BEASTARS 第二期を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
暗い闇の中で、赤い花が咲く。
銃火、血の色、命の紅。
誰かを傷つけ、犠牲に喰らうと解っていても、立ち止まれない思いを抱えて、今獣たちが往く。
牙に名残るのは、砕けた友情の苦味か、真実の絆か。
かくして、長い夜が開ける。
その先に開ける未来は、どんな色なのか。
そんな感じの獣人青春群像劇、遂に最終話! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
イブキとルイ、リズとレゴシ、リズとテム、そしてレゴシとルイ。
肉食と草食の宿命を命で贖うしか無い運命のどん詰まりを、突破していく最初で最後の捕食。
散らした命を思えばこそ、決断できる人間の極限点。
そういうものがみっしりと画面を埋める、素晴らしい最終回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
ここに至るまで丁寧に、キャラクターの情緒と本能は描いてきたので、全てが決着していくドミノ倒しには納得とカタルシスがあり、終劇の快楽を堪能しました。
暴力と死によって決着するしか無い、獣達の宿命。
それを当然視するからこそ、この世界には裏市がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
しかしそこすら欲望の吹き溜まりではなく、どん底でも必死に人間らしく生きようとする者たちの輝きが、闇の中の星のように燃えていた。
それが燃え尽きた後、ルイは何を選ぶのか。
それを燃やしながら、レゴシは何を掴むのか。
リズとテムがたどり着いてしまった領域に隣接しつつも、それとは真逆の結論にたどり着いて、殺さず制することで終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
矛盾と嘘に塗れた世界に傷つけられながら、それでも絆と意思で立ち続けた青年たちの答えは、血みどろでありながら非常に爽やかで、この作品らしかった。
男衆の異様な熱量に、結局女たちが最後の最後で関与できないところとか、構造的な歪みもありますが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
まぁその置いてけぼり感をハルちゃんのキャラ造形と描写にしっかり練り込んで、”弱き草食の女”の陰影を深く刻み続けているので、俺的にはOKなんだけどね。
というわけで、最終話男祭りの第一走者はイブキとルイである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
EDをOPに前倒しして、ある種の”答え合わせ”をする演出を最後にもってくるの、やられてみると巧すぎてビビるね…。
闇の中、夜の獣のようにテールライトが赤く光る。それも消えた、真の闇。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会 pic.twitter.com/9YVkuK5Hxg
ワイヤーフレームで描かれた、男達の極限。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
鼻のいいレゴシは嗅覚で目の代わりをするけど、ルイ先輩が闇の中、自分とライオンを認識する手がかりは何だったんだろうか?
お前がそこにいるということ。
結局喰うか喰われるかで、でもそれ以上の縁を確かに結んで、それでも銃弾でしか向き合えないこと。
ひどくむき出しで、率直で、だからこそ複雑なものが、陰の中で二人の輪郭を紡いでいるような気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
利用し、利用される。
そんな利害から始まった新生シシ組は、たしかに家族としての温もりを育み、それよりも濃い関係を続けていけるはずだった。
でもルイは、学生であることを捨てれない。
他人を尊重し、世界に理想を抱き、自分を諦めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
そういう真っ直ぐな人間だから、レゴシを見捨てる闇の住人になりきれないから、イブキと、シシ組と決別しなければいけない。
世界の嘘に傷ついて闇に沈んだ男が、自分たちの真実から逃げれないからこそ、光に戻っていく構図だ。
ルイは結局、イブキを撃てない。喰われる自分を諦めたわけでも、肉食が自分を喰わないと思っているわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
ただ、イブキがイブキで、自分がルイだから撃てない。
その甘さをこそ、イブキも愛した。そんな自分ごと噛み砕こうと、開けた顎が阻まれる
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会 pic.twitter.com/yl8pqJaadQ
闇の中、小さく灯る灯火はフリーのバイク。そして、約束の銃弾。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
喰う、喰われるしか世にはない。
そんな乾いたルールを一番知ってるはずのヤクザたちが、若鹿の頭に抱いた夢。
ルイの覚悟、イブキの襲撃、フリーの弾丸が、それを終わらしていく。
その終わりは、確かに光なのだ。
フリーのヘッドライトを導きに、ルイは光の中に戻っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
世の醜さに背を向けて、流れ着いた裏市の闇。全てがむき出しで嘘がないと思っていた場所でも、稀代の役者は嘘をついた。
ライオンの群れに君臨する、強い自分。
ライオンとでも、絆を作れる優しい自分。
そんな嘘は、壊れてしまった。
だがこれから向かうレゴシという光だけが、ルイの真実ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
闇の中置き去りにしたイブキの亡骸、フリーの意思を背負って、ルイはレゴシのもとへ、かつて逃げ出した場所へと帰っていく。
それはただの帰還ではなく、あの時越えられなかったものを越える飛翔となる。
翼をくれたのは、優しい獅子だ
銃弾という牙を使って、結局喰うか/喰われるかにしかならなかったけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
それを導いてしまった己の弱さ、イブキの優しさを消えない傷と抱えながら、ルイは翔ぶように走っていく。
その先で待つのも、また闇。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会 pic.twitter.com/KYyDk9E0KP
リズは結局、ピナくんを食わなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
血の匂いをまとってレゴシを怒らせようとしたのと合わせて、自分をわかって欲しい、本気で向き合って欲しいという思いが、凄く強いのだろう。
その手段として食殺が適さないことを彼は、もう思い知っている。
むき出しの自分を押し付けた結果、テムは肉塊になってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
それをごまかす蜂蜜の色合いと、何処か似た蚕の命がリズを幻惑し、しかし決定打にはならない所が中々シビアだ。
命の重さは知っている。敬意もある。
だが、決定的に足りないものがある。
殺す本能、喰う本能。
ルイが一足早く、イブキの命を通じて向き合った…向き合うしかなかったものが、リズの総身に満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
結局肉食は、孤独な怪物。
そんな諦観を殴りつけたくても、最強の捕食獣は強い。圧倒的に強い。
『種の壁を越える』というテーマは、羆と狼の身体的差でも、描かれるわけだね。
鍛錬も武功もなにもなく、ただただ殺意と凶悪で武装した打撃が、レゴシを”液体”に変えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
シャワー室のファイトクラブも良かったが、決意を固めたリズの圧倒的な蹂躙、獣を超えた獣の凶悪さが宿って、ここの殺陣も良い。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会 pic.twitter.com/Fl7XaWN3jK
瞳孔を収縮させ、テムを食らったときのような獣の顔、殺しの表情を作るリズ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
その狂気を飲み込むように、狼は腹を見せる。
一息入れたい戦士の計算もあるが、まぁ八割天然だよな…レゴシは、リズと離したい自分、自分と話したいリズに自覚的だし。
殺し合いしてても、どっかが”部活仲間”な二人が可愛くて、とても悲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
リズだって可能なら、部室で草食肉食別け隔てなく、つまんねー青春していたかったんだと思う。
優しいクマさんとして、つぶらな瞳でずっと過ごしていたかったんだと思う。
今世界の裏側で、青春映画めいて天を仰ぐみたいに。
でもそれは叶わなかった。決定的に、自分の牙で、抑えきれなかった本能で食いちぎってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
その事を、彼も当然解っていた。解っていても、止まるわけには行かなかった。
テムとの友情は、確かに本当だったのだから。そういう大事なものを、壊したのだから。
食肉という低次の本能に支配されたようでいて、リズの食殺は『本当の自分を見て欲しい、わかって欲しい』という、高度な社会的欲求に基づいている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
彼がただの獣ならば、食うことにためらいも愉悦もなく、世界もそれを問題としない。
しかし、彼らは獣人だ。社会があり、言葉を持つ。
ルール、筋抑止剤、裏市という本能のゴミ捨て場。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
様々な枷をつけて、なんとか人を認め人に認められる構造を維持しようとしている、知恵ある獣たち。
その一人として、リズも自分を認めてほしかった。誰かに手を繋がれることで、自分の存在を確認したかった。
しかしそれは、非常に難しい行為でもある。だからこそ、社会は獣たちに枷をはめるのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
皆、獣の自分を抑えつつ、人の自分として仮面をかぶる。その間にある本能が暴発した時、人はみな獣に堕ちる。
それを、子どもたちはもう知っている。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会 pic.twitter.com/Tb8YGafgEY
光りに包まれた共感、差し伸べられる手。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
リズはかつてテムが与えてくれたものを跳ね除けたときのように、一時の青春を闇に返す。
もう止まれない自分を知っているから、悪辣な態度の奥で何処か救いを求めて、この決闘をレゴシと作り上げた感じもあるな…止まりたいんだ、リズは。
それは暴力と友情のアマルガムでしかなし得ないので、ルイが来る!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
ここまであまり人間的な技術を使わず、獣の膂力に頼った闘い方をしていたレゴシが、このあたりから武術家の立ち回りになってくるのが、なかなか面白い。
ゴウヒンさんから継承したものが、だんだん起きて来る。スイッチはルイだ。
暗い闇の中、殺戮者の小さな眼を元に戻して、リズは月下運命を待つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
ルイが来た瞬間に、勝敗は決してた感じもある。
ぶち壊しにしてしまった、肉食塗装色の友情。食う/食われるの二分法を越える奇跡。
自分が求めつかめなかったモノを、レゴシは引き寄せた
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会 pic.twitter.com/KKjsSAivBz
覆うものがなにもない夜の中で、レゴシとルイはようやく向き合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
かつて自分が何気なく預けた言葉を、強さに伴う責任を、この変態狼はずっと抱えてきた。
自分が甘え、すがり、救い、殺した命と同じ目線で、獣は優しく俺を見る。
何処まで行っても、肉食獣に焦がれるでしかない自分。
例え死に終わったとしても、深く深く胸に突き刺さっているその存在。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
ルイは裏市に青春を彷徨わせて、そんな自分と世界を嫌というほど認識した。火薬と死と思い出で、消せないほどに焼き付いてしまった。
怖くて強い肉食が、愛し畏れるべき隣人が、俺は好きだ。
そんな自分を一瞬偽ろうとして、初めての号泣に押し流されていくルイが、あまりにも”青年”で切なく、愛おしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
人生という舞台がどう動くか、常に耳を立てて、最適に演じる。自分の居場所を作り、鎧を外さない。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会 pic.twitter.com/jhDM6vJkDt
そういう生き方が出来ない、しなくてもいい場所は、いつでも肉食の隣だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
それを教えてくれた友の命を、己の弱さ故に奪った傷が、強がってレゴシと距離を取り、自分を守ろうとする弱さを押し流す。
もう、友達には死なないで欲しい。勝って生き延びて欲しい。
そんな願いは、ただ餌食になる”4番”を檻から出して、誇り高きルイとして活き直したい思いと強く繋がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
あの時より大きくなって、でもあのときのままのむき出しの足。自分の呪いと祈りを、無防備に差し出せる相手。
俺を食え、レゴシ。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会 pic.twitter.com/9u3PzWGwE7
食ってなお、命を奪わずまだ笑いあえるような奇跡が、世界にあることを証明してくれ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
ルイは己を肉と預けることで、肉でしかなかった幼年期を越えていく。
足を奪われることで、自分だけの足で人生を歩いていく力を手に入れていく。
痛みの中心にしか、それを超えていく足場はないのだ。
大人の嘘に傷ついて、裏市で嘘のない関係を作り、学んだルイ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
本音の牙の奥でいつでも唸ってる、キレイ過ぎる夢への視線を感じながら、ルイは一世一代の大芝居でヨダレを沸かせる。
まるで初夜のような厳かなエロティシズムが漂う、捕食の姿勢。しかし、気圧しているのは餌食の方だ。
差し出された肉、弱さ、だからこその強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
レゴシは戸惑いを飲み込み、『食わずに強くなる』という理想も投げ捨て、目の前の人間を腹に落としていく。
結局俺たちは、人食いの獣。
そこから背中を向けて、勝てる殺意と狂気じゃなかった。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会 pic.twitter.com/FDlUbtdQC6
だが食ってなお続く縁が、人でもある彼らにはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
マッシヴなパンプアップを果たしたレゴシ最終形態は、新皮質に宿る人間性を残したまま、原始の力を総身にまとわせている。
エゴのどん詰まりを、固く閉ざしていたはずのフェンス。
それは打ち壊され、ルイの声は生きてレゴシに…、そしてリズに届く
自分が求め、たどり着けなかった答え。その手でぶち壊してしまった未来。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
それが圧倒的なパワーと、確かに生き続ける未来を混ぜ合わせてやってきた時に、リズはもう負けている。
彼は答えを探していた。
それが自分の中にあると、蜂蜜をナメて誤魔化していた。諦めていた、ともいえる。
己を食わせ、勝たせ生き残るルイの決意。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
食って勝ち、俺達の答えを証明するレゴシの意思。
それはリズが否定しながら求めてきた答えを、拳よりも早く叩きつける。
語り合うには、暴力が必要だった。届けるためにも。
だが、それが答えではない。あってはならない。
甘やかな夢想、あり得たかも知れない過去、自分が蔑してしまった真実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
それを、レゴシの拳が撃ち抜く。獣の強さと人の技、まさに”獣人”の一打である。
港に鳴り響く汽笛は、怪物たちへの弔鐘か、新たな出発の寿ぎか。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会 pic.twitter.com/m7KiqX3pse
レゴシの一撃を受けても、ヒグマは地面に倒れ伏さない。最強の肉食獣は、理由もなく最強なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
しかしその技は心に届き、夢想と迷妄を砕いた。
自分は間違えた。キレイなものを求め、それを爪で引き裂いてしまった。
死の恐怖に震えながら、差し出してくれたものの意味もわからぬまま。
長い長い修羅道が開けて、リズは敗北を認める。うっすらと理解していたものに、道を明け渡す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
そうすることでしか、この哀しい獣は新しく動き出せない。だから、船出の合図がゴングのように、鳴り響くのだろう。
そしてそれは、他の獣達の船出でもある。
心を砕かれた獣に、ルイは掛ける言葉を探す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
誰かに押し付けられた凶器、自分に有利な生存地を探る武器。
そうとしか言葉を使えなかったルイは、ただただ己の心に湧き上がるままに、”後輩”に思いを託す。
気づいてやれなくて、済まなかった。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会 pic.twitter.com/RVpY1RlZXu
テムが死んだのも、リズが狂ったのも、別にルイ先輩の責任じゃないんだから、ほっかむりして逃げちゃえば良いのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
この音子はそういうことが、もう出来ない。
元々出来ていないんだが、善良で理想家な自分と向き合うこと、そうあることで生まれる傷から、もう逃げないと決めたのだ。
学園最高の役者として、嘘を演じてきたルイ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
彼がこのフィナーレで、凄く素直で真摯で、嘘がないからこそ厳しい世界では嘘になってしまうような理想を演じたのが、僕は凄く好きだ。
奪われた足も、その痛みも嘘じゃない。目の前の獣が、底抜けに明るく笑うのも。
殺し、殺され、奪い、奪われ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
世間の認める百点満点のハッピーエンドじゃないが、この演目には嘘がない。
血みどろに追い求めた真実が、赤い証明を刻んでくれるような、俺達の結末。
ここまでの過ちも痛みも、全部必要だった幕引き。そういう終わりを見送るのは、やっぱ凄くいい気分だ。
『いや、マジ警察呼ぼうぜ…』と、前から言っていたピナくんの通報を受けて、社会秩序がおっとり刀で駆けつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
そうならざるを得なかった個人の事情を斟酌しつつも、あるべき裁きを下す。今のリズには、多分法の厳密さが救いだ。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会 pic.twitter.com/sGT9g4MCIR
経歴に赤い傷が付きつつ、レゴシはハルちゃんとともに、ひどく広い世界を見通す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
間には樹が一本立って、あまりに勝手に傷つき、自分ひとりで答えを見つけてしまう男と、弱くて強い女を隔てているけども。
それでも二人は隣り合って、ヘンテコな…彼らだけの恋と人生を続けていく。
かくして、アニメBEASTARS終了である。三期があるかは分からんけども、ともかく幕だ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
素晴らしかったです。ありがとうオレンジ、ありがとう松見監督、ありがとうパル先生。
3Dモデルの表現力、プレスコで瑞々しく踊る芝居、情景に滲んでいく青春と残酷。
毎回綺麗で、見てて気持ちのいいアニメでした
アニメに落とし込むに当たり改変された部分は凄く沢山あって、しかし自分としてはその一個一個が腑に落ちて、良いアニメ、良いBEASTARSだったな、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
やっぱメディア変わると別の話だからね…良い編集を通じて、原作のパワーを120%引き出していたと思います。
一期は学園を舞台にした青春群像劇の色彩が強かったですが、二期は食殺事件を巡るサスペンス、世界の本音に触れた青年たちの決断が、色濃く匂う仕上がりとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
レゴシとルイを中心に、強い感情とかすかなペーソス、静かな詩情が画面によく乗っかり、大変良い味わいだった。
リズを凶悪な殺人者として、狂気に現実を歪めた怪物として、そして美しいものを求めた幼子として、複雑に書ききった筆が非常に良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
原作を読んだ時から感じていた哀れみ、主役たちの陰としての存在感が、アニメではより強くなっていたと思います。
イブキを橋渡しに、裏市のグロテスクに深く踏み込んでいく二期。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
そこには性と死、むき出しの本音と微かな希望が複雑に入り交じる、当たり前の人間の世界だった。
結局”死”で決着するしか無いやるせなさ含め、避け得ない業の結晶として、裏市を魅力的に書けたのは大変良かったです。
EDでも色濃く示唆されていた、イブキの”死”としてのルイ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
彼が死神アドラーを見事に演じ、しかしイブキと過ごした日々がトリガーを引かせない流れを考えると、シシ組での生活を経てルイは、嘘の死神であった自分を超えたんだなぁ、とか思う。
部室からカメラが外れても、演劇の話だったね。
レゴシの悩み多き青春、業と矛盾をはらみながら輝く獣人世界は、まだまだ続いていきますが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
アニメとしては、今回が一つの区切りです。
大変面白かったです。ハイクオリティな映像で、原作の保つ力を最大限引き出し、新たな喜びを届けてくれる最高のアニメ化でした。
お疲れ様、ありがとう!
追記 ゲキドルとBEASTARS二期が同じクールにあるの、個人的には強い意味を持っている。
BEASTARS追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
イブキは百獣の王として、強さを演じてきた。
裏市の”素材”だった彼は演劇なんて知らないけど天性の役者で、かぶってきた嘘を引っ剥がせるルイの隣で、初めて芝居をやめた。
そんな肉食と草食の蜜月が、銃弾の否定し得ぬリアルで終わっていく。硝煙で、舞台に幕が下りる。
イブキが去った人生というステージに、ルイは立ち続ける。共演者が降りても、幕は続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月26日
二人の役者が作った芝居、そこにこもった真実。
それが『鹿が強い獅子の頭を張る』という大嘘だったこと。
それだけがルイの真実にはなり得なかったこと。
やっぱ、演劇部から舞台が移っても”演劇”の話だ。