イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アイドルタイムプリパラ:第5話『プニコンのマネージャー修行クマ!』感想

全てが真新しい、アイドルフロンティアでの冒険譚、今週はクマ襲来。
新しいマスコットとして、パパラ宿の可愛い担当を頑張ることになるプニコンのキャラクターを見せつつ、クマにマネジとしての仕事を教えてもらう回でした。
『アイドルタイムでは、マスコットは可愛さで売る!』という欲望全開のkawaiiっぷりであり、汚れ仕事を全てクマがやってくれるプロテクトっぷり。
生っぽい味わいのキモくて世知辛いナマモノから、可愛い全押しの妖精系に切り替えるところは、プリリズADからDMFへの流れを思い出すね。


舞台を女性アイドル不毛の地・パパラ宿に映し、主役としても夢だけしか持ってないド素人を据えたアイドルタイム。
マスコットもなんにも分かってない子供(もしくは小動物)でして、その無邪気さがプニコンの武器です。
あどけない仕草、『プニコン』連発の舌足らずな喋り方、線が多くて可愛いデザイン。
作品の生臭い部分をマスコットのオブラートにかけて叩き込んできた無印とは、大きく方向転換したのがわかります。

とは言うものの、ただの可愛い生き物なら『マネージャー』という仕事は割り振らないわけで、そっち方面では成長してもらわないといけない。
そこで白羽の矢が立ったのがクマで、前作での経験を活かし、コメディアンとして泥をひっかぶって笑いを作ったり、案外真摯にマネジの仕事を教えたり、相変わらず妹が絡むとキモかったり、縦横無尽の大活躍でした。
変顔したりギャーギャー喚いたり本音をぶっちゃけたりすると、プニコンのイノセントな可愛さが壊れちゃうからね。
その点クマなら『クマはまぁクマだし……』で済むので、先週のみれぃに引き続いて良いリリーフだなと思いました。

クマがパラ宿でやらかして運送屋の下働きをやっているオチは、プリパラらしい世知辛さと生臭さでしたが、これも一つの調整かなぁ、と思いました。
マネジ継続してやってると、ソラミ以外のグループを担当していることになって、そっちの描写を入れなきゃいけなくなる。
加えて、あれだけ長い時間支えてくれたクマが、別のアイドルの面倒見ている絵ってのは、健全だけどもなんか寂しいんで、笑いでコーティングしつつマネジの仕事から遠ざけたのかなぁ、とか。
ここら辺は、再登場したときに変化があるかもしれないけどけどね……プニコンと師弟関係を結んだことで、帰還がスムーズになりそうなのは良い所だ。


ニコンは作中明確に『子供』として扱われていて、マネジの仕事もお手伝い感覚で描写されています。
『特に何も出来ないけども、いるだけで可愛いし、健気さであったかい気持ちになれる』というらぁゆいの評価は、プニコンに何が望まれているかを端的に表しているでしょう。
味の濃いマスコット芸人たちがギャーギャー騒ぐ路線は散々やったので、らぁらから失われた年下お世話要素をプニコンが背負う構図で仕上げてる感じか。

ゆいらぁが持ち上げるプニコンの可愛さと健気さは、もちろん狙って強調している商品としての強みであり、お商売とシリーズ構成の都合が多分に含まれています。
しかし実際の描写、外見の造形がちゃんと可愛らしく、健気なので、作中で言ってることと視聴者が感じることの間に、ギャップが少なく感じました。
トテトテ走り回って、アイドルのために必死に頑張り、みんなの助力に素直に感じ入るプニコンの姿は、非常に素直にいいものだった。
作者が狙ったポジションに描写が追いついていることで、『出来ないことはたくさんあるけども、純粋さが強み』というキャラクター性がスッと飲み込め、プニコンを好きになれました。

可愛いだけだと今後パパラ宿のアイドルに困難が押し寄せた時困るので、クマから学ぶべきことは学ぶ。
ニコンが頑張ったこと、マネージャー一年生としてクマに認められたことが、今後どっかで意味を持ってくると良いな、と思います。
ゆめのマスコットであるプニコンが、一歩ずつ出来ることが増えていくのは、凄くアイドルタイムっぽいことだなと感じるのよね。

ニコン個人にクローズアップした描写と同時に、今後話の軸になりそうな時計塔の少女を視聴者にはチラ見せし、らぁら達作中のキャラには見せない伏線埋めも行われていました。
ニコンが『プニコン!』しか喋れないことでディスコミュニケーションが発生し、真相に迫りすぎないのは上手いバランス。
ここで見せておかないと、今後あの少女がメインを張る時に唐突に思えるだろうしね……パパラ宿のボーカルドールなのかなぁ。

ゆいらぁは今回脇役に徹していて、プニコンの可愛さを持ち上げたり、コメディエンヌとして軽く暴れたり、二連続ステージをやったり。
ちと新曲少なくね? などと贅沢なことを考えたりもしますが、無印一期も"Make it!"ブン回しで乗り切ってた話数なんで、今後増えていくと思います。
にのちゃんの本格参戦を引っ張ることで、飢餓感を煽る作品なのか、はたまた楽曲と3Dの制作スケジュールが圧迫されてるのか……どっちだろうなぁ。


というわけで、何にもできない『弱さ』がそのまま『強さ』であるプニコンのキャラクター性を、クマを狂言回しにして見せていく回でした。
クマのプロテクトと誘導がほぼ完璧で、プニコンを一切汚さずに根性コメディに仕上げきっているところに、キャラとしての強さを感じる。
鈴木さんの怪演がアイドルタイムではあまり聞けそうもないのは、少し残念かなぁ。

そして来週は、アイドルタイム最大のフィーチャー・ダンプリに切り込んでいく回。
RLからキンプリという大波を生み出した、プリズム男子の系譜をアイドルタイムがどう料理するのか。
予告段階で既に『敵を知ろうとしないゆいと、その手を引っ張って切り込んでいくらぁら』という構図が見えているのも、二人の師弟関係が好きな身としては期待大ですね。