ワンダーエッグプライオリティ：第9話『誰も知らない物語』感想ツイートまとめ

ワンダーエッグプライオリティを見る。
ひとつ卵を開けると、ひとつ秘密が溢れる。
ねいるが招待した彼女の”家”は、彼女の会社だった。
親なく生まれ、政府に回収される子供たちの死体。
青沼ねいるの殻に、罅が入る。
漏れた思いを、さぁ、その指ですくって…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

そんな感じの、ねいる個別回。
前回リカのウェットで家族的な雰囲気とは、また違う彼女のホーム、友達、死と決断。
終りが見えてきて，世界の真相もヴェールの向こうから近づいてきたが、それよりもねいるの涙に近づいたこと、寄り添える存在としてのアイちゃんがより良く見えたことが、嬉しく悲しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

いい加減見ている僕らも、ねいるが賢く優しくかっこいい少女であることをたくさん知っているけども、彼女の出自と友達が語られて、賢いだけではない柔らかさと、それに踏み出しきれない怜悧さが見えると…どんな気持ちになるのだろうか？
人間味がある、と感じるのだろうか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

でも第2話、名刺を差し出してアイちゃんに背中を向けたときからねいるは十分人間で、それを感じられる人だからアイちゃんは頑なな殻の向こうに踏み込んで、屋上で”友達”を手渡した。
弱さを見ることだけが、相手を人と受け入れる理由ではない。でも彼女の涙を見て、僕はなにか新しいものを見たと感じる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

寿の遺言を（偶然を装ったアカ達の陰謀、あるいは”親心”を通じて）受け取り、ロジカルに生命維持装置を止めようとした彼女の指は、友情を宿して震える。
友達。
それも元々あって、泡のように弾けて、奇跡のようにもう一度出会えた。二人なら出来る魔法に縋るように、ねいるは一つの殻を壊し、巣立つ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

蛇のピンキーを従え、マウスのアダムを伴って思い出の園を去っていく褐色のイヴ。
アイちゃんに隣り合ってもらって、多分あまり得意ではない非論理をまるごと食べたねいるは、この物語は何処に行くのか。
多分、そこまで悪い場所じゃない。そんな確信をより深くする、寂しくて暖かなエピソードだった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

『青沼ねいるはそんな女じゃねー！』
家に来る？　と聞いただけでこのリアクション、川井リカ…相当青沼ねいるが好きだな？　俺も好きだよ。（キモ蔵乱入）
（退去）
（俺は帰ってくる…）
通された”家”はたこ焼き器が似合わない会社で、ねいるは親なき自分、子供ではない己を明かす。
©WEP PROJECT pic.twitter.com/8Qcca4hkqA

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

先週あんだけ、家族の桎梏に悩んでいたリカが『アタシの悩みが小さく見えるぜ！』と言えるのは、ねいるを取り巻く環境のスケールのデカさも当然あろうが、幻想の戦い、現実の和解を通じて親と自分、親になりうる自分、既に子供ではない自分を認識した成果だ。
エッグを通じて、リカの心に生まれた卵。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

それはマンネンの温もりを反射して孵化し、友情に温められて既に飛び立っている。
今回リカの表情を切り取る作画が非常に細密で、ねいる回なのだが彼女のことがよく判る回であった。
まぁこのアニメ、子供たちをとても大事に描いてくれているので、誰かにフォーカスするとその隣の解像度も上がるけど。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

寿の死体の処遇を思うと、社長で天才で大人なねいるの処遇は外から見るより安らかではなく、寄る辺なく生まれ自由なく死体を暴かれる、実験用マウスのような子供であると判る。
この会社≒家来訪は、そんな彼女の外殻の内側、過去と感情に踏み込んでいく旅でもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

主のいない医療エリア。
おそらくは寿が担当していただろう地下の楽園に、置き去りにされたクマをアイちゃんだけが見る。
やはり彼女は、道端に価値なしと置き去りにされたモノを見つけ、足を止める資質を持っている。
第1話冒頭、カナブンの死体が既に見せているもの。 pic.twitter.com/OHtqegzmf3

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

最初は慣れない経済と科学の香気にビビっていた中学生たちだが、そこが奇妙な冷たさあれども友達（つまり私達）のホームであると力みをといて、自分たちらしい楽しみを広げていく。
桃恵がアダムと触れ合う、幼く迷いのない指先が良い。その無垢はおそらくこの先壊されるのだろうが、でも優しく大事だ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

赤い目のアダム。アルビノのピンキー。
寿に似たものがねいるの私的空間には常に鎮座していて、その存在／不在が強く彼女を突き刺していることがよく判る。
子供が扱うにはあまりに大きいものを、最適に制御するべく生み出された白と黒の、無原罪の少女たち。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

女の胎を介さない出産が無原罪の御宿りであるとするなら、ねいるも寿も神に祝福された子供、救世の贄である。
その聖骸を権力者／大人に明け渡さないために、死せるもの最後の尊厳を守るために、寿はエッグから遺言を残すことになる。
そんな重さがあると、たこ焼きとネイルに夢中な少女はまだ知らない

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

当たり前に親がいて、当たり前に夢がある”普通”の子供たちが、けしてノンキになんて生きていないことをこの物語は既に書いているが、そんなスタンダードからはみ出して生まれたねいるもまた、その指先に紫を塗るおまじないを通じて、自分がどこにいるかを定位していく。
©WEP PROJECT pic.twitter.com/OrlOg8vt3t

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

紫。高貴の色。
それがバラバラの個性を指先に塗った少女たちが、共有する血の色だ。
Blue Blood。貴種の異名。
静脈のような色合いで透けるネイルは、生まれたときから人間のスタンダードを剥奪され、理性的で知性的で大人びている存在として設計されたねいるの、架け橋となるのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

なる、ということを、指先に宿る温もりと重さを描くこのエピソードは描いていく。
ねいるには夢がない。未来もない。
アイちゃんが無邪気に視線を上げて見上げる場所が、最初から企みに阻まれていると感じて視線を下げる。
死、過去、遺言。
重たい荷物に惹かれて、楽園に繋ぎ止められている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

なる、ということを、指先に宿る温もりと重さを描くこのエピソードは描いていく。
ねいるには夢がない。未来もない。
アイちゃんが無邪気に視線を上げて見上げる場所が、最初から企みに阻まれていると感じて視線を下げる。
死、過去、遺言。
重たい荷物に惹かれ、楽園に繋ぎ止められている©WEP PROJECT pic.twitter.com/sCcS973oRm

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

カーテンに包まれた私室の奥、さらにカーテンに守られた生命維持装置。
何重にも殻に覆われた、重くて大事な私の秘密。
それに触れる時、ねいるは友情を宿した左手ではなく、単色の左手で触れる。
それは新しい友達が共有できない、古い友達の棺。
理屈で切り分けられない、ねいるの殻。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

そこに反射する彼女は、初対面のときの冷たい怜悧ではなく、複雑に揺れる感情を強く宿している。
それが寿と共にあった時代、既に息をしていたこと…そして寿の変則的な自死を通じて鳴りを潜めていたことが、解ってくる。
妹の死を背中に刻み、エッグの世界で戦ううち、触れ合った友達。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

その温もりが、凍りついていたねいるの心臓を再動させてきたことを、僕らは既に見ている。
だからこそ、彼女は殻の中の秘密を共有し、”家”に彼女たちを呼んだのだ。
それは、たこ焼きパーティーには相応しくない場所。
でも綺麗なネイルで飾らないと、突破できない場所。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

回想されるエッグの闘いを、ねいるは友達達に語っていない。
大人たちに触れられたくないから、私を終わらせて。
そんな私的な秘密の共有に、踏み込めるのはアイちゃんだけだ。
それでも、それこそが彼女を惑わせ、傷つけ、友達にすがらせる。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

リカが身悶えする”らしくない”行動は、自分ではどうにもならない殻の中の重荷を友達に背負ってもらう、天才少女らしからぬ甘えなんだと思う。
自分の友だちがどんな子で、それを自分がどれだけ愛していたか。
その死で、どれだけ私が傷ついたか。
それを、友達に解ってほしかったのだと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

色素とまつげの薄い寿（祝福の名前を持つ子供）は、何処か蛇のピンキーっぽい。
褐色のイヴを惑わせ、抱き合い、殺人の罪に誘う愛おしき蛇。
ねいるにこの表情をさせられるのは、後にも先にも寿だけなのだろう。
新しい友達が出来たからって、古い友達を手放せるわけじゃない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

アルビノの蛇が囁く死の誘惑は、彫像となった妹の呪いが残響したもの…か。
ドクターの攻撃に傷つきながら、ねいるは死んでしまった友達に、ロジックで割り切れない生の温もりに、己が思うことを吐き出していく。
殻を割って、自分の中にあるものを取り出していく。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

僕の中の何処かが『青沼ねいるはそんな顔する女じゃねー！』と身悶えしつつも（キモ蔵リターン）、しかしこのしかめた眉、眦に貯まる涙こそが、卵の中身である。
寿はそれを溢れさせるほどに特別で、重く、大事なねいるの友達だった。唯一同じ境遇の子供、という意味では姉妹かもしれない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

死に隣接し死に食われた寿が、死してなおロジカルに玩弄する死。
いつもの青沼ねいるなら、（このエッグの夢から醒めた、新しい友達のいる現実でそうあろうと務めるように）怜悧に切り離して処理できる…するべき死という物理現象。
でも、出来ない。悲しくて、顔がゆがむ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

裏アカと田辺が仕組んだ寿との逢瀬は、そんな風にねいるを暴いていく。殻を割り、友だちに見せなければどうにもならない所まで、感情的に彼女を追い込んでいく。
同時に天才児たる理性で切り分ける、エッグの秘密のヒントも託す。
この風景に、この再開に、どんな意味があるのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

寿は妖精のようにねいるを玩弄しているようで、非常に真摯に問いただし、託している。
賢く理性的な私達でいろ。為すべきことを為し、果たすべきことを果たせ。
涙と感傷に溺れるのではなく、扉を開けて楽園から出ろ。
あと、アダムのことは頼む。
そんな感じだ。理性的詩情に溢れたツンデレ…新しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

これまた寿の歪んだ鏡のようなドクターと闘う時、ねいるは銃を魔法のほうきに変化させ、殺すのではなく取り返すために使う。
彼女は最も近代的な武器を使う冷静な戦士に見えて、（例えばバーサーカー気質のアイちゃんのように）ただ敵を潰す以外の闘い方に長けている。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

髪を切る。難問を解く。
銃弾はあくまでそんな解決にたどり着くためのツールであり、ねいるの勝利は常に世界の謎を解く理性にこそある。
それが常に優しさとともにあったことを、彼女の親友はしっかり知っていて、オッドアイをきらめかせ最後の飛翔を楽しむ。
繋がった手。もう離さなければいけない手

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

数理証明という、タコパともネイルとも違う奇妙で、でもあまりに彼女たちらしいお楽しみを叩きつけて、ドクターはプライドに自死する。
その言動を吟味するに、ねいる達仕組まれた子供は大人に性的虐待を受け、早くに死んでは解剖されてたんだな。
そら寿は触られたくないし、ねいるも夢を見ない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

真白き打ち掛けのように、心に宿した不可侵の領域。
それを解ってくれると、心から思える死んだ友達。
今殻の外側で待つ、新しくて生きてる友達。
どっちも大事で、繋がってる。同じくらい、本物だと思える。
だから、『友達がいいそう』なジョークでねいるは笑う。笑えるようになる。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

そんな酷く神聖で個人的な領域を、窃視するモノクローム。
田辺の不誠実は、後にリカと桃恵が目撃する疑念へと繋がっていく。
頭蓋の奥の夢を取り出し、形を与える技術がどこから来たのか。何と繋がり、何を企むか。
綿密に用意された、物語終盤のエンジンが唸りだす。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

先週アカへの信頼と疑念を強調しておいて、ここで伏せ札を表にしだすのは凄まじく上手い構成だな、と思う。
少女たちの青春に繊細に踏み込む筆を、サスペンスを的確に取り回す腕力で活かすことで生まれる面白さも、確実に物語を加速している。
こういうベーシックな所面白いのが、マジ強いよな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

かくしてねいるは目覚め、情動を強く宿すリカと（また）衝突する。
桃恵はお仕着せの正しさをそれでも誠実に突きつけ、アイはフードで自分を守りつつ、ひどく幼くて誠に満ちた言葉で対立の間に入る。
棺を前にした言い争いには、彼女たちの純粋と資質がよく滲んでいる。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

わたしは押せる。
ロジックでガチガチに固めた殻を前に、リカが泣きそうになってるのが”らしい”。
彼女は自分が知ってる、鉄面皮でいけ好かなくてでも結構笑う青沼ねいるが好きで、ここで友達を殺してしまうなら『青沼ねいるはそんな女じゃねー！』と、どうしても届けたいのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

でも論点はどうしても、ねいるの理性とリカの感情で衝突し、ズレて、言うべきことは捕まえられない。
それは桃恵も同じで、ねいるの思いを汲んで差し出したはずの正しさで、『せっかく私が言ってあげているのに』というエゴを突っついてしまう。
人間言うべきこと、言いたいことを捕まえるのは難しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

お互いが人格の殻に真心を閉じ込め、物別れに終わるかと思われた対話。
アイちゃんはフードを外し、”IN”と書かれた殻へと踏み込んでいく。リカと桃恵には出口にしかならない場所が、彼女には入口になる。
誰かに寄り添う。優しくなる。
それが、なにより得難い主人公の資質だ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

リカの色（上着と同じバーガンディに揃えている所が、元グラドルのおしゃれセンスである）一色に染まった指では、つかめないもの。
偽りの星空を闇に照らす卵、寿との思い出に身を浸すねいるの領域に、アイちゃんは光と闇を伴って踏み込んでいく。
自分自身あの灯台で、その優しさに寄り添われたから。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

リカはねいるを信じて、殻の中で良い結末が出るのを待つ。自分では殻を破れないと、思い知らされる。
そんな己の指を見つめてしまう彼女は、相変わらず優しいし賢いなと思う。
そういう自省と他愛を失ってしまえば、ワンダーキラー一直線なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

ねいるの卵に入り込んだアイちゃんは、卵の中の謀略を見ることは出来ない。
適材適所、友情協力。
リカと桃恵が目撃した大人たちの秘密は、自分たちを包む不思議な殻、物語と世界の成り立ちに深く関わっている。
現実と繋がる、不思議な夢。それはもしかしたら、邪悪ですらある。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

薄々感づいていたものがスクリーンに具体化し、さてどうなるか。
次回以降の急展開にハラハラするが、いいタイミングでの開示と示唆に安心もする。
まー、あんまヒドイことになって欲しくないよとにかく…。マージで優しく、賢い子供たちだからさ。
つまんねぇ大人になるまで、頼むから生き延びてくれ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

アイちゃんは仮面を外したねいるに沿っと寄り添い、表層意識の殻の奥、ロジックとエモーションが複雑に混じり合う不思議な領域に、二人で踏み込んでいく。
言葉にならず、意識もされず、でも確かにそこにあったかもしれないもの。
コックリさんという、思春期の幼気なる陰智（オカルト）
©WEP PROJECT pic.twitter.com/6l4Td7NUdh

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

描かれない小糸ちゃんの『凄く優しい顔』を自分がしていることを、ねいるは多分自覚していない。
凄く柔らかいものを無防備に差し出し、共有することでねいるは、ようやく為すべきことへと踏み出せる。
それは理性と感情が入り混じった、二人だけのファンタジー。友情色の指先が指し示す、赤い終わり。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

ねいるが抱えた死の重たさ、一人では判断しきれない難問を、アイちゃんは片方背負った。
それはドクターをぶっ殺した数理証明と、同じで違う。
古い友達も新しい友達も、どっちも大事で、どっちも一緒に戦ってくれる。そのことが、ねいるを微笑ませる。
見守る人造の星空は、悲しくて優しくて綺麗だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

アカの指先も布石を打つ。蓮っ葉で露悪に見える裏アカのほうが、少女たちへの情を濃く出しているのはこれまで描かれたとおり。
その指先は、アイちゃんたちとは違って重ならない。
既に終わっていて、でも終わらせたくなくて、終わりにしなければいけないもの。
かくして、灯火が消える。
©WEP PROJECT pic.twitter.com/SACduHlxDu

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

己を”家”に縛り付ける名残を消し去って、ねいるは書を抱えて街に出ていく。
殻を破り、母胎から飛び出し、アダムを携え未来に進む。
そこに、幸せだったかもしれない可能性が一つ瞬いても、もう足は戻らない。
二人だけの物語を、もう受け取っているから。
さようなら、私の楽園。
©WEP PROJECT pic.twitter.com/z8OtLvAkub

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

まぁ、そんな感じの話だった。
ボードレール”酔え！”を引用しながら、ねいるは酩酊とは遠い場所にいる。
時間の残酷さ、死と友情から現世に置き去りにされる哀しさを指先に刻みながら、冷静に暖かく、為すべきことを為す。
醒めた理性を正しく使い、優しさに身を預ける。https://t.co/JIO0n4RbyY

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

それは友情に酔っているから…社長で天才の青沼ねいるらしからぬ、エッグでの大事な出会いを抱きしめたからこそ可能な行動である。
世界はロジック。死体は資産。
そう考えるよう不在なる親に刻まれ、最後の尊厳すら果たされないイヴはもう、用意された檻から出た。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

アイちゃんと寿、古くて新しい友達達がねいるの殻に踏み込み、柔らかな中身を受け止めてくれたからこそ可能な一歩を刻んで、物語は進んでいく。
顕になる謀略の輪郭。死せる少女たちの秘密。
闘い、死んでいく意味。
それが殻から飛び出す時間も近い。こ、怖いよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

それでも死の条理すら飛び越えて、思いは届き、殻は破られる。
卵を割らなければオムレツは作れず、眠れる雛は腐るしかない。そんな条理が痛みと同じくらい、切なる優しさを宿していることを、僕らはもう知っている。
人生はやはり、サイダーではない。次回も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

追記　今”トロピカル～ジュプリキュア”が、BANDAIのお商売を憧れとピンクのプラスチックに包んで女児アニ最前線でやってることと、全く同じものが描かれるねいる＝ネイル回だった。『メイクは勇気の後押しをしてくれる』全くだよ、、まなつちゃん……。

ワンエグ追記。
『酔え！』を引用していた寿はしかし、ゲロ吐くほど実際痛飲する年齢までねいると一緒に生きられなかったし、もしかしたらねいるもそうなるかもしれない。
桃恵達が抱いた当たり前の背伸びを、仕組まれた子供たちは酩酊に見た。
メイクとアルコール。大人だからこそ出来る、特別な儀礼

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

その思い出を埋葬する儀礼をアイちゃんと果たした今回、『一緒に死体埋める百合の変奏じゃん！』と一瞬興奮したけど、生まれたときはフレッシュな表現だったはずがコスられまくってテカテカの偶像に既になっちゃってる表現に、二人とこの作品を押し込むのもまたちげーな、と思った。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

酒飲むのも、メイクするのも、背伸びではなく一つの実感として、日常の顔の一つとして使い潰せる所まで、あの子達には生きて欲しいな、と思う。
ねいるが今回沢山やった”らしくなさ”を、弾む人生の中で幾度も見つけ、幾度も変わっていって欲しい。
それが許されていて欲しい。
本当にそう思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月9日

追記　裂け目と混濁。違うからこそ素敵なあなた、あなたに反射する私。

ワンプラ追記
前回リカ、今回ねいると主役回が回ってみると、この二人が非常に対比／相補的な描かれ方をされていることがよく判る。
二人を突き動かす原理の差、その現れの差、環境の差を越えて繋がる絆の深さ。
凡庸と超俗、家族と孤独、直感と理性。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月11日

これをジェンダーとセックスに結びつけて”男性的／女性的”といい切ってしまうのは（僕にとっても、また自殺の男女差をめぐるアカの発言から考えて作品にとっても）危ういわけだが、まぁそういう””付きの対比がそこに刻まれているのは間違いないと思う。
対比として置かれていても、そこには混濁がある

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月11日

リカはソリの合わないねいると友達になっていくことで、直感に押し流されすぎない怜悧な思考を自分のものにしていくし、ねいるがリカから手に入れた笑顔と苦悩は実は、既に彼女に備わり、封じられていたものだったことも今回見えた。
みな、友達を鏡に新しい自分に出会い、あるいは思い出す。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月11日

そういう存在としての異質性と隣り合うこと、たこ焼きやネイルやポマンダーや死闘を通じて笑い、泣き、血を流して繋がること。
そういうことが作中に描けるので、四人の戦士が主役なのはこのアニメ、大変成功していると思う。
色んな子がいて、でも不思議に繋がって。
それは凄く良いじゃない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月11日

ちょっと”ブレックファスト・クラブ”的なカースト越境の物語、固定されてると思っていた境界を超えて混ざり合う面白さもあるこのお話。
残り話数をどう使い、桃恵をどう掘り下げるか、誰とどう対比し、呼応させ、変化させていくかは気になっている。
まぁ上手くやってくれると思うが。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月11日

ねいる/リカでは外置されている”男／女”の裂け目は桃恵においては”他者／自分”で既に内在しており、拒絶による自死を導いて彼女の魂を引き裂いている。
メイクが好きで、栄養士になりたい。
”女の子”っぽい内面と、王子然とした外見、行動。
彼女を求める女の子は”男の子”の投影として…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月11日

あるいは女だからこそ、女を求めた。
それは性と自意識が隣接する非常にナイーブな領域だが、さてどう触るのか。
そこに、異質だからこそ共鳴するヘンテコな友達（ポマンダーの獣含む）はどう関わるのか。
楽しみである。ここ上手く描けると、更に現代性のあるアニメに化けると思うんだよなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月11日

なおアイちゃんは、枕営業の意味もわからないイノセンスなので、”性”はフードの向こうに遠ざけられている。
しかしそこに踏み込まねば卵が割れないことも、既に描かれている。
彼女の笑顔の意味がわかる時、多分一つの時代が終わる。幼く、だからこそあらゆる人の傷を見落とさない黄金期。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月11日

それを終えても多分、アイちゃんはとても優しい人でい続けると思う。
優しくなくなった結果、何が屋上から落ちたのかをよく知っているから。
その体験を殻の中に閉じ込めて終わらせず、未来に向かって割卵してもらえたのは、やはり一人ではなかったからだ。
友情は、現実に勝利するのか。物語は続く

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月11日