終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月6日
運命の地上降下を前に、クトリの二度目の死に向けて足場を整えていく回。思い切ってヴィレムの描写を押さえ込み、クトリの内面にじっくり時間を使った結果、『記憶消滅』のエグさと切なさを強調する展開となった。
というわけで、悲恋と難病の合わせ技に、記憶障害で更に倍率ドン! な感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月6日
死んでいく自分自身を穏やかに見つめつつ、避けた心の傷を舐めるかのように編み物を積み上げていくクトリが健気でエグい。『そこまでこっちの涙に奉仕しなくても良いんじゃないかね…』と、余計なことまで考えたりする。
絞った涙の総量で価値が決まるジャンルではあるので、勝てる手筋をすべて打ってくるのは正解だし、クトリが自分の死と喪失に向き合って、自分なりに行く末を決めたことに嘘はないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月6日
それでもある種のわざとらしさが薫るのは、もうジャンルの宿命だと思う。号泣のち後ろめたさ、みたいな。
そういうのを必然的に背負ってしまう題材の中で、クトリはアイセアの助けを受けつつ、破滅に向けて心を整えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月6日
いやー、アイセアの告白にはびっくりした。人生二週目みたいな落ち着きあるなぁと思っていたが、まさかガチで二週目だとは。なるほどなー。
クトリの心を乗っ取りに来る怪物と、おどけて優しいアイセアが同じ存在だと分かったので、クトリの侵食も少しは良いもの…には思えないが、これまでとは別の見方が生まれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月6日
死霊でも生きようと願うし、奪ってしまった人生に責任を感じたりもする。アイセアが証明したものは結構大きいと思う。
ナイグラートやヴィレム、何も知らぬ子供たちにも助けられて、クトリはただ生きている今を肯定していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月6日
こうなりたい、こうなったかもしれない、こうなって欲しい。
人なら誰もが願い、願う権利を認められるはずの切望を切り捨てながら、クトリはなんとか死に向かう自分を肯定していく。
それは誤魔化しともいえるし、決意ともいえるし、諦めともいえる、なんとも評価しにくい行動だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月6日
世界自体が相当に詰んでいるので、程度の差はあれあらゆるものが死にゆく自分を肯定しないと生きていけない。なら、クトリが未来を切り捨てる行為はこの世界のデフォルトともいえる。
しかしどんだけ世界が厳しかろうと、妖精が自爆兵器として扱われるのが『普通』だろうと、クトリという個人は可能ならば生き続けたいのであって、ただ生きたいわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月6日
そこら辺の叶わぬ夢を飼いならし、あるいは殺し、避け得ない道に歩みを定めていく準備をするのが今回、という感じかなぁ。
『いつもと変わらないクトリ』『明日は家に帰ってくるクトリ』を演じきり、死地に赴いた彼女は、立派かどうかは知らんが頑張ったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月6日
自分を構成していたものが粉砕される中で、それでも真心の証を織り上げ、満足して死んでいく。物分りが良いというか、人としてよく出来ているというか。
今回クトリが見せた潔い姿勢は、『死にたくない、消えたくない』と、運命と自分を呪いながらクトリが死んでいくより見ていて楽だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月6日
無論僕らの心を楽にするためだけでにクトリは粛々と死ぬわけではなく、それが彼女の選択だからこそ手袋を編むわけだが。それはやっぱ、尊重されるべき選択だ。
物分りの良い子供として、クトリは収まる範囲で反抗し、諦観し、勝ちを再発見し、死への道を整え、これから先戦って多分死ぬ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月6日
そこに必然的に漂ってしまう後ろめたさを、突破しきれるか否か。それはやはり、決戦とそこで迸る感情をどう描くか、クライマックスをどう造るかにかかってくるだろう。
死地を前にして、ゆっくりと凪いでいくクトリの内面にフォーカスした今回は、そのための準備を整える回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月6日
田所あずささんの好演もあって、かなり良く足場を均したと思う。思い出を砕いてつくったプレゼントも、エモい演出だった。
さて、固めた足場からどう飛翔するか。来週以降が楽しみだ。