プロセカイベスト”スマイルオブドリーマー”を読み終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
いつも満点笑顔な鳳えむちゃんが、どうしても守りたい心の故郷。
経済の荒波にもまれ、否応なくお祖父ちゃんのフェニックスランドを前に、少女の笑顔は、彼女の小さな劇団は何が出来るのか。
ピエロのメイクには、いつでも涙が伝っている。
そういうお話であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
道化師の矜持、幼子の想い、泣けない少女。
そういうモノに脆弱性がある自分を思いっきり貫通していく、力強いストーリーであった。
一番幼く無邪気に見えるえむちゃんに、”経済”という子供たちが踏み込めない領域を真正面から叩きつけるエグさが、まーすげぇ。
バカデカ私室を見ても分かる通り、鳳家はアホみたいな金持ちなわけだが、だからこその不自由と冷たさというものがあることも、今回分かってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
幼年期を終えて仕事を手に入れた兄たちは、シビアな経営眼で夢の舞台を判断し、えむの宝物を踏みつけにしてくる。
それに対し、えむちゃんなりに蟷螂の斧を必死に振り回して、自分の大事なものを守ろうと考え、闘っている姿が、非常に辛く尊かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
えむちゃんがただの無邪気な子供でないのは、ワンダショユニスト、”走れ体育祭”におけるまふゆ、”揺れるまま、でも君は前へ”での穂波との対峙でも既に見えている。
他人の笑顔…に現れてくる想いに非常に敏感で、そのためには自分の悲しさを覆い隠してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
誰かの悲しさを豊かに感じ取り、自分にできることを必死に探して突き進める。
彼女は自分を取り巻く世界が優しくないことを既に知った上で、そこが優しく楽しくなるよう、かなり苦心をしている子供だ。
そんな彼女にワンダショの皆も、面倒くさいことを抱え込んだ女達も大変救われている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
事情を明かすまでに、類くんが何度も『恩返し』と言っているのに、ジジイは感じ入ってしまった。
この子もまた、自分を取り巻くもの、そこから手渡されたものの尊さを、しっかり解っている子なのだ。
しかし無邪気…でありながら成熟もした善性だけでは、動かないものも世の中にはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
金のため、遊園地を続けていくために兄たちは現実に向き合い、理想と夢を捨てていく。
故人が託してくれたはずの小さな笑顔を、いつの間にか忘れ去って大人になっていく。
そんな成熟の形に、血潮熱い若人達が真正面からぶつかり、大事な仲間を守ろうとしたことも、また素晴らしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
引っ込み思案な寧々ちゃんが、グッと前に出て兄たちに噛み付いたところは、彼女自身の変化、それを生み出したえむちゃんの行いを強く感じ、心に刺さる。
なかなか素直にもなりきれない寧々ちゃんの思いを、コミカルなアクシデントの形で伝えてくれるネネロボのファインプレーも、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
あらゆるものに分け隔てなく、笑顔を届ける劇作集団。
そんなワンダショに、機械の仲間がいるのが豊かでいい。
何しろ”カラフルステージ”なので、多様性というのはこの物語ではとても大事にされていると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
経済的最適解だけを追い求めて、遊園地が存在する意味を取りこぼしてしまうのは危うくはないか。
そんな提言も、大人びた類くんの悪巧み、司くんの真っ直ぐな青春抗議から聞こえてくる。
司くんが世界最高の”兄”として、観覧車という舞台でちょっと芝居がかった思いを伝えるシーンも、最高に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
えむちゃんが被った笑顔の仮面を、真心のこもった”芝居”で打ち破ろうと思えるのは、自分の初期衝動…弱いものに笑顔を届けたい気持ちを、えむちゃん達が思い出させてくれたから。
彼の”兄”たる資質を蘇らせてくれた不死鳥の娘に、力強く思いを伝え、優しく寄り添う司くんは宇宙で一番立派であった。座長であり、スターであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
ユニストを経て、熱く真っ直ぐであることを一切恥じなくなった彼は、最高にかっこいい。冬弥の気持ちがよく判る…。
そしてセカイの仲間も、えむに優しく寄り添う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
見た目より遥かに大人びたえむちゃんが、いつの間にか置き去りにしてしまっていたもの。
誰かの笑顔の為と、涙を封じた仮面の奥で、確かに脈を打つ心の傷。
それを幼く真っ直ぐに見つめて、真実を手渡すリンレンのイノセント…。
セカイには未来の可能性だけではなく、過去の忘れ物もしっかり保存されていると、そこに立ち返ることで未来が開けていくと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
ユニストで司くん相手に描いていたものが、ここでえむちゃんにも伸延してくるのは、一貫性のある話運びでとても良かった。
誰かの笑顔のために、自分の涙を封じる。
それはお祖父ちゃんとお別れして以来、えむちゃんが自分に刻んだ誓いであり、いつしか呪いに近いものになっていたのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
それを、幼さを残したワンダショのリンレンが優しく崩し、劇団の仲間たちがしっかり受け止める。
祈りの善き部分だけをすくい上げ、再生させていく。
それは一人だけでは、相当に難しいことなのだと思う。仲間がいればこそ、己の心臓に埋め込まれた思いの、本当の姿に気付けるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
(ここら辺、一番濃く背負ってるのはメサイアコンプレックスの具現、宵崎奏だと思うが。完全に呪いで生きてるニーゴメンが、彼女の物語にどう楔を刺すかは楽しみ)
物語はプロセカらしく、現在進行系で終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
”経済”という巨大な壁に、夢を抱えた子供劇団は一体何を為せるのか。
笑顔の仮面から流れた熱い涙、そして蘇った笑顔は奇跡を掴めるのか。
イベスト一周目も終盤に入り、各ユニットの物語も大きなコーナーを迎えてきた感じがある。
銭金という生っぽい話題を、一番夢っぽいワンダショに投げるのも、”遊園地”という非日常で転がすのも、スパイス効いてて強い話運びだなぁ、と思ったりするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
訪れるゲストには夢の国でも、運営する人にとっては生々しい現実なんだよなぁ…その落差が、プロセカっぽいな、と思う。
まだまだ先は見えないが、えむちゃんの重荷を一緒に背負い闘ってくれる仲間、涙で洗って取り戻したとびきりの笑顔が、セカイに夢を取り戻してくれると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
こういう時、類くんのチートスペックがマジ頼りになる。
”何か”やってくれる。そういう期待を思わず抱いてしまう男、神代類(幼馴染が大好き)
イベストをまたぎ繋ぎながら、青春の大きなうねりをシリアスに脈動させているプロジェクトセカイ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
その一つの答えが、次に来るだろう司くんイベントで見えるのかなー、という感じがします。
次回が、とても楽しみですね。頑張れワンダショ、わんだほーい!
…今えむちゃんのプロフィール見たら『苦手なもの:夕暮れ』で、かなりグラっと来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
夢の時間が終わり、ゲストが日常に帰ってしまう瞬間。笑顔で居続けることが出来ないシビアなルールを、夜闇の到来とともに思い知らされる。
そんな終わりを超えて、ずっとパーティーを。
それがワンダショである。
追記 今回明かされる聡明さと覚悟の強さを、事前の描写でしっかりスケッチしてある所が、周到だし的確だな、と思う。鳳えむの一つの側面として、かなり納得の行く開陳だった。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
イベント中の立ち回りを見ていると、えむちゃんは『誰かに相談する』のをかなり禁忌にしてて、それは身近な人達が彼女の助けになってくれなかった過去から学び取った、悲しい習性だったのだと思う。
一人でステージを守るべく奮戦していた日々に、手を差し伸べてくれる人たちはいなかった。
だから、私が笑い続けなきゃいけない。頑張らなきゃいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
そういう頑なさを、グイとこじ開け重荷を背負いに行った仲間たちは、かなり難しいことをやってのけたな、と思う。
人の心に入るのが、優しいからこその躊躇い、強いからこその頑なさを備えた難事である。
そう描いているからこそ、えむちゃんが心の扉を開けて、封じていた涙と弱音を預けれたことが一つの奇跡だと、思える語り口が良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
世界は苦く、思いは伝わらない。だがしかし、絶望するにはまだ足りない。
そういうプロセカの世界認識は、相当に好きである。
あと友だちの前ではフワフワ感覚言語使ってる彼女が、家族に噛み付く時はかなりロジカルな語り口になってた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
地頭の良さと同時に、”素”の自分をコントロールし、周囲に通用するものを選ばなければいけない厳しさを既に学び取ってる気配もあって、納得の行く描写だった。
胸の中にあるフワフワ柔らかいものが、通用しない厳しい壁。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月1日
それに何度も挑んで何度もぶつかったからこそ、壁に刺さる武器を自分なり整えていたのだろうなぁ、と思うと、なかなかに心苦しい。
えむちゃんが子供じみて見えるのは、子供の純粋さを殺さないよう、かなり考えて立ち回った結果なのだろう。