※訂正
アダムの魔技は”ラブハック”ではなく”ラブハッグ”でした。
愛抱夢だから、そらHugだよな……訂正いたします。
SK∞ エスケーエイトを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
魔技・ラブハックを受け、レキはアダムとのビーフに破れた。
ランガは待ち受ける決戦に、危機感以上の何かを感じ取る。
先人の教え、友との絆。
その輝きより胸を熱くするものが、ランガの心中に燃える。
ランガ、君は怪物に惹かれているのか!?
そんな感じのVSアダム第二弾(水入り)、SK∞第5話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
前回はレキの陽性の輝きを跳ね除ける、アダムの怪物性が目立つ回であったが、今回はランガの才能と呼応することで、彼の渇望と異才が際立った。
ド変態で最悪の大人…になりきれない子供なのだが、どこか純粋に愛を求めてもいる。
圧巻の五十嵐コンテで冴えまくる魔技作画に支えられ、否定したくても出来ない技の冴え。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
レキでは拒絶も呼応も出来なかった、トップクラスの競技者だけが響き合う才能。
気持ち悪さと悪辣に、入り交じる奇妙な切実さ。
不敵に笑うラスボスが、なんだか好きになってきてしまう回であった。
このアニメがホビーアニメ的なのは、濃口のキャラ立てやぶっ飛んだ設定、全てをスケボーで決着する”S”の異界性だけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
スケートボードというツールが、最高に楽しい瞬間、仲間と繋がれるメディア、自分のあり方を探す子供にとって、特別な存在だと称揚し続けていることが、自分の中では大きい。
スケボーはミヤを孤独にし、本物の仲間と出会わせた。父を失ったランガに笑顔を与え、秘めた才能を引き出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
彼らはスケボーを遊ぶことで繋がり、思いやり、本気で挑む。子供たちは楽しみながら強くなり、大切なものを理解していく。
彼らの青春にボードは優しく寄り添ってくれる。かけがえない仲間だ
分別ある大人から見れば”おもちゃ”かもしれないが、俺達は本気でやってる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
スケートボードという、オリンピック競技にまで上り詰めた趣味は未だ世間の偏見を受け、同時にカウンターカルチャーとしての鼻っ柱の強さを維持している。
活力に満ちた、若いホビー&スポーツだ。
レキはその”ホビー”としての側面を体現し、『スケボーは最高に楽しい!』と言い続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
他人を思いやり、楽しみ、手を差し伸べる。
そういう人間としての根元的な強さと優しさを生かして、色んな人々の懐に滑り込む。
そんな彼の相棒としてボードは手塩にかけて設計され、楽しみを共有する助けになる
ボードというアイテム、スケボーという趣味が非常に特別で、大事なものを教え守り繋げてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
ホビーに打ち込むことが、子供たちが人間として立つ柱を支えてくれる。
そういう唯一絶対の特別性が”スケボー”にあることが、この作品のホビーアニメ感を強めているように思う。
同時にスケートボードはトリックの極限に挑む競技でもあり、レキはそちら側の主人公ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
凡庸な経験者であるレキを一足飛びに超えて、キャスパースライドを身に着けたランガが、”競技としてのスケボー”に向き合う、もうひとりの主役である。
そこでは、優れた人格は必ずしも必要とされない。
ただ強く、ただ早く、ただ激しく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
それだけを求めるからこそ圧倒的で、厳しく才覚を問われる領域にレキは入り込めない。ランガが胸に抱えている氷を溶かすだけの資格が(現状)ない。
ランガは競技としてのスケボーに強く惹かれ、自分と対等以上にせめぎ合ってくれるダンスパートナーを求める。
それがアダムであってレキではないことを、今回のビーフは強調する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
他人の将来を潰して遊ぶヤバさを、レキはまっとうで敏感な感性で感じ取り、関わらないよう忠言する。
しかしランガは、そういう普通の感覚をフワリと飛び越えて、圧倒的な高揚に惹き付けられていく。
無論スケボーは競技であると同時に趣味で、(レキが既に述べているように)楽しいことは決定的に大事だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
それと同じ様に、趣味であると同時に競技でもあって、ランガが惹かれるトリックの鋭さ、アダムが振り回す凶暴な才覚もまた、要素の一つとして否定されるべきではない。強いこともまたスケボーだ
赤と青の主人公、二人が背負うスケートボードの二つの顔。相反し、しかし融和しなければ真実とは言えない矛盾。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
レキと楽しくスケボーする中では満たされなかったものが、アダムと高みを共有する中疼くランガの姿は、そんな作品の背骨をよく見せる。
レキでは差し出せないものを、アダムは持つのだ。
抑圧を打ち破り自由でいられる瞬間を、強く求める奇妙な純粋さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
アダムも”スケボー”で楽しんでいて、しかしその喜びは独りよがりだ。レキとは違う。
その扉をこじ開けて、双方向的な対話に変えるためには才能がいる。レキでは出来ない。
彼が強制的に踊らされたダンスを、ランガは乗りこなす。
自分は対等な存在として目の前にいることを、超越的な才能で証明してみせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
対等な志と技を持つからこそ、才が生み出す孤独を超えていける。スケボーは、その助けになる。
そう言う物語は、既にミヤを主役に描かれている。
アダムもまた、望まぬまま勇者に…悪魔になった子供ではないか。
ならばレキがランガにそうしたように、最高のホビーでありスポーツでもあるスケボーを通じて、その寂しさを受け止める必要もあるのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
そんな未来を、青い主役、競技の主役が敵役に共鳴する展開からは感じた。
他人を踏みにじり、そうすることでしか自由を得れない怪物も誰かを求めている。
ひねくれた根性が求めるパートナーの基準は厳しく、昔の仲間も拒絶してしまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
瞳を開けさせるためには、悪魔に並ぶ天使の技が絶対に必要になる。
それは、レキの公平な正しさではすくいきれない。
ガムシャラで、身勝手で、他人お構いなしに暴れまわるからこそ、届く高みがある。
そんな、スケボーもう一つの顔を見せるのがランガの仕事なのかなー、などとも思う回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
この身勝手な才覚と、豊かな人格の対立・対話・融和、それを通じての成長は、”Free!”の再話という感じもあり、個人的には感慨深い。
今度は、どのように競技と情熱を語るのだろうか。楽しみだ。
前置き(あるいは本論)が長くなったが、実際のエピソードを見ていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
血みどろの決着はなんとか全治二週間で収まり、レキは仲間を心配させないよう笑顔を作る。
いい子だよぉ本当…露骨に安心してるその白塗り、アンタもだよッ!
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ミヤきゅんのツンデレ芸にホッコリしつつも、ランガはアダムとのビーフに不安以外のものを感じている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
間近に競い、壊されたからこそ判るアダムのヤバさ。
”マトモ”なレキはそれに…友達がもう一回壊れる未来に怯えるが、ランガは強敵と対等に競う未来に胸が躍る。
ヒリつくような極限でしか味わえない、魂の充足。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
どこか欠けた所があると、空気読めずにツンデレバラしちゃう様子で描かれているランガが、真実求めるもの。
それが(少なくとも今の)レキには差し出せないことを、今回のエピソードは丁寧に積み上げていく。
レキは悪夢から、自分ではなく戦いに挑む友の名を叫びながら目覚める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
一度失ったからこそ、二度と失いたくない。
そんな弱さが体に満ちて、水筒の蓋も開けられない現状を、ランガはその手でしっかり助けてくれる。こういう描写の強さだよなぁ…、
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しかし歪んだ鏡に反射する思いはランガに届ききらず、レキの心配ではなくアダムとのビーフを彼は咀嚼していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
レキに比べ言語化・共有化能力が低めなランガは、自分の胸の中にあるものが何なのか、見つけて届けることが難しい。
ただ、”やる”という結果だけが浮き上がってしまう。
レキと出会い始めたスケボーが、繋いだ友情がかけがえない宝なのは、ランガにとって事実だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
アダムの凶暴な走りは、それを傷つける。でも同時に惹かれもする。
それが自分のどんな場所から生まれているかを、ランガはまだ見つけていない。だから、鮮明には描かれない。
この不器用さが親友との間に溝を作り、離別を生むのだろうな…という予測は、今回に漂う不穏な噛み合わなさから読める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
同時に一度離れ思いを確かめることで、楽しさと強さが融和した結末へと、二人の主人公が進んでいくのだろうな、という期待も高まる。
矛盾と昇華、お話に大事なことね。
レキはダチのために走り回り、様々な人に頭を下げる。他人を頼ることを知っている賢さと強さが、とても眩しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
一方アダムは議員バッチを輝かせつつ、少年のような笑顔で”デート”を楽しみにする。
脂ぎった議員が持ち出す、大人の楽しみなんかではなく。
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求めて出逢うことのなかった本物の才能…対等なパートナーと踊ることが、愛之助の瞳を輝かせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
ピュアではあるのだ…だから困るけど。
一方ランガは、レキに頼まれ差し出された店長の気遣いを、『遅くなるから』と跳ね除ける。
『止めろ』とすら言われていない、安全のための当然の優しさ。
そこに込められたものより、疾走がもたらす興奮を重視してしまう危うさを、ランガはやっぱり持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
この気質は、『空気読めない天然』つうキャラ記号より、もうちょいシリアスでナイーブなものかな、と思う。
炎の色をしたレキに比べて、人間の体温を感じにくい氷の少年。
だからこそ、アダムと駆けることで生まれる熱量に惹かれるのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
レキが大切に差し出してくれる温もりで救われつつも、どうしても紙一枚突破しきれない、充足への飢え。
それを判ってくれるのは、愛に餓えた孤独な獣だけなのかも知れない…アダムを判るのも、ランガだけってことかな。
悩めるレキはなりふり構わず、”S”の掟すら踏み越えてチェリーに助けを求める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
ここでも、すがるのはあくまで親友のためである。他人の問題を、徹底的に自分にひきつけて走り回れるのは、マジで偉いよレキくん…。
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AI書道家が揮毫していた”悔悟奮發”は、自分が負けてランガを危険なビーフに引きずり込んでしまったレキの後悔、その裏に滲む過去の経験を射抜いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
同時にチェリーが(おそらく、レキ達と同じ年頃に)アダムと離れてしまった痛みを、強く滲ませてもいる。
自分たちが生み出してしまった怪物を、かつての親友を、自分たちの手で倒す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
そのための布石として子供を利用するズルさが、悪徳を滲ませる紫の影として、チェリーの顔にかかる。
表情自体は曇りつつ、影一つ無いランガの真っ直ぐさとは対照的だ。
レキが思い悩む裏で、ランガもまた迷っていた。答えを返してくれない獣の代わりに、店の入口に立つ影。広海ちゃん、その格好で街歩いてんの?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
レキが面倒を見るより早く、ランガは自分の足で、勝手に上手くなっていく。その自由な飛翔に、レキは取り残される。
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自分では育てられなかった微かなキッカケを、圧倒的なトリックとしてすぐさま形にできる才能の差。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
前回ミヤと特訓していた描写が、ここに来て二人の断絶を際立たせる運びに思わず唸るが、そう言うものは確かにそこにある。
断絶を超えて手を差し伸べられるレキの資質と、同じ様に。
誰かに音頭を取られるわけではなく、それぞれ相手を思い身勝手に振る舞って、生まれていく連帯。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
料理人としての真剣な表情を見せる、ジョーの店に集ってくる”S”の戦士たちは、仲良しで可愛い。シャドウさん…外食といえばラーメンな24才…。
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ジョーとチェリーが師匠ポジションに収まる今回、ボーダーとしてだけでなく、職業人としての彼らも描かれる。(これは議事堂でのアダムも同じ)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
彼らは子供時代の輝きと傷を抱えつつ、自分の仕事と経験をしっかり手に入れた大人である。公私のバランスをしっかり取って、楽しく正しく遊ぶ。
そんな大人に導かれる形で、魔技・ラブハックの仕掛けも判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
子供たちが考えても解けなかった問題を、スルリと実践してみせる大人二人の頼もしさが、よく際立つシーンである。
『わかりゃ楽勝だな!』と強がるレキに、拳寸止めで難しさを見せるジョーが良い。
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魔法にしか見えなかったトリックが”スケボー”の範囲で、しかし人間業を超えた絶技であると解らせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
凡人であるレキが飲み込まれた反射を、瞬間のひらめきで飛び越えていくランガを際立たせる意味でも、ジョーの店でのやり取りは重要である。
あくまで、アダムの技量は圧倒的で揺るがない。
種が割れても恐ろしいし、しかし知恵を集めて対抗できないわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
ここで授けられた対抗策を、ランガは飛び越えて勝手に勝負を仕掛けることになるが、この展開もまた、ランガの胸に燃える才能と空疎を強調することになる。
他人が与えてくれる温もりより、己の心に宿る炎を優先してしまう。
それが冷淡な欠落なのか、高みを目指す上で必要な情熱なのか、入り混じって見えるよう描いているのが巧いところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
アダムとランガの共鳴を通じて、完璧に見えるレキに欠けているものが、うっすら見えても来る。
友情と優しさだけでは超えられないものを、このアニメは書きたいのだと思う。
だからこそ、年齢を超えて繋がる友情が生まれる瞬間、年少者の可愛げと年上の頼りがいは、しっかり描いたほうが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
いつもイチャイチャ喧嘩してる以上の輝きが、チェリーとジョーに宿る良い運びだと思う。
ホント毎回イチャイチャしとるからね、この二人は…。
決戦に向けて、闇の中語られるレキの心中。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
失ってしまったモノ、もう失えないモノを心から絞り出す時、拳に宿る震え。
それでも、言葉には出来ないけど飛びたいと願う自分を信じて、ランガは約束を返す。
お前を、絶対一人にはさせない。
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/zyIqALaSrQ
ここでそれぞれの拳に籠もるものが、ぐっと伝わる演出がマジ”強い”けども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
レキが第3話でミヤに差し出したものを、強く正しいお兄ちゃんではいられない子供の顔をさらけ出したレキに、ランガが返してやる流れが凄く良いんですよね。
ランガだって、本当に優しい子供なのだ。
レキがなかなか言い出せなかった過去を差し出すシーンは、第2話でオズオズとランガの過去に踏み込み、喪失を受け止めた場面とも重なっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
主客を入れ替えながら、交換される弱さと強さ。
お互い支え合いながら、楽しさと絆を手に入れていく確かさ。
それは、絶対に間違いじゃない。
でもそれだけでは追いつけないものを、ランガの才能と孤独は求めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
お互い真っ直ぐに視線を交えつつ、どこか通じ合わないものに震える若人の瞳。
愛之助と秘書さんの、混じり合わない視線。
もう帰ってこない、でも確かにそこにあるもの。
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/f4UV1jaFuB
夜闇は静かに、様々な思いを切り取っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
名前もモロに”忠”な秘書さんとアダムのすれ違いは、なかなかに痛ましい。
レキとランガに予兆されているものが、愛之助と忠の間には既に硬い壁としてそそり立ってる感じ。
気づきなよ…アンタが求めるものは天じゃなく、足元と背中に既にあることにッ!
前回描かれた家庭環境から見ると、アダムの両親も他界してんのかな、って感じではあるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
自分を見守ってくれる”父なる神”の不在が、二人の天才を結びつけるポイントになるのかなー、という感じもある。
愛抱夢という名前は現状、”愛で抱き潰す悪夢”としか見えない。
だがもし彼の中に(ランガと共通する)欠落があるのなら、その名は”愛に抱きしめられるという、叶わない夢”にもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
愛を悪用する大人と、愛に包まれる子供。
その両面を持つアダムは、ただスケボーの業前だけでランガと共鳴してるわけではない…かもしれない。解かんね~。
かくして迎えた、決戦の瞬間。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
レッドカーペットに赤い薔薇、芝居っ気たっぷりに”アダム”を演出する振る舞いを、ランガは拒絶しない。薔薇も受け取る。
レキが背負いきれなかった、アダムと踊れるパートナーの立ち位置を、ランガは不敵に天然にこなしていく。
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/bK4YT2DgFu
前回アダムは、大人の悪徳を演じるようにタバコの薀蓄を語り、レキのスタートを見逃した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
力を濫用し、勝手に振る舞うことこそが強者の義務なのだと言わんばかりに。
レキはそれに押し出されるようにスタートしてしまったが、ランガは悠然と対等のスタートを待つ。
後のビーフで一番鮮明に示されるが、ランガは殆どのキャラに(後視聴者に)理解されないアダムを唯一受け止め、対等に踊ろうと務める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
それは自分の楽しさに繋がった勝手なエゴだが、アダムにとっては待ち望んだ救いでもある。
レキが差し出す公平な優しさとは、少し違う救済。
そういう可能性を自分が秘めていることに、ランガは当然気づかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
視野が狭く、他人のことも自分のこともよくわからないのに、衝動だけが鮮烈に胸の中吠える。
そういう少年だけが到達できる高み、救える孤独というのも、あるのかもしれない。
その助けに、スケボーはなるのか。
タバコを口から離し、対等のポジションからリスタートするビーフ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
チェリーが授けた必勝法を、ランガは自分の意志で飛び越えて勝負に行く。
もっと、心躍る熱い場所へ。
そんな挑戦者の腰を取り、アダムは板上のタンゴを踊りだす。す、凄いけど凄くキモいよー!
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/psppyoAvIE
社交ダンスの達人はド素人すら”踊らせる”というが、重心と関節の駆動範囲を知り尽くすアダムの仕掛けは、ランガを望まぬダンスに誘う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
ここら辺、良家の子女として半ば強制的に身についた、教養のバックボーンが生み出す魔技なんだろうな。ランガにとってのスノボー、か。
この翻弄に前回、レキは一切抵抗できなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
大人が押し付ける暴力とエロティックを跳ね除けられない、子供の無力。
そこに陥るしか無いのが凡才の限界だが、ランガの身勝手な才能は、そういうエゴをぶち破る。
速度に怯えるのではなく、むしろ加速し制御を奪う。
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/0LBtb03NRc
悪魔のメリーゴーランドの中で不敵に笑い、むしろこちらから抱きしめることで突破口を開く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
ただされるがままのダンスパートナー、殺されるだけの弱い牛ではなく、対等に勝負を挑んでくる強敵。
情熱のマタドールは、自分の予想を超える才能に狂喜する。
この土壇場での微笑みがレキにはなく、ランガにはあるものだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
ぶっ潰されるギリギリで、なお”楽しい”と思えるヤバさだけが、最強のトリックを新たに生み出すのなら、天才二人の狂ったタンゴもまた”スケボー”だろう。
それは危うく、魅力的で、嘘がない。天才だけの領域だ。
そこでなら悪魔の牙が届かない、絶対の安全圏。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
皆で見つけた勝負どころで、アダムはまさかのラブハックを仕掛ける。また勃起してる…。
ここの想定の上回り方、底しれぬ怪物感の出し方は超最高であった。
ラスボスの魅せ方、こうでなくっちゃな…。
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/2UwAyt4MQA
コーナリングの真っ最中でも、正確に相手の正面を捉える規格外の技量。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
死に至る抱擁を押し付けようと迫る仮面のド変態を前に、少年はあえて前に進み、飛ぶ。
ここでも、他の連中が出した『下がる』という解決策を一人拒絶し、ランガはアダムに近い方へと身を投げる。
お前の勝手な暴力を、受け止め上回ってやる。だって、そのほうが気持ちいいからな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
もはやセクシュアルな薫香すら漂わせながら、濃厚に交流するお互いの魂。
アダムは翻弄される犠牲者ではなく、自分を上回る天使を、対等に踊れる相手を求めていた。それが、今目の前にある。
ランガの飛翔に目を奪われるのは、第1話ラストのレキと同じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
他人のために本気で怒れる子供と、他人を食い物にする大人。正反対に見えても、同じ男に惹かれ、空を舞う美しい自由に目を奪われるのは同じだ。
そして、ランガもまたレキの飛翔に魂を奪われ、スケボーを始めた。
敵味方、大人と子供、あるいは国籍。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
そういうものを軽やかに飛び越え、とても純粋な輝きを届けてくれる触媒としての”スケボー”は、今回も元気である。
その輝きを浴びることで、アダムは初めて仮面を外す。
日常付けているいい子の顔の、さらに奥にある闘牛士の仮面
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/BqgyRX1YtR
それすらブチ壊して、裸の自分と向き合ってくれるイブを求めて、獣が猛追を始める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
顔のない観衆をコーナリングの道具に使い潰し、荒々しく瞳を輝かせて、伴侶を求める怪物。
神に祝福されて生まれたアダムっつうより、フランケンシュタインの怪物っぽいんだよな…教養もあるし。
遊びと余裕を捨て、ガムシャラの剥き出しで追い縋る天才に共鳴し、二人の走りは加速していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
胸を抉る疼き、レキと走っていたときは感じなかった乾き。
伴侶を求める想いは、ランガもまた同じである。完全にニュータイプだコレ…。
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/06gm1JUbKH
レキがあんだけ止めたビーフを通じて、ランガはアダムに惹かれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
無法地帯である”S”にすら存在する仁義を、身勝手に踏みにじるヤベェ奴。
周りの仲間が皆距離を取るアダムに、しかしランガの心はどうしても響き合ってしまう。
それは言葉にはならない、正しくもない、激しい衝動。
愛よりも熱く恋よりも激しい疾走は、しかし突然水入りになる。誰が通報したかは、今後生きてきそうな伏線だねぇ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
アダムとランガは、それぞれを受け止めてくれるものの背にのって”S”を後にしていく。
アダムが身を寄せる黒塗りの車に、漂う不透明な闇。
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/kj4Dcy2ceY
それを切り裂くパトカーの光はあまりに強すぎ、欄が羽目を閉じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
そこに想いを炸裂させて切り込むレキは、眩しすぎず暗すぎず、正しい光量でランガを照らす。
このバランスの良さは、やっぱりレキの美質だよなぁ…ランガは一人だと、闇に迷っちゃう子なんだろうな。
議員の権力を不当にぶん回し、楽しい遊び場を守ろうとするアダム。その視線は、隣り合うものを見ていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
怪物と触れ合う未来を表向き拒んだ二人は、しかし闇の中にいる。
お互い近くにいて、かけがえなく手を伸ばしているのに、どうしても伝わらないもの。
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/OTEMy0nxrG
楽しさと激しさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
二人が見つめるものは繋がりつつも相反し、約束には危うさが滲む。
あんなヤバい奴とは、もう逢うな。
うん、とうなずいた胸の奥で、ズキズキと疼くのは痛みか、熱か。
描写が完全に三角関係ロマンスで、非常に良い。刻まれる感情の色合いが、濃厚で熱い。
この微かな不協和が、いったいどんな実をつけていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
思わずベートーヴェンの五番が鳴り響くほどに、”運命”だったアダムとの出会いは、ランガを乱し変えていくだろう。
そんな親友に、追いつけず差し出せないモノをレキは、どう掴んでいくのか。
風雲は急を告げ、ボードが繋ぐ青春は続く。
そんな感じの、第一部完ッ! って感じのエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
ここまでレキを最高の人格者として描ききり、共感を引き寄せたところで、描く競技としての”スケボー”。
優しく楽しい主人公が、もう一人の主役にどうしても差し出せないもの。
それを持ってる、ヤバくて強くて寂しい男。
そういうモノが、最高のトリック作画と冴え渡る演出に支えられ、バチバチの火花を散らしていました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
ランガの胸に生まれる高鳴りも、最悪だけど最高なアダムの滑りも、作画よくないと絶対刺さらんからな。
自分たちの筆力を信じ、絵に喋らせる選択をしたアニメだ。力強い。
魔王アダムに立ち向かう形で、主人公パーティー結成という気配もある今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
大人たちの過去、軋む不協和、唸る青春可愛いボーイ。
面白さがどんどん増え、深まり、一体何が飛び出すか。期待は高まる一方です。
そして次は温泉ッ! 多分絶対、肌色サービス満点だよッ!
紘子はやる。次回も楽しみ。
追記 やっぱ『で、出た! アダムのラブハックだ!!!』って驚く瞬間、最高に気持ちいいもんな……ケレンは大事で、それを適切に乗りこなすのはもっと大事。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月7日
アダムのラブハック、ランガの天使の飛翔。
分かりやすくハッタリの効いた大技が、勝負の決め所で気持ちよく出てくるのも、このアニメのいいところだと思う。
適切に漫画っぽくて、適切にリアル。
このバランス感覚が全領域でブレないの、本当に凄いわ。