オッドタクシーを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
練馬の女子高生失踪事件に絡む、ヤクザの思惑と中年の恋。
小戸川はシニカルな知恵で難局を乗り切り、ハンドルに堪えていたため息を預ける。
朝日に照らされた白川さんとのロマンスが、親友・柿花の夢と交錯する。
それはとある地下アイドルの物語との、交錯点でもあった。
そんな感じの真夜中の獣人交差点、複雑なプロットが心地よく踊る第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
ここまで”笑い”の方向に向いていた話芸の鋭さが、拳銃を突きつけられての舌戦に舵を変えて、鋭く冴えるAパート。
そこから少し甘く純朴なオッサン達の恋模様、ケイシャーダが生み出す笑いに、お話がほぐれて行く。
1話24分をどう使い、次の物語とどう絡めるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
無関係と思われていたそれぞれの物語がどう交錯し、新しい物語を生んでいくか。
ここまでも心地よく踊っていた作品の強みが、グッと重みを増して前面に出てくるエピソードだった。
意外な場所での繋がり方、画角を変えて冴えるシャープな描画。
児童向けにすら見えるデザインが、そんなクレバーな作風と面白い化学反応をして、いよいよ作風が本格的に回りだした感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
その上で、全然先が読めない意外性も随所にあり、細かく気持ちよく笑わせてもくれる。
洒脱で小気味いいアニメで、大変面白い。想定してたよりつえーなコレ…。
前回緊迫のヒキから、サウナ上がりの柿花、初対面ヤクザとのすれ違いコミュケーションで一呼吸するところからお話は始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
イヤホン通話で遮断されていると、最初は見せない伏せ方が奇妙な状況への笑いと、意図せず繋がっていく運命の面白さを際立たせていく。
バクのヤクザは、隣りにいるのが『小戸川とかいう運転手』の友達だとは知らない。そういう奇縁が世界に満ちていると知らないまま、タクシーは夜を滑り、恋と事件に出会っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
この不思議な歩みこそが、この作品が進んでいくハイウェイである。切り取るには、斜に構えた知性と、人間への愛がいる
ここまでは後部座席との漫才に活きてた、小戸川のシニカルな知性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
ドブに銃を突きつけられる危機の中で、それはよりシリアスで重たい強みを見せてきて、お話の新しい魅力を差し出してくる。
シリアスな緊迫感も、かなりやれんじゃん。
そういう、嬉しい驚き。
全てが終わった後ハンドルに突っ伏すほど緊張しながら、小戸川はいつもの調子を崩さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
斜に構えて、煮えきらず、冷笑的で落ち着いている。
そういう自分を演じることで守っていたものが、冴えない中年運転手にも確かにあるのだと、光る銃口に向き合う中で見えてくる。
正直前半の小戸川の切れ者ぶりはマジでカッコよく、3話にして期待してたところにズバッと入った感じがする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
こういうシャープな顔があればこそ、冷笑的なオトボケものの顔もグッと際立ち、シリアスとコメディの両輪がキャラとドラマを加速させてくれる。
いや、ほんとに凄く良いよ…真面目小戸川。
小戸川は銃口に屈せず、必要な情報を引き出しながら自分の意志を貫いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
指名手配犯の圧力を出し抜き、SOSサインを夜に煌めかせながら、ドブとの探り合いを進めていく。
結果として悪徳警官が連れて、情勢は小戸川不利で流れていくけども、彼がただ運命に翻弄されるだけではないと教えてくれた。
タフな仮面の奥にある柔らかさをドブに探られ、あまりいい状況ではないが、さてこの暴力的ノワールはどう転がっていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
何処か危うさを孕んだ大門兄弟の物語と合わせて、今後が楽しみである。過去にトラウマ持つキャラ多いな!
練馬の女子高生をめぐるミステリは、この話のデカい柱だろうしね…。
ガンメタルの冷たい緊張から、白川さんとのヘンテコで温かい会話へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
緩急がよくついた話運びで、物語はロマンスの方向へ漕ぎ出していく。
やっぱ飯田里穂の演技がマジ冴えてて、白川さんへの好感度がガンガン上がる。ケイシャーダ漫才面白いし。
やっぱ三話まで付き合って、ここまで書かれた日常コメディを好きになってたから、ドブと演じた車中のサスペンスは(意外で面白くありつつ)も、解放されたくなる緊張に満ちていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
ここで白川さんと小気味良く語らうことで、ホッと抜けていく強張りが、既にこのアニメを好きになってる自分を教える。
ドブの脅迫で、タフでシニカルに見える小戸川が存外、柔らかく他人を思いやる心を持ってると解っていたのも、公園のロマンスを巧く着地させる足場である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
結構可愛いところのあるやつで、だから白川さんも好きになった。そこら辺がすっと、自然に飲み込める話運びでありがたい。
『恋が始まってよかったね!』で終わらず、最初浅はかに浮かれてた柿花に滲む中年の悲哀、付け焼き刃の経歴が引っ張り込むヤバさに繋いでいくのも、広がりがあってとてもいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
しかも恋の相手は、ミステリーキッスのしほちゃん。仮面アイドルだったのが、ここで効いてくるとは…。
柿花の愚かで切実な恋が、釣書に引き寄せられた悲惨な喜劇に終わるか、それとも真実のロマンスになっていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
あからさまに不穏なオーラ出しながら登場したマネージャーが、どんな爆弾を投げ込んでくるか。
毎回のことながら、ヒキが良い。ここの背筋力が強いのは、お話として大事よね。
警戒しながらも確かに、心に染み入る本物のロマンス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
それを小戸川と白川さんとでスケッチした後に、柿花の怪しい恋と対比し、『さてこっちはどうなんだ!?』と興味を引っ張るところとか、凄く上手いなー、と思う。
ネタの転がし方が手際よくて、緩急も繋ぎもスムーズなのよね。
ドブが拳銃を樹の下に隠すカットで、彼の暴力性もある種の欺瞞かも…と見せたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
白川さんのケイシャーダ、柿花のスペック詐欺と重ねて、危うく浅はかで面白いそれぞれの”付け焼き刃”が、複雑な反射をなす回でもありました。
オムニバス群像劇だからこそ、こういうモチーフの統一感は大事。
真夜中の恋も暴力もサスペンド。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月19日
まだまだ物語の行く末は読みきれない感じですが、しかしその旅路は豊かで面白い。
そう確信させてくれる、第三話でした。ここで変拍子入れるの、ベストタイミングだよなぁ…凄く良かった。
新たな顔を見せた夜と人々が、次回どんな物語を紡ぐか。楽しみですね