イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

B-Project 鼓動*アンビシャス:第7話『胸のBULLET』感想

男なんだろ? グズグズするなよ系即行動アイドルアニメ、今週はマブダチどもの挽歌。
第5話からの束モノ掘り下げ回の流れをくむ話で、王茶利くんと野目くんの叩き上げボーイズと、北門&増長のバンビ時代からマブなリーダーコンビを軸に進むお話でした。
急に伝説の薬草とかほざきだしたので思わず『ドラクエかよ……でも先週、怨霊に支配された新選組ゾンビ出てきたアニメだしな……』とか突っ込んだが、流石に不死の病はよもぎでは治らんかった。
リアリティラインは揺れ動きつつも、ボーイズたちのキャイキャイあり、素直にフラグを積んでは解消する奥行きあり、ちょっといい話の気持ちのいい〆あり。
Bプロアニメらしい、まとまった良エピソードだと思いました。

今回の主役は、イカにもな森久保声だと思ってたら吐血か喀血かしらねーが不治の病を背負ってアイドルやる覚悟ボーイ王茶利くん。
病魔を隠しても叶えたいアイドルの夢を、ガキの時代から一緒に目指してきた野目くんの純愛と絡めて、直球で描く話でした。
なんかふんわりした不治の病はさておき、ちゃんと積んだフラグを解消する形でエピソードを作ったところと、ヤングな二人がアイドルにかける思いの強さが素直に出ていたのは、キャラが好きになれてよかった。

つーか、二人で想い合いすぎてツバサちゃんとの乙女要素が蒸発寸前なの、大丈夫なのかと不安になる……丁寧に現場から遠ざけてたしなぁ。
『二人の関係は友情! 友情です!!』ってアラート鳴らしたいところなんだけど、命を顧みず崖に生えた伝説の薬草を探して回り、詩で心がつながって出会い直し、『万能薬はなかったけど、お前の愛が最高の薬DAZEミ☆』っていうオチは、どう考えても恋愛文法。
まぁ高度に発達した友情は愛情と見分けがつかないって言うし、野目くんの真っ直ぐでバカな行動力は眩しかったので、何も問題はない。

若い二人が愛を育む中で、リーダーたちはなんか拗らせた年長男子百合に勤しんでいた。
こっちもガキの時代からつるんでいたけど、なんか拗らせて素直にSUKIって言えない関係になったようだ。
こうやってメインテーマにかぶせてキャラの属性や関係性を描写し、お話の重なりあいを描写する手法は結構好きだな、奥行きが感じられて。
今回王茶利&野目がお互いの厚意を素直に受け止めあったように、こじらせた年長者たちも思う存分百合百合する日が来るんだろうか?


そんなWカップルから離れた位置で、ジーっと見守っていた愛染さん。
第2話では金城くんにクールに突っかかる部分ばっか目立ってたけど、今回は冷静な観察眼を活かして、めんどくせーオレンジ髪の本心を一発で見抜いていた。
トスの上げ方が独特というか、完全に素直になれないツンデレガールに告白を促す捌けた先輩の動きで、『このアニメ、オトメの皮を被った男性カップル推進アニメなんじゃないかな?』という疑問が深くなる。
水浴びパチャパチャでキャフフしてたシーンといい、世の中には男の子キャイキャイを遠くから見守る幸せへのニーズが、確かに存在しているのだろう。

今回は性格ゴミクズのクソモブも出てこず、むしろ王茶利くんを心配して見舞いに来てくれる人格者っぷりで、仕事は順調に進んでいた。
あんま仕事にガッツイた内容じゃないけど、リーダーたちの歴史を感じる述懐とか、Bプロの評判とアイドルの夢のために死病をひた隠しにするところとか、細かく仕事意識が見える描写がキュートだった。
トンチキな薬草とかは出しつつ、こういう部分はないがしろにしないのが、Bプロアニメを信頼できるところだ。
ぶっちゃけ作画も結構ヘロヘロだしな!!!!

つばさちゃんに関しては、仕事の差配をしつつボーイズのキャイキャイを見守る立場というか、ビジネスパートナーを維持というか。
今後すごい胸きゅんイベントがあって一気に関係が進むのか、最後までずーっとキャイキャイウォッチャーとして突き進むのか、さっぱり分からん。
が、余計なこと言わず仕事をしっかりして、ボーイズたちの純情にもちゃんと共感する味付けは、薄味ながらいい塩梅なのだ。
今回で10人全員顔を見せ束ものアイドル編も落ち着くと思うので、次回以降このバランスを維持しながら、存在感を強めていければ非常にグッドだと思います。


そんなわけで、病弱ボーイとむっつりボーイの不器用な純情と、面倒くさい年長者の男百合を"王様のブランチ"っぽい番組に乗せてお送りする回でした。
フラグの処理の仕方といい、イベントの起こし方といい、感情の展開のさせ方といい、Bプロはトンチキな展開を織り交ぜつつ真っ直ぐな描写が強くて、安心して見れますね。
これで10人全員がユニットクロスオーバーを果たした(北門さんだけ二回登場)わけですが、こっから後半戦、どう展開させていくのかなぁ。
多人数を楽しく見せるトンチキさと、それに引っ張られ過ぎない安定感を活かして、今後も楽しませてほしいものです。