも皆、”はじめて”があるのだ。
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僕らの胸にも印象深い、なでしこと出会ったあのキャンプ場。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
愛おしい懐かしさが香るその景色は、しまりんにとってもとても大事な景色だった。
二期第一話という話数で、この郷愁と納得をしっかり紡いでくれるのは、さすがの手腕である。
見てるやつには判る、必然性のある静かな出だし。
それを切り取るべく、人物と風景が調和したミドルカットが多用されるのも、このアニメの特徴かと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
大きく引いて景色の雄大さ、それを受け止めるキャラクターの感動を共有するのも巧いんだけど、そこに人間がいて生活を営んでる様子を切り取る意識が、凄く強いんよな。
テントを立て、火をおこし、メシを食う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
『そこに人の息遣いがある』という意味での”日常系”の極北に位置するこのアニメが選び取った筆使いは、セカンドシーズンでも大変元気である。
しまりんは最初のキャンプを、静かに、時折間違えながら着実に進めていく。
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ペグが結構曲がりやすいこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
焚き火を熾すにはそれなりの手順があること。
自分で立てたテントから見る景色は、家の中とは結構違うこと。
失敗すらも楽しく飲み込み、しまりんは”キャンプ”と出会っていく。
そこに大きなセリフはない。少女が活きる実感がある。
焚き火の付け方を教えてくれたおじさんが、ロッジのお父さんと交流してる描写があまりに尊く、思わず涙ぐんでしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
お父さんは娘が自分で選んだ趣味を堪能するのを、隣で見守らない。思春期に差し掛かったしまりんを信じて足を買って出て、どっしり後ろで見守る。
信じればこそ自由にさせる関係は、しかし放任でも孤独でもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
娘の人生に関わってくれた人に、娘が見てないところで頭を下げれる人がいるからこそ、しまりんも新たな喜びに出会える。
そうしてキャンプをしていたことで、なでしことも出逢える。そんな繋がりは、静かな景色に確かに在るのだ。
Aパートの過去から、一期第一話を踏まえ、広がったしまりんの現在…なでしこと進む未来をみせるBパート。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
何を意図してこの配置なのか、声高に説明はしないけども、しっかりと意図を感じる構成力が健在…むしろ強くなっていることを、今回の第一話は見せてくれる。
時も人も、景色も繋がる。
そんな”ゆるキャン”の強さは、今期も健在であると、作品自体が語りかけてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
初めての米たきは、なかなかうまく行かなかった。固くて焦げて、食べれたもんじゃない。
部屋から出て外気に触れれば、吐く息も白い。腹が減れば、どうにも心細い。
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それをデイパックに詰まった母の思いやりが、優しく包んでくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
命の糧をお湯にくぐらせ、腹に落とすカレーメン。
途方もなく旨く、ありがたい。
メシを食うこと、食わせてもらうことの奇跡を真実、腹に落とす経験としてのキャンプが、じんわりとしまりんに染みていく。
これでカレーメンはしまりん命の食事になったわけだが、だからこそ一期第一話でなでしこにそれを差し出した意味合い、鼻水と涙で震える女に無愛想少女が感じた想いが、時間差で俺を突き刺してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
ホンマ…飢えと寒さに手を差し伸べてくれる人に弱い。
人間の根っこ、仁の根本よ…。
逆にいうと、失敗混じりの経験から様々なものを学び、それを他人に手渡せる感性がしまりんの無愛想の奥には、ずっと生きている、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
それはキャンプ用品を送ってくれた祖父、見守る父母に育まれればこそ、すくすくと育った美質である。
ありがとう…ホンマありがとう…。
そしてしまりんが受け取ったものは、時に乗っかってピンク色の善良とまた、出会い繋がるわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
浜名湖からも見える富士山で、やがて運命と出会う未来を知らなかった少女は今、自分の足で自転車を漕ぎ、寒風を切って銭を稼いでいる。
同じ場所にいても、いなくても。
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大傑作、一期五話でも携帯電話越しに繋がる心を活写していた、この作品。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
共にいることの意味も、一人で立つことの尊厳も大事に扱う筆は健在で、なでしことりんちゃんがそれぞれ、同じ光を見つめる輝きを切り取ってくる。
時は流れ、変化する。
ぽっちゃり少女は姉のシゴキを受け、体型が変わる。
そうして移り変わるからこそ出会えるもの、掴めるものが確かにあることを、ここまでこの作品は書いてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
ここからもまた、同じものを書くだろう。それは何億回描いても良いものだから。
そして同じに見えて、全く別の喜びがあるものだから。
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川端で肩を並べ、食べる弁当の上手さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
足にすがりつく、豆柴の可愛さ。
憧れのランタンを見れば、労働への意欲も湧く。
ぶっちぎりに冴える美術と合わせて、少女の新年は変化と喜び、確かな繋がりに満ちている。
いやマジで美術凄まじいな…この”冴え”が作品支える、背骨の一つだな、間違いなく。
アナログで体温のある情景だけでなく、今を生きる少女たちに寄り添うデジタルデバイスもまた、人を繋ぐ大事なメディアだと優しく描いてるところが、この作品の強みである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
道具の持つ実感を蔑ろにしないことで、ノスタルジーの毒から上手く逃げてる印象。
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”キャンプ”は土の匂いの強いアクティビティで、自然それにまつわる筆も生身重点、人為を廃した書き方になりがちだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
憧れの素敵ガジェットの描き方含め、人の作り出したアイテムもまた、人に寄り添ってその暮らしを豊かにしてくれると、鋭く研いだ表現の刃でしっかり刻んでいるのは、この作品の強さ
働きづめの正月も、仲間のエールがあれば乗り切れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
叱られた経験も、大室部長の中でなにかの糧になるかもしれない。
パッと見の印象を心地よく裏切る、意外な発見の喜び。
それを描写の中静かに、確かな鋭さで細かく混ぜ込んでいる強さが、初回から非常に元気である。
すっかり”キャンプ”に夢中な少女たちと同じく、しまりんも年越し伊豆キャンプに心弾む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
”はじめて”を見守ってくれた父はもう同行しないが、しかし頼れる相談役として手を差し伸べ、喜びを増やす手伝いをしてくれる。オッ…親父ッ!!!
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りんちゃんは自分で計画を立て、自分の足でソロキャンプに向かう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
しかしその歩みはとても優しい思いに支えられ、新たな出会いに繋がっている。
一期第一話を否応なく想起させる話運びが、逆にしまりんが物語で手に入れたものを強調するのは素晴らしい。
一人だけど、独りじゃない。繋がってるけど、甘えていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
そんな関係の豊かさを背負って、しまりんは夜に漕ぎ出していく。
その静けさと冷たさが、画面から滲む脅威の仕上がり。
心底寒そうで、とても綺麗で楽しそう。そう思えるよう作るの、凄いでホント…。
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ここは明暗遠近のコントロールが本当に完璧で、暗く静かな(しかし孤独ではない)出発からコンビニの灯り、そこにいるなでしこの光がぐっと近づく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
”はじめて”の場所で出会ったへんてこな女の子は、りんちゃんのとても大事な人になった。
その人が手渡す、命の糧。優しさの象徴。
受け取って、お互いに微笑む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
払暁の光が静かに、青春を照らす。
美しいものの只中へと、物語は青信号で進んでいく。
その背中を、ズッと手を降って見送ってくれる人がいるからこそ、しまりんの単独行は昔よりもっと綺麗で、もっと楽しい。
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ここから進む1クール、素晴らしいものが見れると確信させてもらえる、素晴らしい第一話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
派手なことは何もやっていないのだが、画面に何を写すか、それをどう繋げて届けるかを徹底的に考え抜き、描きぬいてて、非常に良かった。
このぐらい気合い入れないと『いつもどおり』は無理なのね…。
しまりんの”はじめて”を丁寧に描くことで、これから描かれる未来がどこから来て、何を掘り下げるか、連続性のあるスタートになったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
時計の針を巻き戻すことで、より鮮明に見える未来もある。
時間と触れ合いの不可思議を、美しい景色、穏やかな情感に交えて届けてくれて、大変良かった。
二期にとっての”はじめて”がこの油断一切ない仕上がりであることで、この先に続く物語への期待と信頼も、グッと跳ねました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月10日
そうしてアガったハードルを、悠々飛び越えていくだけの地力もまた、しっかり示す第一話でした。
ゆるキャン二期、”強い”です。次回も楽しみですね。