スケートリーディング☆スターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
かくして動き出した、グランプリファイナル。
圧倒的なエースに引っ張られ、己を星の高みに押し上げた同志が奮起する。
秘められていた才能が開花する瞬間、その先にある永遠。
果たして頂点を掴むのは、どのチームなのか!?
という感じの、最終決戦前編であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
狐ヶ原、聖クラヴィスがそれぞれチームとメンバーの個性を出し、スケートリーディングという競技の特色、個性もよく見えた。
前回作った見やすい構図に、しっかりと中身を入れていく構成で、強い充実感がある。
回転数の違うジャンプをユニゾンさせる難しさとか、”ついていく”狐ヶ原と”引き上げる”聖クラヴィスの違いが如実に点数に反映されるところとか、細かい競技描写に説得力があり、スケートリーディングのことが解るエピソードであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
こういう具体性があると、やっぱ描写は飲みやすい。
残り一話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
このタイミングでそういうものが充足されても遅いのか、クライマックス…通り越してエンディングの感慨を味わうには十全なのか。
中々判断が難しいところだし、言葉を飾らずに言えばやはり、遅い感じはある。
前回の構図作成にも感じたように、あと7話早くこのエピソードがほしかった。
そう感じるのは、単話としてこのエピソードがよく仕上がればこそだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
エースだけでなく、彼らに引っ張られるサイドメンバーの思いと意地、それを反射して受け取るエースの呼応を描いたことで、人間ドラマの陰影がとても深くなっていた。
圧倒的な才は人を引き込み、言葉を超えて認めさせる。
篠崎くんも姫川くんも立ち回りが巧い方ではないが、それでも行動で思いを伝え、エースと認められていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
突出した才にふんぞり返るのではなく、自分が足をおいた高みに仲間を引っ張り上げ、尊厳と自負を与えていく。プライドのある滑走をさせる。
そういう引力のようなものが、カメラを一旦中心から外すことで描けていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
これはエースの説得力、主役の条件としてかなりいい書き方で、彼らを真ん中に据えて高みに翔ぶチーム、スケートリーディングという競技の値段も、素直に上がっていく。
こういう書き方で前島くんを照らしてくれれば、『お前なんで、この話の真ん中に座ってんの?』という疑念も薄くなったと思うが…さて、残り一話どうなるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
現状僕の目に、前島くんは周囲の想像を超える天才というより、ワガママを許してもらっている子供にしか見えない。
篠崎くんと姫川くんが、ムッツリした表情の奥で何を考えているのか、モノローグの使い方も良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
ヒビの入った自分の限界をさらに越えるべく、変えたチーム。覚悟していた軋轢。
でも、仲間たちは自分を迎い入れてくれた。身の丈の先へと、一緒に進もうとしてくれた。
無言のコンタクトで、今まで作ってきた調和を超え、全員で高みを目指そうと飛ぶ狐ヶ原の演技はとても良かった。ドラマ面でも、作画面でも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
それでも姫川くん以外のメンバーが、同じジャンプを飛べない挑戦者を、全員最強クラスの王者は振りちぎっていく。
篠崎くんの意外な素直さが道長、山下両名に響いていたり、あくまでエゴイスティックに高みを目指しつつも、現状のメンバーに敬意をもって君臨する篠崎くんだったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
聖クラヴィスが結構”いいチーム”なのが、よく伝わる滑走でもあった。
ハイレベルに揃える王者の強みが、演技によく滲む。
おそらく戌尾ノ台は君臨する篠崎くんの滑りを、可能性を引き出す前島くんの滑りで上回り、奇跡の逆転勝利を成し遂げる構図なんだと思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
狐ヶ原→聖クラヴィス→戌尾ノ台と、それぞれ凄みを描いた上でそれを上回る滑走を連続させるリズムが、勝負の面白さを引き立てもする。
そこにエースの特性、チームの個性がちゃんと反射されているので、ついた点数も飲み込みやすい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
…その構図に乗っかれなかった中帝大付属と他2チームは、まぁご愁傷さまという感じではあるが。
捌き切るにはあまりに大きな人数を、物語に詰め込んだ感じはやっぱり残るな…。
さておき、今回の勝負、チームと個人の表現が飲み込みやすいのは、解説の久遠寺くんが良い仕事をしていればこそだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
競技の要点、勝負の勘所をしっかりまとめ、観客にわかりやすく伝える仕事を、明瞭に果たしている。
彼が引いたガイドラインに沿って、物語が分割され食べやすくなる。
『んじゃあ今までの解説は何やってたんだ?』という話にもなるが、久遠寺くんの話に耳傾けたくなるのは彼がおもしれー男だからで、そう思えるのはここまでの描写あってこそでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
彼を解説席に下げるタイミングはかなり難しかったと思うが、ことGPFに限れば、大変いい仕事をしている。
ライバルチームは滑走の中で自分たちを立派に語り、アイデンティティを示した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
『それを上回る説得力が、戌尾ノ台最後の滑走に宿るのか』という問いかけが、最終話の価値、このアニメの感想を決めることになりそうだ。
前島くんを甘やかして進んできた物語が、逆境を力に変えて自分の殻を破れるか。
最終話は滑走や勝負それ自体ではなく、その書き方、生かし方(あるいは殺し方)に個人的な焦点がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
スゲーぶっちゃけると、前島くん真ん中に据えて勝つ理由が、現状積み上げたものだと収まり最悪なんだよね…。
姫川の敬愛、篠崎の畏敬。両エースがチームに与えたものが、前島くんには無いでしょ
未熟であっぷあっぷなクソガキを、しょうがねぇなぁと遊ばせてやってる。圧倒し君臨するはずのエースが、一番人間として弱い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
そう見えてしまう”部”が、前島くんを起爆剤に聖クラヴィスを超えられるか。”最善”を越える”最高”にたどり着けるか。
ここは、単話ではどうしても越えられない壁だと思う。
今回、控室から前島くんがライバルたちを”見てる”描写が結構あって、そこには彼なりの敬意と興味があるのだと解った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
でもそれは、やっぱりもうちょい早く見せて欲しいものだった。
物語が最終盤を迎えたこのタイミングで、『実はいい子』と書かれても、飲み込めはしても消化する時間がない。
こういう引っ掛かりが僕の中にある中で、しかし最終滑走への期待は上手く盛り上がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月23日
勝負も競技も、今回でそうなるように構図を組み上げ、中身を入れられた。
現在の輝きは、過去を超えて未来を引き寄せられるのか。
期せずして作品のテーマを回収しそうな最終回、どうなるのか。楽しみです。