イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

B-PROJECT 鼓動*アンビシャス:第8話『BYE-BYE YESTERDAY』感想

気は優しくてIQ低いアイドルボーイズ青春絵巻、今週はバカンスはラブよ♥
無印シスプリ12話を彷彿とさせる無茶苦茶な豪腕で無人島展開を引っ張り上げ、是国&阿修のイノセントツインズと、北門&増長のリーダー&アダルトの絆が深まる回でした。
幾らでもラッキースケベでDOKI☆DOKIな展開に出来そうなシチュエーションなのに、潔く現実世界に取り残され、ファンタジー全開な無人島にオスたちを隔離してあげる辺り、つばさちゃんは良く出来たサポーターだ。
もうちっとヘテロにブースターかかると思っていたのに、フェス以降おもっくそホモ方面が濃厚になっていることに戸惑いもあるが、まぁ面白いし良いんじゃねぇかなぁ……。
クソ無茶苦茶やった挙句、アルマゲドン歩きで朝日をバックに帰ってくるBプロのバカどもとか、ちょっと火力ある絵すぎたね。

つーわけで、女児アニで鍛えた赤尾先生の豪腕がうなり、どう考えても大事件な無人島展開が無造作に展開されました。
濡れたイケメンは山盛り収穫できるし、俗世と隔絶されたファンタジーな環境でお互いの距離は接近するし、サービス満点いいコトずくめだな!!
まぁイケメンが半裸でじゃれあう萌えシーンをどっぷり時間使って、瞬きする間に島流しになっているパワー勝負は、正気になる隙を与えない意味でも一気にやったほうがいいのだ。
中華と笑いは火力って、菱田監督が言ってた。(言ってません)

さておき、だんだん仲良くなってきたもののイマイチ結束にかけるBプロにおいて、異常状況を共有させることで絆を深めるのは良い手筋です。
今回キャイキャイしてた北門さんと増長さんはBプロ全体のリーダー的存在でもあるので、彼らが同じ方向を見ることで、Bプロ全体が一つにまとまりアイドルとして成功していく説得力を稼げるのも、今後に繋がるナイスな展開。
くっそ面倒くさい拗れた関係性は、これまでのエピソードの中でしっかりアピールしてきたわけで、力押しではない構成の巧さが活きた展開でもあったと思います。
なんだかんだ、お互いの瞳の中に星を見つけていればこそ、真っ直ぐに相手が見れない関係というのはベタ故に熱く煮えてるね。

見せ場を結構もらっていた北門さんに対し、今回ほぼ初めてメインが回ってきた増長さんは、唐突に重たい設定をパなしていた。
『お前が好きすぎて、だから嫌いだ……』という姫気取りの拗らせ方といい、ママンに見つけてもらうためにアイドル一番星を目指す純情といい、ヒロイン力稼ぐなぁ……つばさちゃんは遠く離れた島で、ラジオに祈り乗せただけなのに……。
しかし南の島の開放的な空気が味方をして、増長さんの姫心もようやく素直になって、なんか良い雰囲気で気持ちを伝えられたのは、なんだかんだ良かったと思う。
Bプロのボーイズたちは、脳みその代わりに酢豆腐が入っているレベルの天然だけど、根本的に善人ばかりなのでみんな応援したくなるんだよね。(性善説型チョロ蔵)


『自分の輝きは、自分では気づかない』と言う意味では、自己評価の低い阿修くんに持ち前のイノセントでグイグイ迫る是国くんも、リーダーSと同じ切り口で描かれてました。
別の場所でも同じ問題に悩むことで、Bプロの中に偶有的共時性が生まれ、キャラクターの間の運命が何となく演出できるのは、上手い手筋でした。
僕はこの二人が特に好きなので、結構ガッツリした絡みが見れてマジお子様ランチ(『俺の好きなモノしか乗ってねぇ! ここは天国かよ』の意味)でした。
是国くん小悪魔系とかいう触れ込みだけど、もはや直感力と共感能力に優れた、ただの純情純粋天使だよね……最高……。

そしてボーイズがキャイキャイする隙間を作るべく、無人島から見事に隔離されたつばさちゃん。
まぁナオンが一人でもいたらあのホモ・ソーシャルな空気は醸造されないわけで、お話の方向性と自分の仕事をしっかり判った引っ込み方だったとは思います。
祈りを込めたラジオ放送も詩情があって、なんとなーくのイイハナシ風味出すのに役立ってたしな。
お話がいい方向にまとまって、今後の飛躍に説得力を載せる意味でも、ポエジーは大事だ。
リアリティクソ食らえな豪腕で話を進めつつ、『男の子たちが自分の気持に素直になって、問題を克服する』『バラバラだったBプロが一つにまとまり、目標を共有する』っていう大きな物語的目的には最短距離で必要な描写を持ってくるのが、ネタと充実感を両立するBプロの魔法だと思っております。


そんなわけで、嵐とともに始まりなんかやり遂げた風味で帰還してきた、パワー勝負の無人島編でした。
正直三分間水濡れイケメンの美少年動物園を見せられた時は『オイオイオイ、味噌入れ忘れた味噌汁より味しねーぞ!!』と思ったけど、コンビの掘り下げとBプロ全体の結束という軸がネタサンドにされつつしっかりあって、満足度の高いエピソードでした。
無理くりな展開でサービスの舞台を整えつつ、なんだかんだアイドル成り上がりストーリーとしての足場を見失わない安定感は、やっぱ面白い。
その上でキャラクターたちの毒のなさ、ニンの善さを毎回忘れず濃口でお出ししてくれるので、キャラも作品も好きになれる良いアニメよね、Bプロ。