イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/11/15

・ 神撃のバハムート:第6話『Anatae,Part1:Legendary Saint』
悪魔サイドと一応の決着を付け、今度は神サイドの状況説明。
無論それにとどまらず、キャラクターのモチベーションを整理したり、ブロマンス全開で手堅いアクションを入れたり、アーミラ周りのストーリーを進めたり、オカズは沢山。
こういう手際の良さが神バハの強い所……の一つ。

一旦ファバロとアーミラを仲違いさせ、新キャラであるジャンヌ、そしてヒロインであるカイザルと交流させるシーンは、手際よく掛け合いをさせていて爽快。
つーか、ジャンヌさん強すぎ……エピッククラスになると出自とかマジ関係ないな。
カイザルとナイフ・フォークでキャフフするシーンは、直接彼らの過去を描写することなく関係を見せる表情の演技とシチュエーションが冴えていて、非常に神バハらしいシーンだった。
その後のリタによるロケットパンチ二重の極みもひっくるめてな。

一方フリーになったアーミラ嬢、天使サイドの事情を引っ張りだした後お母さん(男)とコンタクト。
三大天使が想像より遥かにフレンドリーに降臨し、地上の塵芥にも自分所の事情をしっかり説明していて、なんかこう想像してたのと違ってて良かった。
もっとこー、超傲慢生命体かと思ってたよ。


そいでもって、いろんな連中の思惑が交錯する中、先週までラスボスっ面してたアザゼルさんが眉間にトーン背中に”!?”背負ってやってきそうな、マガジンヤンキー漫画オーラ全開で乱入してきた所でヒキ。
うーむ、状況を停滞させず、かと言って説明不足にもならないグッドなアニメだ。
え? 来週総集編?
『まぁしょうがねぇ、来るべきものが来た』とこのアニメ見続けてる人は、だいたい思うんじゃないスカね。

 

・ 柩姫のチャイカAVENGING BATTLE:第6話『狂気の城』
ファンタジーシグルイことハルトゲン公国御前試合編がはじまり、ギィくんが暗躍して三人のチャイカが一つの舞台に集った。
ギィくんは『意味深なことを延々垂れ流しにして、シナリオ進行のために何していいか教えたら即座に退場するNPC』としてよく出来たキャラだと思います。
前回手に入れた女の子ガンドを、ソッコー回収するのはどうかと思うがな!
せっかくホッコリ出来るカタコトコンビだったのに……お前も湖に沈めるのか!!(ノエルロスに怯えるあまり、別のアニメの展開に噛み付く狂犬)

チャイカの旅道中描写はなかなか良くて、宿を定めず風に揺られながら、飯をくったり火をつけたりするシーンの生活臭が良く出来ていると思います。
今回描かれたチャイカとネコと保護者とガンドの旅も、体温のある柔らかいものに仕上がっていて、こう言う所でキャラへの好感度稼ぐアニメはイイなぁと再確認。
いい意味で地味だよね、チャイカ。

まぁホッコリした展開にしつつも、城壁一つ隔てれば尾張大納言統治下の掛川、もしくはキノ旅のろくでもない国みたいな世紀末でしたがね。
主人公チームが不殺に頑張る中、記憶を失っているとはいえバッサリ斬り殺す元隊長の死亡ゲージが一気に埋まったような、大丈夫なような。
そこら辺はヴィヴィが元隊長とコンタクトした時に見えてくるかなぁ。
今回のチャンバラ担当として、フルアーマーニコライと一緒に奮闘しておりましたが、やっぱチャイカの殺陣はいい。

ニンジャがニンジャらしく潜入工作しているので、真っ当なトーナメントがされるかは判りませんが、ともあれ役者は舞台に集まった今回。
邪悪な双子とか敵の前髪バッテンとか、顔だけ見せて動いていないキャラも多いので、今後どうなるか、なかなか読めませぬ。
まぁロクデモナイことになるんだろうな、このアニメだしな……。

 

・ アイカツ!:第108話『想いはリンゴにこめて』
全開を引き受ける形で、鼻歌で始まり鼻歌で終わるスミレちゃんのプレミアムコーデ回。
担当ブランドがロリゴシックということで、前任者のユリカ様にキッチリ筋を通した橋渡し回でした。
ドリアカ組のブランド移行は乱雑だったからなぁ……お陰でピエロがクソピエロに……。

過去はさておき、今回のお話は主役が二人。
ブランドを受け継ぐ側のスミレちゃんと、ブランドを明け渡す側のユリカ様、両方の魅力を存分に引き出した回であり、ユリカ様のプレミアムドレス回である第20話『ヴァンパイア・スキャンダル』を強く意識したエピソードになりました。
スラップスティックでアクション成分強めだった20話と、内面への問いかけと先輩の描写が多い今回を比べると、成功"しすぎた"まである1・2年目と3年目をどう差別化し、魅力を作っていくか。
制作側のスタンスがかいま見えるお話だったと思います。


ユリカ様に関しては、完成されているキャラクターが多い1・2年目の中でも比較的"持っていない"キャラクターであり、担当エピソード全てが粒の立った名エピソードばかり。
つまり『低いところから上がる』という成長譚のカタルシスを一番良く持っているキャラであり、ゴスロリツンデレというキャラ記号の強さも相まって、非常に魅力的なキャラなわけです。
思い入れの強いキャラクターばかりなアイカツ! ですが、ユリカ様は特に印象に残るキャラのはずで、『プレミアムコーデを新キャラに譲る』という今回は彼女に一種の死刑執行書のサインを強いる回になるわけです。
過去の遺産をどう扱うのか、今までも姿勢は見えてきましたが、具体的なお話として試されるエピソードと言えます。

結果としては第89話『あこがれは永遠に』で見せた藤堂ユリカという人物の成長を、更に補足強化するような素晴らしいお話でした。
彼女にとってロリゴシックのプレミアムというのは、ただの衣装ではなく、スキャンダルの危機を救ってくれたフェティッシュであり、夢小路マヤという人間が差し伸べてくれた救いの手そのものでもある。
時の流れの中で(そしてバンダイの販売戦略の上で)、そういうものを譲らなければならない状態になった時、胸を張って未来の可能性の後押しを出来る高潔な姿勢が全編において貫かれており、大満足でありました。

ユリカ様といえば稀代の名エピソード、第79話『YES!ベストパートナー』ですが、あそこで何故、一ノ瀬楓は藤堂ユリカを選んだのか。
ステージ上でもそれ以外でも、自分の選んだヴァンパイアというキャラクターを貫き、ファンサービスを徹底する、背筋の伸びた姿勢を持っていたからでしょう。
高潔さ、潔さ、プロ意識という今まで描かれた藤堂ユリカの美点を損なうこと無く、後輩というキャラクターを鏡にすることでより強く、より印象的に描写してくれた今回のエピソードは、(おそらく)藤堂ユリカの物語の終点として、文句の付け所のないお話でした。
ゴシックな世界に憧れてキャラを作っていた少女は、二年かけてここまで来たという達成感と、やっぱラーメンを前にすると素リカちゃんになっちゃう自然さを損なっていない安心感が両立さており、ほんとうに素晴らしい。


その上で、今回のお話をユリカ様のラストエピソードだけではなく、スミレちゃんのセカンドエピソードとしても仕上げてきたのが、アイカツ!三年目の凄い所。
スミレちゃん視点でいうと、第103話『いいこと占い』で見せた『引っ込み思案で人見知り』という弱点を一歩克服し、自分の意見を言えるようになったという成長が重要なお話になります。

中学一年チームは皆"持ってない"部分を抱えていて、スミレちゃんの場合は消極的な性格なわけですが、ユリカ様と夢小路さんというメンターのアシストもあって、それを克服する第一歩を、最善の形で踏めたんじゃなかろうかと思います。
作中セリフで、そして曲の中で言っていましたが3年目は『いつかは、きっと』の物語であり、既に完成されたキャラクターがさらなる成功を積み上げていくお話だった1・2年目との一番わかり易い差分が、明確なキャッチコピーになったなという印象です。
『タルト・タタン』は演出・曲調共に印象的で、そこから拾ったのか曲に拾ってもらったかはさておき、歌詞の〆を引っ張ってシリーズ全体に続けるのは巧いなぁ。

『もらうバトン キミとつなぐ 光のライン チカラにして』という歌詞がしっくり来る、過去と未来の接合点としての今を生き生き描いたお話でした。
この後押しを受ければ、スミレちゃん達の成長にも強く期待が持てるというもの。
よしひなきちゃんのプレミアムドレスエピソードだッ!! と意気込んだら、赤い新キャラがスペインからやってくるので話はそっちに向いた。
ホンマアイカツ!界は、生き馬の目を抜く戦国時代やで……。

とは言うものの、三年目のキャラの扱いは過なし不足なしの非常に良いバランスで展開しているので、新キャラをどう使い、どういう見せ方をしてくれるのかとても楽しみです。
新しい風が吹く事で、中1チームの魅力も更に増していくだろうしね。
こういう信頼感が持てるアニメってのは、いいアニメですよほんと。