裏世界ピクニックを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
正気と狂気の錯綜する裏世界から、逃れたどり着いた沖縄。
常夏に心躍り、行くぞ水着で楽しいビーチ!
大丈夫、ご覧のアニメは裏世界ピクニックです。
瞬き一つであっという間、周囲は不穏な空気に…。
でも水着で楽しいビーチはやる!
さぁ、銃持ってピクニックだ!!
そんな感じの裏世界水着回(銃殺アリ)である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
きさらぎ駅の冒険を経て、なんか吹っ切れた感じの二人が異様な状況の中、妙にムーディな夏を過ごすアバンチュール回であった。
前回米軍が見せていた”狂気の中の正気という狂気”を、二人が海岸舞台に演じる回とも言えるか。
一瞬で裏世界に喰われる流れも、実弾バスバス撃つバカンスも、冷静になれば何もかも狂っているのだが、空魚と鳥子は気にしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
友達がすること全部を、明るく朗らかに共有し、ちょいちょい頬を染めつつずっと仲良し、共犯者としての絆を深めていく。
”現実へのタフな対応力”という鳥子的な要素は、ためらいのない射殺という最悪(最高)の形で空魚に刻印され、銃の扱いはメキメキ上がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
裏世界のオカルトとはまた違った、鳥子の世界にどんどん虜になって、同質化(世間一般からの異質化)していく空魚は、ひどく幸せそうだ。
その特別で狭い関係性に邁進する空気が、奇妙奇天烈な明るさとなって、今までと少し違う…が、たしかに地続きな空気を生み出していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
第4話で生まれていた怪異との双方向性は、遂に個体名を認識され呼称される形で決定的となる。
”彼ら”はネットロアの形を通じて、二人にコンタクトしてくる。
それは微妙にズレた嫌悪感に満ちた、ヒトモドキのアプローチであり、二人はその異質性に足を止めたりはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
異界に正気を削られた米軍とも、パートナーを失って定位が不可能になった肋戸とも、違う形のサバイバルを果たしていく。
酒も飲む、銃も撃つ。お宝を持ち帰りドキドキ百合タイムもやる。
死の危険が隣り合わせの裏世界探検は、もはや後戻りの聞かない逸脱、二人だから楽しいピクニックの色を濃くしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
あっちこっちに飛ばされて、マトモな大学生活もズタズタの二人だが、そういう事を気にする価値観は、もしかすると裏世界に迷う前に壊れている。
空”魚”を名前に持ちつつ、海を自分の領域と思えなかった女は、距離感ぶっ壊れてる美人の側にこそ、居場所を見出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
鳥子がいるなら、海も空も自分の場所。
そう思える実感を、言葉にしないながら深く身に刻んで、空魚は幸福に逸脱していく。
待つのは平穏か破滅か。多分、それなりに平和で幸福。
そんな感じの、二人のバカンス。水平線の向こうに広がる異物が、露骨に沖縄ではないことを教えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
銃は剥き出し、肌を覆うものなし。遠慮と常識を置き去りにした乱痴気騒ぎは、異界に飲み込まれる前から始まっている…のだろうか?
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空魚も鳥子という、人型の裏世界にはすっかり慣れたもので、全裸で寝る姿を見ても引いたりはしない。少し顔を赤らめ、情欲に胸を焦がしたりはする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
”ハングオーバー”めいた酩酊のさなかに、本当は一体何があったのか。それもまた、忘却の向こう側である。
だが、それは問題ではない。
かなりヘヴィな過去を抱え、よるべ無さに苛まれていた空魚は、鳥子と進む裏世界探訪に自分の居所を見出しつつある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
全てが無茶苦茶で勢い重視だが、一緒にいると楽しい。どうやら自分は、この女が好きらしい。
その手触りを唯一の真実と、縋って頼ってブン回す。
そういう覚悟が、沖縄うかれポンチ祭りには漂っている気がする。”テルマ&ルイーズ”っぽいんだよな、なんか今回…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
もはや異界への入り口は特殊な儀式無しで当たり前に開き、タクシーでの一瞬の微睡みが、現実への帰路を切断する。
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生物と無生物の境界線を飛び越えたような、花に包まれた自動車を乗り捨てて、タフな女達は拳銃片手に、廃墟をクリアリングしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
彼女たちは現実/異界…あるいは正気/狂気の境目を、もう気にしていないように見える。
目の前の現象に備え、今を楽しむ。
そのやけっぱちのタフネスは、ペイルホース部隊にはなかったものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
マッチョな兵隊であること、帰属意識と秩序思考の強い”軍隊”であること、その在り方が公的な”仕事”であること。
そういう強みが、きさらぎ駅では正気を削ぐ弱点ともなっていた。
空魚達は、身軽で狂った”私達””として自在に征く。
廃墟を探訪するのも、別に世界のルールを探るためでも出口を見つけるためでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
夏をエンジョイするための水着に着替える場所を掴めるなら、ボロボロのロッカーでも良いのだ。
大事なのは世界の真実よりも、目の前の白肌とくびれ、ビールと笑顔である。
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マジでやりたい放題人生エンジョイなクレイジー二人組は、露骨ロクでもない海辺でお互いの水着と身体を称え合い、心と言葉を通わす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
距離感むちゃくちゃで自分勝手に動いているように見えて、でもそこにはためらいがあった。
鳥子の眼にも、境界線は見えていた。
だがあえて浮かれて飛び込んで、深まった絆。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
生まれる侵食と変化を、空魚は許容する。かつては鳥子のアトリビュートだった銃をしっかり握り、扱いを覚えていく。
ここに、窮屈なルールはない。
グイグイ来すぎる超美形と、陰気なナードが自由に、二人でいられる場所。
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しかしそこは、一方的に楽しさを蕩尽できるバカンスではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
空魚が青い瞳で見つめ、鳥子が青い掌で掴むように、裏世界も彼女たちを認識し接触してくる。
鉄砲打ち放題の楽しい時間の終わりを、鳥子は優れて動物的なセンスで感じ取り、”死”の覚悟を空魚に問う。
須磨海岸を不気味にトレースしながら、個体名を呼び接触してくるヒトガタ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
その振る舞いも形も、人に寄せているからこそ違和感が際立つ。ぎこちない異形に飲まれることなく、まず空魚が撃ち、鳥子も続く。
己を壊しに来る相手なら、自分は撃てる。
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生き死にの現場で見つけた新しい自分を噛み締めながら、空魚は鳥子に手を添え、罪悪感を半分背負う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
それはヒトガタを殺したことではなく、”行動”という己の領分を前にためらったこと。
”認識”という空魚の責務から、彼女をはみ出させたこと。
ここも、もう壊れている。
よくよく”視て”みれば、屍体はゴミの寄せ集めでしかなく、殺人は破壊でしか無いわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
それが確定する前の段階から、空魚は人間(に見えるもの、寄せたもの)がヒトデナシであることを感覚していて、それがためらいのない暴力行使、常識からの適切な逸脱を後押ししていく。
空魚は急速に、認識と行動を繋げるタフさを手に入れ、鳥子が一人で背負っていたものを自分に流入させていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
そうやってアイデンティティの門を開けれるのは、やはり好きだからだろう。
鳥子という人間が。彼女と二人でいれる裏世界が。
マトモでなくても良い居場所が。
かくして世界は急速に蒼く染まり、裏世界は個体として識別した二人に流入しようと試みる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
そのチャンネルは恐怖でしかなく、変化は狂気の方向にしか転がっていかない。
奇妙だがコンセンサスが取れた、恋と友情と共犯意識のアマルガムとは、ぜんぜん違う。
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撃って、走って、手を繋いで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
空魚は(まだ鳥子とは違って、片目を閉じる射撃ながら)非常にタフに、自分たちを名指しで取り込もうとする裏世界に立ち向かっていく。
八尺様の帽子を媒介に、鳥子の掌を取って門を開け、境界を超えて帰還する。
世界を行き来するルールを、自分の目で解析し実行する。
鳥子が持ち前の強引さをちょっと収めて、空魚に譲歩し裏世界に怯える今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
空魚はタフで強引な”鳥子らしさ”みたいなものを最大限発揮し、開き直って遊び、銃を持って闘う。
名前を呼ばれ、睨みつけられたからなんだ。
わたしはここに、コイツと居る。居続ける。
そういう決意が奇妙に滲む冒険で、奇っ怪ながら妙に爽やかだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
閉じる世界で、二人を見落としていた長い影。空魚の青い瞳だけが見つけられるもの。
それが、失われた月の青白い輪郭なのかは、まだ分からない。
しかし、もう譲るわけにはいかない。裸も視ちゃったし。
かくして打ち上げ花火が二人を照らす中、勝利のビールで乾杯を果たし、裏世界ピクニックは続く。お宝もゲットだぜー!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
『なんでワシラがビビらんとあかんのや! 裏世界マネーでビッグサクセスや!』という、生臭い欲が毎回立ち上るの、僕は凄く好き。
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謎の人影が冴月(あるいは冴月だったもの)だとすると、個体識別を果たした裏世界との対峙は”昔の女”との決戦の様相を帯びてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
こちらを向いてくれない視線をただ待ちわびるのではなく、肩を並べて強引に引き寄せる。
今、ここに、あなたと居るわたしのアドバンテージを、最大限活かす。勝つ!
そういう決意と、それを裏打ちする行動力が常夏のビーチに踊って、空魚が頼もしいエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
こんぐらいキレてくれたほうが、応援しがいもあるし好きにもなれるので、今後もガンッガン行って欲しい。
輪郭だけしかねぇ女が、生身の恋に割り込むんじゃねー!
とは言え、鳥子の冴月探求もなかなか根深そうで、空魚の闘いはまだまだ続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
名を認識されるということ、ただ一人を見つめられるということは、古式においては呪いの収束と集中を意味する。
裏世界からのアプローチ&コンタクトも、より激しくなる…のかな?
そういう状況すら、ビールかっくらって銃弾でぶっ飛ばすタフさを、空魚は(鳥子から、あるいは裏世界から)学びつつある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
結構変化と変質、相互作用の物語なんだなと思いつつ、二人のピクニックは続く。次回も楽しみ。
しかし水着回で肌色マシマシになると、鳥子の異次元的なスタイルの良さ、暴力的な顔の良さがより強調されて、空魚のドギマギにも親和性が強まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月16日
異質で、綺麗で、目を離せないもの。侵入し、融合し、変化し変化させるもの。
やっぱり、鳥子こそが空魚の裏世界なのだろう。