ウマ娘 プリティーダービー Season2
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
三連覇に向け邁進するマックイーンの、影も踏めぬ己の現状。
ライスは孤独に己を追い込み、鬼神を宿す道を選ぶ。
偉業を阻む悪役、勝ちを望まれない悪役。
その力走を、誰が寿ぐのか。
たった一つの勝利と数多の敗北を見据えながら今、ファンファーレが鳴る…。
そんな感じの、激闘! 春の天皇賞である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
挑むもの皆、負けられない理由を背負い、しかし勝つのはたった一人。
目の前を走り抜けていく現実と、幻に終わる夢。
勝負にまつわる様々な顔を、たくさんのウマ娘を主役に描いてきた物語の、一つのピークが描かれました。
ここを越えてもまだまだドラマは続き、次なる主役が舞台に上がる所が、史実を支えにした物語の強みですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
それを発揮するには、現実のドラマがどんなものであったかという怜悧な分析眼と、そこからすくい上げた輝きをドラマに焼き付ける腕が必要になります。
そして何より、史実への確かな敬意も。
二期は群像劇としての横幅と奥行きが更に広くなり、勝つものの悲しみ、負けるものの気概が、勝負にまつわる陰影をより濃くしている気がします。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
勝ってなお栄光をつかめない、祝福の名を持つウマ娘。
ライスシャワーの奮戦を通じて、このアニメが捉えるものがより鮮明になる回でした。
前回”主役”としての存在感を一気に増したライスは、未だマックの影を踏めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
この現在位置から、どうすれば最強ステイヤーを差し切る未来を掴めるのか。
光と影の狭間で、黒のウマ娘はしかし、瞳に炎を宿す。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/Mz69qgb7Ev
『よりにもよってそこかよ!』感もある、宿敵の姿をテントに貼って気合十分。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
あえて孤独に身を置き、たった一人己を追い込んでいく。
スピカの友情主義とはまた違う、鬼の鍛錬はライスらしくて、力強さを感じる。
心理的葛藤を先週ガッチリ掘り下げたからこそ、ストイックな努力が映えるなぁ…。
ミホノブルボンは機械めいた努力をまず見せた後で、鋼鉄の仮面に隠された情熱が出てくる書き方だったわけだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
ライスもテロップも出ない不気味な影から、祝福されない勝利に傷つく繊細さを見せ、思わず応援してしまう血の熱さを教えてくれた。
誰が勝つかなんて決まってないドラマの中で、後に勝者となるモノをどう魅せるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
なかなか難しい舵取りだと思うけど、こういうコントロールが巧いから、熱量が途切れず素直に、作品が前面に押し出す展開を飲み込めるんだろうなー、と思う。情報と情動の制御が、本当に巧い。
消えたライスの痕跡を追って、ブルボンは履き潰された靴の山を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
ウマ娘名物・テキトーな地図に刻まれた”タイマン”連呼が、ヒシアマ姐さんの面倒見の良さをひっそり語ってて、凄く好きな演出。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/K69u7ll5lO
ライスはマックとの実力差を、己を孤独に追い込むことで埋めようとするわけだけど、少なくともウマ娘たちは彼女をちゃんと見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
孤高の聖域に入ることを許されたブルボンだけじゃなくて、先週のタンホイザとか、居場所を知ってたヒシアマ姐さんとか、皆見守られ、祝福されるべき存在として見てる
そこが徹底されてるのが、僕は凄く良いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
ライス周辺の書き方は、『期待すればこその失望を、ウマ娘世界のファンも当然抱く』と教えてくるわけだけど、そういうリアルな感触を上手く優しさで包んで、ライスを真実孤独にしない書き方になってる。
そこが良い。
精神で肉体を凌駕する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
問答無用のど根性主義は、ブルボンが信じた生き様にも通じている。
もう一度、肩を並べて走りたい。
そう思えるライバルが、同じ道を進んでいる誇らしさと喜びも、夕日に色濃く滲んでててとてもいい。
競技者としてのスタイルとプライド、大事に書いてくれてるね。
決戦の舞台に向け、皆が思いを燃やす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
しかし最初にゴールに辿り着くのは、いつでもたった一人。
ならば『勝つ!』という意気込みは無駄なのか。瞳に宿る青い炎は、虚しい陽炎なのか。
そうではないと、ずっとこのアニメは描いてきた
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/f2j0cC2OHI
徹夜で並ぶファン含め、皆が思いを持ち寄ればこそレースは輝く。再演不能の奇跡として、皆の記憶に刻まれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
真剣であること。不屈であること。
たった一人勝つものも、思い届かず負けるものも、皆差し出せる全てを賭けて、疾駆に込める。
…やっぱ、第2話が死ぬほど効いてるな二期は。
僕はオタクとちびっこウマ娘がじわじわ仲良くなってる描写最高に好きなので、開場待ちのお茶会は最高に良かった。人参マークのリュックが可愛い…可愛い…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
走る者たちの横幅と奥行きも広がったけど、やっぱファンサイドの描き方も画角が広がったなー、と感じる。凄く良い。
無形の期待、仲間の声援。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
『あなたに誇らしいと思ってもらえる、私であるために』
マックは相変わらず、最高に気高く美しい。
だがそのライバルに勝った時、その背中を越えてゴールだけを見据えていた視線が、今は揺らいでいないか。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/rbxUgZAKDT
問いただすように、青い炎を宿した影が征く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
鬼気。
いかな罵声を浴びても、誰もその勝利を望まないとしても。
走り、勝つ。
マックが度々口にしてる”ウマ娘の本能”を、マック以上に体現したライスの仕上がりが、緊張と期待をグッと高めてくる。
怪物めいた気迫に押され、ゲート入りを拒む身体を押し込めて、迎えたスタート。しっぽ引っ張るの可愛い!(発作)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
気迫と執着のレースと言えばこの方、グラスワンダーさんの解説なども交えつつ、ライスはピッタリマックに張り付く
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/Adppm4hApK
こういう形で、鞍上と戦型の類似をくすぐってくるのは、なかなか面白い料理法だなー、とか思いつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
無双の大本命に食らいつくべく、選び取った戦術。
これに”ウマ娘”であるが故の人間的感情、それが生み出すドラマを交えて書き直す筆は、一期八話に通じるものがある。
あの時のスペほど、マックがライスを見ていないかというと、むしろその視界に強引に割り込む鬼気が強く書かれてもいるのだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
つうかマックもレコード出してはいるからね。
ライスがとにかく勝ちに行って、恐ろしく強かった。
そういうレースだとは思う。
白い覇道と黒き気迫。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
サイボーグの体温も思わず吹き上がる力走は、両の瞳でゴールを見つめたライスシャワーの勝利と終わる。
すべてを出し尽くし鬼が去り、普段のちびっこウマ娘(可愛い)に戻る落差が良い。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/OkRe68Smpn
しかしそこに、栄光はない。”祝福”しろ…勝利にはそれが必要だろッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
ため息がうっすらと漂うスタンドの空気を、切り裂くようにマックは拍手を送る。第5話ラストのテイオーを思わせる、見事な敗者の姿である。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/8rvppMXwqM
ここでライスが求めてやまない”祝福”を与えきらないのは、史実を反映してのものだろうし、彼女の物語がまだ続くからだとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
まだ、世評は冷たく”悪役”に吹く。大記録を必ず邪魔して、落胆ばかりを生むウマ娘。
そんな呪いに向き合うと、心に決めてもかんたんには、風は変わってくれない。
しかし確かに、共に走りきった戦友や、一部のファンたちは勝利を祝ってくれている。オタク号泣ッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
天下のアイドルホースたるトウカイテイオー、誇り高く頂点に君臨するメジロマックイーン。
今まで書いてきたのとはまた違う、勝利と敗北の形。
これもまた、ウマ娘の物語なのだ。
それでも、罵声とともにくぐるゴールは重たい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
誰も見ていない舞台裏で、戦友に預ける痛みと弱音。
それを受け止めて、差し出す未来への約束。
ライスがブルボンの前でだけ泣くのが、切なくも麗しい。キテるなぁ…。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/qLFwGm9l9j
前回は押し潰されそうになっていたファンのため息を、背負ってなお走る覚悟は決めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
それでも、当然辛い。
祝福を意味する名前のとおり、いつかため息ではなく笑顔を広げて、ライスシャワーが勝つ日は来るのか。
物語は、まだまだ続く。
ライスの勝利、マックの敗北を通じて、勝ち負けのシビアさ、走りに観衆が寄せる幻想の重さを書きったのは、凄く強い話運びだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
テイオーの物語は、否応なく”負けること”に向き合うことになるので、その表情を精妙に彫り込んでいくのは大事よね…そういう意味でも、やっぱ”二話”は凄い。
そして、敗者の物語も続いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
『三連覇なんか気にすんなー!』という声援といい、ゴルシは本当にマックのことを思い、よく解ってるなぁ、という感じが強い。
息抜きコメディ担当なんだが、こういう所で締めるのは良いよなぁ…。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/sHFTkRbLbv
ここでマックとテイオーが直接言葉をかわさず、イクノディクタスとのライバル関係をメインに持ってきたのも、凄く良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
離れてなお、あなたを思う。
ライスとブルボンの、たった一人だけへの強い思いとまた違う…そして同じ輝きで響き合う、関係性のきらめき。
敗北に心乱した自分に、マックが届けてくれた思いは三連覇の夢砕けてなお、終わってはいない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
先へ、もっと先へ。
ウマ娘の本能に突き動かされ、少女は真っ直ぐに顔を上げる。その歩みに並び立つ者たちも、皆誇り高く進んでいく。
© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会 pic.twitter.com/ujOKW1AyRo
この爽やかさは、やっぱりスゲーな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
エモさで誤魔化しきれない、トンチキな隠れ方の心地よいクスグリ含め。
情感をど真ん中で扱いつつ、それをダイナシにしない絶妙な塩梅で挟み込まれる可愛げと笑いの扱いも、この作品の強みだと思います。加減が精妙で絶妙。
かくして運命の大レースは終わり、皆の物語は続いていきます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
こんだけ感情を揺すぶられて、まだ2/3なんだよな…スゲーなウマ二期マジで。
祝福なき勝利、栄誉に満ちた敗北。
ため息と涙、決意と疾走。
”勝負”にまつわる多彩な色合いが、ライスを描く連作でより深みを増したと思います。
”競馬”のアニメだからこそ、勝つことと同じくらい負けることを、走ることと同じくらい走らないことを、丁寧に掘り下げ意味を探る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
そういう二期の姿勢が、鬼気迫る力走、それを終えた後の表情から強く伝わってくるエピソードでした。大変素晴らしかったです。
同時に物語は、まだまだ続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月22日
こんだけ盛り上げておいて、『次のレースはもっと面白いよ!』と繋げられているのも、本当に凄いと思いますが。
死や引退で閉ざされてしまう現実を越えて、永遠に続くレースを夢見る姿勢は、”ウマ娘”の強みだなぁ、と感じますね。
大勝負終えて新章、次回も楽しみです!