SSSS.DYNAZENONを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
謎の巨人、グリッドナイトの乱入により闘いは水入りとなった。
ガウマ隊はそれぞれの思いを抱え、眠れない夜を過ごす。
怪獣優生思想も、歪な使命感と友情を滾らせる。
決戦を前に、異界の騎士は戦士たちを見定めるべく、鋭い視線を向ける。
かくして、決戦が始まる。
そんな感じの、(多分)ターニングポイント後編である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
あいも変わらず、てんでバラバラ。
でも見ているものが、完全に違うわけでもない。
そういうDYNAZENONイズム(と僕が感じているもの)が、すれ違いから同調へと、独特の温度感で描かれるエピソードとなった。
それは今までで既に描いたものとも、今回ようやくたどり着いたとも受け取れる、なんとも難しい感触をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
山奥の練習、幾度かの合体と戦い、怪獣使いのいる日常を経て掴んでいたはずのものは、凄く普通の冷たさや繋がりにくさで、簡単にズレてしまう。
それが繋がるのも普通なナァナァさの上かというと、確かに何かを選び何かを諦める決断があって、でもそれが決定的に物語を変えうるかどうかは、確信が持てない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
そういう筆致に、既に一つの物語を終えた異界の騎士が混ざることで、何が変わるのか。
それは、このあとの話であろう。
噛み合わないすれ違いが目立った前回に比べ、今回はその分断から何かが繋がっていく描写が多かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
ここにヘテロな恋色が強くあるのが、DYNAZENONの特徴なのかなぁ、と思う。
蓬と夢芽、暦とちせ、オニジャとムジナ、ナイトと二代目。
異性はすれ違いつつシンクロ率を上げ、新しい世界を見つけていく
恋の磁力が引き合う一対一が、ぼんやりと居場所を見つけられない形のない不安に、輪郭を付けていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
ここに大きく”YES”と返せないのが、僕の中のDYNAZENONである。
どーなんだろうなぁ? こんだけ色んなキャラでやってんだから、多分大事な部分なんだけど…。
さておき、グリッドナイトの乱入で戦いは痛み分けに終わり、敵味方はそれぞれ日常に身を潜めることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
『見定める』というナイトくんの言葉は形だけのものではなく、彼はダイナレックスの牙をその身に受けて、真っ直ぐに視線を合わせてくる。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第7話より引用) pic.twitter.com/11offCPO9S
腰に差した長刀、ぞろりと力の抜けた立ち姿。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
そして、彼に呼ばれて街に満ちる霧。
すっかり大人な風情の彼は、かつて出会い道を教えてくれたキャリバーさんに似た風をまとって、この物語に切り込んできた。
懐かしく、頼もしく、後にわかるが危なっかしい。狂犬っぷり、なんも変わってねぇ!
謎の乱入者を前に、傷ついたダイナゼノンとシンクロするように、ガウマくんは己の脚を叩く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
自分の居場所を定める、誰かと向き合う足場に突き刺さる部位にダメージを追っているのは、四人の心が重なって動く機龍が、彼(ら)の分身である証明だ。
別に国に指名されたわけでもないし、逃れられない天命に選ばれたわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
ガウマ隊は偶然によって結びついた、非常に緩やかで危ういチームだ。
だから暦も、目の前に在るものにふらりと引き寄せられて勝手に進んでいってしまう。
ここまで描かれなかった、玩具の闘いの中の”死”。
そこにあるから目に入るのではなく、認識されたから描写されるような、転倒したリアリズム。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
潰れた車もリアルな瓦礫も、多分ずっとそこにあった。
姉の”死”を常に掌に握ってきた夢芽ちゃんは、自分の眼と足でそれを既に確かめている。そこに隣り合うことで、蓬の世界にもそれは流入している。
だが多分、暦の世界にはこの瞬間まで”死”はなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
巻き込まれた自分の戦いが、何を踏みつけにし何を守っているかという認識は、多分なかった。
だが勝手に思い込んだ恋とその破綻を受けて、クソニートの視界に”死”が滑り込んでくる。
それは個人の変化であり、世界の変化だ。
個人の認識する世界がそれこそ、物語全体の舞台にまで拡大されていたのが前作のツツジヶ丘だったわけだが、そういう認識優先主義は今作でも形と主体を変え、健在ということなのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
複数の主観が組み合わさり、あるいは噛み合わないからこそ生み出される、一つの客観。
凸凹で、曖昧で、不協和に満ちて落ち着きがなく、大概の人は無神経に受け流してしまう世界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
そこに収まりきらない不自由さを抱えた四人(あるいは、もっと多く)を、画面の真ん中に据えた物語。
無遠慮に差し出される金とか、他人の名前を覚えない人とか、イジメとイジリの境界線で笑う子供たちとか。
そういう普通に馴染めなかった連中が、怪物的なフォルムと力を持つ玩具で壊し、守る日常の中に、確かに”死”はある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
そこに接続し、背中を向けたり視線を合わせたりする瞬間が、確かにある。
稲本さんへの初恋に惹かれて、ダイナストライカーに乗って、暦の世界はそういう場所に否応なく繋がっていく。
断片的で、しかし二人分確かに重なっている世界をスケッチしながら、休息の日々がスケッチされていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
不器用な戦士の足りない部分を補う、成長した怪獣少女。
ハタから聞いてりゃ狂ってる、殺戮者の充足を語る怪獣優生思想。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第7話より引用) pic.twitter.com/zBpA1x1mKt
そして一旦は、気に入らない”普通の人”に背中を向けて、電柱の向こう側に行こうとして、稲本さんに告げた嘘っぱちのヒロイズムに導かれて”死”に向き合う暦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
ひどく不安定なものが、誰かといることで安定(Fix)し、道を見つけていく描写が、闘い終わった世界に重なっていく。
二代目ちゃんに敬語で話すナイトくんが、なんとも胸キュンであるけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
今回の抗体仮説を聞いて、彼が”アンチ”くんだった理由が今更ながら解ったりして、ちょっと面白かった。
エゴに自家中毒しかけたアカネちゃんが、無意識的に生み出した自我抗体としての他者、怪獣とも取れるか…。
画面に映ると必ずトレンディードラマ粒子を出すムジナであるが、オニジャと二人で操る怪獣を通じて、奇妙な形で自己実現に燃えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
『怪獣使いは個人の憎しみではなく、全人類を殺すんだ!』というオニジャの言葉、パッと見熱くて真っ直ぐだから怖いよ…。
ジュウガの落ち着きとか、シズムくんの親しみやすさとかもそうなんだけど、怪獣優生思想は人間型してて対話も可能で、でも根源がズレてる感じもあって、どう受け止めて良いのか折り返しすぎても、さっぱり解かんねぇんだよな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
一皮剥いたら、『ピギーッ!』ってエイリアンが出てきそうな怖さがある
しかし他者ってのは本来そういうモンであり、同じ画面に映っても視線が重ならない不気味、心が分からない不自由はこの作品、たっぷり満たしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
その上で、バラバラだからこそ解りあえる存在として他者を寿ぐ視線を、今回ガウマくんが吠えもする…んだが、それが唯一の答えだと確信も出来ねぇ。
そういう不安定さを多分最後まで抱えたまま進む(進んでくれる話)だと思うので、人間と人間、人間と怪獣、怪獣と怪獣の間にある凸凹した噛み合わなさを、大事に転がしていって欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
ヘラヘラ笑いながら、酒に酔っ払いながら、嫌悪を隠して適当に差し出したヒロイックな自分。
それと、クズでダメな実像との差異もまた、暦の逡巡に見え隠れする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
彼は稲本さんの夫を死んでもいい存在と見捨てる自分と、成り行きでなってしまったヒーローの虚像との間で揺らいで、後者に踏み出していく。
それは偶然で嘘なんだが、多分良い嘘だ。
狙わず流れ着いてしまったもの(それが最大化した理不尽として”死”があると思うけど)は必ずしも、望まぬ結果だけを連れてくるわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
暦は今回、率先してバラバラになることでちょっとだけ、自分を今までとは別の場所へ進めていく。
その歩みの脇で、少年と少女の複雑な距離も描かれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
相変わらず、冷え込んでバラバラな情景を描く筆が冴え渡っていて、生っぽくお腹が痛い。
ずっと視線を合わさず、各々の目の前に在るものを追いかけ続けてんのよね…。あるわー、こういう風景。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第7話より引用) pic.twitter.com/kXwxNUC5J4
ちせは先輩の名残がある携帯電話を、蓬くんは夢芽ちゃんの横顔を、夢芽ちゃんは姉の遺品を、それぞれ弄びながらも、寄る辺なく自分を彷徨わせている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
別々の場所に切り離されるほど劇的ではなく、むしろ生ぬるく隣り合っているからこそ繋がれない。
そんな距離感。
夢芽ちゃんは自分の事情も”死”の重さも知らねぇまま、立ち入り禁止区域に踏み込んできた蓬くんに苛立っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
でも、そこに踏み込んで欲しいというサインを出しては引っ込め、SOSを聞いて欲しがっていたのも夢芽ちゃんだと思う。
ガウマくんが間に立って、その声を蓬くんに届けた。
今回も彼はもりもり食って、冷たい二人の間に座る。しかし、媒の仕事を大々的に果たすわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
ただ彼が迫りくる”死”に備えて、不寝番を呼びかけたからこそ二人はこの場所に残り、世界を重ね合わせることになる。
そんな風に不確かに、何が幸いするか解らぬまま、人と世界は繋がっていく…のか?
グリッドナイト同盟とガウマ隊の対話も、物別れというには温度が低く、歩み寄りがなく、本質を置き去りにノリで転がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
階段を挟んで高低差のあるロケーションは、彼らの心理的なズレを具象化していく。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第7話より引用) pic.twitter.com/lVcJ9vi2qr
まぁ交渉決裂は七割くらい、怪獣使いと異界の騎士が他人の話聞かない、不器用人間だから起こった感じもあるけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
まぁまぁ他人と上手くやれるスキル持ってる蓬にとって、非日常の闘いを何処に運んでいくかは(まだ)他人事で、身を乗り出して解決する理由が薄いのかもな…。
熱血特撮の主役として熱く鋭く吠える体温が、ぼんやりとした居心地の悪さに身を置く人間たちには遠くて、その他人事っぷりが状況を平らにするモチベの低さに繋がってんのかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
こういう形のコミュニケーションのズレ、このシリーズ独特の味よね…断絶の体温が低い。
譲ることを知らない異世界人同士が矢面に立った結果、大事なことを伝え合う前に視線がバチバチし、会談は物別れに終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
このあとの日常会話で繋がりを確認していくことを思うと、ここでは”合体”しきれなかった、という事かもしれない。
思い返せば裕太とも別に”合体”してなかったグリッドマンに比べ、ダイナゼノンの特殊性は4つに分割されていることにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
それは前回のような不調、治そうとしなければ治らない断絶と同時に、繋がるからこその力も生み出していく…で、多分良いんだと思う。(ここには自分的に確信がない)
お互い寝っ転がったまま交わらない視線が、暦の小さなヒロイズムが起き上がってガウマくんの顔を見て、秘めてた想いを共有して繋がっていくように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
ここでガウマくんと暦の縁がちょい深くなるの、良いなと思う。お互い、誰かに恋してる(してた)同志の絆。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第7話より引用) pic.twitter.com/BKCB2E9bMF
そこに置き去りにされてるちせの、出るに出れない想いも、切なくていい…んだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
ちょいちょいクローズアップされる、彼女につきまとう白い球根みてーのが死ぬほど不穏で、終盤戦で一波乱あるんだろうなー、と思ったり。
年齢差、血縁の近さが壁になってか、ちせ暦は温度上がりきらねぇ感じなんよね。
そこをピンチが、グッと近づける構造なのかなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
今回暦が自分の足で”死”に接近して、ガウマくんが体現するようなヒロイズムを自分に引き寄せたように。
ただまぁ、ちせのアームカバーの奥もまだ解らねぇからな…シンプルには行かない気配ムンムンだ。
そして、夜闇の中の少年少女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
そこが”立ち入り禁止区域”だと気づかぬまま、小さな恋のメロディに導かれて夢芽ちゃんの至近距離に入った蓬くんは、気まずい会話の中フードに本心を隠し、すれ違う心を持て余していく。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第7話より引用) pic.twitter.com/pABsGyQSHY
かつて確かに触れ合えて、でもいつの間にか遠くに離れ、けして触れられなくなったもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
幼く、抑圧などなく、ましてや”死”のリアリティなど想像すらしなかった時代、姉妹を繋いでくれたのは怪獣だった。
夢芽ちゃんがアンクを解くのは、その時代を取り戻すためか。
岸辺に輝く明かりが、自分が実像だと思いこんでいたものが嘘でしか無いと、手探り確かめるためか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
呟く夢芽ちゃん自身、何が欲しいかも解ってはいないと思う。(だから、黒と白のアンクは解けない。解けないことが、死者と生者、彼岸と此岸、過去と現在を繋ぐ希望でもある)
蓬くんはそこに何を感じているのか、夢芽ちゃんに見られないようにフードを下げているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
交わらない視線から、自分を守るために世界を遮断しているのか。
そうではない。
その歩みが軽率であったとしても。
恋したから、蓬くんは夢芽ちゃんのことをもっと知りたいと思って、近くに寄ったのだ。
だからようやく語ってくれた”死”の重さ、尊さを受け止めきれず涙に沈んだ時、フードの奥の顔を夢芽ちゃんも覗き込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
そこで他人の荷物に泣けてしまう感受性があるから、蓬くんはこの物語の主役なのだろう。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第7話より引用) pic.twitter.com/qe5ro5vt0a
この世界の底を一緒に見つめる視線こそが、二人がようやく同じものを見れた証明であり、情けない泣き顔を晒してようやく、二人は対等になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
夢芽ちゃんが追う”死”は、蓬くんのリアリティではない。
それはあくまで他人事で、勝手に踏み込むしか無いもので、触れられれば危うく震えるものだ。
それを一緒に見つめ、答えを一緒に探すためにはフードの奥に触れる必要がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
第一話ではビニール傘の向こうに隠されていた夢芽ちゃんの視線が、逆にフードの奥の蓬の涙を探る構造。
それは上手く普通に高校生やってるようでいて、非常に繊細な感性を持つ少年が怯えつつ、恋を必死に探り当てた結果だ
全然関係ないのに”死”を背負おうとする蓬のあり方は、もう終わったはずの事件を掘り返し、怯えながら答えを引き寄せようとする夢芽ちゃんによく似ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
お互いよく判らないままに近づき、視線を同じレベルに整えてみたら、思いの外同じ顔をしていた。
曖昧で、複雑で、優しくて、臆病な子供の顔。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
その共鳴が、恋になっていくかどうかはこれからの物語だ。
ただ、雨の中一人誰かを待ち続けていた女の子が、自分とすごく似ている男の子の顔をしゃがんで覗き込めたのは。
人生の一番低い場所を、”死”が横たわるリアリティの基底を共有出来たのは。
とても良いことだな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
これで蓬くんは、全く洒落にならない”死”に触れ合うのに必要なチケットを、姉の”死”に隣接し探る夢芽ちゃんから発行承認されたわけだ。
この(相互の)歩み寄りを足場に、多分何かが変わっていく。望むべくは、良い方向に。
そしてガラスの向こうのLOVEを羨ましく見つつ、ちせは一人待ちぼうける。彼女の想い人がシェルターに戻ってきてくれるのは、闘いのあとである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
怪獣使いも、異界の騎士も、人間も。
皆眠り食事を摂る。
真の怪獣/怪獣使いには、必要のないらしい人間の証明
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第7話より引用) pic.twitter.com/Pquth4gk4r
眠りこけるジュウガを見つめ、ボソリと呟くシズムくんが何を考えているのか。思えばムジナも、己の行く末に迷っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
彼らもまた、真実怪獣の世界に居場所があるわけでは、ないらしい。
決戦前夜から目覚めて、蓬くんは迷いのない瞳をしている。
休息は終わり、決戦が始まる。
見定める時間は終わり、二代目ちゃんはコンポイドの杖で修復の魔法をかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
安定(Fix)させるためには壊れたり不安定になったり必要があるわけで、このお話が常時あやふやでとらえどころがないのは、気持ちよくフィクサービーム撃つためかもしれんね。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第7話より引用) pic.twitter.com/ySxEaKFqo1
キメッキメの合体攻撃でぶっ飛ばされつつ、ムジナの視線は妙に爽やかで、オニジャも今回は『死ぬかと思った』とはならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
心を合わせ、共に戦う”合体”を成し遂げると、怪獣暴力は操縦者に跳ね返り、”死”を産まなくても良くなるらしい。
これが、死から蘇った怪獣使いにとっても祝福なのか。
それは、まだまだ謎が多い物語がこれから掘り下げていくものなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
人間の形しつつ、怪獣優生思想が死する人間とは別の価値観、世界観で生きてるっぽい描写と、それでも妙に重なっている部分が現状、半々くらいからな。
彼らが理解不能なエイリアンなのか、対話可能な人間なのか。
それは今後探ることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
まー取り敢えず、共闘することになった騎士くんは彼の貴婦人に対し、本気のガチだと”秒”で判る。キテル…。
闘い終えた寝ぼけ眼で、それでも”学校”という場所に一緒に進む二人。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第7話より引用) pic.twitter.com/NmnjjwoIfL
ガラスで覆われた小さなシェルターの外に、思えば恋ですらなかった失恋を置き去りにして、同じ飴を噛み砕く二人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
それぞれのリアリティが重なり合いながら、バラバラな視界がだんだん重なっていく。
暦の救命行動が、彼のヒロイズムだけでなく、稲本さんの倦怠期もFixする形になったのは面白い。
思えば前回工場のガラスを破り、思い出の中でくすぶった出会いと秘密を再演したときから、暦の時間は動き出したのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
今一緒にいるのは、従姉妹であり、社会不適合の同志であり、同じ繭の中で微睡んでるヘンテコな女であって、成長し街を出て結婚した女ではない。
大人びた悪酔いを連れてくる酒ではなく、ヒキったガキに似合いの飴を噛み砕くことで、暦はそんな現実を腹に収めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
それは甘くて酸っぱくて、多分悪くない味がするのだろう。
ちせもまた、そうして隣りに座ったセンパイに微笑む。めでたしめでたし…なのか?
彼らの奇妙な共同生活が何処から来たのか分からないので、何処へ行くべきかもまだ、僕には不鮮明だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
学校のチャイムに急かされる”普通”に、適合できてる蓬達とは、違う世界を歩く二人の小さなシェルター。
そこに恋と真実があるのかは、後半おっかなびっくり探ることになりそうだ。
そして二人は、お互いの顔を見ながら未来に進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
屋上から少しだけ浮き上がった手すりの高さは、玩具が怪獣を倒せる不思議な闘いの浮遊感と、どっか似ている気がする。
携帯電話に切り取られた、過去の手がかり。”死”の道糸。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第7話より引用) pic.twitter.com/Uv6JT0q90d
それを手繰った先に残酷な真実があったとしても、夢芽ちゃんはもう足踏みをしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
足並みをそろえて、自分の重荷に泣いてくれる人が隣りにいると。
立入禁止な心の柔らかい部分を、一緒に進んでくれる少年をもう、迎い入れたから。
ここから、二人の歩みは進み直す。
そういうエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
なにか答えを手渡されたような感じもあるし、あいも変わらず『わっっかんねぇぇ!』でもあるし、しかし見ていて楽しいエピソードでした。
ナイトくんが二代目ちゃんと一緒に、育った部分と変わんない部分、両方見せて挨拶してくれたのも嬉しかったけど。
暦が”普通”への嫌悪と過去への未練を断ち切って、自分の世界に”死”のリアリティを引き寄せたのも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
蓬くんが幼い無遠慮を探り探り近づいて、他人の恋と死に接近する資格を手繰り寄せたのも。
その歩みに、夢芽ちゃんが膝を折って隣り合ったのも。
凄くこの作品らしく、曖昧で形なく、爽やかで良かった
何かが確かに変わった気がするけど、でも熱く確かな手触りはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
ガウマくんが吠えるような、昔気質で無遠慮な答えは相変わらず遠いけど、でもそこに隣り合うことで見えるものがある。
まぁ、そういう話なんではないかと、分からないなりに思っております。
二代目ちゃんはスラッと知的な女の子に育ったけど、笑うと歯がギザギザした怪獣少女の面影がまだあって、スゲー上手い成長デザインだなと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
キャリバーさんの気配を宿すナイトくんと合わせて、いい場所に前作キャラ落ち着けたわね…ここの調整は見事よ。
暦と”死”とヒロイズムの描画を見て、作品全体を覆う認識優先主義に関しても、ある程度以上の手応えがあったし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
アカネちゃんの退屈が世界を形作ってた前作とはまた違うけど、見ること、思うことが先に立って現実がある作風ではあるのよね。
それが、ナイーブな思春期と怪獣を描く時どう生きるか。
そこも含めて、まだまだ先を見なきゃ解かんねぇアニメだし、解りたくなる作品だなと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月15日
夢芽ちゃんが訥々と語る”死”のリアリティ、それに励起する感情の重さに耐えかね膝を折りつつ、必死に言葉を探り涙を隠す蓬くん、可愛くてよかったです。優しい子ね、やっぱ。
さぁ、次回も楽しみですね!