D4DJ First Mixを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
サンセットステージに向け、新たな可能性を模索するHappy Around!
太陽のごとくその中心にあるりんくの笑顔と、むにの心がすれ違う。
届かぬ思いが涙を呼び、悲しみがブースを満たす時、女なら挑むべき事がある。
そう…魂込めた”押韻闘争(ラップバトル)”であるッッッ!!
つー感じの、最終話一個前なのにまーったく焦らないD4DJアニメ、まさかまさかのゆにこ登板である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
ここまで雑破先生が全ての脚本を手掛け、見事な構成で仕上げてきたシリーズであるが、差し込まれる異分子…すれ違う女と女の心…彷徨う視線と繋がる想い…最高のリリーフ大成功であった。
元々どっしり腰を下ろし、キャラクターの心境や性格を彫り込んでいく作風なのだが、今回は特に丁寧に二人の心境に踏み込む仕上がりとなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
笑いを交えた軽妙な筆致はそのまま、語らずに解らせる詩情が随所に満ちて、むにとりんくそれぞれの気質が生むすれ違いと融和が、よく判る回となった。
あらゆる人と別け隔てなく繋がり、幸せを広げていくりんくの資質。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
それに救われ強く求め、でも唯一無二の存在でもありたいむにちゃんの複雑さ。
なんでも無いようなことからかけちがってしまった思いが、ビートにライムを乗せるラップという文化、DJという職能を通じて再び繋がる。
DJやるなら触っておきたい要素である”ラップ”を、ドラマにしっかり絡め、良質なステージ表現と噛み合わせて演出することで、優れた文化として印象づける運びも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
やっぱDJ文化に関わる色んな側面を、ドラマの濃度と速度を落とさないまましっかり紹介する手際が、この作品とても良い。
思い込んだら一直線、願望のダンプカー愛本りんくに、振り回されつつも惹かれている大鳴門むに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
あまりに真っすぐ突っ走りすぎて周囲を見ない気質は、例えばコントローラーの充電し忘れにも現れてくる。
ド深夜に電話かけてきて、出逢ったラップをすぐにやりたがる。
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そんな遠慮のなさに救われてもいるし、もうちょっと気をかけ自分を見てほしくもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
ポイッと投げ出されたコントローラーのように、無遠慮な扱いはしてほしくない。
だって、一度二人の関係は壊れてしまったから。
約束を破ってしまったから。
むにちゃんの心理は、大変面倒くさい。
むにちゃん自身も何を求めているのか、イマイチ明瞭にならないお年頃であり、同時にただただりんくが好きであるという胸のマグマには嘘がない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
色々ツンツン文句は言いつつ、ユニットがラップをやるとなったら乗っかり、地道な準備をしっかりこなし実力をつけてくる。
りんくにそういうナイーブさはなく、だからこそ思いっきり突っ走れる”魁”の資質が溢れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
よく見てみれば存外凸凹で、でもだからこそハマっていた。
ハピアラを前に進めていたものは、決戦前でも元気に弾む。
ここまでの成功体験が、真秀と麗も挑戦に対し前向きになれる柔軟さを生んでもいる
むにちゃんはなにかのオマケとか、約束したついでとか、そういうふうに自分を選んで欲しくない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
Only meな自分を真正面から選び取って、唯一絶対の存在と抱きしめて欲しい。
この指向性は、明るく開けたりんくの資質と方向性が違う。
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しかしりんくと出会い直し、Happy Around! になってから広がっていった世界に、居場所がないわけではない。心地よくないわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
真秀の弟妹とも絵を通じて楽しく話せて、すれ違った思いも繋がれた。
本人がいないところでめちゃ褒めてるのが、真秀らしいなぁと思う。
しかしこの接続は一時的なもので、りんくの一挙手一投足は楽しい時間が終わった後、むにちゃんの心をかき乱す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
心に残ったわだかまり、”約束”に引っかかる理由。
お泊りしても見えないもの、取り戻せた黄金の過去。
無防備な寝姿に、むにちゃんの心も揺れる。
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当然のようにお泊りする仲良し力は微笑ましいが、それがスルッと決まってしまう家庭環境こそが、むにちゃんが寂しいOnly meを求め続ける源泉だと考えると、微笑んでばかりもいられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
寂しいと、素直に言えない屈折女子の想いは、再会なった幼馴染の体温を懐かしく、しかし奇妙に遠くに置く。
別れてしまった後ろめたさ。取り戻せた喜びと、それを正面から表現はできないキャラクター。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
むにちゃんは非常に屈折した人格と欲望を持っていて、その複雑さがなかなか、りんくには届かない。
鈍感…ともまた違う噛み合いの悪さは、ここまでの物語で幾度も描かれたものであろう。
りんくに推進力はあるが、細かいコントロールが効かないからこそ真秀はあんだけ悩み、独り相撲に苦しんだのである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
厄介で魅力的な相手に出逢ってしまったものだが、出逢いとはまぁそんなものである。
ましてや、むにちゃんは”ニ回”だかんね…幼年期と再会で。うさみみの鎧の奥は、もう滅茶苦茶よ。
ハピアラな日々は、いつもどおり明るく楽しく進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
りんくは色んな女に無防備に抱きつき、みんなに好きって言う。
むにちゃんが乗りこなすライムに上手く乗れず、頬をむにむにさせて泣きつく。ドーナツネタ2回やる所が、ラップ初心者あるあるであった。
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ここで大鳴門むにがラップ巧いのが、凄く彼女らしくて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
他者との距離感を常に考え続けてる彼女は、それと触れ合うメディアであり凶器にもなる”言葉”について結構考えているのだろうし、りんくの暴投に呆れつつも、しっかりついていけるよう努力も準備もしてる。
結果考えすぎて後ろ向きになったり、なかなか進めなかったりしても、彼女は非常にナイーブな感性でもって世界を見て、自分なり色んな事を考え感じ動いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
その臆病な視力は、りんくにはないものだ。
だからこそもらえた勇気、広がった世界を、むにちゃんは大事に思ってる。
そしてだからこそ、思いはすれ違う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
りんくが言い出して、りんくが選んだはずのOnly meの前で、交わされる乙和との会話。
それは小さな縁を大きく広げていくりんくの良さなんだが、自分だけを見て欲しいむにちゃんにとっては、心を削るドリルにもなる。
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フィットネスソフトの進行と、むにちゃんの心がガリッガリ削られていく状況を重ね合わせ、無言で示していく演出は大変いい感じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
りんくは悪い事してるとは全然思ってないし、実際悪いことではない。
むにちゃんが面倒臭すぎるだけとも、りんくが無神経すぎるだけとも言えるだろう。
しかしそういう善悪の問題とも、また違う難しさでこの場面は動いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
想っていても、どうしても届かない難しさ。
想っていればこそ、苛立ってしまう難しさ。
りんくが他の全てを捨ててむにちゃんだけを見ても、多分むにちゃんは満足しない。
明るく開かれたりんくに、一番最初に出会い救われたから
それが自分の好きな愛本だと判っているけど、今ここでは自分だけを見て欲しい。私のことを解って欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
少女の思いは伝わること無く、ゲーム画面の苦闘をりんくが見ることはない。
残酷でもあり、当たり前でもある青春の風景。あまりにも、情念が濃い。
つーかうーさーだな…自キャラはUSATの子だし
差し出した手は跳ね除けられ、りんくは何処に思いと言葉を持っていけばいいか、わからなくなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
ここまでりんくの行動は基本的に”正解”だったので、話に一旦幕が落ちる直前、りんくが間違える話やるのはうまいなー、と思う。
完璧ではなくすことで、魅力が増える。
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途方に暮れつつもりんくは『また明日ね…』と約束し、むにちゃんがジャンクフードを孤独に頬張ること…ハピアラに入る前の閉鎖した冷たさに帰還することを阻止する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
相変わらず、人間にとって大事なことを絶対間違えない女である。つえーなここら辺…。
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しかしその前進主義は今回万能の切り札にはならず、愛本りんくは初めて涙を流す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
それを受け取った真秀、かつてむにちゃんと心を交わした麗ちゃんが、仲間の危機に動き出す。
ここでむにちゃんのフォローに麗ちゃんが入るの、第5話のアンサーって感じで良いんだよな…。
りんくは不誠実でも無遠慮でもなく、むにちゃんとの繋がりを大事に思う気持ちがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
しかしその表現型が、むにちゃんが欲しい形とは時に食い違い、しかし望むままの形が無条件の正解と≠だという、非常にややこしい間合いにいる。
色んな人と仲良くしてほしいけど、私だけを見て欲しい。
矛盾した欲望をどう扱えばいいかはむにちゃんも判っていなくて、だから『なんで怒ってるかも判ってないのに?』と、麗に告げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
それは”りんくが”であると同時に、”私が”でもあるのだろう。繕った微笑みが、どうにも痛ましい。
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八方塞がりの状況の中で、りんくは思い出の公園に身を預け、過去の約束を思い出す。お前も大概めんどくせーなッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
永遠だと想っていたものが、手のひらを滑り落ちる寂しさ。再会は過去の傷を癒やさず、思い出は輝けばこそ、ジクジクと痛む。
ここら辺、すんごい感情質量が画面に滲んでいた。
むにちゃんのLOVE嵐に巻き込まれる形でりんくは涙を流し、自分もかなり過去に思い悩むタイプだと、意外な顔を視聴者に顕にしてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
勝負論で回すなら、最終話一個前でやる話ではない。だがこの作品が選んだ語り口を思うと、主役と物語の陰影が深まる妙手といえる。
友情に導かれ、足を運ぶ運命のバトルステージ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
流れるビートに思いを載せて、ぶつかり合う真実の言葉。ノリノリだなマブダチ二人…。
りんくのラップが初回より形になっていたり、テクニカルなむにちゃんのラップが、思いがぶつかるうち技術を忘れていったり。
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ラップパートの表現力も良いのだが、見守り場を繋ぐ立場の真秀へのアイサインと、それを受けてのDJワークが非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
事前に練習していた、歌パートに繋がるビート。
思いがシンクロし、背中を向けていた友達が飾らない本心を告げてくれるための前奏。
七八文字くらいビシバシ語尾合わせる、むにちゃんの厳しい言葉に晒されつつ、りんくはDJマッシュの技量と友情を信じてキューを出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
変わっていく曲調に合わせて、りんくは失われた約束の傷を吐き出し、そこから胸に溢れるものを届けていく。
それが、むにちゃんの顔を光の側に向かせる。
手紙を受け取るたび、離れてしまった事実を思い知らされた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
喪失の裏にあった思いを素直に告げて、視線を絡め合う二人。
当たり前の日常で言えない言葉も、詩に乗せれば紡げる時がある。バトルからデュエットへ、音楽は繋がっていく。
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最高のグルーヴを奏でた後、ハグ星人のりんくがここまでで最強のハグぶっ込むのは予定調和として、一回ハグキャンしてるむにちゃんが大袈裟ではない、だからこそ思いのこもったハグを自分から投げかけているのが、まぁ強い表現である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
LOVEだ…それしか言えねぇ。
むにちゃんはうさみみを付けることで世間と戦う勇気を手に入れたが、そのトーテムはあくまで臆病な動物である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
親友の胸の中にある思いが、本当なのか。
誰とでも仲良く慣れるあの子と、自分は同じ熱量で釣り合っているのか。
いつでも不安になってしまう。
本当は何が欲しいか、解らなくなってしまう
そんな繊細さと向き合うには、りんくはちょっと周辺視野が弱くて、細かい調整が苦手である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
そんな二人だからぶつかったわけだが、しかし根底にあるものは同じ思い、同じ後ろめたさだった。
りんくもお手紙の約束、むっちゃ気にしてる所が良いよね…無敵の太陽娘に見えて、存外ナイーブ。
ラップという表現、ユニットの仲間、思いを優しく繋げてくれるDJの存在。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
ステージに関わった皆を輝かせながら、青春のリリックバトルは大団円に終わる。
ミラーボールの太陽に、皆でHappy Around!
最高の状態で、サンセットステージ最終決戦や!!
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音楽をかけるだけでなく、人間心理の機微を細やかに読み取り”場”を生み出すDJの強さが、ここでグッと深まったのも良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
通常の言語活動では届かないものも、詩なら伝わってくれる。
超絶面倒くさいむにちゃんの心に、りんく決死のリリックが刺さる流れも、ラップの強さを上手く見せた。
こんな風に、自分たちがテーマと選び取ったものに何が出来るのか、何が凄いかをちゃんと積み重ねているのが、やっぱこのアニメの好きなところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
それがデカい題目ではなく、情感と熱量のあるドラマの形で描かれている所が、なおさら良い。
物語を潤滑油にして、スムーズに入るんよね、良さが。
むにちゃんがりんくに苛立つ理由も、それがけして罪悪ではない…でも正解でもない難しさも、情景に上手く反射して描かれていました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
ここら辺の表現力は、コミカルな表現でも元気なモデリングの強さが活きた感じ。
情感滲ませるときでも、筆が強いわやっぱ。
かくして思いを伝え合い、より強く繋がったHappy Around!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
音楽に何が出来るのか再確認した主役たちは、誉れあるサンセットステージに挑む。
立ちふさがるは学内最強、Peaky P-key。
彼女らの”格”もしっかり積んであるからな…構成がマジで強い。
来週の最終回、非常に楽しみです。
あ、最終話一個前にやることが
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月24日
『過去のやましさに向き合う』
『失われた約束を取り戻す』
『思いを素直に伝える歌を作る』
『お友達と仲直りする』
なところ、最高に女児アニ力高くて最高だと思います。
やっぱ人間、そういう所が畢竟大事なわけよ。