ウマ娘 プリティーダービー Season2を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
伝説の春天三連覇に向け、堂々復帰を果たしたメジロマックイーン。
その背中を追う最大のライバルは、瞳を涙に濡らしレースに背を向けた。
ライスシャワー。
祝福の名を持ち、黒い刺客と恐れられたウマ娘。
望まれぬ勝利の果てに待つのは、諦めか決意か!
そんな感じの春天直前! 待ってましたのライスシャワー回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
華やかに勝利を期待され、それに応える者。
夢を追い、叶えられなかった挫折に苦しみ、ふたたび立ち上がる者。
今まで書いてきた明暗の奇跡に、勝ってなお深い陰りを、それを超える決意を添える、見事なエピソードだった。
勝敗にも様々な色があり、ウマ娘にも色々いる。勝つ馬、負ける馬、それぞれにドラマがあり、全てが一様ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
そんな競馬の面白さに、敬意を込めての”全員主役”。
それが題目にならないからこそ、主役が負ける話も、敵役が勝つ話も、輝いて胸に届く。
二期で更に鮮明になった強みが、今回も弾む。
競馬は金銭が絡むギャンブルでもあるので、ネットリと重く黒い情念もまた、レースに絡む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
ウマ娘はそこんところ、うまく距離を取ってスポ根ファンタジーに仕上げているわけだが、ライスを巡る物語はそういうモノに、強く接近して描くこととなった。
勝ちに貴賤の上下なし。理屈の上ではそうだけど…
王道を疾駆するヒーローを、横から刺す黒い刺客。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
そんなイメージにどれだけ勝者が傷つき、観衆がため息を付いたのか。
そんな史実を抑えつつも、一人の少女として、競技者として、生物として当然の哀しみと祈りに向き合い、しっかり答えを出すエピソードであった。
物語は王者の帰還から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
雨中の大阪杯、圧倒的なパフォーマンスで激勝したマックイーンに、迫る春天三連覇の期待。
その最大のライバルと目される少女は、見えない影に怯え、小さな体を更に小さくしていた。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/u4FVk4yEWW
持ち前の負けん気を取り戻し、マックとの再戦を心待ちにするテイオー。それを微笑んで見守るトレーナーさんの描写が、先週の物語が何処にたどり着いたか教えてくれて、大変良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
苦境から友情を支えに立ち上がった物語は、主役を変えて今回も続く。
ドヤガオタンホイザ(可愛い)を始め、無数のライバルたちが集う運命の決戦。ぶっ潰れてる姿すら可愛いのは、ウマ娘のズルいところだよな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
それを取り巻く世論は、ライスシャワーに悪役を押し付ける。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/wVJq8Wwdg6
前回テイオーが苦しんだ、周囲の期待…それに応えられない自分の姿。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
ライスの場合は光と闇が逆転し、『勝つことを望まれていないウマ娘』の苦しさが、表に出てくる。
名前テロップも全然出ない黒子役だったのに、大記録の夢を横から潰すなんて…空気読め!
天下のアイドルホース・トウカイテイオーを主役に据えた二期だからこそ、その陰画となるライスシャワーの影は色濃く、鮮明だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
走る自分が、見る観衆が託す様々な夢。
その光と影に瞬きながら、駿馬はターフを駆け抜けていく。そこでは、筋書きのある物語が波乱なく流れていくわけではない。
それでも、傷一つない完璧をこそ夢見てしまう宿命、それが砕かれた時の苦しみは、前回トウカイテイオーを主役に刻まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
どんなときでも王道踏破。
マックらしい向き合い方は、スルリと躱され影に潜む。お耳可愛いッ!(発作)
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/AbO2XM392B
祝福を名にし負えど、自分の勝利は望まれていなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
有象無象が胸に抱く奇跡の物語を、壊してしまった失望に包囲され、ライスは走るのが怖くなる。
誰にも望まれていないと強く思い込み、本能に蓋をする。
勝ってなお、走りから背を向ける。そういう迷路もあるのだ。
ライバル不在にため息一つ、マックのためにリーダーが立つ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
ここで迷わず前に出て、友のために強敵を引き込むテイオーの素直な輝きが、あまりにも眩しい。
迷いなく正しいことが出来る率直さは、まさにアイドルだよなぁ…。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/LxDMPa0ycL
その詰め寄り方は、まぁスピカらしいトンチキ全開なんだけどさ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
どうやっても重いテーマを扱う今回、どんよりした空気をコメディで上手く抜いて、テンポよく状況を進めていく筆が大変元気だった。
笑いが上品で力強いと、こういう使い方もできる。強いなぁ…。
下げ調子一本で話をまとめずに、要所要所でどうしても笑っちゃう可愛いネタを出してくることで、『迷いも哀しみもあくまで途中経過、最後は必ずハッピーエンド!』という気持ちにもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
この後も艱難辛苦が待ち構える物語が、史実を見るだに確定してるこのアニメ。そういうの大事よね。
あとまぁ、ギャグやってる時のウマ娘はほんと可愛い。いつも可愛いけど、おバカぶん回している時は特に可愛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
主人公の重責から開放され、完全にコミックリリーフ担当になったスペちゃんの、訳解んない説得とか素晴らしかった。マジで米のことしか考えてない。
というわけで久々のスピカ拉致を炸裂させ、出走拒否の理由を聞く流れに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
幸福を祝い、笑顔を振りまくライスシャワー。
勝利が栄光と喝采を連れてくるウマ娘の王道を、確かに歩んでいたはずの少女はしかし、気付けば”刺客”とっ呼ばれた
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/llxrAv6XNM
誰かを笑顔にするような、自分も心から笑えるような。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
そんなレースを求めていたからこそ、悪役扱いはキツい。
勝利に叩きつけられるのは歓声ではなくため息で、誰の笑顔も生まれない。
ウマが背負い、人が期待する物語と、現実が噛み合わなかった悲劇。
それに苦しんだ少女は、悪役を舞台から退場させることで皆の笑顔を守ろうとした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
後ろ手に縛られたまま、ツツツーっと扉を開けて去っていく。凄くシリアスで重たい心情を語ってるのに、ここで思わず笑っちゃってズルかった。
でも、茶化しやダイナシにはならんのよね…絶妙なバランス感覚。
『レースから逃げるのは、ウマ娘のあるべき姿ではない』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
ライスの心情を受けて、マックは一見厳しい言葉を返す。しかしその思いはガラスに反射し、しっかりテイオーに届いている。
響き合う心と心。それは”無敗三冠”を追った同志とも…
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/3WHr54qS38
見果てぬ夢を追い、破れてなお空を見上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
ブルボンとテイオーの思いが共鳴する青空のシーンは、春風も爽やかでとても良い。
先週砕けた夢を超えていくのにどれだけ苦労したか、テイオー主役で描いたからこそ、描かれなくともブルボンが、同じような道を歩いたことも伝わってくる。
コミカルな笑いも交えつつ、思いと思いが通じる瞬間、それを掴み取るまでの険しい道を詩情豊かに描けているのは、このアニメの強さだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
真っ直ぐど真ん中を射抜く場面が、非常に鋭く力強いんだよな。毎回毎回緩みなく、王道の中の王道を描ききってるのは、本当に凄い。
というわけで、心通い合う感動の前には、ダイナシ感満載の正面衝突を描くッ! おてて突き出して走るライス可愛いッ!!(発作)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
ここでは脳筋ギャグでしか無い『四の五の言わずに走りなさい!』が、二度目に刺さる構成巧いよなぁ…。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/Q3DfEGtYsL
可愛らしい追いかけっこを描きつつ、ステイヤーとして抜群の資質を持つライスの実力を、地味に書いてる所とか感心するけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
逃げ出した先で突き刺さる、いくつもの声。
激闘を共にしたライバルが、”刺客”を評する言葉。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/cabvFDii0E
センターを勝者として堂々飾る自分よりも、夢破れたヒーローにかけられた声援。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
様々な声が、ライスを苛む。
それは色んな人に祝福を与えるべく、しっかり耳を立てているから聞こえてしまう声だ。
自分を認め求めるライバルよりも、輝く物語を待ち構える大衆の声を、先に聞いてしまう。
それでも、共に競う強敵たちは爽やかに、ライスの走りを認め、求めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
幾度挑んでも追いつけないライバルに、静かな情念を燃やすタンホイザが良かった。
彼女も、本能に勝利を刻まれたウマ娘。鼻血芸で笑いを取るだけの、道化ではないのだ。
こういう”意地”見れるシーン、やっぱ好きだな。
自分を取り巻く闇にかがみ込んだライスに、二人がようやく追いつく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
沈む夕日は追うものの側に、伸びる陰りは逃げる側に。明暗の配置が、少女たちの心境を上手くあぶり出す。
自分が消えれば、祝福が生まれる。皆が笑顔になる。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/50nIaoK2nh
それなのに、何故走れと望むのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
自分を探し追いついてくれた友を向き、本心を吐き出すことでようやく、ライスは光に目を向ける。
そこにいるのは、自分が負かした”元・無敗のウマ娘”。
世論が何を言おうと、そこには強い憧れが輝いていた。
勝敗を越えて、胸を焼く熱い炎。駆け抜ける一陣の風。
ブルボンもまた、長く苦しい道を歩いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
再び走るための支えは、不器用なマスターから捧げられた華と、ライバルの活躍。
いつか肩を並べ、その背中にもう一度追いつく。
その思いが、獣道を踏みしめる支えになる。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/yXyotC28Qq
悪役(ヒール)ではなく、私の英雄(ヒーロー)。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
たった一人の言葉が、道に迷う少女の未来を開く構図は、テイオーとマックに通じるものがある。
様々な人の思いを受け取りつつも、決定的に未来に向き合うために必要な、強い輝き。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/YGDKpDZQ3C
隣り合う比翼の鳥のように、有形無形に支え合い、競い合う宿命の強敵(とも)。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
そういうドラマが、ウマ娘たちの間にある。
闇だけが周囲を取り巻いているように見えても、確かに輝く思いに目を向け、涙ではなく笑顔を取り戻させる。
き、綺麗や…笑ってるライスが一番…。
今回情動の真ん中にいるのはライスとブルボンなんだが、二人の思いが通じ合い、春の天皇賞があるべき形に収まるためには、主役たるテイオーが絶対に介入しないといけなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
自分も敗北の苦しみ、強敵を追えばこその強さを知って、ライバルのために迷わず厄介事を引き受ける。
天真爛漫、生来の尽善尽美。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
思わず応援してしまう最高のアイドルホースとしての輝きを、テイオーが取り戻したとしっかり教えてくれる回だったと思う。
やっぱね…優しいウマ娘が好き。
そしてこのお話の少女たちは、皆優しくて強い。最高のアニメや…。
ライスの影が、祝福を刻まれた生まれた願い故に伸びてる所が、皮肉でもあり救いでもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
みんなの笑顔を望んで、望まれず”刺客”になってしまった少女は、今回の物語を通じてようやく、自分の走りを祝福できるようになった。
たった一人、自分を強く求めてくれる誰かの言葉で。
特別EDもバッチリキメて、全員主役マジ本気。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
恨みっこなし一回勝負、運命の春の天皇賞に向けてドラマが燃える!
初の勝負服にはしゃぐライスの笑顔、ホンマ綺麗や…。
彼女が取り戻したもの、新たに挑むもの。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/TBggNtdpIP
それを最高の形で届ける、見事なエピソードだったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
これをやられちまうと、春の天皇賞がどういう決着になっても飲めちまうからな…。
『俺たちは”悪役”を描かんッ! 全員本気、全員主役だッ!!』という、製作者たちの気合を感じます。
そしてそれは、文句なく正しい。勝利に貴賎なし、ね
ライスの苦悩に寄り添うことで、視聴者も『あるべき物語』の鎖から、一緒に解き放たれた感じもあります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
ここから始まるのは、筋書きのないドラマ。
あらゆる結末が待ち受ける、魂のレース。
次回、春の天皇賞。
幾度目かのクライマックスを、先頭で駆け抜けるのは誰か。
非常に楽しみです。
あ、ブルボンのマスターは間違いなく、鉄面皮に巨大感情抱え込みマンなので、夢のミホノブルボン復帰時に全開でホットになって欲しいと思っております。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月15日
サイボーグとしての顔を描き続けたからこそ、今回見せた激情が深く刺さったように、マスターの爆弾もこう…頼みますよホント。