イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/05/30

・ キャプテンアース

序章が終了し、チームが結成され、さて事件だ!! というわけでお台場を舞台に新キャラと軽い殴り合い。
主人公チームのみならず、敵さんの新キャラも青春力高くて徹底してるなぁと思った。
「青春ゆえの万能感が、異能の力に結びつく」つーあたりはまんまトップ2であり、脳内にむっちゃ『Groovin' Magic』流れたわー。
自分的には無印より、2のほうが『俺のアニメ』って感じがするなぁ。(榎戸繋がりの脱線)

お話の仕事としては敵さんの戦力増補と、現状のミッドサマーナイツの状況説明が主な所。
「宇宙戦闘は派手さがあるけどお話の小回りがきかないので、第二章は地上戦メインのマシングッドフェローVSオーディナリーですよー』つう説明回でもあったかな。
戦闘妖精はパイロットごとに個性的なスペックしてて、やっぱロボアニメはバリエーションだよなぁと唸ることしかり。

ミッドサマーナイツの方は、てっぺー置物すぎ・ハナ節度過ぎ・アカリ優秀すぎという感じ。
ココらへんの凸凹は今後の話を回す要因でもあるので、視聴者に分かりやすい形で見せてるのはグッドやね。
とりあえずスクリプトキディのクラスが強すぎなので、GMアマラさんが来週エラッタを適用するようですネ。

 

・ ピンポン(七話)
其々の師弟関係、其々の卓球、そんな感じの決戦前夜。
かなり展開を圧縮しつつ新要素を入れ、ドラゴン周りの掘り下げをガッツリやって事前準備を完璧に整えるという、アニメピンポンらしい貪欲な回でした。
五連装酸素魚雷ことNTRマスターこと真田さん周辺、強化されすぎだと思います。

オババ-ペコ、ジョー-スマイル、風間-ドラゴン、チャイナ-辻堂のボンクラ共と、4つのアングルからコーチと選手の関係が描かれた今回。
元からラブラブな上に新婚バリの温度でキャフフしまくってるババペコチームはまぁ上がるだけだとして、ジョーとスマイルはようやくじれったい関係に一発良いのが入って、ガッチリと関係が強くなった感じでした。
海王の人たちは焼けぼっくいに火を付ける、いい仕事してたなぁ。
バタフライジョーの悲劇の順番を入れ替え、絆が強まってから公開したのは凄くいい再構築だったし、内山さんの感情の入れ方が非常にグッドで、「ああ、確かにマシーンにも感情あるね」と頷いてしまった。
ジジスマカップルもラブラブだなぁ……いいなぁ。

後大田コーチね。
あの人の人間力はマジスゲーよ、高校生とはとても思えない。
新ボールの試打するシーンも内山さんの入れ方がすげー良くて、元々好きなシーンだったけど更にグッド、さらにナイスって思いまいた。


一方周りの人がすげー気にかけつつ、むしろそれ故に孤高の立場に追い込まれていくドラゴンくん。
プレッシャーの根源である理事長と、バタフライジョーの悲劇を連結させ、現役世代の青春とも絡めた今回の改変はマジゴッド級
もうこの段階で「かつて間違えた人たちのようには今の世代は間違えず、そしてもしかしたらかつて間違えた人も救ってしまうかもしれん……」つー予感に満ちてんもんなぁ。
やっぱ道の先に目線が行ってる作品は良いわ、すげーいい。

掘り下げつーことでは百合枝さん周りの踏み込みも相当良くて、前回イマイチ言われてたカサブランカを全力で提出しちゃう真田の無様っぷりと合わせて、これもいい追加でした。
原作は相当にマッチョな話で、女が絡む余地ってアクマ-むー子くらいしかない(オババは女っつーかオババ)んだけど、ドラゴンという話の巨大な軸に絡めてきたのは、いい塩梅に急所をカバーする流れだと感じています。
「男の戦いに女が口はさむなッ!!」となりかねないアツさがピンポンにはあるわけですが、百合枝さんの人間力がすげー高いので、むしろ「頼む、ドラゴンを支えてやってくれッ!」ってなるわけよ。
いいよね~。

そしてひな鳥に羽ばたき方を教えているウェンガコーチは、ドラゴンロボを相手に腕を磨いていた。
まぁしょうがないよね……ウェンガのコーチは今中国だしさ……。
あれだけ辻堂で自分の居場所を確保しても、やはり選手として走り抜けることに未練があるウェンガの歯ぎしりは、これ以上ないほど青春の音がしていてグッドだと思います。
いやー、オモシレぇなぁピンポンはよ~まじで!

 

・ ピンポン(八話)
文革、魂の旅路ついに決着。
そんなインターハイ県予選開幕戦。
Aパートで海王ぶっ飛ばして実力をアピールし、Bパートでチャイナぶっ飛ばしてペコの成長アピール。
形だけ見ると典型的な噛ませ犬なのだが、今までアニメピンポン見てきてウェンガをかませ呼ばわりしたら即ガタッ(椅子を蹴って立ち上がる音)って感じなのは、みんな同じだと思います。

チャイナはアニメですげー補強されたキャラクターで、努力した天才>凡人の努力>錆びた天才という厳密なルールを一番最初に見せる仕事をした後、でも勝利>敗北ではけしてないというもう一枚のルールを説明する立場にいます。
「負けて見える風景もある」というのは俺の佐久間の言ですが、ウェンガもまた、ドラゴンに負けペコに負け、辻堂の仲間たちと一年過ごして新しい景色を見ました。
そのうえでなお卓球が好きで好きで諦めきれず、生まれ変わったヒーローに負けることで最後の一歩を踏み出した、というのが孔文革という一人の異国人の物語だったと、今回思いました。
これを完結させるためには、ひな鳥たる辻堂団体チームが何かを残さにゃならん気がしてしょうがないよ。

あのボンクラ共よ~……ウェンガ好きすぎんだろー。
いや判るけどね。
最初ツンツンしてた異国の美少年が、流行に踊らされる凡俗な自分たちをフォローしてくれたり、格上に勝ったら褒めてくれたり、そらデレるわ。
その上で「才能がどこに眠っているかは判らない」という言葉は、多分自分自身にも言い聞かせていたんだろうなぁと思うと、ネ。
ガンバレ辻堂! 君らは多分、あの会場で一番青春を"楽しんで"るチームだ。


一方、そんな人間の懊悩すらドライブと一緒に高みへと押し上げてしまう天才にしてヒーロー、星野。
勝っても負けても苦しそうなドラゴンと、苦しみを経てそれでも卓球を楽しめるペコとの対比は、動画と声の切れ味を手に入れて、更なる鋭さを手に入れた感じがあります。
アニメ版がむっちゃウェンガに感情移入するように作られているので、相当な気持ちよさで負けさせないと即ガタッってなるわけですが、そこんトコロは完璧に決めてきた。
音楽との相乗効果もグッドだし、今まで積み上げてきたママン関係の絆値の高さが活きる回想シーンもあって、「ああ、ウェンガは救われたんだな……」という感想を抱かせてくれました。

文革の物語は此処が一応のクライマックスですが、オババのいうとおり、天才であるペコはいろんな人の背中を踏んで高く飛んで行く。
このインターハイ予選で戦う人全てが、卓球という競技を愛し、卓球という競技に傷つけられ、その相反の中で彼らの人生を泳いでいるわけです。
これはただの玉遊びではなく人生の問題なので、これを揺り動かすためには濃厚な因縁だとか、灼熱の感情だとか、圧倒的な人間的質量だとか、そういうものが必要になります。
さて、天才たるペコはこの人生絵巻にどんな一擲を投げ込み、如何な影響を与えていけるのか。
それは、これからの物語でありますよ。
いやー、オモシレぇなアニメピンポンよぉ!!(八度目)

 

・ ラブライブ!
μ'sのお母さんこと、東條希さんの個別回でした。
うむ……なんというか……キテたね!!
二期の個別回の切れ味はヤベェなぁ……ムラマサブレード!! って感じだ。


希はにこと並んで、持ち前の人間力故にお話の便利なところを担当しがちなキャラだと思います。
穂乃果エンジンは推進力と求心力はあるのですが、細かいところを詰める性能はあまり高くなく、人間関係のフォローや因果関係のつじつま合わせなど、影の部分の仕事は大抵のんちゃんがやってた記憶があります。
というか、μ'sメンバーで希に背中を押されてない人のほうが少ないんじゃなかろうか。
とまれそんな感じで、常時周囲に気を配り、表に出ず状況を整えていくサポーターとしての希が、今までのラブライブ!での東條希のお仕事でした。

それは目立ちはしませんし、それ故に大々的に賞賛される立場でもないわけですが、真ん中になってみんなを引っ張っていく立場と同じくらいに難しい立場であって、リターンが少ない分真ん中よりシンドいかもしれません。
引っ込み思案で女房役が性に合っている性格というのもありますが、μ's結成前段階からそこに可能性を感じ、親友たる絵里の背中を押せればという願いと同時に、自分自身の青春が躍動する感覚にしたがってμ'sを導いてきた希。
その彼女の地道で目立たない、しかし重要で貴重で大事な立場というものを、製作者サイドはどう捉えているのか。

その答えは、今回の出来を見れば一目瞭然だと思います。
こういう立場の子にこそ、優しい目線を向けしっかりとしたお話を作ってくれること。
仮想世界のキャラクターたちへの扱いにおいて、これ以上に製作者サイドへの信頼を生み出す行動というのもなかなかないのではないでしょうか。

センターで頑張るやつ、真ん中すぐ後ろで支えるやつ、離れた距離で自由に動くやつ。
そして全体に目を配るやつという風に、各々の個性、各々の希望に応じた立場があるからこそチームは機能し、それはどれも重要で貴重なのだ、という認識。
それこそが青春部活動モノとしてのラブライブ!に一本ぶっとい背骨を入れている演出哲学でありまして、今回の希の扱いはそういう意味でも、非常にありがたいと言えます。


「あと一歩を踏み出したくて、なおかつ足踏みしてた少女」というのはμ'sメンバーほぼ全てに共通する要素であり、これを免れているのは主人公としてお話を牽引する立場にある穂乃果だけです。
希もその分にもれず、引っ越しを繰り返し己の誠実さという枷をはめられ、どうにも身動きがとれない不器用な女の子なわけです。
そんな子が前に出た一回目が絢瀬絵里との出会いであり(ありゃ一目惚れだね。レズとかそういうことは横において、そういう人との出会いは極稀に時々あると思います)、二度目がμ's(の真ん中である稀代のカリスマ高坂穂乃果)との邂逅だった。
そこら辺の流れを、コンパクトにまとめた過去回想と、過剰とも言える目線と距離感のエモさでしっかり盛り上げる辺り、やっぱラブライブ!の感情動線操作は巧みです。

各々事情は違えど「あと一歩」に届かない存在としてμ'sが描かれているのは、共感を引っ張り込むためだと思います。
夢への憧れと恐れ、意気地の無さ、足踏み、そして圧倒的な存在に引っ張られて理屈も損得も蹴っ飛ばして踏み出してしまう瞬間。
その全ては僕達の「あと一歩」として普遍性のある描写がなされており、今回で言うのであれば希のためらいは僕のためらいであり、希の希望は僕の希望でもある。
そういう力強さが、東條希というキャラクターと、今回のお話にはあったように思うわけです。
そして、そういう見せ方ができているということは、ラブライブ!が青春群像撃として、そしてただの物語として、非常に強いものを持っている証明なんじゃないかな、と思います。

また、希(とそれに共感する視聴者としての僕)を寂しさから遠ざけ、守ってくれるのが絢瀬絵里という存在なのも、画面からビリビリと伝わってきました。
孤高の存在として常時ツンツンしてた絵里を希が支え、絵里の気高さに希が救われる関係は、ふたりきりの寂しい関係かもしれないけど、綺麗で優しいなぁと思いましたね。
つーかのんちゃんはえりち好きすぎ、えりちはのんちゃん好きすぎ。
気になったら家まで追いかけちゃう真姫ちゃんも、非常に情が深いんだけどさ。
ココらへんの、一期の財産を忘れず主客を転倒させてリフレインさせる手法も、二期に特徴的であり、効果的でもあると思います。

そして、その一歩を絵里と真姫だけではなく、残りのμ's全員で引っ張り上げ、歌唱という具体的な精髄をみんなで作り上げることは、μ'sがスクールアイドルであるからこそ出来る事で、これも幸せなことだなぁとつくづく感じ入りました。
ただお互いの優しさに癒やされるだけではなく、その先にある"何か"を作り上げ、おそらくラブライブ!予選突破という結果に結びつける事ができるのは、劇作の強さとしても、お話の運びとしても、キャラクター同士の関係としても、非常に実りのあるもの。
こういう形で話を結実でき、ライブアクティングの感動と人間関係の上げ下げを一体化出来るあたり、本当にこのアニメは強い。

とまれ、非常に素晴らしい個別キャラの掘り下げ回でした。
この勢いを受けて、次回はラブライブ!東京予選決勝。
今回のお話が仕上がりすぎてハードル上がってる気がしないでもないですが、まぁ大丈夫でしょう。
このアニメはラブライブです。