イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/05/02

シドニアの騎士 第九惑星戦役:第8話『再会』
ブコメと絶滅戦争を行ったり来たりするハードSFアニメ、今回は極端にラブコメに寄ったエピソードであり、死人も暴力も謀略も無しだ!
しかも僕の大好きなイザナくんメインでグイグイ来ており、ラブコメ一辺倒で押し切ったスタッフにはありがとうの気持ちしかない。
合間合間につむぎが純情ムーブでポイントを稼いでいるので、シドニアヒロインレースの行方はまだまだ分からんけどね。
ユハタ……? あの子はヒーロー枠だから……(プラモ作りつつ)

なにはともあれ、今回はメス化したイザナくんの独壇場であり、おばあちゃんの強烈なアシストもあって、谷風との距離を無茶苦茶詰めていました。
谷風もまんざらではないというか、3Dアニメーションの新境地というか、イザナくんのおしりと背中凄いなというか、何はともあれ良いラブコメであった。
イザナくんは可愛いなぁ……。(唐突な呻き)
雌雄可変体という非常にSF的な設定を巧く使って、ラブ&コメディの切れ味に変える設定の妙味は、ほんと凄いなぁと思っています。

ヒロインレース言うてますが、谷風とイザナ、つむぎ、ユハタの織り成す四角形はお互いがお互いを大事に思っていて、笑いもあって、見ていてとても気持ちのいい間柄です。
願わくばずっとの小微妙な関係が続いてほしい……という願いと、それはそれとして谷風が誰を選ぶかは知りたいという気持ちのアンビバレントは、関係者全員気持の良い奴らだからこそ生まれるわけで。
これがどっちかに落ち着いてしまうと緩やかに視聴意欲は下がっていくわけで、焦らしが上手いなと思います。
……どっちかってーとイザナくん派ですね、僕は。

今回もコメディ部分の切れ味が良く、孫のために職権を乱用しまくるお祖母ちゃんとか、頚椎剥離装置ギャグとか、年を考えないボディコンシャスなおばあちゃんのお下がりとか、とても面白かったです。
ほとんどお祖母ちゃんがボケ倒していた気もするが、ユハタがヒロインレースをコースアウトすることで取った笑いもそれなり以上のはず……だ。
あの子、恋愛方面の勝ち目は今回でほぼなくなったけど、英雄的偉業って意味では谷風と同じくらい頑張ってるのよね……いい子はラブコメ勝てないね、つくづく。

たっぷりとラブコメ液に浸かることが出来て、幸せな24分でした。
こんだけラブコメ押されると、シドニア世界は喜劇と悲劇のバランスを取ってる世界であり、今回ラブラブコメコメした分、来週どんだけ酷いことが起きるか不安でもあります。
対ショック姿勢をしっかり取って、セカンドシーズン終盤に備えたい所ですね。

 

・SHOW BY ROCK!:第9話『流星ドリームライン
5話の仇を9話で取る! というわけで、久々のプラズマジカ主役回はクリティクリスタへのリベンジ。
あざと学主席の肩書は伊達ではなく、ロジーアちゃんが見事な噛ませい……ライバルとして場を盛り上げ、散って行きました。
まさか一回失敗しただけで、あそこまでひどい目にあわされるとは……流石堂島の龍だ。

第6話の合宿を経た今回、プラズマジカがどのくらいのところまで来ているのを見せる回になるのですが、そのためには魅力的なリアクション役が必要。
すべてが終わった後では『ああ、このためにこの子いたのね……』と思わざるをえない、ドンピシャのバンプをロジーナちゃんが見事に果たしていました。
こういう派手にウケてくれるキャラがいればこそ、主役の成長もわかるし、ムカつくアマ公がボッコボコになる快楽も得れるっつーね。
……社長の迫り方がどう見てもヤクザ映画だったので、いかにムカつく小娘とはいえ『いや、そこまではいいです、やり過ぎです……』という気持ちになったのは秘密だ。
やり過ぎなくらいに落とすことで、今後あるだろう闇堕ち再登場→マジカとの三度目のバトルで浄化という流れを、気持ち良く見せる布石だろうなぁ。

一度勝ったプラズマジカに油断し、リーダーの頭越しにシアンに挑戦状を叩き付け、悪口垂れ流しにしてヘイトを貯めこむ。
ジェンガのようにフラグを積み上げた後は、イントロ段階で負けを察知し、打たれすぎたボクサーのようにボロカスになって無様な姿を見せる。
仲間の助言をあえて蹴っている所とか、細かいムーブでプラズマジカとの対比を作るのも忘れないのが、非常に見事な受けのムーブでした。

一発で負けを悟ったロジーアちゃんに対し、他のメンバーがぼんやりしているのが、ただの腹黒小娘ではない確かな才能を浮き彫りにして、面白い見せ方でした。
ビルのように高いプライドを暴走させつつも、音楽に対しては本気であり、不正で勝とうとは思わないところとか引っ括めて、ほんと良く出来た噛ませい……ライバルキャラですな。
フェス本番でもう一回出番が来ると思うので、ライバルキャラかく在るべしというナイスムーブを、バッチリ決めて欲しいものです。


ロジーアちゃんの受けの巧さに引っ張られる形で、久々に主役を貰ったプラズマジカ。
強烈な存在感を見せたシンガンに負けじと、元気にバンド活動に勤しんでました。
一度の敗北も許さないUVMのやり方が顕になったことで、負けてぶつかって成長するBBRの良さが強調されたのは、とても良い見せ方。
あのクソヘタレ発情メスレズ童貞ケモことレトリーが、紆余曲折を経てみんなを支える側に回っているシーンは、綺麗にお話の要素がかみ合った瞬間特有の気持ち良さがありましたね。
今回の勝利で視聴者にも達成感があるなら、それは負けてぶつかって立ち上がったこれまでのお話が、しっかり機能しているわけで、いい構成だなぁと再確認。

二回目の対戦となった今回のステージですが、叙情性の爆弾と化した合宿の成果である新曲を、立派なステージングで見せたことで『勝つ』説得力が強く出ていました。
前回は不安げに彷徨い、メンバーの出方を探っていた目線はもうそこにはなく、気持ちをトスし合うようにボーカルが繋がる曲の構成が、プラズマジカが辿りついた信頼をしっかり見せていて、とても良かった。
演奏という行為によって、キャラクターが辿りついた強さをしっかり見せることができているのは、ホント音楽のアニメとして素晴らしいし、強いところだ。
とにかくモアのドラムが小気味良い。

今回のメインはクリクリ超えによってプラズマジカの成長を見せることなんですが、お話全体の軸になるVSダークモンスターにもしっかりトスが上がっていて、今後に繋がる話でもありました。
ロジーアちゃんの煽りでチュチュ悪堕ちの準備をし、クリティクリスタを被害者にすることで社長のヤバさを強調し、今後の展開に必要な足場をしっかり作っていた印象。
ロジーアちゃんがシアンに抱きついたタイミングで表情が曇ったので、『まさか嫉妬か!』となってガタッって立ち上がりかけましたが、そういうのは期待通りレトリーがやってた。
視聴者がほしいところに、細かい掛け合いキッチリ入れてくる抜け目のなさ、ホント好きです。


軸となるバンド対決をしっかり描ききり、大きな達成感の在るお話でした。
VSダークモンスターの描写もしっかり埋め込まれていて、色々と豊かなエピソードだったと思います。
超正統派の青春バンドストーリーを真っ向から描ききるという、プラズマジカの強さが確認できたのは本当に良かった。

そして次回はチュチュ悪堕ち。
ロジーアちゃんの見事な煽り芸の結果、『だーれも……私の事見てねェでやんの……』と、梶原に腕を折られた丹波みたいな目になったこのタイミングは、まさに卒啄機です。
クライマックスに向けて身内からの裏切りをどう描写するのか、今から楽しみです。