ワンダーエッグプライオリティを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
霧深き森と、電車の世界。
エッグの少女たちは、それぞれの戦場で命を賭ける。
分かり合えたのか、せめてもの救いを手向けられたのか。
確かめるよりも早く、塵は塵に還る。
生きて見る夢、出逢う夢。
四つの色が笑って、混ざって…弾ける。
そんな感じの、桃恵ちゃん登場&リカちゃん帰還のワンプラ第四話であった。良かった戻ってきて…何も良くないがなッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
みこまこを従えたアイちゃんのバトルと、美和ちゃんを守る百恵ちゃんの戦い。
第2話では描かれなかった、それぞれの戦場、それぞれの地獄。
卵の中の悪夢に希望を見出しつつ、囚われ、出会い…多分別れていく少女たち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
『今回リカちゃんが石化から戻ってきた希望すらも、後々強烈な一発入れるための布石なんだろうな…』と、警戒レベルを更に上げる展開となった。
お、俺もワンプラを信じたい…でも絶対、コイツラは”やる”ッ!
おっかなびっくり、残虐なる喪失に怯えつつも、しかし少女たちが戦い、叫び、出会い、笑う姿には瑞々しさがある。引き寄せられ、目を離せない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
そんなお話に新たな花が加わり、セルフイメージと周囲の対応のギャップに魂が擦れて、流した涙が向日葵にすくい取られたりするお話でした。幸せになって…
というわけで、今回は桃恵ちゃんの戦いと、アイ達の闘いが並走して進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
彼女の世界は寝台車の中にあり、そこには怪物も見て見ぬ振りも侵入してこない。やがて破られるとしても、二人だけの聖域として機能している。
だが、殻の中で抱き合えば全てが通じ合う、というわけでもない
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少女が夢見る王子様そのものの”桃太郎”くんは、自分に叶わなかった夢を預ける美和ちゃんから、視線をそらす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
彼女が見ているものは、桃恵ちゃんそのものではないからだ。
思春期には与えられない、男の代用品。
望まぬまま踏み込み、かき分け、押し付けてくる無骨な手ではなく。
欲しい所にズバッとハマる、気持ちのいい夢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
それが身勝手な嘘であることを、死せる少女は自覚しない。二人の視線は重ならない。
少女であること、犠牲者であること、死人であることは、無条件に聖性を保証しないのだ。
それはあくまで、血に塗れた人間の残滓。
それを解りつつ、桃恵ちゃんは”桃太郎”になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
女と認められない自分に傷つきつつ、それでも傘を槍に変えて戦うのはなぜだろうか。
その一端も、ベールの向こう側、明らかにされていく。誰もが皆、見た目通りの子供ではないのだ。
王子様役、呪いの引き受け手…桃恵ちゃんもまた、キツいな…。
一方アイちゃんは霧深い森に逃げ、必死に双子を守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
やはりエッグの闘いは、当事者から遺品を受け取り、生者だけでなく死者もまた、致死性のトラウマに向き合うことが突破のカギっぽい。
サイリウム二刀流、確かに引き受けて掲げることで、霧は薄まり反撃が始まる。
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エッグの世界において、卵の少女たち(被保護者、犠牲者)は守られ圧殺された言葉を聞いてもらう対象であり、同時に闘いの趨勢を決定的に握る当事者でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
誰か別の死人を復活させるために戦う少女が、勝って現世に戻るためには、亡霊が共に戦う必要がある。
そこには不思議な双方呼応性がある。
のだが、結局武器を握って怪物を殺すのは生者の特権であり、勝ったからと言って死人は蘇らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
対称性と分断を、行ったり来たりする闘いはもう一つ、生死の境界もあやふやに揺るがす。
エッグの世界では死人と話せるし、そこで受けた傷は致命的に己を傷つける。あるいは鍛える。
大人に話せば妄想と、冷たく片付けられるだろう夢幻の闘いは、しかしあやふやに境界線を超え、子供たちしか知らない真実に接近する旅路でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
そんな世界の、どこに本当があるのか。
大事な人を取り戻すための闘いは、霧の中の自己探求でもあろう。
なお、ハッピーエンドは約束されていない。
背中を預けられる友達と出会って、霧を晴らす光を受け取ったとしても、それが生存を約束するわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
エッグがないモニターの向こう側で、様々に行われている青春闘争と同じ様に、死ぬ奴は死ぬし生きるやつは生きる…のだろう。
ドラマ的な盛り上がりとお約束が、無効化されるリアルな予感。
叶わぬことを願うが…さて、どうなることやら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
アイちゃんが反撃するのとシンクロして、桃恵ちゃんもまた、アジールを抜け出して薄汚れた戦場に踏み出す。
あまりにも身勝手な…目の前の存在が何を望んでいるか全く見ない、押しつけの論理(破綻)。
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王子様に守られるヒロインとして、車中に身を閉じ込めていた美和ちゃんはネクタイを解き、安全圏から身を乗り出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
双子もアイドルの楽曲(自分が生き、死ぬ理由)を突き出して、怪物への盾と使う。
戦士が必死に戦う姿を見て、亡霊は戦場の当事者として、もう一度立つ。今度は勝つために。
双子は”カラフル”を盾に逆転のチャンスを作り、美和ちゃんは桃恵の傘と電車、二重の盾から身を乗り出し、(クソ大人が求めるとおりの)誘惑を差し出すことで勝機を作る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
二つの場面で、亡霊たちが演じる仕事がディフェンダー/アタッカーと対象的なのは、なかなか面白い。
何しろ野島伸司なので、セックスの匂いは当然強く薫る。性犯罪者に貪られる美和の姿は、桃恵のトラウマを激しく抉る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
求められ、接近したその湿度と温度。勝手で暴力的なイメージで、自分を切りつけられる凶暴さ。
それが、彼女が闘う理由…の、少なくとも一つだ。
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桃恵は衝立めいた怪物の体の奥で、演じられるセクシャルな劇場を見ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
その内側を勝手に想像し、自分のトラウマを反射し、怒りに視線を鋭くする。
美和もまた、”桃太郎”くんに理想の男性を…勝手に触って、存在しない誘惑を糾弾し、自分を殺さない男を見出す。
視線はすれ違い、しかし死者の協力は確かな力に変わって、少女たちはなんとか勝つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
怪物を殺せば、現実世界のクズも消えるのだろうか?
アカが語っていたように、そこで突破されるのはあくまで死者のトラウマであり、現世には勝利の儚い幻が一瞬、浮かんで消えるだけかもしれない。
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それでも、少女たちはそれぞれの戦場で誰かの夢を背負い、闘い、勝つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
その歩みは個別でありながら、しっかりと重なっている。
第2話ではあくまでその輪郭(硬い殻)しか描かれなかった、運命的な共闘。
アイちゃんが、ねいるを信じようと思えた理由。
それが、今回孵化していく。
エッグの戦士たちはそれぞれ、立場も個性もバラバラでありつつ、死者蘇生という目的、そこに至る切実な純粋さが同じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
別々なのに重なっているのか、同じなのに解り合えないのか。
境目はあやふやに揺らぎ、共闘と友情が狭間を繋ぐ。それは泡沫の夢か、世界で唯一つの真実か。
怪物に都合のいい贄を演じることで、美和ちゃんは勝利の隙を作った。誰を誘惑し、誰を拒絶するかの決定権は、あくまで私にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
女の身勝手さ(と、蹂躙する側は定義してしまうもの)に裏切られて、怪物は死に少女は血に塗れる。
そして、リカも戻ってくる。
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夢の中なら不死身。死に至る傷も、時間が直してくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
そんな救いに辿り着く前に、世界と自分に潰された卵たちを、救うための闘争。
そこにはいつでも、寄り添ってくれる誰か、手を繋いでくれる誰かが必要だ。
アイはリカと手を繋ぎ、桃恵は孤独な勝利に身を預ける。
死闘を共有し生き残っても、美和は桃恵を見ないし桃恵は美和を見ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
身長差が生み出すギャップが、自分から逸らされてる視線を美和に教えないのは、優しさか欺瞞か。
列車の世界で、桃太郎は去りゆく回送列車…多分、大事な人を奪った凶器を見続けている。
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桃恵の無理解と孤独に対し、アイちゃんは双子にファンになってもらって、笑ってバイバイする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
石像のふくよかな腹に頬を寄せ、救済を祈るリカの姿も眼に捕らえている。
気付く。寄り添う。
やっぱそれが、アイちゃんの主人公特権なんだろうな。妖精眼(オッドアイ)の面目躍如、というか。
僕は双子がエッグの子供として、このタイミングで出てきたのはすごく良いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
死してなお己の自裁を軽やかに扱う彼女たちの決意は、しかしけして軽くない。
ジュニアアイドルとして、同じ戦場に立ってたリカはそう言い切る。
様々な子供が、それぞれの重石に引きずられ死地に落ちる。
そこに違いはあっても、多分軽重はない。死ぬものは、どれだけ自分の外側に理解されないとしても、それぞれ訳在って死ぬのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
死という絶対的(に見える)な殻を割って、その中にある生を見る。しかし卵を割れば、雛は孵らない。
そもそも、落ちて砕けた卵の夢だ。
それでも、煙のように立ち上る断末魔を聞き、自分を殺した怪物に勝たしてあげることには、意味があるように僕には思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
それは無条件の救済ではない。
美和ちゃんは、”桃太郎”を男と思ったまま、塵に帰っていったのだ。
すれ違ったままの勝利では、桃恵の孤独は癒やされない。
対して、アイちゃんはねいるの退院にぴったり寄り添う。夢の闘いは現実を侵食し、半病人は体操選手のような跳躍を見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
誰もお互いを見ないエレベーターの中で、ヒキに突き刺さる透明な世間。
ねいるは無愛想に、それを跳ね返し、アイに視線を向ける。
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二人の視線がまっすぐ重なるシーンは不思議に少ないが、アイもねいるもお互いをよく見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
すぐに許して、好きになっちゃう。
そんなアイちゃんの資質が、欠点ではなく救いなのだと、大人びた”社長”は微笑みながら言う。
ねいる、マジでアイちゃん好きすぎるな…素晴らしい。
痛みや寂しさに見て見ぬ振りをせず、思わず身を乗り出して手を差し伸べてしまう優しさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
小糸ちゃん相手に、それが上手く使えなかった後悔が、殻の内側で身を守るアイちゃんが誰かのため、優しく振る舞える理由なのだろうか。
それもあろうが、それだけではなかろう。元々優しい子なのだ…。
社会に出るまでの孵卵器たる学校から、逃げ出したアイ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
そこを飛び越えて、ビジネスの現場に身を置くねいる。
学校に行かない理由は別々でも、二人は寄り添って光の方へと進む。
桃恵は一人、影の中に身を投げる。向日葵は、まだ見えない。
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このまま出会わなければ、桃恵は救済される少女たちの身勝手な願いに切り刻まれて、影に食われていたのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
向日葵は太陽の方を向く。逆に言えば、向日葵が向く方向に太陽がある。
あなたは一人ではなく、その苦しみを私も理解る。
そう手を差し伸べることで、アイちゃんは少女を太陽に変える。
しかし向日葵は、太陽神アポロンにこがれ続けた海の精クリティが変じたものだとも言う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
皆が自分飲みたい輝きを誰かに投影し、その奥にある実相を見ないまますれ違う。
解り合うことは、とても難しい。解ってもらえ無さに苦しんだ挙げ句、死を選んだ後も続く。
そんなすれ違いを内包しながら、少女たちの戦いは続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
好きです。ずっと一緒にいたい。
他でもない”死”に身を投げて、虚しい煙と消えてしまう少女から託された祈りは、もう呪いでしかない。
線路に散らばる白百合は、リカの世界を埋め尽くすそれと同じく弔花だ。
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触れて、温もりを感じて、取り戻したいものを思い出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
それはすなわち、上手く繋がれないまま卵が割れた瞬間を、痛みとともに再生する行為でもある。
復活の奇跡は訪れないまま、心のなかで卵が割れる。溢れるのは、しっとりと濡れた情欲と鼓動。
受け止めきれない嫌悪感。
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求められるまま”男”を演じられなかった結果、友が線路に身を投げた後悔が、桃恵ちゃんに男の服装をさせているのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
しかしその殻は棘付きで、女の子でいたいと願う気持ちを傷つけ続けている。
助けるべき亡霊たちすら、王子の装いを望み、欲望を投げつける。
情け容赦なく騙してぶっ殺したクソ性犯罪者と、その犠牲者達が実は、同じ刃を構えていること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
誰にも見られない場所で涙を流しつつ、桃恵ちゃんは天使がどこにもいない事実を体現する。油断できねぇアニメだな、本当に。
天使なアイちゃんも、既に天使でいられねぇからヒキってるわけでね…。
同じベンチに座りつつ、ねいるとリカはトゲトゲ突っつき合い、バチバチ反発する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
その間に立つ桃恵は、二人とはまた別の軸で隔たれていて、間を繋ぐ仲立ちにはなれない。
リカが無邪気に突き刺す、『イケメンじゃ~ん!』という刃。ねいるが立てた鞄は、拒絶の具現か。
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僕らはリカちゃんの闘いと告白をもう見てるから、軽い態度の奥に何が在るか、何となく分かる(気になっている)。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
ねいるの拒絶も『キツすぎねぇかな…』と思ったりするが、まぁ世の中そんなもんである。誰もが、目に映る姿の奥を覗き込めるわけではない。
覗き込めば、また別の辛さが待っている。
それでも、鏡に映る孤影に涙する少女をほっておかず、『泣いてる女の子!』と真相を看破してしまうのが、この物語の主役である。褒め言葉が足らないと思って『モデルみたい!』いうのが可愛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
灯る光は、自分を分かってくれる誰かに出逢えた百恵ちゃんの、希望なのだろう。
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アイちゃんが泣いてる桃恵ちゃんを見つけことで、ねいるは彼女のそばに寄って、喉仏がない女の子の顔をようやく見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
お人好しで、優しすぎて、殻にこもるほどナイーブな救世主がいることで、混じり合わないはずの色が出会い、繋がっていく。笑っていく。
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それがサイダーの泡のように、儚く弾けていく泡沫ではないことを祈る。彼女たちを照らし、闇を跳ね除ける強い明かりが、嘘ではないことを。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
実際、誰も欠けることなく願いを完遂しきり、あるいは自分たちを騙す悪辣なシステムすらも乗り越えて、行きて生きて生き抜いて欲しい。いや無理かなぁ…。
アイちゃんはそのオッドアイで、他人が気づかないものを見つける。ただ見るだけでなく、間に入り手を差し伸べて、発見した真実を広げていく力がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
それは今、殻の中の妄想でしか機能していない。夢から覚めれば、ただの引きこもりだ。
しかし夢で繋いだ絆は、あるいは手に入れた深い傷は現実になる
アイちゃんがひよこと向日葵を焼き付けたパーカーを着て、殻の外側に出たいと心のどこかで願うのならば、それが叶って欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
小糸ちゃんを殺してしまった世界と自分を、ちょっとでも良くしたいという願いが叶って欲しい。
そしてそれは、既に友情として孵っている。
出会った四人がどこに流れていくとしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
エッグにまつわる闘争が、残酷なリアルを幾度付きつけるとしても。
儚く灯ったこの笑いは、嘘ではない。嘘であってはいけないし、嘘にしてはいけないのだ。
それでも、人は分かり合えぬまますれ違い、孤独な殻に帰還していく。我々は誰も生まれていない。
怪物たちが大人の皮着て、子供を食い散らかしながら闊歩する。そんな世界に少しでも、人と生まれるための闘いは続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月2日
優しさ、痛み、性と自己像。
柔らかく湿った場所に触れつつ、友情を武器に変えて、出逢った四人は歩いていく。
待つのは愛か、死か。そのアマルガムたる現実か。
次回も楽しみです。
追記 なりたい私、求められる私、果たせなかった理想像。全てはすれ違いながら擦れ、私達は夢の中なら無敵。夢の中……だけは?
ワンエグ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月3日
桃恵ちゃんが喉仏という、男性性(に惹かれる、自分の中の女性性)の話題に必死に飛びついて、がっつく感じが可笑しく、また切なかった。
彼女は自分が女であることを、凄く切実に世に訴え、認めて欲しい。
しかし死者たちは皆、彼女の/である女を求めない。
そんな桃恵が『泣いている女の子』でしかない自分を見つけてくれたアイに惹かれていくのは当然だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月3日
その上で、彼女の姓は”沢木”である。
爽やかな外装の奥にネトついた”男”を漂わせて、アイちゃんの家と小糸ちゃんの思い出にちらつく、担任の妹。
多分桃恵ちゃんが”女”であることも、”沢木”であることも一筋縄には解決しないだろうし、様々な形で引っかかって、少女たちの魂に擦過傷を生むだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月3日
それが取り返しのつかない致命打になってしまう世界に彼女たちはいて、それを取り戻すためにエッグを抱えて闘っている。
願わくば彼女たちが、自分がどんな存在で、どういう闘い方で世界と向き合って、生き延び生き続ける術を身につけ年経て欲しいと思うが、それは相当に値段が高かろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月3日
この作品が描くように、多分大人になれることは当たり前ではないのだ。それは常に、精神と肉体の血で真っ赤である。