イマワノキワ

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アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 2nd:第1話『西から来た男』感想

あのはぐれ刑事強化外骨格派が帰ってきた!
メンバーをちょっと入れ替え、立場も変わったダイハチのお話し、三ヶ月ぶりの再開ッて感じであります。
第1クールの軽妙洒脱な感じはそのままに、頑張った成果がいろんな変化になって現れつつ、新しい物語の足場を整える感じの話でした。
説明で足を止めるのではなく、常時アクティブに動きながら描写を積み上げていくスタイルも、一期一話と同じでしたね。

というわけで始まったアクティヴレイド第2クール、黒騎へのインタビューという形で状況の変化を一気に語るアバン三分がまず圧巻。
警察組織のハグレモノだった第八が、ロゴスのテロ事件を解決したことで一気に花形部署に上り詰めたこと、ウィルウェア犯罪への対応が開放的になったこと、都知事と黒騎の繋がりなどなど。
いろんな情報を一気に詰め込んで流し、クールの間の変化を視聴者に飲み込ませることで、活劇の時間を造る劇作は流石だなぁッて感じでした。

ダイハチのウィルウェアがプラモデルになってる様子を移して、彼らの今の人気を見せたり、『黒騎がじつは相当なインテリである』って情報を法科大学院という言葉で圧縮したり、説明が退屈にならないよう様々な工夫もされていました。
この高圧縮な劇作は事件が発生してからも続いていて、新入りのキャラクターをいちいち説明しないところとか、ダイハチの権限が拡充した様子を監視カメラ映像の利用で見せたりとか、とにかく上手い運びだった。
一期であれだけ面倒だった行政手続を全部すっ飛ばし、やりたい放題し放題に事件を制圧していく様子には、12話分の蓄積だけが生み出せる地味な爽快感があったね。

一期12話の物語に付き合ったモノとしては、ダイハチの頑張りが報われた結果栄光を手に入れた姿は見てて嬉しいし、そういうポジティブな感情も利用して積極的に情報を飲み込む姿勢を取らせるのは、ほんと巧妙よな。


メンバーも結構入れ替わりまして、あさみちゃんと天野さん、瀬名くんがダイハチを離れ、新入り二名が代わりに配属。
ここで新入りを軸に据えるのではなく、名古屋で清掃業者という転職を見つけた瀬名くんを、官民連携体制の説明がてら復帰させる話が展開されるのは、非常にこのアニメらしいと思う。
肩の荷をおろして民間人生エンジョイしてる瀬名くん見てるのは面白いし、『バラバラになった仲間たちが、危機に際してふたたび集まる』っていう王道のアツさもあったしね。
瀬名くんが帰ってきたのは嬉しいんだけど、アビゲイル専務がすげー良いキャラだったので、名古屋のゴミ処理業者はたまに出てきてくれると楽しいかな。

民間で揉まれて少し性格が柔らなくなった瀬名くんが、黒騎と出会った瞬間ガヤガヤ喧嘩しはじめ昔の空気に戻るのは、バディの絆を感じさせてとても良かった。
いつでもキャイキャイイチャイチャしてた二人の描写は、電話かかってきた時の『ガサツ』呼ばわりとか、煽ってビビリをふっ飛ばさせる黒騎のファインプレーとか、二期でも冴え渡ってましたね。
アクションも前衛・護衛役のオスカー2と、狙撃役のオスカー1が各々の役割を果たし、プロの仕事をしっかりやり切る気持ちよさがあって、非常にグッドでした。
群像劇的な趣きのあるこのアニメでも、黒騎と瀬名くんの凸凹コンビっぷりは太い軸の一つだと思うので、出だしから安定した面白さを見せてくれたのは、二期の今後に大きな期待を抱ける、良いチョイスだったと思います。

狂言回し兼成長担当として、一期で一番自分の物語を先に進めていたあさみちゃんが、関西に退くことでカメラに映らなくなるのは、結構納得がいく処理。
一期で成長した分、ダイハチに居続けてもあさみちゃんには物語的伸びしろが少ないし、大阪で新しい仲間を造ることで、今後の展開に幅を持たすことも出来るだろうし。
一期であさみちゃんがやってた仕事は、これまた性格に癖の有りそうな新入り二人が担当するだろうしね……田村さん声の金髪お嬢はさておき、視線恐怖症のオペレーターってまたクセ強いな。
それにしてもダイクのCMはホント最悪で、肩の力が抜けたコメディ力も相変わらずだとよく見せてくれて、非常に良かったです。


一期の物語を制圧し切り、ある意味『勝ち組』になったダイハチの現在を描写した今回。
しかし今後戦うべき犯罪の影とか、キナ臭い伏線の数々とかも、たっぷり埋め込まれていました。
説明シーンを高圧縮し、空いたスペースにコメディとアクションを詰め込んで楽しませつつ、今後のストーリーラインもしっかり暗示する欲張りな作りは、流石の一言ですね。

今回の事件を引き起こした黒幕がどんな輩なのかはさっぱり判らないし、黒いウィルウェアが言っていた『セレブ相手の犯罪ゲーム』ってのが真実かも、現状疑わしいわけで。
今後どんな犯罪に新生ダイハチが立ち向かっていくかは判りませんは、少なくとも休む暇がなさそうなのは確かです。
一見ギャグに見える名古屋のゴミ処理業者が全員外国人なのも、サラッと流していた『移民増加による国際テロの懸案』と関係している描写だし、事件解決に役立った監視カメラの映像だって、使い方を間違えれば全体主義犯罪のツールにもなりえるしなぁ。
黒いウィルウェアが言っていた『監視カメラで中継されている』って言葉が真実なら、敵もダイハチと同じ権力を悪用できる立場にいるってことで、今回の事件も非常に厄介そうです。


華麗に事件を解決し、新生ダイハチの実力を思う存分見せつけつつも、未来に待ち構える暗雲は色濃そうな第1話でした。
第1クールの試練を乗り越えたご褒美を第八と視聴者に与えつつ、先の展開にワクワク出来る要素をさり気なく見せる造りは、分割二クール目のスタートとしては百点満点でしょう。
様々な設定の変化をスマートに見せてくれたおかげで、今後話しがどんな風に膨らむのか、トンチキ集団ダイクは何時救援に来るのか、色々想像もできるし。

安定感とテクニック満載の話運びも相変わらずで、キャラの魅力も存分に引き出され、非常にアクティヴレイドらしいリ・スタートだったと思います。
今回は瀬名くん帰還の話に尺を使ったので、次回以降は新入りの話とか掘り下げていって欲しいですね……いやね、田村さん声のお嬢がどうにも俺好みでさぁ……はやく個別エピ欲しい。
また三ヶ月間楽しませてくれるに違いないという、強い信頼感を抱ける第1話だったと思います。
やっぱこのアニメ、良いなぁ。