Dr.STONE STONE WARSを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
司と休戦協定を結び、彼の妹・未来を救い出した千空。
長きに渡った対立も、ついに終わり。
そんな安堵をぶち壊す、ダイナマイトの爆風。
氷月の凶槍が司を貫き、流れる血。
かつて道を違えた二人がその手を繋ぐ時、世界は運命を知るッ!
そんな感じのSTONE WARS最終局面! 主人公×ラスボスの最強タッグ、たった一度の共闘である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
約3クール、34話の物語のクライマックスとして、熱さと悲しみのあるエピソードとなった。
どんだけフォローかけても、司のやったことって評価難しいなー、とも思った。
こうしてアニメで見返すと、この作品個人の人格がどう集団に影響するか(しないか)をずっと書いていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
自分の弱さを知り、他人に頼る強さ、信念と行動で他人を導く正しさを持つ千空は、石神村という人間集団のあり方を変えてきた。
過酷な自然を前に、今日をなんとか生き延びるあり方から…
自然の強制力を科学で跳ね返し、理想を諦めなくてもすむ場所へと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
科学に人類の理想を乗せ、不屈の意志で未来を切り開く千空の生き様は、彼個人で終わることなく集団に伝播してきた。
ライバルたる司は、その選良思想に共鳴したものは少なく、力による場当たり的な協力(強制)が集団を維持してきた。
よりにもよって自分の肺腑を迷わずえぐる裏切り者が、思想面では一番の共鳴者って所が、司イズムの限界点をよく示しているが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
抵抗能力のない石像をゴリゴリ砕いてきたツケを払うように、司は管槍の形をした強制力を押し付けられ、膝を屈する。
剣を持つものは、剣で滅ぶ。そういう感じだ。
最後の最後で実現した最強タッグで氷月は倒せるが、物語のフィナーレは闘争の勝利にはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
ほぼ死が確定した友に、科学は何をしてやれるのか。
復活液、サルファ剤、無血制圧のための奇襲。
千空の冒険は、つねに”救命”を中心に据えてきたわけだが、その終わりもまた、命を救う戦いとなる。
今回の共闘はそこへの導線…であり、もしかしたら親友になれたかもしれない少年達の、一瞬の夢でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
目指す場所は同じで、歩んだ道は真逆で、それでもお互いを真っ直ぐ見ていた。
そんな二人が最後の最後、まるで年頃の少年のように、必死に限られた時を遊ぶ。
そんな輝きと哀しさのある話だった
というわけで、おファンタジーな石化現象を逆手に取り、行くぜ奇跡の大復活!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
話の最初っから最後まで、人間の生命と希望を救いまくる男。それが千空である。
世界にはクズしかいない。未来を託したくても、それを許してはくれない。
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司が暴力的覇道に突き進む理由となった絶望を、千空は科学で砕いて蘇らせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
俺こそが、人類に絶望しなくていい存在証明だ。
傲慢と最も遠い場所にいる彼はそんな言葉口にはしないが、まぁやってることはそういうことである。
俺たちが人間で、人間は人間を何度でも助ける。助けられる。
自身も姉を救われたコハクは、長い夜を抜けて光の中、未来を抱きしめる司に思いを馳せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
脳筋メスライオンキャラとして描かれながら、コハクが結構思慮深く他人の心情、自分たちの状況を見ている描写は多い。
惻隠の情を知ってる、というか。そこが好きよ。
ここでラスボスの哀しい事情に共感できるのは、無論コハクがコハクであるからだけども、千空が先んじてコハクの大事な人を科学で救っていたからでもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
クール顔のツンツン科学少年は、奇跡の技術で命を救う。人の心を救う。
それがもたらしてくれるものの意味を、コハクはよく知っている。
まぁだからって、生命選別していいわけでもねぇし、『一時の気の迷いでした』で終わりもせんけどな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
ラスボスとしてキャラが立つほど、訪れた平和に居場所がない。
難しいジレンマをぶっ飛ばすべく、暴力的退場を持ち出す回…とも言えるかな。綺麗になった司、マージ扱いに困る。
というわけで、ラストバトルの狼煙はダイナマイトでド派手に上げるよッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
”素材王”クロムが、キッチリブツの数抑えてる描写が結構好き。千空の発想力、カセキのエンジニアリングともまた違う、技術を成り立たせる大事な要素。
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そんなマテリアルへのこだわりは一手及ばず、氷月の謀略が奇跡の洞窟を砕く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
世界を揺るがす轟音も、弱きものを貫く魔槍も、あくまで本命のための指し手。
氷月、結構”謀”の出来る男である。
間近にいて、そういう心魂を変えられないのもまた、司の特性というか…。
普段口を開けば合理的、合理的言ってるくせに、目の前で生命が潰えるのなら迷わず手を伸ばしてしまう男、千空。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
それがずっと解り合いたい、救いたいと願いつつ道を違えた、運命の男ならばなおさらである。
こういう、己を一切顧みない倫理的衝動主義が、千空ちゃんのチャームポイント。聖人すぎる…。
激流に流され、たどり着いた暗い闇。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
霊長類最強を排除すれば、残った自分が唯一の暴力。なんでもいう事を聞かせられるし、自分の理想も叶えられる。
ヤバい脅迫食らってる時の孤独な千空は、ネギ頭がしおれてヘニャヘニャである。
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多分これがめったに見せない彼の”素”で、どんなに偉大に見えてもたった一人なら、千空だって弱いのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
しかし彼は司の指先が触れるのを感じて、いつものとんがり頭を取り戻す。
そうやって強がって、絶望を前にへこたれず、視線を未来の方へ上げてきたのだ。
このお話は科学チートであると同時に連帯チートで、『力を適切に合わせられるなら、希望は手繰り寄せられる』というルールで動いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
逆に言えば、思いを通い合わせられない怪物は、非常に脆いのだ。
孤独であることは弱い。
ならば、望んで孤独を引き寄せる選別主義は、人間を弱くするだけだ。
千空は氷月が突きつける、リアルでシビアな判断を最初から蹴り飛ばしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
原始世界が人類70億の生存を許してくれないのならば、知恵と科学の全てを動員し、ルールの方を書き換える。
ずっと人間はそうしてきたし、そうすれば希望は捨てないですむ。
それは綺麗事であり、強がりだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
千空だってそんな事実は解っていて、ただただ諦めない。
人間があるべき姿、掴むべき幸福の形がハッキリしていて、ネギ頭をおっ立て真っ直ぐ進む。
その生き様に、色んな人が付いて来た。隣を歩くことで変わってきた。
そんな行進に、今回司が加わる。
死に体を押して司が戦線を支え、千空が裏で逆転の秘策を練る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
奇跡の洞窟攻防戦を、役者を変えて再演するような構図。合わせた拳は時を巻き戻し、二人の少年を出会った頃に戻す。
突き飛ばされ、喉元に槍を突き立てられても、折れない心。
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ようやく取り戻した共闘は時限付きで、ズタボロになりながら勝利を掴む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
氷月はとにかく舐めプ気質で、最後もそれが原因で負けるわけだが。
自分で雑に放り投げた通信機が、自分を屠る刃になるのは好みの因果だ。
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石化燕の復活で反撃の契機を掴んだり、『俺は指先一つで!』と無駄喋りをしたのが最後の一発の伏線だったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
手妻と舌先を駆使して千空が戦ってるのが、ゲンちゃんからの影響をひっそり感じてホッコリする。
ゲンちゃんが千空好きすぎなのは解りやすいが、千空も大概よね…。
石化した燕が生命に戻ることでラストバトルが始まるのも、凄く象徴的だな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
千空ちゃんは殺して奪う、殺して良い生命を選ぶ道…今氷月が押し付け、かつて司が歩いた道に絶対進まない。
なんでも蘇らせ、可能性を羽ばたかせようとする。そんな彼の”武器”は、最終戦でも生命なのだ。
全てを出し尽くし、掴んだ勝利。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
健闘を称えるように合わせた掌を、月光が見守る。
たとえそれが、儚く消える灯だとしても。
今は、掴めなかった綺麗な夢を。
かくして、STONE WARS完全決着。
後は、生命の領分だ。
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という感じで、”武”の領分を決着させるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
司のシャドウである氷月がぶん回す、暴力と謀略。”合理的”な千空ちゃんが検討だけして秒で投げ捨てた、人間の悪しき可能性。
そういうモノに、科学少年達は負けないと証明する話でした。
その代償は司の命なわけだが、さて千空は消えゆく希望に、どんな答えを出すのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月22日
バトルモノではなく医療モノとして最終回を迎えるのが、なんともこの作品らしいと思います。”Dr”STONEだからね…。
道を違えた友と歩めたかもしれない未来は、兇槍に潰えた。
次回、最後のプロローグ。楽しみです。