最果てのパラディン：第1話から第3話までの感想ツイートまとめ

最果てのパラディン　第1話、第2話、第3話を見る。
廃棄された都市に打ち捨てられた赤子が、謎めいた三人のアンデッドに育成され、勇者としての資質に目覚めていく…という感じのお話。
なろう出身転生モノということで身構えていたが、力強い歯ごたえと懐かしい味に、大変満足である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

転生要素は主人公ウィルの物分りの良さ、成長速度の理由として使われるくらいで、セカンドチャンスで大逆転！ つーヤダ味は少ない。
ここがまず食べやすかったです。
カタルシスを得るための土台は、アンデッドとの生活を通じて地道に積み上げていくしね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

スケルトンの剣士ブラッド、ミイラの聖母マリー（MummyでMommyでMarryっていう名前遊び、俺は好き）、ゴーストの賢者ガス。
三人のキャラがビッと立ってて、廃墟都市で呪われた種族として暮らしつつ、ウィルへの愛と培われた力は本物…って塩梅がいい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

彼らがどんな伝説を背負って、現状に至ったかは第三話で語られたが、それを伏せておいてとにかく、（アンデッドなのに）血の通った家族の絆を、時間を使って書いていたのが良かった。
ウィルが成長し、呪われし揺籃たる廃墟都市から巣立っていく物語に、分厚い説得力が出ていたと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

戦士、僧侶、魔術師。
ファンタジーの基本にして最高峰の三職にきっちり鍛えられ、スキルツリーとパークをバランスよく取ったウィルが、万能型魔法戦士として仕上がっていく様子は、見ていて楽しい。
教育を通じて、ファンタジックな世界観が浮き彫りにされていくのもグッドだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

そうして見えてくる背景世界に、濃厚な""D&D”やら”ウォーハンマー”の匂いが漂ってて、現在進行系でそこの産湯を浸かってる身としてはバキバキに興奮してしまった。
スパイダーウェブとかオイルとか、地味ーなデバフ系多用するところとかサイコー。
あと細かい剣技の描写とかね。盾の丸みを活かすッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

いきなりスーパーパワーで超無双するのもいいが、異様ながら真心のある親子関係に裏打ちされた、地道な修行で一個ずつ力を積み上げていくのも、自分的には肌に合う。
加えて転生要素がいいブースターになって、リアリティに足を取られて修行が停滞することもない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

ウィルは赤子から子供、青年へとすくすく成長し、バリバリと強くなる。
しかし破滅都市にはそれ以上の秘密が眠っていて、無敵に思える親たちをアンデッドに貶めた強大な存在が、確実にその影を伸ばしている。
三話で真相が語られる前から、こういう奥行きが見えていたのは良かった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

かなりストイックな実直ファンタジーなのだが、所々に心地よいユーモアがあって、肩肘張ってばかりではないのも嬉しい。
マミーなマミーのマリーで精通するウィルとか、いい具合の生っぽさで大笑いしてしまった。
かなりの変人に育ったが、旅立ちの後にどんな人間になっていくか、楽しみである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

あと雰囲気あるマジックアイテムがモリモリ出てきて、それっぽい空気が力強く漂うのもグッド。
アンデッド・デーモンが彷徨く試練の迷宮で、強敵相手に剣折れて即、相手の業物を奪って突破してくの、マルチファイターの面目躍如って感じでビリビリ来たね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

三体のアンデッドに育てられ、転生者でもあるウィルの異常な生まれは、彼が後に英雄となっていく未来を強く想起させてくれる。
英雄の生誕、修行時代を分厚く描写してくれることで、サーガに必要な様式がしっかり整っているのは、オールドスクールな好みにビシッとハマり心地よい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

その伝説の始まりは、父母を超え愛ゆえに目覚めた邪神との対峙。
初手から神のアバターと、伝説の邪剣、師の教えを抱えて対峙するハッタリの利かし方、大変グッドです。
超級英雄の旅立ちは、こんぐらいのスケールじゃねぇとな！
次回描かれるだろう、神話級の大決戦が大変楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

というわけで、想定よりも遥かにドッシリ腰を落とし、俺好みの地道ファンタジーをやってくれてるアニメでした。
異形の家族との間に、しっかりと育まれる愛情の描写、そこから伸びていく確かな実力が、期待を高めてくれて非常にグッド。
やっぱベタ足の話が好きだなー。
年、とったんやね僕も…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

凸凹楽しい三人のアンデッドが、赤子を育てる姿はちょっと”東京ゴッドファーザーズ”の匂いもあって、ウィルを育て上げ成仏の匂い漂うダディとマミーに、寂しい気持ちが募ります。
ガスは生臭魔術師なんで、もうちょい現世に執着するのかなー。街を出た後は、どんな話が待つのやら。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

そんな感じで、色々面白く、また今後も楽しみです。
警戒してた店屋で『俺この味知ってる好きー！』ってメシ出されると、思わずガツガツ食っちゃうな…ありがたい。
あ、賭け事で出てくるのがバックギャモンなの、『だよねー！』って感じで最高でした。
そういう細かいクスグリ、アタイ好きよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月23日

ヴィジュアルプリズン：第3話『AI=ZO』感想ツイートまとめ

ヴィジュアルプリズンを見る。
アンジュの爪弾きに誘われた駒鳥は、天才声楽家・ロビンだった。
重なるハーモニー、生まれる友情。
穏やかな日々は遠い追憶と、燃え盛る愛憎に揺れていく。
殺したいほどに愛し、抱きしめるほどに憎んだ日々が、今原宿に血の薔薇を咲かすッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

そんな感じのカストラート達の吸血譚、ヴィジュプリ第3話である。
大変良かった。
ジャック＆ロビン兄弟の愛憎を軸に、実は熱血友情野郎だったアンジュくん、ツンツンしてるくせに血仔大好きサガ様、仲良しビジュアル系LOS†EDENと、見どころ満載。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

青春音楽モノで絶対やってほしい爽やかな風と、吸血伝奇に必要な宿命と情感の湿り気がしっかり同居し、ロビンとジャックが選んだ道が清廉なる退廃に輝く、いい仕上がりでした。
『このトンt気アニメ、ゴシック・ロマンスとしても、かなり気合が入っとるのでは？』という疑問が、確信に変わりつつあるな

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

というわけで前回ネタを振ってた、アンジュとロビンの出会いから物語はスタート。
開始一分の圧縮率が凄くて、意味あるセリフほぼないのにシチュエーションとレイアウト、表情と仕草でガッツリ濃厚な運命の瞬間を、しっかり届けてきた。
こっちの受け身が取れてない状況で、一気にエモで殴る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

この不意打ちスタイルがクドクド説明しない、シンクロの気持ちよさを生み出していく。
急に王子様スタイルで高い木専有してるロビンくんも、そこに差し込む光も、あまりに”意味”濃すぎて中毒なるからな…。
しかしそのドロリ濃厚描写が、物語を圧縮して食べごたえを生み出す。演出スタイルに確信がある

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

正直アンジュとロビンの出会いで一話使うと思っていたので、そこをギュッと圧縮して運命の双子の再会、囀る天使の堕天までやりきるのは、嬉しいサプライズだった。
そこまで話数を使い切れるように、とにかくドラマティックを乱打して一気に押し切る作劇に、舵を切った感じもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

唐突でわけがわからないこそ、それが必然。
そんな運命力の濁流が、音楽を媒介に力強く浄化されていく。
アンジュとロビンの唐突な関係が、笑い声も爽やかに友情に変わっていく様子は、大変良かった。
可愛い美青年達が、白雪の如き清らかさで笑い合ってるの、最高に良い…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

まぁこのピュアネスは、後半捻れた血の絆で一気に染まって、クソ歪んだ感情が溢れてくるんだがな…。
マージで前半のロビンくんと、兄さんに再開してからの激重ヤンデレ少年が別人過ぎて、心地よいショックだった。
やっぱキャラを深く刺すためには、落差が大事なんだなー。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

勝手に迷い美少年を家につれてきたアンジュに、壁ドンサービスを欠かさないイブとか、二人のキャッキャウフフに複雑な表情して伏線蒔くギル様とか、短い出番でO★Zメンにも見せ場があった。
『ここら辺のネタを、確実に上手く使ってくる』という信頼感が、既に僕の中にある。
好きだぜ、ヴィジュプリ…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

ここから物語は急展開を見せて、ロビンくんはアンジュを連れ立って訪日の目的を果たす。
10年前の幼い姿のまま、確かにそこにいた愛する兄。
まーさかジャックくん回でもあるとは思ってなくて、むっちゃ嬉しい不意打ちであった。
運命が眼前に進み出たときの、ジャックくんのビビリっぷりが可愛い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

吸血鬼の物語には時が止まるゆえの退廃と、時を止めたいと願うほどの激情が欲しくなるわけだが、捻じれに捻れた双子の関係は、そこにズバッと切り込んできた。
前半ロビンが『もう、あのときほど高い声は出ないけどね』と、抜け目なく流れる時間の残酷を告げてるのが、めっちゃ効いてる脚本。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

時を殺した兄の背丈を弟は追い越し、変声期を迎えないために自分を殺した兄の声は、弟よりもハイトーン。
10年間の時間差は感情を発酵させ、血よりも甘いワインへと変えていく。
前半見せてた気軽さで楽屋にぶっこむ、イギリス製の情感爆弾が、軽薄な仮面を引っ剥がしていく流れは最高。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

あとすごく悲しい事があったので、当然天が泣いて雨の中美少年たちが膝を抱えるのも、一回追い出したくせに見てらんないのでお家に入れてくれるサガ様も、マジ最高。
やっぱあそこは土砂降りの雨の中、捨てられた猫のように寒さに震え、肩寄せあって涙を堪えなきゃいけんよ。様・式・美ッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

ジャックの血親であるサガ様は、その愛憎を知って抱擁したわけで、兄弟の再会が重く苦しいものになるのは解っていたと思う。
しかし物分りよく別れていくよりも、全てをぶち壊し新たな運命を切り開いていく方が、LOS†EDENのスタイルにあっているのだろう。
なので、再会の場を作る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

タイトルにもなってる『Ai＝Zo』の大文字を拾えば『A=Z』、始まりたるαと終わりたるΩが繋がった、捻れたAZ（アーツェット）の円環構造となる。
愛は憎しみの双子であり、止まった時と変わらぬ想いは、結びついて激しく着火する。
天使に愛された弟を、誰よりも憎み、でも殺せなかった少年。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

※訂正
×『Ai＝Zo』の大文字を拾えば
○『AI＝ZO』の頭文字を拾えば

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

去勢することで永遠にボーイソプラノを保つカストラートのモチーフを、ここで引っ張ってきたのも良い。
祈りを捧げるべく生まれた聖歌隊が、捻れに捻れた極限と、闇に墜ちた吸血鬼が重なる時、幼い激情は凶器となって、愛憎を刺す。
聖なる怪物としてのヴァンパイアを、よく照らす道具立てだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

抑え込まれたロビンが『兄さんを一番愛しているのは僕だッ！』と、天使の仮面に隠したエゴを炸裂させたのも良かったし、サガに抑え込まれたアンジュがそれでも『ダチ助けるのにワケいらねーだろ！』と、熱く吠えたのも良かった。
兄弟の愛憎を前に、無力に抑え込まれた自分。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

今回の事件が、アンジュが力を求めてヴィジュアルプリズンに飛び込む一員として、しっかり生かされてるのも素晴らしい。
やっぱ未熟な思春期ボーイには、己の無力さに焦がれ、闇の力を求める瞬間があって欲しいワケよ…。
中二病を駆動させる普遍の情動に、半笑いせず超真面目。好きだな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

そして運命は転がって、弟は人としての心臓を捧げ、兄は胸の奥の宝石にヒビが入る。
LOS†EDENが仲間の決断を、その死も含めて尊重し見守ってるの、『結構信念あるカオス勢なんだな…』て感じがあってよかった。
吸血鬼修羅場が終わった途端、みんなでマリカーして仲良しなギャップもグッド。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

生まれた時から溜め込んだ激情を吐き出し、自分たちを縛る時と因縁の檻をぶち壊して、天使は闇に堕ちる。
人間世界の倫理や常識から考えれば、愛憎の果ての心中なわけだが、吸血鬼にとってはここからが永遠の始まり。
ゴシック・ロマンスとして、価値観軸がしっかり異質なのが良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

ジャックとロビンが捧げたものはけして軽くはないのだが、そうさせるだけの思いが吸血鬼という生き方を選ぶものにはあり、それが薪となって歌を燃え上がらせる。
ヴァンパイア／ヴィジュアル系／バンドバトルという各要素を、強いエモーションで結び合わす試みは、今回良い結実を見せたと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

兄なのに親であり、弟なのに10年分背が伸びている。
非常にバロックな関係ながら、二人の愛憎がここに行き着くしかなかったという、不思議な納得もある対峙。
同じバンドに入らないのも、複雑怪奇な因縁を闇の抱擁が打ち破った感じがあって、腐臭と涼風が同居した味わい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

今回LOS†EDEN回でもあるので、『壊す』という彼らのスタイルが、実は無ではなく新たな再生に繋がる可能性をちゃんと示せたのは、とても良かった。
音楽面で棲み分けちゃんとしてる所に、アライメントの違い、それが生み出しうるものをドラマで乗せると、こりゃぁいい感じですよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

双子の二重唱となった”AI=ZO”は、幼年期を閉じ込めたからこそのソプラノと、そこから脱却する寸前の低音が入り交じる。
前半アンジュにハーモニーを教えていたシーンが、こういう形で回収されるの最高だった。
やっぱ全てを歌に絡めて書いてくれると、歌の物語を食ってる感じがして滾る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

かくして運命を見届けてくれた友と、バンド結成に向けて進み出すロビン。
力を持つこと、何かを壊すことの価値を、サガ様の間近で感じたアンジュも気合十分。
…なんだが、ギルの止まった時間はなかなか動き出しそうもない。
この檻も、天使の歌声がぶち壊すのか。
O★Z結成、マジ楽しみだなー。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

つうわけで愛憎渦を巻く美しきアモラルが、一つの決断へと辿り着くエピソードでした。
冷静に考えたら相当ヤバい決断してるんだけど、『ヤバくねー吸血鬼がいるわけねーだろ！』というオフィシャルな解答を、ガツンと叩きつけられたようで大変気持いい。
皆捻れた思いを抱え、鬼に転じて歌を囀る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

矛盾に割り切れない強い感情は、即ちVの世界観を支える大きな柱でもある。
昼と夜の狭間で、行き場のない思いを抱えたまま生まれる魂の叫び。
そういうものとして歌を描くのに、情感の生命体としてヴァンパイアが必要なのだと、双子が教えてくれるエピソードでした。最高。
次回も楽しみですッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

追記　こういう意味でも、随所にギャップを仕込み、その落差で物語を加速させていく計算がかなりされてる作品でもある。パワーで押し切るように見えて、相当にテクニカル。

追記
二人が聖歌隊だったのやっぱ最高で、神の使いが悪魔に落ちる聖性陵辱と、それでもなお赤く輝く聖なる純情がグワッと際立って、良いモチーフである。
きれいはきたない、きたないはきれい。
AとZが繋がった輪廻の不可思議は、吸血鬼との相性が良すぎる。
それをしっかり真ん中に捉える筆、好きよ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

あと『お前らのそれ、手で書いてんのかーい！』とツッコんだヴィジュアルメイクが、その実認識阻害の魔術だから手書きしなきゃいけないと後出しで殴りかかってきたり、オカルト方面でも結構隙がない。
ガバガバにツッコミ誘っておいて、マジレスで綺麗にカウンター取る。
コイツ、創作巧いよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

白い砂のアクアトープ：第16話『傷だらけの君にエールを』感想ツイートまとめ

白い砂のアクアトープを見る。
ペンギンの産卵が近づくティンガーラは、泊まり込みでそれを見守る。
それを特例で免除された知夢に、食ってかかるくくる。
何かと衝突の多い”イヤな女”がかかる、事情と秘密。
新世代の水族館ティンガーラは、誰に優しい職場であるべきなのか！？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

そんな感じの時限爆弾炸裂！ すまねぇ知夢サン俺が悪かったッ！！な、土下座の第16話である。
初登場の第9話から、コリコリ反感を稼いできた現代主義者が、どんな事情でカリカリしてきたか。
その内情を、生命と職場の関わりを別角度から照らしつつ描くエピソードである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

明かされてみれば『あー！』と思うネタであり、今”お仕事”描くなら絶対触っておかなきゃいけない重要事項。
第3話以来の登場となった竹下先生を上手く生かして、『母と労働』つうテーマに切り込む話となった。
パズルのピースがピタッとハマるような、構成の妙味を感じれるお話で、とても良かったです

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

というわけで職場復帰なった竹下先生と、知夢の距離が開いてる所からスタートである。
心理状況を物理的間合いに反射させて描写するスタイルは、情報の圧縮率が高くてありがたい。
今回は表情へのクローズアップも良くて、内心がよく伝わる描画だった
（画像は"白い砂のアクアトープ"第16話より引用） pic.twitter.com/sPAJjoLzeg

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

生き物の命を救い、ともに働く大事な仲間。
そんな竹下先生への、陰りの中でのしかめ面。
一体何があってこんな表情をし、特例で仕事を休むのか。
物語は海咲野のジト目を追いかけるように、知夢の秘密に踏み込…もうとして、頑なに拒絶される。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

休む事情を語らない、その頑なさはどこに理由があるのか。
一体何で、知夢はがまがまの古くて緩い共同体主義に反発するのか。
前クールから仕込まれた爆弾が、巧妙に連鎖爆発を始める感じである。
導火線の奥には、人間だれしも抱える事情、譲れぬ大事なものがあるが、くくるはそこに目が行かない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

しかし知夢の献身的な仕事ぶり、生き物への愛情を知るペンギンたちは、孤立しがちな飼育員にピョコピョコ寄り添う。
人間が悪感情に踊らされて見えていないものを、純朴な動物は既に嗅ぎつけていて、寄り添うように近寄ってくるカットが、示唆的で良い。好かれてるねー南風原さん。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

視聴者は基本、主人公に視線を重ねて物語にはいるので、『がまがまを否定するイヤな女』である知夢にはいい印象がない。
それは巧妙な煙幕となって、他人の事情に想像力が伸びないくくるの未熟を際立たせ、その奥にあるものが見えた時の衝撃を強める。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

しかしくくるの視界に入っていない”何か”を、上手く知夢からはみ出して描写を積んでいく巧さは既に発揮されていて、彼女になにか考えと事情がある事は、この話数が始まる前から推察できる。
ここら辺の印象と情報のコントロール、秘密が炸裂する効果を高めるレトリックは、このアニメかなり巧妙。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

なんで、絶賛反感買いまくりな諏訪さんが理念の火薬庫であることを期待しつつ、現状を見ている感じではある。
目に前に見えてるものの奥に、籠もる思い。
そこに想像力を伸ばすのが大事…てのは、第2話の看板騒動でも書いてる。
なんだけど、人間なかなか広い視野、寛大な心ってのは掴めない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

くくるが一度非・身内認定した存在に防壁分厚いの、がまがまの家族主義で育った反動かもなー、と思ったりもするが。
凝り固まるからこそ推進力もあるが、それが見落とす所を補佐できるのが風花の強みであり、キャラクターとしての役割かなー。
凸凹上手くハマるよう造形されてるよね、主役二人。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

さて贔屓とも配慮とも取れる南風原優遇シフトの裏には、何があるのか。
鋭い解像度で描かれる母ひとり子ひとりの生活が、問答無用に答えを突きつける。
メシは食わさなきゃいけねぇ部屋はシールでベタベタ熱は出す。
じゃーしょうがねぇなーーーーー！
（画像は"白い砂のアクアトープ"第16話より引用） pic.twitter.com/c9Utzu7PCs

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

毎回冴える美術は今回も元気で、南風原家の愛で満たされつつ大変な生活を、ズバッと差し込んでくる。
ママ大好きな雫くんが、今まさに育ちつつある生命だということが、よく伝わる描写である。
この描写が、ここまで積んだ水族館のミッションと繋がるのも上手い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

あとくくるに家族特攻であることも既に書いているので、『この真実がぶっ刺さらないわけがねー！』と、後の変化を予測できるのも良い。
あの子ほんっっと家族の絆に弱いので、これを持ち出されたら確実にコロッと行くわけで。
というか、これ知ってコロッと行かない海咲野くくるはイヤだ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

序盤何気なく挟まれた、ペンギンの卵と竹下先生の息子を喜ぶ描写が、よく効いてて。
『見知った小さい生命には親身になれるのに、知らない場所で一人戦ってる人の事情には、目を向けねーのか？』つう足払いが、上手く入る構成だと思うのよね。
罪悪感は、最高の感情移入誘導体だなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

今までの反感を綺麗にひっくり返す母子の肖像を見ると、次なる疑問も湧いてくる。
『なんでこの人、事情話さないんだろう？』
そこに踏み込み、ツッパらないと生きていけなかった裏側を共有していくのが、ここからのお話を牽引するエンジンにもなっていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

そんな事情もつゆ知らず、イヤな女への反発半分、身内へのお助け意識半分で、部署の枠超えて余計口出そうとするがまがまの子供。
『自分の仕事終えてから手伝えば良いんじゃろが！』という無理筋を、諏訪さんが却下しないの、ポイントだと思うなぁ…。
（画像は"白い砂のアクアトープ"第16話より引用） pic.twitter.com/jYOkWoJCoB

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

テキトー極まる雅藍洞さんの口から、うっかり個人情報がパなされ、可能なら嫌いでいたかった人の事情を知ってしまったくくるの顔が曇る。
ここで事情が出ないと話が進まないとは言え、かーなり危険な情報意識なんでなかろうか、飼育部長殿…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

”我が家”たるがまがまでは当たり前だった、困っている人を助ける行為。
それは他人同士が共に働く、資本経済においては危険な勇み足でもある。
働きたいのに働けない。
その間に居場所を取られる恐怖を、知ればこそ隠していた事情。
それをくくるの”当たり前の親切”は踏んでいるかも知れない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

しかしまぁ、こうして爆発し衝突することで知夢の事情が白日のもとに晒され、オフィシャルに対応できる状況になったのは怪我の功名…かなぁ。
この話隠す側も踏み込む側も、双方正しい。
そして人間である以上、完全に正しくあれないから軋轢が起こり、それをより良く解決することも出来る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

間違いや勇み足や頑なさ。
けして正しくはない部分もひっくるめて、人間であることを肯定的に描くこのお話は、基本光に満ちている。
だからこそ、知夢が回想する薄暗い過去、そこに満ちた腐臭は異質で…よく刺さる筆だ。い、居心地悪い…。
（画像は"白い砂のアクアトープ"第16話より引用） pic.twitter.com/drJtE786DT

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

魚の腸が散乱し、何もかもが乱雑なかつての職場。
そこを離れた知夢に林檎を差し出してくれる人がいることも、既に描写されていた。
人生の重荷を預けれるかけがえのない人がいればこそ、正しさを見失ったとしても立て直せる。
それは知夢もくくるも同じである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

自分の親切心が、他人の大事なものを図らず踏んでいたこと。
自分が前のめりになることが、誰かを押し出し傷つけること。
未知の複雑さがくくるを打ちのめし、再び海へと連れてくる。
鳴らすのはいつもの番号、姉ちゃん聞いてくれよ～～。
…マージでズブズブ。素晴らしい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

電話を受ける風花の姿勢が正に盤石で、”港”としての圧倒的な落ち着きが漂う。
風花の誰かを支える資質、それが天分だと確信する気持ちはしかし、今支えられてるくくるが目覚めさせた（思い出させた）ものでもある。
こういう描写の中で”お互い様”を感じられるのは、とても良いね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

かくして相手の立場に立ってみることにしたくくるは、竹下先生の赤子を半日預かる体験学習に挑む。
一方風花は知夢の自宅に踏み入り、その事情を聞き出す。
『琉球一”来ちゃった…”が似合う女』は伊達じゃねーな、宮沢風花…。
（画像は"白い砂のアクアトープ"第16話より引用） pic.twitter.com/1V713RMr99

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

くくるのままごとのような”体験学習”を、同じく苦労しながら愛娘を育てただろう父母の遺影が、優しく見守っている描写が良い。
身内以外に想像力が伸びないのはくくるの弱点だが、ならば体験を通じて身の内を広げていけばいいと考えれるようになったのは、館長代理の経験値、風花との出会いの結果か。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

この『体験を通じて見識を広げて、価値観を広げる』ってのは水族館がそのミッション達成のために、タイドプールやバックヤードツアーをやってるのと同じだ。
分からないから遠く感じるものを、近くに引き寄せて理解していく。その入口になる。
そういう拡張性は、人の交わる場所には必ず必要になる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

くくるは意固地だし見識も狭いが、その一本気が大きなパワーに繋がってもいる。
色んな人に助けられつつ、自分の世界を広げ、出逢ったものと繋げていけるのは、彼女の美質であろう。
故郷離れてでもそれを助けたいと思う、北国産の変動重力源も間近にいるしな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

風花が知夢の元を訪れたのは、親友を助けるためでもあり、がまがま組との軋轢を埋めるためでもあり、知夢のためでもあり、何より自分のためなのだろう。
頑張る誰かを支えたい。
沖縄に流れ着いて見つけた、風花の大事な夢。
（画像は"白い砂のアクアトープ"第16話より引用） pic.twitter.com/MRsLSc6YyI

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

知夢が頑なに他人に預けなかった二つの夢を、風花に晒そうとする意志は、扉を開けてコーヒーを出した時に、もう動き出していたのだろう。
あくまで知夢の意志を尊重しつつ、自分の望みを押し付けるでなく、しかし強く差し出す。
ネゴシエーターとしての風花の立ち回りに、余裕と熱量がある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

人生の荒波に揉まれ、夢の職場から弾き出された過去。
幼子一人の生命を背負い、開いた片手で掴んだチャンス。
『代わりはいるから』と簡単に言われてしまう厳しい現場を、それでもそこにいたいと願う夢を、手放したくない思い。
それを、風花は間近で受け取っていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

知夢の前の職場は、非常に悪い意味で都会的であり、そこで学んだものを引きずった結果、がまがまイズムと衝突してる感じはある。
たしかにおじいががっぽり開けた裏口を通って、がまがまの身内がティンガーラに集まり過ぎではあるからな。
作劇の密度を上げる関係上、必然の措置ではあるんだが。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

こういう過去があるなら、”仕事”に対してシビアで必死にもなるし、その厳しさが薄い（あるいは近代経済のシビアさを飼いならせず、それに食われた）がまがまへの評価は、自然厳しくなると思う。
しかし事情を隠して生まれた窮地を、救っているのもがまがまの人材…そこにある身内的お互い様イズムだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

経済機構をサバイブできるだけのシビアさと、共同体がかつて持っていた温情…そこから生まれてくる余力と優しさの同居。
それが最新のビジネス環境として描かれるティンガーラには必要で、知夢も風花の訪問を突破口に、そこに接近していかなければいけない。
風花の穏やかで靭やか態度は、導きに十分だ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

たった二時間の”体験学習”で、子供を背負う大変さを思い知ったくくるは、知りたいと思ったことを知った。
風花の訪問を通じて、知夢は重荷を職場と仲間に預ける決意を固めていく。
歩み寄ることで、”知らない”は”知ってる”に、”好きで大事”になりうる
（画像は"白い砂のアクアトープ"第16話より引用） pic.twitter.com/ZgbpBARQmH

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

愛しい寝顔を見ながら、親子を見守る光の魚が、閉じたがまがまに時折訪れた奇跡が、形を変えて舞い降りたみたいで良かった。
美しいファンタジーは、こんな小さな幸福の中にもあるのだ。
そして、それに膝を折って視線をあわせてくれる人は、必ずいる。
雫ボーイにみんな優しくて…俺は…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

あんま現場に出なくて存在感薄かった館長が、ここでティンガーラのおじいとしてめっちゃ良い立ち回りしたのも、すげー良かった。
話さえキッチリ通せば、従業員の幸福増進のために色々動いてくれる人で、ヴィジョンも器もあるんだろう。ありがてぇ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

あと雫ボーイが”初めての水族館”に目を輝かせ、色んな体験をギュンギュン白紙の脳味噌に吸い上げてる様子が、可愛く逞しかった。
やっぱ何も知らねーガキが、超楽しいことに全身使って、ガンッガンに魂のキャンバスを広げている描写を見るのは好きだ。
ティンガーラは、そういう事をする職場なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

というわけで、相手の苦労と事情、己の未熟と可能性を知り、くくると知夢の間合いは縮まった。
『この人は自分と同じことで苦しみ、自分と同じことが大事なんだ』と体験すると、身内の範囲が広がって、図々しい手助け躊躇わなくなるのは、くくるの美質
（画像は"白い砂のアクアトープ"第16話より引用） pic.twitter.com/f1rXWrIuwX

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

ティンガーラ初めての出産の時、館長の手がワキワキと落ち着かない描写、最高に良いんだよな。
この人も、水族館バカじゃん、という。
知夢が何を守りたくて頑なになっていたのか、それを書いたエピソードの最後が、生まれでた生命を嘴で愛でる親鳥なのは、非常に収まりが良い。
そこは、みんな同じだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

かくして初めての生命と、それを寿ぐ人の輪がティンガーラを包み、物語は幕を閉じる。
ええ話やった…。
第9話以来引っ張ってきた知夢の伏せ札を、最高のタイミング、最高の刺し方でオープンにしたなー、と思います。
やっぱ構成が良いよな、このアニメ。情報の出し入れで情動捻るのが上手い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

ティンガーラ編に移ってから、身内感覚では乗りこなせない”仕事”の荒波、それに負けずにくくるが挑む頼もしさ、確かに何かが変わっていく手応えは、凄く強くなっている。
ツンが強かった知夢を”倒した”ことで、この心地よいうねりもさらに強まったと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

失敗と体当たりを繰り返し、色んな人に支えられ、色んな事を学び生み出す、くくるの挑戦。
がまがまという子宮を出たひな鳥の歩みは、まだまだ続きます。
それに寄り添う風花の、どっしり落ち着いた強さもよく見え、とても良いエピソードでした。つえーわあの女（ひと）…。
次回も楽しみですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月22日

王様ランキング：第2話『王子とカゲ』感想ツイートまとめ

王様ランキングを見る。
ダイダ王子との試合に挑むボッジを、草陰から見守るカゲ。
湧き上がる衝動に戸惑いながら、蘇る反省は即ち、悲惨と屈辱の編み物。
世界の片隅で悪に塗れつつ、それでも伸ばした手を繋ぐべき相手を、暗殺者一族最後の生き残りは見つけた。
俺は、何があってもお前の味方だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

という感じの、可愛い絵柄でハードコア！ この人心荒廃がスゴイ2021!!　王様ランキング第二話であった。
大変良かった。
世界に満ちる悪意と無理解、理不尽にズタズタにされながら、微かな光を手繰り寄せ、傷だらけで涙し笑う子供二人が、運命の契りを結ぶエピソードであった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

烙印を刻まれ生まれてきた子供、そこに確かにあった温もり、残酷なる死の手触り。
それでもなお、何かを求め空をかく掌。
自分のツボをズコズコ突かれたのもあるが、カゲちゃんにもボッジ王子にも一切容赦のない暴力、偏見を恐れず叩きつけることで、その奥にあるものを描こうとする姿勢が刺さった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

『コイツぁ絵柄を変えた…あるいは手塚先生に戻した”どろろ”ですよ…』ってのが、この第2話での感想である。
打ちのめされ、嘲られ、涙してなお、王たるべき剣を掴もうとする子供に差し出された、影からの真心。
ずっと一人で立ち続けてきた少年が、心の底から欲しかったもの。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

それを差し出すことで、カゲちゃんは短剣を捨てた両手で、もっと暖かなものを掴めるようになる。
かつて母から与えられたプレゼント、一人で生きていくために差し出し、価値がないと唾棄されたものを掴み直すことが出来る。
互いの傷を見ていられず、手を差し伸べる行為が、己の傷を手当もする縁。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

それが力強く、母亡き少年二人を結びつけるエピソードであった。
ボッジの健気、周囲に理解されない才気の描き方も良かったが、やはり堪えに堪えていた涙を笑顔に混ぜて、魂の盟友と出逢ったラストカットが、大変に良かった。
とんでもねぇ物語が始まっちまうぜ…（予感に震える、周回遅れマン）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

というわけで、自分でも理解できない衝動に導かれ、光と闇の間に引っ張り出されたカゲちゃんの回想から、物語はスタートである。
だーからダメなんだって即死だから！　己を捨てて我が子を守る母の姿は！！
（画像は"王様ランキング"第2話より引用） pic.twitter.com/NAz4P7uya8

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

今回のエピソードは”掌”のお話であり、カゲちゃんがかつて掴んだもの、手放さざるを得なかったもの、新たに掴むものと手放すものを軸に、過酷悩みと強い光が混ざり合う。
愛のこもった人形と、母の手を握っている間は掴まなくてよかった、金貨と短剣。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

カゲ一族が謀略に巻き込まれ虐殺された結果、カゲちゃんはその両方を失っていくことになる。
一切情け容赦のない虐殺描写の中で、カゲちゃんは同じくぬいぐるみを抱えた令嬢に助けられ、一命を取り留める。
彼女は不気味に大人びた存在で、死体を前にした絶叫は演技、ぬいぐるみを裂いてカゲを匿う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

小さな両手で掴んだぬいぐるみが、死地を切り抜けるシェルターとしても機能することを、カゲはその身で知る。
が令嬢の賢さは未だ遠く、偏見と強欲に満ちた世界でどう生きていくか、その術を知らない。
自分にとってはとても大事なぬいぐるみを、決意を込めて差し出しても、世間はつばを吹きかける。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

リンゴを盗む（と、市場の人間には認識される）時、カゲちゃんはぬいぐるみを対価として棚に置いている。
そこに籠もった思い入れ、縁、個人的な痛みは、市場においては考慮されない。
重要なのは万人に共通する経済媒介…金ピカのカネ一つである。
そしてそれを、母に守られてきたカゲは持ってない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

ボコボコに殴り付けられ、裏路地に放り込まれ、差し出されたのは残飯。
『陰の中では無敵だが、日の下では最弱』という一族の宿命は、少年が後ろ暗い稼業の手助けに、善悪の判断ないままに飛び込んでいくことを後押しする。
それは日の下にいられない生き方、いつ生きても死んでもおかしくない人生だ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

そんな場所にも光はあり、その温もりは打算と欲望の余り物でしかない。
悪党の下働きとして働く中で、カゲちゃんは金貨を投げ渡され、闇の中でその小指を握る。
かつて母とともにあった温もりを、せめてもう一度とすがる。
その掌の小ささが、哀しく痛ましい
（画像は"王様ランキング"第2話より引用） pic.twitter.com/uBpzf0fCeL

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

結局カゲちゃんは売られ、夢枕母の警告に目覚めて窮地を逃れる。
悪党との日々はあくまで、利害によって繋がった関係でしかなかった。
しかし酒場でつまんねぇ死に方をした男の、死に際流れる涙に、カゲちゃんは掌を添える。
世間の連中は一切鑑みない、闇の中確かにあった光の残滓。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

悪党にとって、カゲとの日々は簡単に切り捨てられるはずのもので、しかし死に際脳裏をよぎり涙を絞ったのは、その温もりだった。
自分もこの小さな命と同じく、金でも刃でも無いものをその掌に握りたいと、願っている。
そう気づけていたのなら、二人の生き方も変わっていただろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

しかし真実が判るのは死の瞬間だけであり、カゲちゃんは再び誰かと繋ぐ掌に虚無を握り、裏街道を進んでいくこととなる。
もはや遠い親子の縁を、それでも追いかけていた瞳は荒み、その手には金貨袋が握られている。
（画像は"王様ランキング"第2話より引用） pic.twitter.com/q6Jz21CKeo

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

母を殺し悪党を殺した現世の世知辛さに同化してしまったカゲの、瞳に輝きを取り戻すもの。
それがボッジの奮戦であり、その不屈、その清廉はカゲの掌を、力強い拳に変える。
カゲはボッジを見ることで、空疎だった掌に希望を、決意を掴むことが出来るのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

同時に短剣すら握れぬボッジは”掴めない”存在で、己が目指す王の剣…世間一般に流布するスタンダードな権力のイメージと正面からぶつかるよう諭され、粉砕されていく。
一切情け容赦なく、児童の柔肌を全力で殴打してて『WIT STUDIO…”覚悟”あんなぁ…』と思った。
それはさておき、見てて超つれぇ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

ダイダ王子を翻弄していたボッジの牛若丸スタイルは、世間からは卑怯な玩弄と取られてしまう。
正面から力で粉砕するマチズモ（その極限が、巨人たるボッス王なのだろう）を、横に受け流し傷を与えたい、ある意味フェミニンな戦い方。
その優しさを、世間は見ない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

（スタンダードな発声）言語なきボッジは、剣を用いた身体表現においても、己を理解されない。
コミュニケーションが困難な、孤独な世界。
その辛さが様々なハンディよりも強く、ボッジを追い込んでいる。
か弱い体は、既に克服されている。カゲが後に告げるように、ボッジは勝っているのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

しかしその勝利は、暴力的なマチズモのみを是認する王国において、極端に理解車が少ない。
手話というコミュニケーション手段を持って、王子に歩み寄る立場にあるはずのドーマス指南役こそが、ボッジの”勝ち”が”負け”に変わる決定打を打ち込むのだ。
言葉が通じることは、己を解ってもらうと＝ではない

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

それでも、ボッジは重すぎる剣を掴み、父のような王になることを望み続ける。
そこには金ピカの権勢、強さによる抑圧への憧れではなく、ただただ幼き家族への慕情故なのだろう。
健気であるがゆえに血が滲み、孤独に包囲された姿が痛ましい。ひどすぎるよッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

その奮戦に目を開くことで、カゲはずっと閉じこもっていた世界の裏側から、光の中へ飛び込む決断をする。
それは暗殺一族である彼を無力にする、危険な領域だ。
しかしそこに飛び出さなければ、掴みたいものが掴めない。
（画像は"王様ランキング"第2話より引用） pic.twitter.com/B8SOL7Eb6H

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

槍使い・アピスの介入により、カゲの存在が白日にさらされるのは後になったが、ともかく自分を引き込み汚してきた闇から飛び出す決断を、カゲはボッジによって引き出された。
剣を捨てて、希望を取る。
そうさせる何かを誰かに届けうるのが、ボッジの強さなのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

一方蛇使いベビンは、勝利の栄光から離れた影の中で冷静に、状況を俯瞰している。
ダイダ王子の未来を、人格を鏡の中から左右する”あいつ”の存在に、どーも彼だけが気付いてるっぽいんだよなぁ…。
実体を持たない”あいつ”は、ボッジによりそうカゲの反存在…物語を闇に引き込むシャドウか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

つーかダイダボーイも、素直な性根を悪いやつの囁きで歪ませられ、ボッジをボコボコにしてしまってる感じで…。
こっから話がどう転がるかは判らんが、無責任に…あるいは悪意を持って囁く顔のない存在と、どう戦っていくかってのは、結構大事な柱なんだろうな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

さて、傷ついたボッジに寄り添うカゲには異形ながら、顔がある。
何かを掴む掌があり、思いを伝える口があり、希望に輝く瞳がある。
一人格として、彼はボッジの傷と孤独に寄り添い、誓いを立てる。
（画像は"王様ランキング"第2話より引用） pic.twitter.com/XKam6RXfTd

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

カゲが掴むべきなのは短刀でも金貨でもなく、今差し出されている形のない思い、自分を弱くしない光だったのだろう。
それは傷ついてなお剣を掴み、世間が認める価値観で孤独を埋めようとするボッジにとっても、真実必要なものだ。
母亡き傷ついた子供として、荒野に立つ一人の人間として。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

カゲの誓いはボッジの心を穿ち、二人の瞳に炎が宿る。
奪われ、奪い続けてきたカゲがボッジの思いに引き寄せられる形で『もう何も貰わねぇ！』と叫ぶのは、あまりに気高く強い行いで泣いてしまった。
奪われたから奪い返す、殺されたから殺す。
そういう道のりから、カゲは二話にして降りたのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

あるいはそうして差し伸べられた掌が、ボッジが傷つきながら世間からの承認を求め、過酷なマチズモに手をのばす道から、彼を遠ざける手助けとなるか。
それは、ここから先の物語である。
無理解、強制、嘲りと報復。
悪しき意味での”男性性”との決別は、多分大事な要素。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

こうして考えると、第1話で窮地を越えるためにカゲちゃんが短剣を”投げた”こと、そこに追い込んだのがベビンさんなの、結構示唆的な場面だったんかな…。
今回選び取った新たな生き方の予兆は、一見敵対に見えるあのシーンにこそあって、そこにニヒルな蛇使いがいたってことが、今後どう活きるか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

大変楽しみです。
ボッジがどんだけ苦しんでいるか、心と体に包帯を巻いてしっかり見せた上で、それを越えられるたった一つの支え、新たな光としてカゲちゃんを描く。
二人は友情をその手のひらに新たに掴み、本当に欲しかったものを探し、取り戻していくのだ。
ジュ、ジュブナイル…ッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

こんだけ強く、主役二人の縁が定めであると見せられちまうと、お話が乗っかって転がる足場固めも完璧でありますが。
彼らが立ち向かうべき嵐が、どんだけ血生臭く容赦ないか、カゲちゃんの辿ってきた地獄、ボッジを苛む傷で鮮烈に書いたのも、大変に良い。
かくして、二人の運命が始まる。次回も楽しみ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

追記　涙腺を伝う宝石の意味を、世界でひとり解っているヤツってのが、俺は三度の飯よりも好き。

追記
ボッジが一人のときしか泣かない、泣けない強さと切なさをちゃんと書いた上で、カゲの隣では泣ける、カゲの存在だからこそ隠したかった辛さに寄り添えると、渾身の作画で魅せてきたラストは、やっぱ圧倒的につえぇ。
プライドがあるからこそ笑っている男の涙は、熱く重い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

それを唯一人理解し、手を差し伸べる決意がカゲを、ボッジの光に変えていく。
流れる涙をそのままにしておかねぇってのは、悪党最後の冷たい涙に何も出来なかった哀しみが、やっぱ背中を押してる感じするな。
かつて求め奪われたものを、少年たちは取り戻すのだ。このお話は、優しき復讐の物語…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月21日

プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜：第3話『all for one』感想ツイートまとめ

プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜を見る。
唐突に告げられた、真美との別れ。
悲しい離別を最高の思い出に変えるべく、愛佳はビギナーチームによる試合へと動き出す。
本気の思いを受け止めて、ホッケーとの向き合い方も変化する中、はたして勝負の行方は！？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

そんな感じの真美離脱＆チーム初試合な、プラオレ序章終了である。
大変良かった。
体験教室の習い事感覚から、試合を前提としたソリッドでハードな質感へ。
”ホッケー”とキャラクター、作品が向き合う角度が変わって…でも、『ホッケー楽しい！』という感覚は消えない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

つうか音響が凄く良い試合描写が競技の実在感を上手く高めてきて、『何が面白いのか』の根っこがより分かりやすく、見てる側に届いた感じがする。
ただ走るだけ、パックを打つだけで楽しい。
その感覚を結構時間使って描いたから、この相転移も鮮烈なんだと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

真美転校の知らせに超凹んでる出だし、『中二のリアクションか？』感はあるが、まぁこの子たちはピュアなンだッ！
体験教室やら手芸部室やらでの反応を鑑みても、世間ずれしてない幼気が、キャラと作品全体に敷衍はしてる。ぽやーっとしてる感じというか。
俺はこの感じ…嫌いじゃないよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

今回のエピソードで、愛佳がなんで主人公なのか、ようやく見えてきた気がする。
山梨の経験者達にスコンクにされ、チームが暗いムードになった時も、愛佳の言葉からプレイが前向きになった。
『最高の思い出づくりに、二ヶ月で試合をしよう！』言い出すのも、彼女が起点である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

どす黒い暗雲が立ち込めてきても、『こなくそ！』と顔を上げて立ち向かう闘志。
周囲を引っ張り、機運に乗せる熱意。
それが主役の資質なんだなー、と思った。
これは激しい接触にも折れない闘志が大事な、ホッケーという競技においても大事だと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

彼女に載せられる形で”体験教室”は”ビギナーチーム”となり、松永コーチも向き合い方を変えていく。
正直ここまで変人の印象が強かった彼女が、生徒の熱意にしっかり向き合い、自主性を尊重しつつも環境をちゃんと用意できる指導者…大人として、一気に輝き出す。やりゃ出来るじゃねーの！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

ニヤケ顔を押し殺し、『二ヶ月で試合』つう無茶を通すべく厳しく指導する姿は、エンタメがどーのとか言ってた時の百倍立派だった。
やっぱいらないんじゃないかな、ウィニングダンス要素…（過激派の意見）
実際ホッケー描写がいい感じなので、競技単品で引っ張れる感じ、出てきとるしな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

”試合”つう明確な目標が出来たことで、鬼怒川組と霧降組の距離がグッと近づいて、4+2だったチームが6にもなっていく。
文字通り裸の付き合いで、幼馴染と別れていく愛佳の心に梨子が寄り添ってくシーンは、素直にいい場面であった。
こういうイベントが一個一個あって、距離が近づいてく描写ありがたい

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

尚実の体温低いキャラが、サバケてるようで『オメーがいねぇなら、ホッケーやんねぇから…』と湿った”圧”かけてくる梨子といい化学反応してて、やっぱり霧降組のアンサンブルはとても良い。
日光名産の温泉といちごでぐぐっと距離が縮まったことで、その良さが鬼怒川組にも輸血されてくかなー、て感じ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

二人の仲良し力を見せる舞台となった店舗が、露骨実在オーラをビカビカ放ち、テレ東の旅番組みたいな『この店、この地域凄いですよッ！』みたいな気合放ってくるの、地域密着型アニメとしては好きな力み方だな。
こんくらい強く、地域色コスってくれた方が嬉しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

かくして二ヶ月の特訓が始まるのだが、ジャージの着こなしで各員のキャラが見えるところとか、好きな演出だった。
定番ではあるんだが、そういうのをちゃんとやるのは大事だし偉い。
（画像は"プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜"第3話より引用） pic.twitter.com/cHnri0wbyB

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

コーチの尽力で対戦相手も決まり、手芸部要素を生かした思いのバナーも手渡され、さぁ本番！
これがまた、バッコンバッコンに打ちのめされるボロカス試合である。
下手に”いい試合”させなかったの、競技が成立するための練習量に敬意払ってて、俺はすごく好きよ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

マトモにホッケーできてない初試合を描くことで、攻守の切り替えに遅れない反射神経だとか、緊張に飲まれない闘志だとか、”試合”に何が大事か見えても来る。
コーチが整えてくれた状況を、いい思い出にするか暗い記憶にするかは、結局当人次第でもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

高速で飛来するパックにビビらない、キーパー薫子のファインセーブから始まる攻撃。
パスが繋がり、接触も辞さない強い思いで押し込む、泥臭いゴール。
隣を走る誰かから託された思いが、形になる瞬間。
促成栽培のビギナー達は、それだけは形にできた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

多分この話は、パックに宿った思い、それを繋げる絆を物語の主軸、キャラの追い求めるもの、競技の良さとして描いていくのだと思う。
ボロボロなデビューで唯一決めた、このゴール…それを生み出すパスワークは、主人公と物語の原点になる、大事なプレイになるだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

こんだけボロカスに負けると、一冬ホッケーに打ち込みレベルアップしたビギナーズを見るのも、楽しみになるけど。
体験教室から勝負の世界に歩を進めた彼女たちは、負けてなお笑う。
今回の試合はあくまで、思い出の楔。
欲しいのは『何かを共にやりきった』という、確かな実感。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

別れを越えて前に進むためにも、それは大事なことだと思うのだが。
今後ホッケーを続けていく中で、勝敗にこだわる意志、勝ち負けを追うことで見えてくるものが、ぽやーっとした彼女達に宿ると良いな、とも感じた。
…そこ足すために、釧路の女がやってくるんかな？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

かくして最後の思い出づくりも終わり、東京へ向かう列車が出ていく。
真美と愛佳の別れは、ベタながら／だからこそ体温が高く、序章の幕引きに相応しい力強さだった。
ガラス越しの涙と、離れてなお届く思いに弱い。
（画像は"プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜"第3話より引用） pic.twitter.com/yxYFcPNk0t

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

常識で考えりゃ声が届くはずはないんだが、二人は同じ思いを最後にぶつけ合って巣立っていく。
届ける、繋げる。
二人で決めたファーストゴールと同じく、そういうことが大事な話なのだろう。
大事なことは照れずに真っ直ぐ、力強く突き出してくれたほうが、見ている僕も嬉しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

あとまぁ…明るい部分だけを描かれてきた少女たちも、『暗い冬空の下泣いたりするんだ…』みたいな、当たり前の感慨があった。
そら当然泣くわけだが、こういう暗い場面からプロテクトされた不用意な明るさみたいなものが、2話までの話運びにはやっぱ、少し漂ってて。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

その幼気な光が、ただ滑れるだけで楽しいという気持ち、ボロ負けなのに誇らしく笑える強さの根っこに、あるとは思う。
ただそれだけだと不自然かつアンバランスになりそうな所で、転校という少女の一大事が、人間に当たり前の薄暗さ、それに爪を立てる闘志を際立たせてくれた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

この別れの場面で、愛佳は泣いていない。
シャカリキに自転車を漕いで、一度は向き合えなかった思いに追いつこうとする、オレンジ色の熱量。
やっぱそれが、この話の主役の強みなのだろう。
そういうものも、暗い影が差せばこそ強く見えてくる。
そういう話数でもあった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

というわけで、楽しい体験教室からチームでの試合へと、作品が大きな舵を切るエピソードでした。
その上で勝敗一辺倒にならない舵取りは継続で、とても良い形で序章を終えたな、と思いました。
ド素人時代に三話も使ったの、賛否分かれると思うけど、俺は凄く好きね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

ざっくばらんに思えた梨子が思いの外、湿度を秘めた女（ひと）であることも解って、大変良かったです。
すげー重い荷物を、さらっと手渡してくるの怖いよなぁ…そんだけ尚実を信じてる、って話だとは思うけど。
クールフェイスの奥で、尚実もその熱量を解っている。融かされている。好（ハオ）ですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日

松永コーチが指導者として信頼に足りる存在だと解ったり、アイスホッケーのスピード感、激しさが伝わってきたり。
今後の展開を支える、要のエピソードになってくれそうです。
時は巡って春。
釧路から来た爆弾はどんな嵐を、日光にもたらすのか。
次回からの新章も、楽しみですね！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月20日