イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

SHOW BY ROCK!!♯:第2話『プラズマism』感想

カワイイとロックンロールで世界を埋め尽くすガールズ異世界バンドアニメ、救世主のご帰還な第2話。
シアンが無事合流してさぁ本筋!! とは当然行かず、一期では個別エピがなかったモアをガッツリ掘り下げるお話でした。
一応このアニメの源流が世界規模のファンシー・コンテンツ企業だと思い出させてくれる夢いっぱいな宇宙旅行と、ロックンロールで全てが解決する音楽メシアっぷりが非常に『らしく』て、楽しく見終わることが出来ました。

というわけで主人公が無事合流して何するのといえば、舞台を別の星に移してのメンバーのオリジン話。
ここで救世のためにヘンに真面目な方向に行かないのがショウバイロックっぽいところですが、MIDIシティから離れることでいつもの賑やかな面々にあまり時間を取られず、プラズマジカの四人の再会をじっくり描けたのはなかなか良かったです。
他のバンドが出てくるのも元気でいいんだけども、せっかく再開したばっかだし、しょ~とではあんま出番がなかったし、『とにかくプラズマジカだけ!!』という絞った展開にしてくれたことで、思う存分四人の絆を確かめられました。
何かとシアキチだけが強調されがちなレトリーがプリンセス・モアの写真を取ってたり、星に殴りをかける提案はリーダーであるチュチュが出していたり、バンド全体の仲良しシーンがてんこ盛りなのが、非常に良かったですね。
……まぁシアン部屋で思う存分高まってるあたり、十分シアキチなんだけどさあのアマ。

一期では『仲直りの曲作り』というクリティカルなエピソードで出番がなかったり、個別エピソードがなかったりと不遇だったモアですが、今回はきっちり話数を回してもらって、生まれ故郷の不思議な風景だとか、離れて暮らす親子の情愛だとか、とことん掘り下げていたのもグッド。
『宇宙人で資源調査員で天然で優しい子でドラムでプリンセス』とかなり盛り過ぎな気がしますが、他のメンバーも『犬耳ツンデレクソレズ人見知り暴走ベース』とか、『異世界人噛み癖救世主天才ギタリスト』とか、『悪堕ち腹黒頼れるリーダー』とか、濃口の味付けだから問題ないか。
色々乗っけつつも『とびきり青春な女の子たちが、ロックに本気で挑みつつ、最高に可愛くパフォーマンスする』という芯は外していないので、過積載でも走りきれんだろうなぁ。


SB69は地味に美術が良いアニメだと思っていて、バリエーションとファンタジーに溢れた背景設定が生きていればこそ、異世界ファンタジーとして世界観の豊かさを楽しめていると思います。
今回の舞台となったぴゅる星も、サンリオお得意の可愛く魅力的な異世界としての仕上がりをしっかり見せてくれて、優しく面白い物語が立ち上る期待感を、グンと高めてくれました。
女の子や男の子たちがとびきりキュートなのも強いけども、『見ているだけでワクワクする異世界の風景』をバッチリ仕上げて、ファンタジーとしての肌理も細やかに作ってくれているのは、嬉しいところですね。

そして何やらややこしい問題が立ち上がったとしても、思いっきりロックンロールでぶん殴ることで全てが解決する展開は、物語全体のルールを良く守っていて気持ちよかったです。
二期も大筋は『ロックンロール救世主伝説』なのだから、その前フリとしてモアの抱えた問題をアツいライブと友情でぶっ飛ばすのは、必要かつ大事な話運び。
ちょっと硬いモアをシアンさんが『Swingしろ。RockにはSwingが必要だ』と目で語りかけてくるところは、シアンさんのロックンロール・モンスターっぷりが効いてて気持ちいいシーンでした。
やっぱこー、ホビーアニメ的な『とにかくコレが主題なんだから、どんな問題だってコレで押し切るんだよ!!』っていう無茶苦茶さが、テーマファンタジーには必要だと思うのね僕は。


つーわけで、とにかく賑やかに仲良くハッピーに四人が合流し、親愛なるメンバーの問題を青春と音楽で解決する、パワーに溢れたエピソードでした。
一話だと合流するところまでだったので、どうしても『プラズマジカのキャイキャイが足んねぇ……足んねぇよ!!』となってたわけですが、しっかり補充してくれてありがたい限り。
モアの扱いでちょっと不満だったところにもキッチリ継ぎ足しをしてくれて、大満足の仕上がりでした。

宇宙的危機を乗り越えての次回ですが、なんだか引き続きのんびり楽しいスウィーツなお話が展開するようです。
シアンも戻ってきた今回で、相変わらずの可愛さとキレの良さを確認できたわけですが、それが次回はどういう輝き方をするのか。
SB69、引き続きの安定感とたかまる期待を両立してくれる、愉快な第二話でした。