イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

緋弾のアリアAA:第11話『決戦』感想

バカと運命と銃弾でデコレートされた少女の決意の物語もついに大詰め、決戦夾竹桃であります。
幻惑に長けあかり軍団を一人、また一人と片付けていく夾竹桃先生の強キャラ力がよく出て、いい塩梅に緩まない話だったと思います。
服だけ溶かす(が、規制が入るので下着には加減する)都合のいい毒とか、よりにもよってライカを媚薬で倒したり、決戦兵器がまさかの無反動ガトリングだったり、遠距離毒の正体がサイコクラッシャーだったり、ガトリングを倒したらツインガトリングが出てきたり、愛すべきマヌケ要素も盛り沢山。
無反動だからちゃんとバックブラスト描いてたり、鷹捲のゆで力溢れる一応の理屈とか、このアニメの良いところがよく出てた。

ザックザックとつなぐ独特のカット割りは今回も健在でしたが、現れては消えるつかみどころのない敵の表現と相まって、第5話よりは緊迫した絵になっていたと思います。
せっかくチームで戦ってるのにBOSS相手に単騎で挑み各個撃破されているのはもったいないですが、格上の夾竹桃がそうなるように立ちまわっていること、オープンスペースへの誘導という縛りがあかり側にあること、そもそも夾竹桃の目的があかりとの交渉にあり、仲間を生かさず殺さずにするのはそれに叶ったものであること等、そうなるロジックを一応積んでいるのは良かったです。
ぶっちゃけ夾竹桃の舐めプなんだけど、そうしても許される大物感がワイヤーによる浮遊とか、毒術を駆使した幻惑戦術とかの『絵』でちゃんと醸しだされているのは、ラストバトルにふさわしいと思います。

頼れる仲間はドシドシ倒れてましたが、まぁ武偵見習いVS悪の組織の女幹部だとこんくらいかなぁ。
高千穂さんがゆゆやや相手にカッコいいところを見せたのと、志乃がカバーに入ったところは定番ながら美味しい見せ場だった。
あと情報担当として前線に立たないことで仕事をする麒麟は、チームで戦っている感じをよく出していてナイス。
弱装弾とはいえ日本刀へし折るくらいの運動量を乱射されて後遺症なしって、防弾制服すげぇな……多分素材は戦車道のカーボンだな。


あかりちゃんと夾竹桃の決戦は、まず志乃を獲られた直後の、修羅の顔が良かった。
あれだけ剥き出しの感情を出せばこそ、アリアの教えが冷静さを取り戻させる展開が映える。
あかりの未熟さが敗着を引き寄せそうになるごとに、イマジナリーアリア先輩が指摘してくれるシーンは、オバカやりつつ先輩・後輩の成長物語でもあったこのアニメが、一体何をやってきたのかしっかり見せる場面だったと思う。

これまで幻術と毒術で翻弄してきた夾竹桃が、まさかの携行ミニガンでドッカンドッカン始める落差も良かった。
『それ人間に扱えるアイテムじゃないですよね?』というツッコミを『無反動ミニガンだから。ほら、ちゃんとバックブラストで反動殺してるでしょ?』という真顔のボケで押し切るパワー勝負、俺は嫌いじゃない。
そういうバカさをゆで理論溢れる間宮流奥義・サイコクラッシャーでぶち破るアホの掛け算とか、ほんと素晴らしい。
『決戦の鷹捲よりも、一発目の鷹捲(不発)の方が切れ味のある演出だったんじゃね?』というのは、言わない約束だ。
殺しの技芸である鷹捲を制御し切り、相手を無力化して逮捕する決着の付け方も、前回強調したあかりちゃんのオリジンをよくとらえた展開でグッド。

とか思ってたら、千和声ロボがドヤ顔ダブルガトリングで乱入してきた。
アニメはアリア先輩の出番が多めなので、夾竹桃戦で全てを出し切ったあかりちゃんを補い、AA姉妹で撃破する用の敵なのかなぁ……。
夾竹桃をぶっ倒して妹と仲間を守った時点であかりちゃんの成長はちゃんと終わっているので、ささっとぶっ倒してアリアと戦姉妹になるシーンに時間使ってほしいね。
『中ボスがシングルガトリングで負けたんで、ラスボスはダブルにしました。後ロボ』という31アイスクリームの注文のようなインフレのさせ方、嫌いじゃない。


というわけで、強敵夾竹桃との決着をつける回でした。
前回までの盛り上げ方が良かったので、コーナーを曲がった後の加速がよく乗って、勢いのあるエピソードになったと思います。
真顔で話が進みつつも、思わず突っ込んじゃう愛らしいマヌケもたくさんあったしね。
このくらいのバランスが、やっぱり僕としては愛おしいな。

すんごい人数の原画&作画監督に色々ギリギリなところを感じつつも、ついに最終回です。
ぶっちゃけナメてたアニメですが、パワーの有るマヌケ芸と、大暴れするクソレズと、妙にしっかり扱われる青春っぽさがみっしり詰まっていて、気付けばとても好きなアニメになっていました。
アホと王道でいい塩梅に速度が乗っているので、勢いを活かした最高速でゴールして欲しい。
そんな気持ちで最終回、楽しく待ちたいと思います。