イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

のんのんびより りぴーと:第6話『ホタルと仲よくなった』感想

田舎で動物観察アニメ、今週はヤモリとイモリとセミとホタル。
なっつんとほたるんの家庭菜園コントから始まり、夏休みの楽しい一日に、花火失敗からの蛍釣りと風雅なラインナップでした。
『友達の友達』というビミョーな距離感と気まずさの演出が巧く、そこから更に発展させて『友達』だからこその気まずさまで描くという、人間観察のレンジの広さが好き。

草取りコントは第3話後半にも似た舞台据付型コントであり、長尺を保たせるセリフと演出技量が問われる構成。
なっつんのネタ振りにハイテンションに食いつきまくる蛍がいい仕事をして、5分間のベシャリを保たせていた。
ネタ振り担当のなっつんは一見目立たないけど、なんとか仲良くしたいが巧く間合いを測れない気まずさを丁寧に演出していて、いいあるある感だった。
背景美術に目が行くけど、細やかな感情表現が強いアニメなんだな、のんのん。

今回の話はなんとも言えない気まずさをちゃんと描くことで、事態が動いた時の気持ちよさを描いてました。
冷えて固まった空気が、イモリなりホタルなりで温まるときの安心感と快楽。
これは事前にちゃんと冷ましておいたからこそ生きるネタ振りであり、落差を考えた演出がなされている、ということです。
音声をオフにしてじわっと見せるシーンの挟み方が良い。


キャラの描き方も柔らかいもので、特になっつんは小学生二人のお姉さん役として、時にジェネレーションギャップに苦労し、時に率先して楽しめる場を提供し、株の上がる描写だった。
夏の短い時間の中で、ほたるとの関係がどんどん変わっていく姿がちゃんと捉えられていたのは、青春の話としてとても良い。
二期になってから、なっつんのいいところがよく見られるので嬉しいやね。
蛍は普段の大人びた落ち着きを崩して、女児アニの話になると早口になるキモさとか、みんなの期待を裏切って号泣とか、小学五年生らしいところをたくさん見れた。
ここらへんも、落差を活かした描き方と言えるのだろうか。

れんげに関してはいつもの様に天才で可愛かったが、セミ取り行った時のロング&オーバーオールが特に宜しい。
れんちょんは世界に対して開放された感性を持っていて、何でも驚きと喜びで迎える素直さこそ魅力だなぁなどと、玉ねぎとセミでテンション上がってる姿を見て思った。
こまちゃん? 安定のマスコットだったね。
……今回はなっつん&ほたるん回やけん、こまちゃんは端っこにおいておかないとお話が過度に騒がしくなるんな、しょうがないんな。

そんな感じの、夏の田舎の少女たちの一日でありました。
一見何にもない日々に埋もれている、凄く貴重な瞬間を抑えめに切り出してくるという、のんのんの良いところがよく出た話だと思います。
動物が沢山出てきて、『アニメの中の生っぽい動物描写大好きオジサン』としても大満足でしたね。