ReCREATORSを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
アクションストップ飯開始! つーわけで、世界全体のルールを推測したり、メテオラさんが個人的なクエストを終えたり、魔法少女と女騎士がカレー食ったり、ロボアニメの主役が弁当食ったりする回。
このアニメの良いところも弱いところも、一挙に出た話だと思った。
今回はとにかくずーっと喋ってる回で。それは『結論』を言い続ける、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
『過程』…メテオラがゲームをしたり、共食の中で話が弾んだり、世界衝突のダメージが具体的に描写されたりは、背景に置き去りにされてカットされる
まみかとアステリアの『過程』の描写がいいだけに、それは惜しい
装飾の多い長尺ゼリフを重ね、キャッチーでフックの強い、濃口のキャラ要素で食わせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
(推測でしかないが、多分に広江礼威の影響の大きいだろう)この作品のテイストと、僕の嗜好はあんまり噛み合わないな、というのが、四話まで見た正直な感想だ。
デパートのチョコレートみたいに、包み紙が多い
メテオラにアステリアに軍服ちゃん。キャラクターはとにかく迂遠な表現の上に表現を重ね、シンプルな結論を太らせ、尺を使っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
ぶっちゃけ役に察しが異常に良い松原が配置されているとは言え、彼らの言葉が何を言っているか把握するのに、彼らの文法(キャラ性?)が邪魔をする。
結果、『主役たちが何に対抗し、物語の中で何をすべきか』というコアにたどり着くまで四話かかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
世界の破滅を防ぐというシンプルで強靭な『結論』だが、肝心の世界の破滅…『過程』の具体的な描写はない。メテオラの口から仮説として解説され、説明されるだけだ。
この世界が壊れるのを黙ってみてはいられない。そういう勘定が物語の推進力になるのなら、実害は分かりやすい形で目に見せたほうが、僕は受け取りやすい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
仮説段階にとどめているのは、どっかでひっくり返すための仕掛けのような気もするが、仮のエンジンでも話の軸になるなら、実感が欲しい。
物語をスウィングさせず、セリフでラッシュをかけるために時間を使ってしまう停滞感は、これまでもそこかしこにあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
僕個人の感性としては、それはもったいない。キャラ設定も配置もうねりそうなのに、足を止めて喋るシーンが多すぎて、熱が逃げていく瞬間が多い。
作中で書かれているもの、語っているものを実感させる熱のなさは、ドラマの進行だけではなく、ドラマに込めたテーマ性にも傷をつけると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
創作者は創作への真摯さが必要だと、メテオラの口を借りてこのお話は語りかける。正論であり、頷かざるをえない文句なしの『結論』だ。
だがそれは、言葉で語られているだけではただの言葉だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
幸いメテオラの、固っ苦しさの中に柔らかな善性のあるキャラの良さに助けられて、そして細やかな表情作画にアシストされて、彼女が真摯に己の存在証明を求める気持ちは、よく伝わった。今回は勝てたわけだ。
しかし今後、同じように足を止めて『結論』だけを『過程』抜きで出された時、もう一回飲み込めるかどうかは僕は怪しい。実際、色んな場所に理論と理念が先行して飲み込めない部分がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
創作全体を視野に入れたデカい話で、創作者の志を問うデカいテーマを扱うなら、それなりの食わせ方があるはずだ
そこに、メタ創作アニメというジャンルを選んだ『ReCREATORS』というアニメがたどり着けるのか。己の『結論』をただの言葉ではなく、実感があり現実の視聴者の人生に、幾ばくかでも影響を及ぼしうる作品として成立しうるのか
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
他の創作物が常にそうであるように、いつでもそれが試されている
それはメタ的な語り口を選んだら、無条件に確保されるものではないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
創作物としての面白さ、熱意、真摯さは、自己言及的に『あります』といっただけで発生するわけではない。メテオラが徹夜ゲームで実感したように、描写の中で理解らせ、飲み込ませ、血肉にさせて初めて生まれるものだ。
そういう地口のパわーがこのお話にないのか、と言われると、それは当然ある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
現実世界の服装にとっとと着替えたセレジア&メテオラが、ぬくもりのあるリビングでモリモリ飯を食う場面と、殺風景な廃墟で上っ付いたコスチュームを頑なに脱がない軍服組との対比は、なかなかに鮮烈だ。
食事の描写を人間性に関連付けてリレーしていく演出はなかなか鋭くて、すでに『正義の味方』であることが分かっている主役サイドから、ギスギスした軍服組、そこから半歩はみ出してカレー食うまみか&アリステリアと繋いで、弁当食ってるパイロットで〆てきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
弥勒寺のときもそうだったが、メシという身近な描写でキャラを視聴者に引き寄せてくる演出は手堅いし、独自のパワーもある。ハンドメイドではなく既製品でラッシュをかけてくるのが、なかなか独特だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
メシ文法的にはこのアニメ、実は"甘々と稲妻"とか"七人の侍"と共通のものがあるのだ。
前々回では魔法少女のヤダ味が強調されていたまみかも、『障壁を置かず、誰とでも仲良くなれる』という魔法少女主人公の強み・美点を、存分に発揮していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
張り詰めた女の子の懐にスッと入って、関係を作れるのはドンファン女の特権だもんな。そういうの大事、マジ大事。
思えばまみかがメタってる女児向けファンタジーアニメ、お弁当屋の娘さんが主役だったアイカツにしても、現在進行形でお菓子作ってるプリモードにしても、主役が常時炊飯器持ち歩いてるプリパラにしても、コミュニケーションツールとして食事は重視されてんからね。そこでも文法の共有が起きてる感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
そういう共有文法をキャラ表現に使いつつも、喰ってるのは『自分が写ってるレトルトカレー』という、作品独自の奇妙なテイストもしっかりある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
子供向けらしく『暖めなくても美味しい!』と描いてあるのに、わざわざ温めるところが、まみかとアリスちゃんが交流を深めるシーンに相応しい。
事程左様に、足を止めて設定や心情を語る表現法だけではなく、ドラマをスィングさせながら『過程』を経て『結論』にたどり着く自力勝負も、このアニメはしっかりできる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
だからこそ、長尺の設定語りが上滑りするのが僕は惜しい。そのクドさ、キャッチーさが魅力だ!という人も当然いるんだろうけども
硬い語り口を維持するキャラは、『そういうキャラだから』という設定、創作物の宿命をまだ突破できていないという、途上の描写なのかもしれないけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
そうだとすると、メテオラやアリスがフツーに喋り始めると、結構なカタルシスがある気がする。『ああ、こいつらも変化できるんだ』という。
現代世界にアニメキャラが溶け込んでいく快楽、溶け込めない異物感とか、そこかしこにあるペーソスとか、強い部分がたくさんあるからこそ、硬い喋りを垂れ流して足を止めてしまう瞬間の弱さが、どうにも目についた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
方法を変えるにしても、維持して別の強みに変えるにしても、巧く捻ってほしい所だ。
作者の死と作品の死という要素にも切り込んできて、作品全体の(一応の)ゴールもようやく見えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
こっからどういう物語を転がしていくか。やっぱり『過程』こそが『結論』に重さを乗せていくと、僕は思う。ので、来週以降も楽しみに見続けたいと思う。
しかし『創作活動を大きなテーマとした、メタ創作活劇』という構造上、このアニメの感層書くときは『感想を書く自分』にどうしても光が伸びる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
メタを扱おうと扱わなかろうと、結局僕が僕の感覚でアニメを見て、思ったことを僕の責任で引き受けつつこうして文字にしてはいるのだが。
金銭も社会的責任もそこまで発生しない、気楽なアマチュアの感想だが、こうして電子の網にのって世界に拡散されてしまっている以上、これもまたある種の創作なのだろう
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
スケールの大きさや背負うもの重さでCREATORSの資質を問わないのは、颯太周辺の描写を見ても判るこのアニメのメッセージだ
このアニメに(限らずだが)何かを言う時、常に『そういうお前はどうなんだ』という反射は発生している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
それが目立つか目立たないかの話ではあるんだが、自分がこうして感想を書く姿勢とか理由とかを見返す意味で、メタの上にメタが重なる構造は足場にはなる。
俺自身も、スタイルとしては相当にクドいしね。鏡を見ることでしか姿勢を正せないとしたら、せいぜい歪みなく鏡を見て、己と己が見ているものを素直に言葉にしたい所だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月29日
出来ていることを望むが、それは俺が決定できるものでもない。願わくば、巧く切り取って巧く届くと良いんだが。