イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

スタミュ-高校星歌劇-:第6話感想


ミュージカルボーイズの星屑歌劇、クール折り返しの今回は初のテスト。
出だしで鳳さんの秘策をチラ見せし、衣装問題で話を引っ張りつつ、婆娑羅なステージでドンと盛り上げるという、良い発表回でした。
新進のチーム鳳と守旧のチーム柊、それぞれの表現から見えてくるメンター同士の差異なんかもよく見えて、これまでの集大成であると同時に今後に繋がる回でもあったと思います。

前回までで凸凹人間たちの関係性はだいたい整地が終わっているので、チーム鳳内部の衝突で話は作れない。
では何で作るかというと、一つは鳳さんの用意した秘策。
これはアバンで見せておいて実際のステージで炸裂させる、いい塩梅の爆弾でした。

衣装から始まり編曲振り付けカット割り、全てがこれまで見せてきた"アヤナギ・ショウタイム"とは違う角度から刺さってくるわけで、強い新規性がある。
これはメンターである鳳さんの個性、目指す方向性でもあり、頭の硬い柊さんと対立する部分でもある。
今回ステージに凝縮させてこの対立をハッキリさせたことで、チーム鳳の強みも分かったし、鳳さんと柊さんが衝突する理由も説明ではなく描写で納得できる。
なかなか視野の広い、説得力のある勝ち方だったと思います。
……いや、アップショットを高速で入れ替えるパラパラした演出は、正直ダサいと俺は思うよ、ウン……でも泥臭くて真っ直ぐなのがスタミュのやり方で強みだと思うからね、ウン……。


お話を引っ張るもう一つのエンジンは、もちろんチーム鳳自身。
ルーチーン通りに完璧に踊り切ることで一位を取ったチーム柊と、ド素人センターのミスを仲間がカバーして八位のチーム鳳。
テイストの違いだけではなく、実力の差もしっかり見える舞台になっていたのは、このアニメが競い合いで楽しませる側面も持ってることを考えると、なかなか良かったと思います。
『失敗しても、失敗したって顔すんな』という過去のアドバイスが、ちゃんと生きている所とか地味で良い。

ここに至るまで凸凹といろいろあったわけですが、そこを乗り越えての仲良し描写、イチャイチャタイムはご褒美としてたっぷり用意されてました。
『デレはええな!』と思わなくもないですが、チーム柊との対立なり、メンター世代のかち合いなり、見せるべきドラマはまだまだ他にある。
なので、この段階でこのぐらいの落ち着きようも割とアリかなァと思いつつ、すっかり牙抜かれた天花寺クンの表情を愛でた。
まだ空閑くんメインのお話、やってないしね。

そして描写が他キャラに比べていまいち弱い那雪を強化するべく、衣装担当としてやってきた妹二人。
『衣装が間に合わない!』というサスペンスで中盤を引っ張る仕事もして、なかなかよいゲストだったと思います。
阿澄佳奈声でリメイクリメイク言われると、そのうち情けない演技をしたチーム鳳に『のけ……ひよっこ共、本当の表現を見せてやる……』と吠えてスケート靴を履き、オーロラライジングドリームで全てをなぎ倒さないか心配です。(あいらちゃんはそんなことしません)


さておき、弟子たちのステージを綺麗に対比させたことで、鳳と柊の間にあるギャップも見えました。
おまけにステージが終わった後の熱く湿ったやり取りで、まさかの近親であることが判明。
アレか、『名家柊の重圧に耐える俺が、友として兄として心の支えとして慕った男が! 自分の理想を追い求めた結果俺を!! この俺を!!! 置き去りにして行ってしまうなんて!!!! 一言「俺と一緒に来いよ……」って諏訪部声で甘く囁いてくれれば、地獄にでも付いて行ったのに!!!!! バカ、もう知らない!!!!! でも好き!!!111』ってことか、柊さん。
天花寺くんの猫大好きキャラといい、ベタなところをとにかく攻めるねスタミュは……そこが好き。

何度も言ってますが、チーム鳳はかなりの速度で凸凹が平らになって、安定した状況になりつつあります。
そのタイミングでメンター世代の掘り下げを始めたのは、お話が前に進む燃料不足を気にしなくて良いので、なかなかありがたいサジェスト。
鳳さん的には特に思うところなく柊さんと仲良くしたいオーラが既に出ているので、面倒くさいツンデレながら根は激情家な柊さんを攻略し、「でも好き!!!111」と言わせるまでがミッションでしょう。
急に存在感を増した三人目のメンター、森久保声の暁くんとの三角関係といい、今後が楽しみです。

というわけで、前半折り返しに相応しい、チーム鳳の今と未来を見せるエピソードになりました。
とりあえずのハードルであるテストはクリアしたわけですが、今後彼らがどんな困難に立ち向かい、何に出会うのか。
お話全体のゴールをそろそろ見せるタイミングであることも含めて、来週以降に期待が高まりますね。