SK∞ エスケーエイトを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
運命のトーナメントも、遂に最終戦。
アダムが選んだのは麗しきウェディングではなく、死の谷を歩む墓標のビーフだった。
天才だけにしか許されない領域でしのぎを削る二人が、たどり着く孤高の世界。
死の誘惑に惹かれるランガが、アダムが、辿り着く場所とはッ!?
そんな感じのSK∞最終回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
大変良かった。
アダムがずっとまとっていた孤独な死の影をど真ん中に据え、デッドリーな新コースでの極限バトル、冴え渡る技の数々。
常人にはけしてたどり着けないゾーンで見えてくる答えと、繋がる心。
アダムとランガ、似ていて全然違う二人の子供、それぞれの答え
作品が追いかけてきたものにしっかり答えを出して、しっかり終わる最高の最終回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
ゴールを超えて子供たちは太陽を見て、大人たちは月を見た。
それぞれの人生、個性、パートナーが導き出した答えの違いに、物語力で納得させられてしまう終わりになっていて、感服するしかねぇぜ…。
というわけで、泥に塗れたアダムが新たな装束を求めるところから最終回は開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
ここまでハイテンションな赤、恋愛のムードをまとってきたアダムであるが、前回レキがそれを叩きわった。
孤独ではないことは、玉座を揺るがすほどに強い。
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ハイでヤバい仮面を引っ剥がされたアダムは仕立て屋に長い影を伸ばし、悪霊の本性を顕にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
”月光”第三章に激しいステップを刻み、マタドールの意匠を投げ捨てた彼が望むのは、死神の喪服。
この出だしで、アダムが闘牛士モチーフだった理由がスッと腑に落ちた。
”情熱の国”とされるスペインの赤い熱気の裏には、常に黒い影が伸びている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
猛牛を殺すこと(あるいはマタドールが殺されること)で完成する闘牛はその最たるもので、血なまぐさい死が熱狂にまとわりつくことで、複雑な陰影が生み出される。
剣を持ち、ダンスパートナーを残酷に、華麗に殺す…
あるいは殺されることでフィナーレを迎える衣服を着込んでいたアダムは、愛と同じくらい死を待ち望んでいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
レキにより、独りぼっちでしか無い自分を思い知らされた彼は、誰かがいなければ成立しない愛を投げ捨て、死をまとう。
それしか、彼のダンスを完成させられないと思い詰める。
花婿の意匠、さもなくば喪服を。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
”S”の群衆を酔わせ、自分自身も誤魔化してきた狂気を引っ剥がされたアダムが望むのは、永遠に続く結婚ではない。
自分と唯一同レベルの強敵とともに、死の影に落ちていく結末をこそ、彼は望む。
そのタナトスを、ランガは超えられるのか。
それが、最終決戦のテーマとなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
後に描かれるように(そして、これまで描かれてきたように)ランガもまた”死”に惹かれている。
そこには、失ってしまった父がいる。死の谷に落ちれば、もう一度大事な人に会えるのだ。
黒いアダムを救うことは過去を超え、ランガが生き続ける理由を掴むことでもある
そんな気配を感じ取って、ランガはアダムの滑る理由を問いかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
誰もが彼を救いたいと望み、しかし隣に立つことすら叶わなかった。
レキがあまり共感を寄せず、乗り越えるべき強敵として見ていたアダムに、哀れみににた共感を寄せるランガ。
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彼の背中にこそ、大人になってしまったかつての少年たちの祈りが託されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
ジョーもチェリーも忠も、アダムに本気を出させなかった。
レキの温もりも、アダムの孤独を深める結果になった。
死の意味を、才能の孤独を知るランガだけが、アダムの心に入る資格を持つ。
ここでレキが考えなかった『アダムはなんで滑るんだろう?』に、ランガが踏み込むのは凄く良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
目の良さ、相手を思う心というレキの資質を、ランガも触れ合いの中で己のものとし、強く交わらせてきた。
元々もっていた圧倒的な才能と同じくらい、親友から学び取ったものが最後の戦いで活きる。
前回レキがランガ的な競技の強さでアダムに迫り、過去の自分を超えていったように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
ランガもまた、レキ的になることで自分を窮地から救い、誰も迫れなかったアダムの孤独を壊していく。
赤と青はお互いに影響しながら、お互いがいたからこそ変わっていく。未来を変えていく。
それは二人がこの作品にいなければ生まれなかった変化であり、ここまでの出会いやすれ違い、痛みや喜び全部があったから、生まれる物語でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
キャラクターが作品にいる意味を、こういう形でしっかり昇華していく話運びが、別格の充実感に繋がってんだなー、と思う。やっぱ話の”骨”がつええわ。
戦う理由を確かめた勇者を待ち構えるのは、封印された死のコース。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
物語の最後を飾るこのビーフに、今まで見たこともなかった舞台を用意するのはドンピシャで、無茶苦茶ワクワクする。
やっぱ愛之介、プロモーターとして優秀だわ。客のアゲ方知ってる。
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青紫の死の影が、墓標に伸びる最終戦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
アダムは死神の仮面をまとい、白雪姫を待ち構える。この衣装こそ、終わりに相応しいと。
婚礼の先にある永遠を信じられず、最高の絶頂を迎えた後は死ぬしか無い…死をもって、競い合えた奇跡を永遠にするという、アダムの決意が喪服に滲む。
忘我のエクスタシーと死による終局が繋がってしまうあたり、アダムの見ている世界は非常に独特であり、また真摯でもあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
勃起のメタファーを常時背負ってきたアダムが最後の最後で、そのわざとらしい狂騒を脱ぎ捨てて"萎えた"ことが、このビーフにどれだけ本気かよく魅せる。
お互い死ぬほどの絶頂を求めて、相手を抱き潰してきたアダム。行き着く所までイキたいのに、相手が先に壊れてしまうフラストレーション。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
それが炸裂した先にあるのは、あくまで死。高みに登れば、もう堕ちるしか無い。
そういう事を、愛之介はずっと理解っていたのだと思う。
それでも誰かと踊りたくて、愛に狂ったふりを続けてきた。でもそれが孤独な独り舞でしかないことを、レキが泥と一緒に叩きつけてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
ならば仮面を脱ぎ捨て、赤い熱狂の奥にあった青黒いタナトスを、表に出すしか無い。
愛之介は、本気でこのビーフに向き合っている。
アダムはもう、スタート前に煙草を吸わない。悪い大人の仮面で守られていたものは、もうぶっ壊れてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
残ったのは、ただただ積み上げてきた技量。今までのダンスパートナーには、出す必要のなかった真の魔技。
合体絶技、ラブ・フルスイング!(勝手に命名)
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これを初手でぶっ放してくる惜しげのなさ、天才二人が本気でぶつかり合う中、どんどん描かれる新たなトリック達が、全くもって贅沢である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
ランガの胸の高鳴りは、けして嘘ではない。アダム相手だからこそ出せる技、引き出される業が確かにある。
それは、楽しいものなのだ。
ここでアダムが新技を出してくることで、ランガ以外の誰も彼に並び立てなかった事実、決勝がこの組み合わせである理由も強く浮き彫りにされていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
スケボー表現がここに来て、更に一段階鋭さを増していくのは、ほんと凄い。今までも最高だったが、それ以上だぜ…
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現実世界で繰り広げられる超絶技巧がしっかり描かれればこそ、天才だけが踏み込める領域で魂が交錯し、死の誘惑が二人を捉えるスピリチュアルな描写もまた、しっかり飲み込める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
仮面の奥で光る瞳は、何処か冷たい。剣にも十字架にも見えるボードの本性をむき出しにして、アダムはイブを死に誘う。
お互い相手しか見えていない、極度の忘我。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
それはお互いの才能が、レキに破れ孤独を認めた心が、暴君の秘めた寂しさを思うランガの優しさが、複雑に共鳴した結果だ。
レキとのビーフを経ていないと、ここでアダムがむき出しになる説得力が足りないので、つくづくうめぇ構成だな、と思う。
死の顎はランガを捉え、孤独な雪原に戻す。レキと笑い合っている間も、スケボーを楽しく滑っているときも、それはずっとそこにあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
思春期の少年が、父を失うということ。
その重さがここで顔を出すのは、僕は凄く良いと思う。
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過去の離別に引き裂かれ、凍ってしまった心臓。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
それをもう一度動かすのは、ダチが差し出してくれたボードに刻まれた”FUN”の文字。
たとえ死が引き裂いたとしても、生きていれば楽しいことはある。俺が教えてやる。
そうして差し出されたものを、手を伸ばして掴んだから。
ランガは今ここで滑っているし、生きて笑ってもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
それは少年が過去の傷を乗り越え、今を生きる(しかない)自分を肯定し、生の岸へと飛躍していく旅路だ。
レキが自分の非才と取っ組み合いで向き合ったように、ランガも冷たい喪失に立ち向かい、答えを出す。
それは自分が掴み取るものであり、誰かに差し出してもらうものでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
自分が滑ったからこそ掴めたもので、アイツがいてくれたから掴めたものでもある。
アダムとの極限のビーフが、迫りくる死が、ランガに答えを教える。
それはずっと探していて、直ぐ側にあり続けたもの。
ランガは致命の崖を乗りこなしながら、父に出会い別れていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
『楽しんでいるか?』
そう聞いてくる声に『もちろん!』と答えて、少年は父の死を、凍りついた過去を振り切っていく。
その別れに、一瞬淋しげな表情を見せるランガが、とても愛おしい。
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ランガはお父さんが本当に好きで、だからこそその喪失に、心に強い傷を追った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
この滑りを経てお父さんの死は思い出になり、ずっと哀しみに浸っていた自分を、ランガは過去に置き去りにしていく。
それは救いと正しさに満ちた、全く喜ばしい道だ。
でもその寂しさと愛おしさが、嘘だったわけではない
強く軋む傷もまた、自分の中の真実だったと知るからこそ、ランガは去りゆく思い出に、もう一度出会えた父に寂しそうに微笑んで、未来の方向へと強い視線を向けるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
たとえその足掻きが、他人を抱き潰す暴力にしか見えなくても。
死に誘うことでしか、一緒に踊れない暴君だとしても。
俺は今、アダムと滑っている。アダム相手だからこそ、見つけれれたものがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
その確信を胸に、ランガはアダムに手を伸ばす。孤独な闇を突き破り、自分がここにいると、お前がここにいると教えていく。
それはかつて夕日の公園で、ランガが手渡してくれたものだ
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相手の体を抱きしめ引き寄せるのは、アダムの得意手であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
それを逆手に握り返し、対話のための、変化のための、未来のためのビーフを誘ってくるのも、大変良い。
アダムが暴力の奥で求めていたものを、ランガが教えに行ってる感じがする。
アダムはいつものように問答無用の拳を振るい、ランガはそれを受け止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
『喧嘩だって、一人じゃ出来ない。お前も、誰かを求める子供なんだ』
勝ち続けること、大人であることを強要され続けた愛之介の、仮面の奥に隠した真実を、ランガは見る。手渡す。
とても、レキ的な仕草である。
不器用に、人生の答えを赤毛の太陽から与えられるばかりだったランガが、ここでアダムに”言葉”を差し出す…仮面の奥の真実を”見る”のが、キャラクターと物語の完成として凄く良いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
誰かと滑れることを楽しめ。
死と孤独と悲しみに囚われず、今を飛べ。
レキがスケボーと一緒に手渡してくれたメッセージが、ランガの胸にはずっとあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
そしてそれは、レキとランガだけで完結するものではない。
与えられたものを、勇気を持って差し出すこと。
新たな光が、暴力的に交錯し、天に十字を描く。
それは墓標か、祝福か。
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征く。仮面の奥で身悶えしている子供に、身体全部でぶつかり、抱きしめる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
この激突は、ある意味ランガの”ラブハッグ返し”だと思う。
アダムが使えば相手を抱き潰すことしか出来なかった抱擁から、逃げるのではなく正面からぶつかることで、その魂を強く抱く。
それでも自分は殺されないと、もう一度立ち上がるのだと証明することで、仮面の奥の世界を壊す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
自分が隣りにいることを教え、本気で向き合う。
往く。
ランガがそう言えたのは、やっぱレキが自分の魂を抱きしめてくれた、夕日の公園の思い出あってこそだと思う。
長い迷い路を経て親友の中にあるもの、自分の中にあるものを確かめたレキは、ランガを信じて待つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
この視線が、前回レキのビーフを見守り続けたランガと呼応しているのも、大変良い。
マジでこの二人のLOVEは、永遠不朽のダイヤモンドだからよ…。
滑ろう。楽しもう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
力強くぶつかった、それでも壊れなかったパートナーの差し出した言葉は、アダムにかつての光を思い出させる。
俺が最初に出会った輝き。最初に差し出された優しさ。
それは、ランガじゃなかった。
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自分の原点を思い出し、死神の仮面が剥がされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
ただただスケボーが好きだった自分を取り戻して、愛之介のトリックはより冴える。
もう、相手が踊れるかを暴力で試しはしない。一緒に滑れる自分も、それを許してくれる世界も、手元にあるのだ。
軽やかに天を舞うアダムに、掴んだ自由が色濃く滲む。
歯を食いしばり、本気で競う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
肩を並べて戦える、一緒に楽しめる喜びを取り戻して、愛之介は思い出していく。
そこから生まれる風が、彼に惹かれた男達も開放していく。スネイクの帽子も、風に吹かれて飛んでいく。虎次郎と薫も、呪縛を解く。
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運命を待ちきれず駆け出したレキの叫びに応えるように、ギリギリの勝負はランガの勝利で終わる。神話は壊れ、特別な時間が終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
ゴールラインを切った途端、紫の世界が普通の色彩に戻るのが、『ああ、終わった…』という感覚を強めていい。
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ヘロヘロになりながらレキの胸に飛び込む、最後のトリックこそが真の”ラブハッグ”なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
時の流れに逆行するのではなく、死力を尽くした結果未来に身を投げて、誰かに抱きしめてもらう。
自分の行く先に先回りして、自分の輪郭をより強く、抱いて教えてもらう。
そういうモノを求めて、アダムも魔技を使ってきたのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
でもそれは、アダム自身では正しい形にできなかった。ランガだけが、アダムの…彼を愛し、隣会えなかった者たちが求めた答えを掴めた。
『だから、スネイクは勝負を降りたんだ』と、ここで腑に落ちた感じである。
本来自分が掴むべき答えを、人生を導く正しさを、自力じゃ掴めない歪みってのは、世にありふれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
それを正せないほどに捻れてしまった道で、答えを見つけてくれるだろう誰かに、自分を託せる強さ。
そういうものも、ビーフの果てに待っている。少し苦くて、とびきり熱い。
光に向き合う子供たちの抱擁に、愛之介と忠は向き合わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
夜の闇の中、見上げるのは孤独な月。もう、太陽輝く時代に戻れないとしても、闇の中隣り合うパートナーは、いつでもそこにいた。
ここの描写は、ラストカットと呼応するすごく大事なものだと思う。
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愛之介は結局、刑事さんの追求…社会が担保する正しさを振りちぎって、図太く汚い大人として生存していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
公の道を通って、光り輝く太陽に滑り出していく子供たちとは、大きく異なった道を歩いていく。
しかし、太陽の中に住むもの…住めるものだけが、生きているわけではない。
裏切り、傷つけ、間違え続けた愛之介と忠には、この月こそが導きであり、もう子供ではない…でも確かに自分であり、自分たちであるような”今”を抱きしめながら、二人は月に導かれ走っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
その淫蕩な歪み、夜の祝福もまた、レキとランガの眩い光とは少し違う、一つの答えだ。
大人世代と子供世代。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
既に間違えてしまったものと、過ちを取り戻せるもの。
2つのシャフトを複雑に交差させてきた物語が、太陽と月、2つの輝きに向き合う二組の縁を最後に刻んで終わったのは、凄く上手く、強く、納得と充実のある結末だと思う。
というわけでエピローグッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
多幸感溢れる屋上パーティーに、生と愛の衣装をまとい直したアダムが乱入できるようになった出だしは、大変良い。
死の黒装束をまとって走り切ることで、その”赤”は嘘ではなくなったのだ。
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/oVilpB93dQ
父の墓前に、ランガが自分の”今”を伝えられるようになったのも、アダムとの決死のビーフを超えたからこそ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
ようやく、白雪姫の心臓を止めてた氷が解けたのだ。
喜屋武家には明るい笑顔が、子供も安心の安全なスケボーから生まれてくる。妹ちゃんほんっっっと可愛い…。
広海ちゃんの恋は破れ、ジョーチェリは相変わらずイチャコラ喧嘩し、ミヤくんの孤独もまた少し、前に進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
個人的な意見としては、シャドウさんには完膚なき勝利を遂げてほしかったが、まぁ立ち位置とキャラデザ的に難しいよね…。
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『エッ…! この逃げ切りオチって、刑事さんは神道家が潰れて全部がめちゃくちゃになっちゃうかも! 二人の愛はどーなっちゃうの~っつうヤキモキを盛り上げるための、当て馬でしかなかったってコト…!?』と、思わずハチワレになっちゃう展開ではあるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
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まぁ紘子にとって社会正義とか常識とかより、男達の盛り上がった感情が辿り着く先が大事で、それを貫いたらお咎めなしのは、Free! 一期見てりゃ判るけどねッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
正直、権力傘に来てやりたい放題他人潰してきた報い、受けてもいいとは思うよ…広海ちゃんはボッコにされたし。
しかしまぁ、それが愛之介と忠の結論…月に祝福されたアダムと蛇の未来なのだから、外野からギャーギャー言うのもスジが違おう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
正しく首輪を外して自由になるよりも、愛で繋ぎ止め妖しく歪んでいく。
間違えちまった大人として、愛を込めて間違え続けていく。
それは、とてもこの二人らしい結末だと思う。末永くお幸せに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
…白雪姫とウェディングだ! て意気込んで、やっぱ葬式だったわ…と喪服着て、犬とのアモラルに飛び込んでオチるの、スクリューボール・コメディ味があって結構好き。
真実の愛を探し求める、ロマンティック・コメディでもあったね、SK∞
月の双子が甘い闇に沈む中、太陽の王子達は真っすぐ未来へ進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
それもまた、彼ら”らしさ”を貫いた終わりだ。
果たされることのなかった約束、二人だけの決勝。
その行方がどうなるかは、もう語る必要がない。
俺たちの向かう先には、無限が待ってる。
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/Qqi0iQE5xv
そう確信させて貰える、いいラストシーン、いい物語でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
いやー…最高に良かったなッ!
ぶん回されるトンチキ、ド迫力のスケボーシーン、さまよう青春、深く刻まれる傷と愛。
色んな要素を思いっきりブチ込んで、怪物的な計算と描画力でそれら全てを描ききる、凄まじい作品でした。面白かった!
どんな無茶苦茶も許容されるホビアニ空間”S”と、青春が地面に足つけて進む沖縄の日常を並走して描いて、ぶっ飛んだ力強さと地道なドラマを共存・融和させて描ききったこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
スケボーの魅力を、切れ味鋭い作画力でシンプルに理解らせ、肌感覚でその興奮に視聴者を飲み込んでいったこと。
多彩で個性的なキャラクターが、それぞれ別角度から”S”とスケボーに何かを求め、届かないもどかしさを上手く使ったこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
それらの個性がぶつかり、まとまる面白さと、圧倒的な存在感のラスボスを上手く対比させたこと。
そのアダムも救われるべき子供と描き、しっかり救済したこと。
ままならない因縁に捻じくれた大人世代の苦さ、ズルさ、正しくないが故の情念の濃さと、常に王道をひた走り、人として果たすべき答えを探し掴み取った子供世代の真っ直ぐさが、お互いを引き立てあったこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
匂い立つようなエロティシズムが、男達の描き方にしっかり宿っていたこと。
テーマとして選び取ったスケボーの競技性と趣味性を、ランガとレキに分割して表現させ、お互いを混じり合わせて描ききったこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
スケボーが生み出すものが、物語を動かす決定的なエンジンとして常時、ブレなかったこと。
生き生きと楽しく、滑走し飛翔する子供たちが輝いて見えたこと。
この調子で百個くらい、良い所も好きな所もいくらでも挙げれます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
とにかく素晴らしく面白くて、しっかりと構成されていて、手抜きも緩みもなく力強いアニメでした。
ゴールをしっかり見据えた上で、様々な角度から見ている側の心を揺らし、ハラハラドキドキと楽しませてくれた。
男が男を求める感情の熱さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
孤独と触れ合い、憧れと分断が入り混じりながら、それでもスケボーが答えを出してくれる物語の強さ。
大変良かったです。
『これを描きたいんだッ!』という暴走する熱量と、それを制御仕切るプロの業前が同居した、見事なアニメでした。
あー…すっげぇいい終わりだったな。あの朝日の向こうに、無限の物語が待っているんだと確信できる、馥郁たる余韻に今浸っている。ありがたい…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月3日
本当に最高のアニメでした! ありがとう、お疲れ様ッ!
やっぱ紘子を信じてよかったよッ!!!!