ゆるキャン△ SEASON2を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
伊豆の旅が終わる。
恩義あるひとに再び見え、大室山を巡ってサボテンパークへ。
待ちに待ったカピバラちゃんを堪能し、沢山の思い出と心地よい疲労を土産に、故郷へ帰る。
おかえりと、馴染みの富士が夜景に告げる。
ただいまと、一言返して日常へ戻る。
また、旅に出る
そんな感じのゆるキャン△二期、余韻たっぷりの最終回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
とにかくどっしり、腰を落として伊豆への旅を追体験させてくれたカメラは、最後まで浮つかず、帰宅の喜びと少しの寂しさを丁寧に捉えていた。
非常にゆるキャン△らしい終わりで、大変良かった。
ED曲”はるのとなり”の歌詞が、誂えたようにハマる収め方も見事…というか、実際誂えたのだろうけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
作品をよく見た楽曲が、最大限生きるように物語を編み、お互いがお互いを照らし合う最高の演出で曲を活かせるのは、非常に強い描き方だと思う。この演出腕力も、ゆるキャン△の強み。
お話はやはりゆったりと進み、朝焼けを背負いつつ一行は最終日へと歩み出ていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
前回辺りからりんちゃんとなでしこがペアで画面に映るシーンが多めになってきて、『やっぱこの二人でしょッ!』という主張が、大変心地よい。
©あfろ・芳文社/野外活動委員会 pic.twitter.com/cwWkxL1rsh
同時に孤高のソロキャンパーだったリンちゃんが手に入れたものも、さり気なく力強く描かれ、まさに最終回という感慨を強くする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
連れてきてくれて、ありがとう。
野クルのみんなに感謝するリンちゃんと、それを受け止める仲間が朝日に眩しい。青春やな…。
”ゆる”とタイトルに付きつつ、少女がキャンプを通じて何かを見つけ、それを自分の中に取り込んで変わっていく様子をしっかり描いているのは、このアニメの特徴だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
可愛らしい女の子たちが、遊び働き笑い合う中何を学んで、日々の輝きをどう血肉に変えているか。これはかなり丁寧に追われている
思い返せばひと冬の、そんなに長くはない物語。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
しかし出会いは様々な可能性を連れてきて、素直でタフな少女たちは心に蒔かれた種を力強く芽吹かせていく。
それが色んな咲き方をする様子、咲いた花が新たな出会いを連れてくる様子が、緩いだけではない視聴感を生み出す。
非常にゆったり、構えることなく心地よく流れていく物語の奥底に、そういう分厚い基盤があればこそ、緩すぎて作品の輪郭が解けることもなく、このお話は流れていった感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
それは相当に強い話運びだなぁ、と思う。緩急自在の闊達は、やっぱ卓越した演出力の賜物だよなぁ…。
生き死にの際に立った大間々岬の返礼と、山梨土産を携えてやってきた酒屋には、可愛い可愛い犬がいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
驚きもまた喜びとなり、思い出は掌の中に収められていく。
賑やかな旅路も、そろそろ終わりだ。だが、そこに悲壮の色はない。
©あfろ・芳文社/野外活動委員会 pic.twitter.com/cD8xPFuwrA
ただただ目の前の楽しさを吸い込むべく、色々準備もしてきたわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
ハレの三日間だけを描くのではなく、そこに至るまでの(旅に出ない)旅路を描けばこそ、生まれる豊かさ。
大室山の測量点も、また一つの出発点となって、彼女たちの日々は続いていく。
伊豆最後の楽しみと、選んだサボテンパーク。ここがクライマックスになるように、小犬子に『カピバラちゃんカピバラちゃん』言わせてた感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
実際、あかりちゃんがめっちゃハシャイでる姿は最高に良い…肌が潤う。
©あfろ・芳文社/野外活動委員会 pic.twitter.com/MqCznhDAun
別れていく帰り路は、あくまで明るく楽しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
やがて車を降り、自分の足で、自分のペースで帰宅するリンちゃんの横顔を、喧騒の中なでしこはじっと見ている。
明るく元気なだけでなく、こういう落ち着いた目の良さがある子だと、度々描写されてるよね、なでしこは…。
話の最後を”なでリン”でどっしり〆るためには、やっぱこういう補助線をさり気なく埋めてムードを造っていかなきゃいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
こういうさりげない端っこの処理が、デカい感情の呼び水、納得の土台になって物語がうまく誘導されていくのは、つくづく”巧さ”である。怖いアニメだよなー…。
修善寺を境に別れていくリンちゃんを、なでしこは携帯電話で撮り、見送る。やっぱ徹底して、真心のメディアとして携帯電話を描き続けてる印象があるな…
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
故郷が近づくほどに、旅の終わりもまた近づいてくる。伊豆はもはや、あそこまで遠い。
©あfろ・芳文社/野外活動委員会 pic.twitter.com/gycSYVrR9w
ここでなでしこが伊豆を見る視線が、リンちゃんが故郷の富士に迎えられる視線と呼応してるのとか、マジ凄いなと思うわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
オドメーターに刻まれた、長い旅の記録。それを称えるように綾鷹が『おかえり』を言う。
それを、なでしこもリンちゃんに言いたい。
©あfろ・芳文社/野外活動委員会 pic.twitter.com/nCyY7J8Nzb
『ったくしょうがねぇなぁ!』と言いながら、妹の足になるのがまーったく苦痛ではない、つうかありがたい桜さんの表情が大変良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
この人妹好きすぎるし、リンちゃんが好き過ぎるなでしこのことを理解りすぎなんだよなぁ…。
第7話で”鉄骨”が入って、なでリンさくの関係性は今、まさに強靭無敵。
あの時思わず駆け出してしまったリンちゃんと、全く同じ思いでわざわざ出迎えに来るなでしこが、ホントリンちゃん好きすぎて素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
やっぱり最後はこの二人。しっとりと感慨にふける姿を、各務原桜はクールに見守るぜ。この人も、二人のコト好き過ぎ。最高。
©あfろ・芳文社/野外活動委員会 pic.twitter.com/TemojmcQKY
旅の終わりに感じる寂しさを、笑いでごまかさず寂しさとして噛み砕き、言葉にして友だちに伝える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
そういうことが許される関係に、二人はとっくにたどり着いている。はたから見てるとちょっと恥ずかしいくらいに、ど真ん中の青春しとるのだ。
それを生んだのも、あの湖での出会いである。
『初めてのキャンプ』を話題にすることで二期第一話に、『本栖湖』を見つめることで一期第一話に。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
一つの区切りとなるこの最終回で、キッチリ出だしに戻ってきてる構成がマジで凄い。
そこから始まり、ここに至り、まだ続いていく。
そういう時間の連続性が、この場面にギュッと詰まっている。
旅は終わり、旅は続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
冬は常に春の隣であり、離れたひとともまた出会えるだろう。
一人でいることは寂しいことではなく、みんなでいることが唯一の答えでもない。
色んなものが繋がっていて、その真ん中にいる自分をキャンプは、友達は教えてくれる。
©あfろ・芳文社/野外活動委員会 pic.twitter.com/63xHAfuJAD
二期25話の物語が何を積み上げたのか、自然なやり取りの中、静かに青春の温もりを宿しながら語るラストシーンである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
なでしことの触れ合いを経て、リンちゃんも家に帰る。
折り目正しく文を添えて、旅の土産を祖父に届ける。
二期は志摩家が内在する歴史、そこで育つリンちゃんに、焦点合ってたね
家族に暖かく支えられながら、リンちゃんはキャンプを始め、自分で原付を運転するようになった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
父母の過去を知り、祖父と並んで走り、手紙を添えて土産を送る人になった。
その靭やかな成長と変化が、”家”という箱にコンパクトに纏められ、概観できるクールだったかな、とも思う。
かくして旅は終わり、日常が始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
おかえりと告げる制服の中で、次なる旅の支度が始まる。
冬の隣りにある春は、どんな顔をしているだろうか。この友達と、どんな素晴らしさに出逢っていくのだろうか。
それは判らない。判らないから、面白い。
©あfろ・芳文社/野外活動委員会 pic.twitter.com/wIrwImaigx
そんな事を告げる、旅の終わりでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
ラストカット、特別でもなんでも無い通学の風景が凄まじいクオリティと詩情で、『そここそが特別なのだ!』と無言で殴りつけて終わるの、マジ”ゆるキャン”って感じ。最高級の”質”を、一切力みなく適切に使い切ってた。
というわけで、ゆるキャン△二期も終了である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
いやー…大変面白かったです!
女の子たちみんな楽しそうで、可愛らしくて、見ているだけで幸せな気分になれるアニメでした。
景色に食事に思わぬ喜び、旅の醍醐味を追体験させてくれる話運びも、大変にありがたい。
一期でもぎ取った信頼と期待を一切裏切ることなく『あぁ~これがゆるキャン△~』と毎日浸れる、安定の仕上がり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
そこに安住することなく、なでしこのソロキャン挑戦とか、三人組の死にかけキャンプとか、リンちゃんの家族史とか、良い骨入れて新しい景色書いてくれたのも、大変良かったです。
凄く的確に、感情を揺さぶる演出をいくらでもブン回せる作品なんですが、それは要所要所に抑えて、あくまで基本は明るく楽しく緩めに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
的確に律動する緩急が、視聴体験にいいテンポを生んでいて、これがまた気を許してアニメを見れる心地よさに繋がってました。
美術も最高に冴え、毎回毎回いい景色で心を洗ってくれました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
パノラマとか広角とか、結構レンズにこだわった画作りで景色見せる工夫してくれたのも、大変良かったです。
こういう目立たない仕事が山と積まれて、『あ~楽しかった!』とだけ思える視聴が生まれるんだろうな…プロはすげぇ。
二期としてみると、一期で作ったキャラクター間、作者と視聴者の信頼関係をしっかり活かし、照らせなかった場所を丁寧に追いかけていく造りで、作品世界の広がりを感じました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
なでしことソロキャンの向き合い方は、友から与えられるだけでは終わらない彼女の真摯な貪欲が見えて、大変良かった。
あと思い返せば一期から継続なんですが、携帯電話というフェティッシュを凄く積極的に画面に取り込んで、モノの書き方で時代性とメッセージを出していたのは、大変良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
『どんな道具を使うのか』がこの話の焦点の一つなので、その象徴として携帯の書き方、注目しながら見てました。
緩やかな手触りに仕上げつつも、よくよく覗き込むと随所に太い骨があって、大変良く出来たアニメだったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
キャンプと出会いを通じたジュブナイルとしても、少女が少女に抱く感情の物語としても、しっかり読める彫り込みの深さが、相互に呼応しながら豊かな視聴を生み出していた。
何しろ二期連続で”勝って”しまったので、まだまだシリーズも続くと思います。22年には映画も待っていますし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月1日
それを楽しく待ちつつも、この冬の旅の終わりにありがとうと、お疲れ様を。
大変面白かったです。ありがとうございました!