スケートリーディング☆スターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
監督の本腰入った指導の元、ファイナル進出を決めた戌尾ノ台。
一方残りの椅子をかけ、久遠寺の横浜と姫川の狐ケ原がぶつかる。
たった一人のスーパースター。…回りを引き上げるか、回りが引き立てるか。
お互いのスタイルが火花を散らす!
そんな感じのファイナル直前第9話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
『そこ書いたら美味しいだろうが!』という修行パートを大胆にすっ飛ばし、ライバルたちの決戦にメインカメラを移す構成である。
話を支える前島くんの背骨が弱いので、決戦突入前にしっかり補強したほうが…と思わなくもないが、描かれたもの自体は良かった
統制と情熱を高いレベルで両立させた、新しいスタイル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
それを獲得するのに必要な苦労、そこから生まれてくる関係性を描けば、チームに追加された強さ、それに絡んで変化していく主役も色濃く刻めたと思うのだが、まぁ飛ばす選択をしたんだからしょうがない。
9話に至っても僕は”スケートリーディング”という競技の眼目が何処にあって、それを見る/演じる感動が何処にあるのか、いまいち体感できないままである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
これはスケート作画に圧力が弱いこと、魅せ方に説得力が足りないと感じることが大きな理由である。正直、作画面は色々厳しい。
だからこそ、足りない部分を切磋琢磨しながら追い求める過程をダイジェストではなく描くことで、スケートリーディングの王道、そこを超えていく(だろう)主役チームの凄みが描けるチャンスだったのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
そんな事を考えてしまう。
横浜の破天荒な演技構成が、どれだけ王道から逸脱しているか。
それを作中のリアルとして、自分の中でロジックを持ってあまり飲み込めないのは、非常に惜しいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
今回久遠寺くんと姫川くんの描き方はとても良くて、彼らが背負うチームの在り方、演技の方向性もよく届く形で描かれていた。
だからこそ、120%で受け止めたかった…というワガママである。
エゴイストでナルシストな変人として描かれていた久遠寺くんは、今回前島くんへの誘いにケジメを付け、チームへの愛情を堂々宣言する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
アイドルと両立しながら、必死に競技レベルまでスケートできるよう頑張ってくれたチームメイト。
自分が巣立たせたひな鳥たちに、親たる久遠寺くんは愛を持つ。
ただチャラチャラ好き勝手やってるだけではない奇妙な誠実さというのは、以前から結構描かれてきたけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
そこを鉄筋で裏打ちするような真っ直ぐな描写で、久遠寺くん謝罪行脚はとてもいいシーンだった。
前島くん、久遠寺くんと絡んでる時が一番素直で可愛いんだよなぁ…自分のチームメイトとやれ。
久遠寺くんは周囲を支えるエースだが、姫川くんは周囲に支えられ、引っ張り上げるエースである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
エース性の違いは演技の違いとなり、チームの違いとなる。
饒舌な久遠寺くんに対し、寡黙な姫川くん。
正反対に見えて、リーダーとして仲間を信頼する気持ち、勝ちと演技に対する視線は同じである。
そこで最終的に、スケート界とエンタテインメイントに目線が行くのが、久遠寺くんの”らしさ”なのだろうと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
目先の勝ちより、もっと大きいものを。
楽しさを優先してしまうところが、篠崎くんの後塵を拝し続けた理由なんだろうけども、それは一つの選択として大きな意義がある。
アイドルを選手に選び、メディアを動員し、花火を飛ばす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
久遠寺くんの無茶苦茶には一本通った筋があって、それが彼の振る舞いを魅力的に見せる。
リーディングとはなにか。何故飛ぶのか。
ここに明確なヴィジョンと徹底した覚悟があるのは、見ていて気持ちが良かった。
そんな彼を負けさせたのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
リーディングが競技の場である以上、エンタメとしての面白さよりも完成度が重視されるべきで、それは(いかに努力を積んだとはいえ)ド素人達には追いつけない領域だ。
だからこそ、無茶苦茶な賭けに出て勝ち筋を作ろうとしたのかも知れない。
やり続けた経験値。競技者としてのシリアスさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
そういうところが滲んだのであろう狐ケ原の演技はやはりスキップされてしまって、具体的にどういう完成度だったかは確認することが出来ない。
ファイナルを見てね、ということなのかもしれないが、やっぱりこういう所が惜しい。
むっつり寡黙な姫川くんの思いと強さを、狐ヶ原の仲間がちゃんと解っていて、彼も少ない言葉ながらそれに自分の答えを返しているやり取りも、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
聖クラヴィスを上手く解説役に使って、2チームの特色と強みをわかりやすく示していたのも、今回見やすかった理由か。
ここがコンサートならば、観客を巻き込んで演出に使い、一体感と楽しさを生み出した横浜が勝者なのだろうが、勝つのは狐ヶ原である。それでいいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
自分に集まってる注目を、貪欲に利用して状況を作っていく辺、久遠寺くんは結構策士なんだと思う。そういうところも好き。勝ちきれなかったが。
勝敗を激しく競うファイナルが始まるが、その前に価値前の外に出ている久遠寺くんを書けたのは、カウンターウェイトとして凄く良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月8日
滑る理由は一つじゃない。
それでも、勝ちたいと強く望むのならば。
生粋のエンターテイナーが生み出したスペースを活かし、勝者達の譲れぬ思いを描いて欲しい