イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

乙嫁語り 6

森薫エンターブレイン中央アジアの片隅で、ひっそり暮らしている方々の漫画も六巻目。いつものんびりのほほんとしていた乙嫁でしたが、今回はガッチンガッチンに戦争であります。死人も出ます。……戦争も前にやったし、死人も出た気がするな……よくよく考えてみると、環境は厳しいし、政治情勢は不穏だし、「厳しい風が吹きつつも、人々の絆は温かい!」という漫画だった気がするな乙嫁。それにしたって、今回は土埃と銃火の匂い満載だ。
英傑たるアゼルの意見や危機意識が通らないのは、ベルクワト個人の資質もあるんだろうけど、生活スタイルの違いというか、オールドスクール遊牧民ライフと、安定した定住民生活の違いもあるのかなぁ、とか思った。それを言い出すと、そもそも放牧地を追い出される=死にリーチがかかる→カルルクの街を襲うという決断も、生活スタイルの違いが遠因なのだろうし。此処らへんは、(強制的な)近代化前夜という時代、様々な生活スタイルが交差している嫁取りという題材、両方が浮かび上がらせるネタだな。
風景画みたいな静的な題材だけではなく、今回のような動きのあるシーンでも、森先生の画力と拘り、フェティッシュ力は生きる。つーか、「馬と男の半裸が書きたいですマジッ!! あとアミルさんが鐘楼から舞い降りるシーン!!」という声が、俺には聞こえた。しかしながら、一番の見せ場はラストのオババ様だった気もする。こういう部分をしっかり抑えるあたり、大部族の長なんだろうなぁ……怖いけどさ。