イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ハクメイとミコチ 2

樫木祐人エンターブレイン妖精さんが森の中で、働いたりご飯を食べたり髪を切ったりご飯を作ったり。現在のイーハトーブ漫画、待望の二巻目。ある程度の安定路線に乗ったのか、二話使った長尺のお話なんかも乗りつつ、基本は妖精二人を取り巻く愉快で厳しい暮らしをコンパクトに書いていく感じ。この「手に届く範囲を、精一杯」という描き方は、やっぱりこの漫画の背骨になっていると思う。ファンタジーなのに地続きで、うわっ付いていない。
9話のミミズクにしても、ハクメイの仕事にしても、毎回乗り越えるべく設定されている困難のサイズが的確。読み終わった後、達成感と親近感両方を手に入れられてるのは流石だ。執念を感じる書き込みや、可愛らしいキャラに甘えることなく、話としての凸凹を毎回しっかり考えて、可愛いだけで終わらせてないのは非常にグッドだと思う。小物の設定をしっかり仕上げて、生活感を出してるところとかね。
その上でやっぱ、キャラの可愛らしさと絵の力は特筆に値する。この話は泥臭い話であると同時にファンタジーでもあって、ということはどっか「此処とは違う場所」の匂いを出さなきゃならんということなんだけど、窒息するぐらいでてるなぁ、相変わらず。デザイン的に男っぽいハクメイの髪切りエピソードとか、可愛い力満載で死ぬかと思ったよ。いやみんな可愛いんだけどさ、服作ってもらって浮かれるセンとかさ。浮世離れと地べた感、相反する要素をしっかりコントロールしていて、二巻も非常に面白かったです。