ACCAを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月7日
革命前夜のスイツを後にし、雪のビッラ、砂塵のロックスへと。
様々に景色が変わる区を横断しながらジーンの歴編は続き、スパイの素顔は明らかになる。変わらないもの、水面下で変わりゆくもの。
それとは関係なく、バカたちは平和に浮かれ騒ぐ。様々な温度差が楽しいエピソード。
今回は(も?)ジーン周辺の静謐で冷たい空気と、ロッタ周辺の暖かで緩んだ空気の対流が面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月7日
ジーン周辺がピリピリしているのは実体の見えないクーデターに巻き込まれているからであり、ロッタに熱を上げている王子も、その当事者のはずだ。しかし二人を取り巻く空気は大きく違う。
親友が監視者でもあり、それを思惑を褐色の肌に秘めた上司がそれとなく示唆してくるジーンの世界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月7日
食パン食べるか食べないかで思い悩み、ストーカー同士が仲良くなり、美味しいご飯を楽しく食べれれるロッタの世界。
二つの世界は兄弟という間近な間合いにありつつ、交わることはない。
むしろ交わらせないために努力している感じすらジーンにはあって、そのストイックさが好感にもつながるわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月7日
大事な妹を預けることで、スパイとわかった後でも友人としての絆を大事にする気持ちを、それとなくニーノに伝えるスマートな優しさが良い。こういうじんわりした気持ちの表現が好き。
黄色のジャケットも鮮やかに、トナカイが日常に溶け込むビッラの平和。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
その奥にも当然不穏な空気はあって、実直な生活は困窮の裏返しである。
空港での長官達の会話にも投影されている、『国』と『区』の交わらない空気。雪と熱砂という対極を一話で移動することで、それは視聴者にも体感できる。
鳥の姿をしたこの国の構成単位は、機構も文化も経済レベルも政治的発言力も、全てがバラバラだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
それを『国』としてまとめ上げるか、『区』を『国』に解体し新しい形を見せるか。不可視のクーデターを巡る鞘当には、ここらへんの利害・イデオロギー闘争が絡んでいそうだなと、今回思った。
バラけそうな国をなんとかまとめ上げている越境組織がACCAであり、監察課の仕事はその最前線だといえる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
その使命に意欲的なグロッシェラー=モーブと、貴族的出身ゆえに『区』に帰属意識を強く持つリーリウム=パスティスという対立構図が、ACCAの内部に走っているの、かな。
グロッシェラー直属であるニーノの情報をジーンに流し、友人関係に亀裂をいれても目を潰す行動にリーリウムがでたのは、対立存在への牽制行為なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
少なくとも、『ジーンへの真心』という演技どおりではないことは、胡散臭い遊佐ボイスを聞かずともよく分かる。
『区』と『国』の対立が、ACCAの理念と存在を持っても解消できないほど加速しているとしたら、王権の再興を狙う王子の野望は現状をお把握できていない道化芝居だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
自分の文化にはない食パンをかけらしか食わない男と、黄色い派手な現地のジャケットを好んで着込む男。変化への見識と対応。
恐らくこの話はクーデターの内実を追いかけつつ、いかにしてクーデターを起こさないかの話になると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
ロッテが代表する偽りの平和、その裏側でうごめく隠逸な不満と軋み。クーデターの形で本音が吹き出れば、スイーツな日常は押し流され、紫煙ならぬガンスモークが漂う修羅場が顔を出す。
そうなってはいけないのだ、というメッセージは、可愛い可愛い妹ちゃんと、彼女に魅了されるバカな男たちへの暖かな視線から強く感じられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
彼らは無知で愚かだが、その愚かさをこそ守るために、冷たい場所に身を置き走り回る人たちがいる。そういう話である以上、クーデターはおそらく起こさせない
『区』と『国』と『王』。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
3つの権限と区分の間で、複雑に感情と利害が混じり合い、誰がどの勢力に身を寄せているのかがハッキリとは見えないながら、その輪郭はかなりクリアに描かれている。
難しく、緊張感のある状況が見えてきて、なかなか面白くなってきた。
そういう大きな話に関わりつつ、ニーノとジーンの複雑な心模様を静かに強く描いているのも、非常に面白いところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
何故ニーノは、ジーンに見つめ返された時あそこまでショックを受けたのか。見る側の優越が崩れたこともあろうが、何よりジーンとロッテとの関係が変化してしまうことを恐れたのだろう
凄腕のスパイとして名を馳せつつも、ニーノにとってジーンたちとの日常は嘘偽りなく楽しく、心と人生を支えてくれるものだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
内破の可能性を目前にして、ニーノはそれを痛感したのではないか。
だとすれば、ジーンが穏やかに彼を受け入れなおしてくれたことは、猛烈な救いだったはずだ。
国家組織の怜悧な論理を扱いつつも、人間の証明が揺れ動く瞬間のきらめきを抜け目なく、しかし派手になりすぎずクレバーに切り取ってくる筆は、穏やかで上手い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
このアニメは非常に独特のテンポと間合いを持っていて、それが日常だけではなく、緊張感に満ちた策謀の瞬間にも生きているのだ。
雪の中で親友にしてスパイと向き合ったジーンは、砂の街に流れ着き、自分の意志でその主と向かい合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
「あれは本物ですよ」の流れが面白すぎたが、グロッシェラー長官のベールを一枚剥ぐ話になりそうで、非常に楽しみだ。ACCA第一主義者は何考えてんだろうなぁ……。
リーリウムにしてもパスティスにしても、『故郷』が舞台になった後自分の旗幟を鮮明にしているので、故郷に帰り制服を脱いだグロッシェラーは次回、ある程度以上本音を出してくると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月8日
それが真実の全てではないところが、このアニメのめんどくさいところであり、面白いところでもあるのだが。