イマワノキワ

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アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 2nd:第2話『果てなき復讐者』感想

鋼のアーマー身にまとい法のために戦う者たちのサーガ、今週は一つの事件、それから。
警察の不祥事と人格転移技術にまつわる因縁を解消しつつ、ポーランドから来た新人を掘り下げ、今後への布石も巻く回でした。
人格や記憶にまつわる技術が出てくると、物理的領域に収まっていた時よりグッとSF味が深まって、二期になったなぁって感じしますね。
行動領域も東京から関東一円に広がり、追加パーツとかもドシドシ出てきて、味方もどんどん強化されるけど闇も深いって感じだ。

今回のお話しは目の前の事件を解決しつつ、二期全体を貫く水脈をチラッと見せる感じのエピソードでした。
一期はあさみちゃんがやってたお話の主軸が黒騎くんに移って、主役がタフになった分立ち向かう事件もハードで歯応えのある感じに変化。
二話の段階で警察の不祥事やどす黒い憎悪、それが超技術によって再生産される様子など、あんまり洒落にならないムードがモリモリと漂っています。
今にして思うと、一期に気楽な感じはポンコツ新人・あさみちゃんに合わせて調整されてたかんじかねぇ……最初っから経験値最高の黒騎相手には、相応にハードな事件で相手するって感じだった。

とりあえずの実行犯と計画者は逮捕したのだけれど、その背後関係は謎のままだし、そもそも記憶と人格にまつわる事件なので、逮捕すればそれで終わり、という性質のものではない。
まだまだ始まったばかりの二期にふさわしく、なかなかモヤッとする謎を引っ張って終わっていて、良い作りだなと思いました。
ただモヤッとするだけではなく、とりあえず現状ダイハチにできることは最大限にやりつくし、ちゃんと事件を解決する爽快感を与えたうえで、光の当たらない部分を残している塩梅が良いです。
予算バリバリの新ユニットは出てくるし、水中戦の殺陣はいい感じに切れてるし、視聴者を飽きさせないサービス精神は健在ですね。


二期から加入した新しい仲間を掘り下げていくのも、今回のエピソードの仕事でして。
いかにも『健気な才女です!』という外見と声をしたエミリアが、期待を裏切らず良いキャラしているのが分かって、なかなかグッド。
ウィルウェアがメインの話で『ウィルウェアを着続けられない』というトラウマを持っているのは、致命的な弱点であると同時に、大きなドラマの種を持ってもいる。
今回は派手な立ち回りもなくて、あくまで黒騎さんと絆を深め自身の傷(あと下着姿)を見せた程度に留まったので、今後の掘り下げにも期待ですね。

エミリアが背負っているのはトラウマを克服し、立派な法執行者になるという欠損重点のドラマなんだけど、完成度の高い黒騎さんを被験者にすることで、巧く傷を作って次に作ったのは非常にグッド。
実践能力もあり頭も切れて、ちょっとガサツだけど他人の面倒を見れる優しさもある黒騎さんは、ぶっちゃけ主役を張るには穴がなさすぎる感じもするわけですが、今回『焼き付けられた人格』という爆弾を背負ったことで、巧くサスペンスが転がる余地が生まれたと思います。
今回の事件の背後にいる存在と合わせて、黒騎さんが抱えた爆弾は二期を引っ張る大事な要素になると思うので、巧く扱って欲しいですね。
エミリアもそうなんだけど、やっぱヒーローは欠点に押し流され、それを克服するドラマを持っていたほうが、話全体の温度がグイッと上がるね。

ポンコツ力を抱えたまま一期を走り、少しは成長した僕らのあさみちゃんは、関西でバカみたいに笑い続けて出番が終わってしまった。
いや、あさみちゃんらしいといえばらしいワンポイントリリーフだったけども、あの笑いは一体何で生まれたのだろうか……純朴そうな部下たちの前で、あんなアホ面晒して大丈夫なんだろうか……。
ちょくちょくあさみちゃんとダイクを出すのは、今後の活躍を予告していると僕は思っているので、期待を高めつつアホの帰還を待ちたい気持ちですね。


そんなわけで、目の前の事件を爽快に解決しつつ、主人公に爆弾を背負わせ、見通せぬ闇の存在を教えるお話でした。
第二の主役をやってたエミリアが、かなりヒロイン力高い存在なのも分かったし、これからダイハチが立ち向かう事件がどういう性質なのかも見えてくる、良いエピソードでした。
敵も味方もしっかり強くなって、ゲーム的な要素の強かったロゴスとはまた違う戦いが始まったアクティヴレイド
今後どのような正義を追い求め続けるのか、じっくり見守りたいですね。