THE REFLECTIONを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
出会い、別れ、再び出会う。雨のLAを舞台に明滅する光と闇。導きの手は悪魔の束縛か。突き放すのは、意思を尊重しているからか。
既に決断したものと、これから選ぶものたちが煩悶としつつ交錯するタメ回。ムッツリしているのだが、黙り方に個性があって良い
というわけで、先週のヒキをそのまま伸ばして、陰鬱とした夜と雨の中ですれ違いを作っていく回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
事態が前に進むわけではないのだが、足踏み故に深く掘っている感じがあって、それが薄暗い夜のLAと妙にしっくり来る。雨の湿度、見えない心。こういう抑えた語り口が作品の味かな。
色んな人がすれ違う瞬間を描くことで、実はその奥に出会いだとか、出会いへの欲望とかが光っていることが判る。マイケルが見通した、夜のLAの中で光るリフレクテッドの光が暗喩的だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
皆闇の中で一人光っている。それを見つけられるかは、運命や偶然や優しさや、色んな要素が絡む奇跡だ。
エレノアは主役として奇跡に愛されて、エクスオンと出会った。兄さんはいつも全然しゃべらない。過去が明らかになったように見えて、それはムードだけで実体がない。本当に何があったかは明示されないが、彼もまた闇の中で一つの決断をして、今ここに居ることが判るだけだ。だが、それはとても大事だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
エクスオンは既に一つの決断を終えて、覚悟を持って自分の道を進んでいるヒーローだ。その道がエレノアと、あるいはアイガイと混じり、迷える若きヒーローは、ギリギリのところで間違えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
非常に短い演出だったが、アイガイの暴力が関係ないギャングの命を奪うのを止めたのはとても大事だ。
『力は使い方次第』というのはありふれた警句で、ヒーローフィクションは全てこれに貫かれてると言っていい。それだけに力のある真実だし、力をもたせるように作品個別の描き方をしなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
黒い鎧とともに復讐者になりかけたアイガイを、エクスオンは無言で導く。そっから先は地獄道だと。
思い返せばアイガイ兄さんは、毎回こういう感じで過ごしてきた。答えは言わず、自分でやらせ、致命的な崖に落ちそうなら体を張って止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
エレノアもそういう、不器用さの奥の真摯さを感じ取っているから一緒に旅を続けたのだし、今回も答えを求めてすがる。
しかしエクスオンは、エレノアにもアイガイにも答えは与えない。『これがお前の光だよ』というインスタントな救いを見せない。レイスがスティールルーラーにやったようには。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
己の意志で、己のスタイルを選ぶこと。エクスオンもおそらく、20年前にしただろう自由意志の決断を、彼は大事にしている
方向性のない力が暴力となるか、正義となるか。それには己で選択した、真実の選択が関わってくる。導かれない力は迷うが、誰かに舵取りを任せた力は危うい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
どっちにしても不安定な道なら、可能な限り自分の足で歩かせる。迷わせ、苛立たせても、ヒーローとして揺るぎない決意を、自分で獲得させる。
エクスオンの沈黙はまぁ、そういうことなのだと思う。これはここまでの兄さんの行動を俯瞰で見ている視聴者だから、ようやく推測(期待)できることで、情報も視点も制限されたエレノアには知り得ないことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
なので、年齢含めて色々迷うのは、ムリもないと思う。その迷いは人間らしさと同義だ。
迷わなくなると、あるいは迷いがあっても闇を照らす光を他人に委ねてしまうと、スティールルーラーのようになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
誰も手を差し伸べてくれない残酷な世界で、レイスの手を取ってしまった女。常にエレノアと対峙し続けるレイアウトを参照するまでもなく、彼女は主役のシャドウ、理想を映す鏡である。
体を貫いた鋼鉄と同化し、恐怖と暴力と同質化することで、スティールルーラーは不安を解消した。人を殺し、闇一色に塗りつぶすことで世界を単純化した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
エクスオンが止めなければ、アイガイは同じ道を歩んだかもしれない。敵は時に、理解不能な異物ではなく、あり得たかもしれない正義≒私になる。
答えてくれないエクスオンの代わりに、エレノアはスティールルーラーと語り合うことで己を探っていく。鏡をよく見ることで、自分の迷いと経験を相対化していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
それでも決定的な答えは出ない。それは決断の瞬間、行動によって証明され、具現化されるものだからだ。なのでモヤッとフェイズは続く。
スティールルーラーにとっても、エレノアは鏡だ。あり得たかもしれない自分。ワタシを尊重し、導けど支配しない手ほどきによって光を信じることが出来た、もう一つの可能性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
消したはずの光がちらつくことで、スティールルーラーは揺らぐ。唐突に生えた大量の鉄柱は、そのまま彼女の迷妄の具現だ。
グニャグニャと、リフレクテッド能力によって捻じ曲げられていく鉄。閉じ込めど殺しはしない力は、スティールルーラーが未だ迷いの中にいる、エレノアと同質の存在であることを教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
どれだけ消したと想いこんでも、孤独を厭い、誰かと繋がりたいと願う気持ちは異形の中で生きている。
それが弱さなのか、人間であり続けるために固く握りしめ続けなければならない茨なのかは、なかなか判断が難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
一つ言えるのは、そういう曖昧な弱さをレイスは認めないし、自分も捨てているように現状見える、ということだ。対話し過去と内面が見えれば、また違ってくるのだろうけども。
リフと人間、煙と光、敵と味方。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
世界を分かりやすく二分割したように見えて、その境界線は曖昧で、常に揺らいでいる。その不安定さに敬意を払いつつ、何かを決断すること。そこから落ちかけた人に、手をのばすこと。
ジリジリとした展開ながら、コアテーマに切り込んでいく芯の強さを感じる回だった
己を害した鋼と同質化したスティールルーラーは、涙を流さない。しかしLAの黒い雨が、彼女の代わりに哭く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
目から上を切り落としたレイアウトに、闇の中に振る黒い雨を配置した絵の作りは、このアニメ独特の味わいと圧力があった。ああいう絵があると、キャラが隠していた人間味が伝わるね。
黒いアイガイスーツVer2が、夜の闇に同化しているシーンも彼の危うさを巧く描いてて好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
あれだけリフレインしていた"Sky Show"がならないのも、これまでのスタイルを仲間の死とともに捨て去ってしまった現状が感じ取れ、好きだ。灯台の強い光を取り戻した時、また歌は鳴るだろう。
自分の居場所を求め、厳しい試練の旅の中で迷い、成長してきたエレノア。メンターであり庇護者でもあったエクスオンが、不器用に繋いでくれていた手を解き、己で決断し、ヒーローここにありと独孤する瞬間が近づいている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
それは寂しいことではない。雛鳥が巣立ち、思いの翼で空に飛んで行くのだ。
そうして初めて、エレノアとエクスオンの対等な関係が始まるのかもしれない。そのためには、レイスが見せる安易な光と対峙し、乗り越える必要がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月9日
否定か、別解釈か。エレノアがレイスの欲望とどう戦うか、それを仲間たちがどう支えるか。一話じっくり整地に使って、期待が高まった。来週楽しみだ