・第19話 (放送時の感想 アイドルマスターシンデレラガールズ:第19話『If you're lost, let's sing aloud!』感想 - イマワノキワ)
ハイというわけでね、今日もやってまいりました夜のお楽しみ、シンデレラガールズ再放送でございます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
今週はにわかロッカー多田李衣菜が『本物』と出会ってしまった後の波紋と、ついに常務が顔のいい女をかき集めて軍団を作るお話でございます。終わりの気配を感じつつ、さて何が始まるか。
なんだかんだ首飾りのデザインがにてる二人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
『私達もなにか新しいことやってみる?』へのNGsへの反応、全員が裏切る所がすげぇ予言だな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
この時渋谷凛の瞳は、新しい可能性に震えていた。島村卯月の目は、別れの予感に揺らいだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
多田は毎回、話の中心ではなく周辺から入っていくな。通りすがって聞いて、自分なりに悩んで色々働きかけて、んで噛み合わないという。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
木村クンが露骨なカッコいいアピールしてきた…李衣菜ちゃんが取られちゃう……。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
すんげぇ少女漫画力高い展開だ……。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
多田くん色々偽ってるのに、ここではヘッドフォン外してるのなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
は、脚のアップ頂きました。
多田くんが好きになった男のためにアッという間にロックの勉強始めてる……みく相手には取らなかった行動を取ってる……。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
このエピソードの文法、完全に男女の三角関係だなぁ。
新しい相手に夢中になる多田の姿は、この後の凛の予言でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
前川みたいにすがりつくことも出来ず、ただ背中を物分り良く見守った卯月との差が際立つな。
前川は優しいなぁ……
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
目を隠すカット多いなぁ今回。口程にものを言う器官が全うに機能していないのは、耳で聞いたロックに霊を引き寄せられた女と、その港になりたい女のすれ違いには相応しいか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
卯月だけがアスタリスク解散をリアルに捉えてるんだな。バラバラになるのがとにかく怖いのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
星くんはジャンル違いだと思うですけども常務さん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
夏樹は李衣菜のにわかで幼い部分、純朴な部分に答えを求めてデートに連れ出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
前川はウサミンのヒロイズムを、純朴に信じてコールを入れた。
幼さを背負うのはアスタリスクに共通なんだが、求める/求められるの立場は逆なのよな。
夕日、海、目と目が合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
このエピソードはとにかくロマンチックだなぁ。
多田のノリ切れてない感じが良く出る回だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
ダンスの切れ味もぜんぜん違うな。
んで、前川のほうがリカバリーが俄然早い。プロ意識高いな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
思いつめる前川の性質がガンガン出てきて最高。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
『李衣菜チャンの好きな女の子になるから……ロックも好きになるから……ミクが頑張るから……』という重たさが素晴らしい。
ここで夏樹ではなく前川を選ぶ残酷さと、そもそも正面から舞台に上がれなかった夏樹がそれでも多田から学ぶ所は良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
子どもたちの純朴さの周囲で、大人は勝手に悩んだり覚悟決めたりする。でもそれは、当の大人には関係のない話なのさ。
夏樹がここで観客を入れたのは、未練と退路を切りたかったのだろうか。密室で話を終わらせるのではなく、公証人を入れて公的儀式にしてしまうと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
というか前川に正面から負けたかったのか。
楓さんと言い、本命にアプローチ強くかけるのに方向性が完全に間違っているから顔のいい女に振られまくる常務。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
ウサミンさんはどういう理屈でステージに?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
・第20話 (放送時の感想 アイドルマスターシンデレラガールズ 2nd Season:第20話『Which way should I go to get to the castle?』感想 - イマワノキワ)
常務の目元が涼しい寒色系美少女を目の前にしたら一切我慢できない性(サガ)が唸りを上げるッ!!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
素直にそういっておきゃ、かなり勝ち目があったと思うんだがな。
『見たいよ~クール系美少女がツンとした凛とした表情で大舞台を演じきる姿が見たいよ~』
実際の話、凛が可憐と奈緒との化学反応にビビッときてるのは事実で、そこ見抜く眼力、アイドルの真意に寄り添おうという意欲もあんのよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
常務の横槍は結果的にCPに風を入れて、いい具合にぬか床かき回した。それはPちゃんも理解してる通り。光の可能性があるシーンなので、画面は明暗半々って感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
ここで『頑張る』という言葉を魔法にして、新しい局面に対応する足場にしているわけだが、それが後々呪いに変わるのは皆さんご承知の通り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
ある時はポジティブな意味を持っていたものが、別の局面では破滅的な結果を導くというのは、クール通してずっと描かれているものだと思う。
そしてまた、女と女が出会う……。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
後ろのカンディンスキーっぽい絵が好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
飴ちゃん受け取ってることで、アーニャ個人としては文香や唯を受け入れていることが判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
かな子を描く時に使われてきた筆が、クローネ相手でも応用されてる感じですな。
新しい可能性、新しい女……なんなのアーニャちゃん!!(新田暴走)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
渋谷はほんと、真っ直ぐに目を見て本音を伝えてくるシーンに弱いな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
そして自分は目を背ける。
奈緒と可憐のコーヒーはきっちり水平、凛のコーヒーはやや逃げた位置に。心理関係を置いたレイアウト。
この後五回くらい出てくる歩道橋と階段。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
こっひその衣装大丈夫? お腹壊さない?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
曇り空でも 星はそこにあるよね
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
アーニャにとって視界は既にクリアなんだが、最後のひと押しがほしい。風に揺れるカーテンが心を反映していて素晴らしい。
Trancing Pulse。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
響きの時点でいいが、変容への予感に心震わせている凛の現状、最終的にエゴのほとばしりに素直に行動してしまう今後を考えると、非常に示唆的なタイトルだと思う。
Pちゃんもここで、常務の横槍が開けた風穴、プロジェクト変容の可能性に目を開けるわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
画面の真ん中に天球儀……圧縮された星空=アーニャのフェティッシュがあるのが好きなシーン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
ここのアーニャの靴、完全に覆わず足先が出てるのね。二期はそういう描写多いなぁ。BearfootGirlだなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
『みんな』から離心していくことへの肯定。手を離すことで先に進む可能性の積極的受容。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
デレアニの非常に特殊な部分が露骨に顔を出してくるエピソードだなぁ。
てんとう虫は常に空に向かう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
LOVE LAIKAも新田がアーニャを導く『形』を一旦壊して、関係性の再構築を目指しているのだな。CIや凸レーションと同じ。
二回目の歩道橋&階段。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
渋谷も空に向かって飛んで行くことを決めた。Lady Bugの習性はなかなか止められないのだ。
口で『新しいこと求めるタイプで~』と言ってる割に、実際クローネ参加を切り出されると口半開きでショック受けまくりな本田の脆さが愛おしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
ここでこの言葉が出てくるのは、常務=敵で世界観作ってきた二期の本田だなぁ。
『私じゃダメなの?』は前川が多田に問い詰めたのと同じ言葉。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
多田が選択したところで、島村も渋谷も決断できない。同じ状況が差異を浮き彫りにしていく。
本田再びの泣きダッシュ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
しかしPちゃんは二回間違えなかったッ!
てんとう虫じゃない未央のシーンでは秋茜なのが、芸の細かいところだ。
進むデジタル時計、飛んでいく鳩。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
迷いの中のポジティブな可能性をガンガン暗示していく流れに乗って、『いつも元気な本田未央』を取り返した女が真っ先に空に飛んで行く。
凛の決断に足場をまとめていただけに、良い裏切り、良い不意打ち、良いヒキだと思う。
ハイというわけでね、アスタリスクを襲ういつもの解散芸ではないガチ離別の危機と、それを前奏に活かしたプロジェクトに入る亀裂=風穴=可能性への扉を描くエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
前川筆頭にめんどくさい女たちのめんどくさい感情が山盛り堪能できて、なかなかたまらないお話でしたね。
第17話を莉嘉・みりあ、第18話をきらりと割り振ったように、あるいは第18話で杏とかな子・智絵里を切り離して進行させたように、第2期は一期で仕上げたユニットを解体・再構築してその意味を再度問い直す構図が連続します
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
第16話で前川、第19話で多田がそれぞれの憧れと出会うのも同じ構図
それぞれのエピソードでアスタリスクは『純朴さ』の象徴として描かれるわけですが、そのベクトルは真逆です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
第16話では前川はヒーローの再臨を望む子供として、安部菜々をステージに呼び戻す主体であるのに対し、第19話では迷える木村夏樹が多田李衣菜の純粋さを前に、己の道を決断する。
多田が出会った憧れの女が、実は多田の中に失われたイノセンスを見つけていて、『初めてステージに立った場所』に一緒に帰還することで、未練を捨てる覚悟を固めていくのは、なかなか複雑な乱反射で面白いですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
そういう儀礼で固めないと、一歩を踏み出せない程度に木村夏樹は大人なわけです。
前に出たいけど後ろ髪を引かれる。可能性を前にした恐怖と期待。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
一個人内部のアンビバレントは外側にはみ出して、言葉や行動となって混ざり合い、状況を変化させていく。
一期はシンプルに前に進んでいた物語と感情のベクトルが、二期では行きつ戻りつ複雑な動きをしています。
これが分かりにくさにつながる部分もたっぷりあると思いますが、作中のキャラクターが迷っているのと、可能性を感じているのと同じ場所に物語全体を引き込み、錯綜した道を歩きながらテーマやヴィジョンを探していく連動には、非常にダイナミックなものを感じます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
既に描かれた物語と同じものをやり直しても、それは自分たちの物語ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
強い批評意識がデレアニには常にあって、一期でユニットやCPが『みんな』になるまで(こう言ってよければ、無印アイドルマスター的な物語を走るまで)をやった上で、そこからはみ出た物語を二期で展開する。
それは多数のキャラクターにドラマを用意し、記号を背負った書割ではなく、存在する意味のある登場人物として取り回すための、テクニカルな立ち回りです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
新しい物語は、既存の関係の中に新しいキャラクターが入ることで生まれてくる。これはここまでのエピソード、ほぼ全てに共通している。
アイドルたちは揺れ動く内面、生まれた変化を視線や仕草、言葉で語ることを許されています。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
基本的に変化はよりポジティブな場所へ、新しい可能性にたどり着くよう、物語は調整される。迷いや戸惑いを当然描きつつも、結果として良いものになるようキャラクターはコミュニケートを繰り返す。
新しい衝撃と、それによって生まれた変化。可能性への胸の高鳴り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
それに乗り遅れ続けているのが島村卯月であり、表面的な『色々あるけども、全体的にいい感じ』のムードもまた、後半炸裂する地雷の火力を上げるための、巧妙な前駆運動だったりします。
見返すと、伏線の埋め方がエグいのが判る。
卯月の孤立は非常に馥郁とした言語で準備されるわけだけども、『良き変化』を着せず準備した常務の変化、相互フィードバックはアイドルに時間を取られ、あんま見えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
常務がアイドルをどう思っていて、目の前で起きている風景に何を感じたかは、秋フェスまで待たないといけない。
ここのラグ…『敵』と捉えられていた存在が実はコミュニケーション可能な、むしろ情緒の深い存在で、己等のパフォーマンスで交流・変化可能な『人間』であると示すまでの時間の長さが、常務を捉えがたい存在にしている気もします。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
本田が代表する『常務=敵』の構図で、途中までは引っ張ってる。
でもそれはぶっ壊されるべき謬見で、暗示と予言が大好きなこのアニメは、常務との対話可能性を明言しないまま、ドラマの流れをそっちに寄せないまま、過大なムードを膨らませ続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
『話せばなんとかならね?』という正解を感じ取らせつつ、それはクライマックスまでプールされ続ける。
非言語的なムード、全体的な映像言語選択の巧みさから生まれる雰囲気作りの巧さが逆に、『正解』を感じ取らせつつそこにたどり着けないもどかしさ、思い切りの悪さを産んでしまっているのは、デレアニの幸福なる誤謬だったのかもしれません。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
もっと分かりやすい『悪』なら迷わなかったんだろうけども
しかしこのアニメは常務を、今正に迷いつつあるアイドルと同じ『人間』として描き、彼女が推し進めるリストラクションからアイドルが受け取っているプラスとマイナスを、同じように受け取る存在と定めた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
どこにも『敵』がいない、『みんな』と『みんな以外』に世界を切り分けられない世界認識。
その世界の中では、一つの答えは常にその反証と結びついているし、ある者にとっての憧れがあるものの呪いでもあるような、なんともいい難い結論に満ちている。前川みくと安部菜々、多田李衣菜と木村夏樹。大人と子供の、捻れた関係性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
そのわかりづらさが作品の味であり、僕の好きな所なわけですが。
煮え切らない世界の、煮え切らない人間たちの絡み合いは、敵/味方の境界線を淡くしていきます。飴を受け取っちゃったアナスタシアのように、目を見てしまったらもう殺せない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
そして本田は、『敵』が明確に存在する価値観を渋谷の行動でぶっ壊されて、自分から『敵』の目を見に行く方向へ動く。
次回はもしかしたら作中最も分かりにくい、『秘密の花園』をサブテキストとして進行するエピソードです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月6日
詩的な圧力によって歪められ、圧縮された言語でしか、伝わらない思いがある。このアニメが選び取った方法論にも通じる物語を、今受け取ると僕はどう思うのか。次回も楽しみですね。
・第21話(放送時の感想 アイドルマスターシンデレラガールズ 2nd season:第21話『Crown for each』感想 - イマワノキワ)
ハイというわけでね、連休最終日でも元気にバリバリ、八時の夢物語アイドルマスターシンデレラガールズのアニメ再放送です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
常務の隠し玉、プロジェクトクローネと主役たちの潮目がぶつかり合い、新たな渦が生まれつつある状況。そこで生まれる軋轢と交流を追いかけていく今回の物語、さてどうなる。
常務の欲望全開に出すぎなこのクローネPV、夢の残滓って感じで大好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
顔の良い女たちがいい雰囲気でこっちを向くのが好き~。モルフォ蝶とりんごとお城~。どんだけ夢見てんだ常務。素晴らしい。
自分から『新たな光、新たな自分』へのときめきに飛び込んだくせに、本田がそうするとぶーたれる渋谷のヤバキチっぷり凄いよな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
傘! 靴のクローズアップ! 階段!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
デレアニ演出のどろり濃厚ピーチ味って感じだ。
本田は階段上り、渋谷と島村は階段の前で立ちすくむ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
対話シーンなのに渋谷となおかれんが同時に写るシーンなし。窓ガラスに反射する場面多用。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
もやっとした心象風景をそのまま切り取る感じだ。
渋谷ほんと独占欲強いなぁ……エゴの延長線上にある他者が、そこから外側に出ていくことを許さないドミネーションへの強い意志。その剥き出しな感じが俺は好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
『離れていく』ことへの肯定。新田が先陣を切った歩みは、エピローグで全員に拡大することになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
全体的な空気は重苦しいんだが、Pちゃんが信頼感で間をなんとか繋いでいる感じ。
本田は気づくまでが長いけども、気づいてから世界観を変化させるのを怖がらない強さがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
夏フェスの成功体験が視野を狭め、足を止める理由になるのは、隣りにいる美嘉のライブが最初の挫折につながってるのと同じ構造。
泣くな本田。お前は大丈夫だ。大丈夫なんだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
Pちゃんよう言うた。
本田がここで演劇という未体験のジャンルに飛び込もうとするのは、新天地に怯えている渋谷の代理として、リーダーの責務を果たそうって動きなんだろうな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
その真意を今、わかり易い言葉で伝えても意味をなさない。そのためには非常に詩的で、歪んで圧縮された言葉が必要なのだ。
なおかれんとの間にあった壁が、卯月との間にはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
ここら辺は積んだ時間の差であり、渋谷の中で卯月の笑顔がどれだけ巨大かの証明でもある。
枯れた花園と、生きている/生き続けて変化している花。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
本田は演じる中で現実世界を戯画化し、虚飾を剥ぎ取って自分と友人たちの真実にたどり着きつつある。このタイミングで渋谷からのメールが届く。
機は熟し、雨は上がりつつある。
花園が枯れているというのは事実ではなく認識の問題で、角度を変えて見直すことで花が生きていることに本田は気づく。世界の構造を認識する。藍子の言葉は用意された台詞だが、それもまた枯れた花ではなく、生きた緑として別個の命を伸ばしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
ここで『言葉』に問題があった蘭子が前線に立ち、スマートな言葉でコミュニケーションを取り、プロジェクトの空気を改善するのが巡り巡ってる感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
語ってる内容も自分の体験談で、普段の熊本弁のうわっついた感じがない。後の未央の言葉と正反対だが、これもクリティカルに届く。
虚心坦懐で飾りのない蘭子の言葉と、飾りに飾って圧縮かけた未央の言葉が、等価にコミュニケーション・ツールとして前向きな光に繋がっていくのは、メディアの描き方として面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
きらりはほんと、状況がまとまった後のフォロー&アシストが巧い。NO2として得難い人材。
受け取った台本をどう扱うかは、凄い意味の圧縮率で面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
卯月はとりあえず開けていて、渋谷は開けやしない。未央は台本を見ない。そこに込められた言葉は既に自分の言葉になっているから。
本田がグイグイ画面を侵犯してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
その熱、扉を越えてくる運動は新田に接近しようとするプロジェクトの面々、その結論と同じだ。
ここで本田が噴水を超えて、渋谷の目を見て熱を通す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
上への目線。渋谷がラインを乗り越えて踏み込む。島村は動けない。
ここの新田の汗は、強がって前向きな言葉を吐く仮面の奥に隠した寂しさの涙でもあるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
ああ、コスモスの白とピンクがあまりにも美しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
凄いよなぁ…このシーンてNGsの対立ほぐす解決のシーンなんだけども、秋フェス超えた後の卯月の爆弾のありかを埋め込んでもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
秋も冬もその先も、永遠に緑色の美しい『みんな』の時間を夢見る。渋谷は先に進む。階段を登りきる。卯月は置いていかれる。足元は映されない。台本を見続ける。
ここで答えを先取りして致命傷を避ける卯月の防衛本能、ずるさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
そこに秘められた致命の爆弾に気づけない渋谷の不明。
島村の足元がようやく写る。階段は登っていない。
こっひマジ聖人やな……二億兆点。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
この個人面接はヤバい。アイドルの外形にしか憧れがないことも、Pちゃんからの提案でしか舵を切り返せないことも、ここでも結論を先取りし自発性を捏造することで自己を防衛する危うさも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
全てがヤバい。
頑張るな。
地下室に自然光届かないはずなんだけども、露骨に天気=心象風景反映したライティングよな。心理主義の所以。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
暖色で皆視線が同じ方向を向いてるシンデレラと、誰も同じ方向を見てないクローネの薄暗い楽屋。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
次回の勝敗をこの段階で暗示。
・第22話 (放送時の感想 アイドルマスターシンデレラガールズ 2nd Season:第22話『The best place to see the stars』感想 - イマワノキワ)
星を見るのに一番ふさわしい場所。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
それは世界で一番高い場所か、星に一番近い場所か。
青くて顔のいい女がバンッバン出て来る!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
これが常務の夢の城ーーーーっ! プロジェクトッ・クローーーーーーネッ!!!!!
アーニャはソロで歌いきって、新しい景色を感じられたのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
新田は舞台袖で(病室でもステージでもなく)アーニャを見て、ここまでとは別の感慨を受けたのだろうか。
ここら辺は豪快にかっ飛ばしつつ、圧縮率を上げて視聴者の中の化学反応に託した形だ。
と思ったらLOVE LAIKA、楽屋でイチャコラするシーンあったわちゃんと。二億兆点。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
このユニットそれぞれの円陣、最高に好き。個性と感情に満ちている。脳髄切れそう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
蘭子が前回通常語に寄ったように、Pちゃんも熊本弁を喋る。コミュニケーションの譲り合い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
島村のスカート+レギンスっていう装備、ABUNAKUない?大丈夫?TAIHOされない?俺が?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
本田は色んな所動き回って、色んな言葉使ってムード保って、偉いなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
ここまでの歩みにまだ迷ってた渋谷だが、本田が的確に言語化して成功のイメージ、未来への希望が形になり、迷いが消える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
でも、卯月は二人が共有してるヴィジョンを全く理解できない。出来ないなりにわかってるふりをしてる。わからなかったら、走っていく二人においていかれるだけだから。
別れていく道を前に、島村卯月は自分の感情を把握も言語化も出来ない。未央が演劇という特殊な言語体験を突破することで、高度な言語化能力を手に入れたのとは真逆か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
経験値の薄いクローネはシンデレラプロジェクトが乗り越えてきたプレッシャーに初めて出会い、支えてくれるPちゃんもおらず、かなりの限界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
なので、経験値貯めたアーニャ達が支えないと内破している。怪我の功名、欲望が連れてきた未来。
地下噴水ライブ、夏フェス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
プレッシャーでずたずたにされ、道に迷って傷つけあった過去も、経験値になって危機を乗り越える足場になる。
秋ライブのシンデレラプロジェクトの描写は、2クールある利点を最大限活かしていると思う。頼もしくて好き。
ここで常務まで一気に命令形が飛ぶあたり、ほんと直轄プロジェクトなんだな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
降って湧いたピンチに渋谷は動じないなぁ。エゴの強さが現場での即応能力になってる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
華やかな舞台を維持しつつ、舞台裏ではドンドコ動き回って場を作っている感じは、独特のうねりがあって良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
MCの強さは大阪の女・前川みくの強さ。奇跡をあたかも当然用意していたかのようにやりきるプロフェッショナル・エンターテイナーの資質が、CPの子どもたちにも宿ってきてる。
可愛い衣装を着れず、舞台裏を駆けずり回る今回のステージ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
地下噴水ライブの結果にダメージを背負って背中を向けた時代と、いま率先して仲間のために縁の下の力持ちを続けている姿の差異。
影を濃く描いたからこそ、たどり着いた光が眩しい。
この修羅場でPちゃんと卯月に臨戦を宣言するあたり、渋谷の心に誰がすんでいるかはよく分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
ああ、世界が蒼に染まる。美しい衝動。変容する快楽。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
渋谷凛がトライアッドプリムスに見つけたものが、このステージには全部ある。良い説得力。
常務が初めて現場に堕ちてきた記念するべきタイミングである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
コンパクトだけども、『呼び名』の変化を通じて生まれるアリス-鷺沢の関係性は良い描写だ。これを呼び水に、クローネとCPが『敵』『味方』の境界線を壊す。常務の用意した構造が内破する。
CPの経験値がクローネの手を引く形になったことで、『勝ち負け』は明確に付いた。んだけども、それが存在している事自体があんまり意味が無いってことも、クローネの子、シンデレラの子らは気づいてしまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
常務は初めて降り立った地下で、アイドルのヴァイヴスをどう受け取るのか。
変化に飛び込み、充実した胸の内を見せる仲間。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
島村卯月は空疎を一瞬抱きしめ、何も傷ついていないふりをする。皆と同じ動きをする。みんなに追いついている演技をする。
それは本田が演劇で学んだ、演じるということのポジティブな力とは真逆だ。
きらりの『がんばりゅ!』、二億兆点。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
今の一瞬の「え……」だよな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
すっげぇ不穏なパース。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
頑張るな。お前は頑張るな。
さあ、地獄だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
うちらアイドルやぞ。ピンクチェックスクール(-1)やぞ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
楽しいってなんだっけ。嬉しいってなんだっけ。何にもできない自分のために、好きな人が頭を下げている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
頑張りますしかないけど、頑張り方がもうわからない。だから謝らないと。
頑張らなくていい。お前は頑張らなくていい。
秋フェスが成功した失敗した、クローネに勝った負けた、常務に認めさせた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
そういう次元で浮かれた人を、その話数のうちに全力で殴り飛ばすこのヒキ。大量に映し出される不安定な足元。階段を下る描写。魔法が解ける時間。
どんだけ鈍感な人でも、あれだけ鮮明に抑鬱状態を描かれると『しまむーがヤバい』ということには気づく。あるいは『しまむーは天使』というイメージを守りたくて、サインから目を遠ざけていたのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
卯月が取っていたのと同じ、あるいは凛の激発と同じ防衛行動。
ハイというわけでね、秋フェスに向けて揺れるシンデレラプロジェクトの内部事情、そこからの脱却と秋フェスの成功、常務の『理』との格付けの終了…を全て光景に置き去りにする、笑顔が素敵な島村卯月の破綻までを描く物語でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
なんど見ても、鮮明かつ残酷で凄い。卯月が決定的に壊れてしまう瞬間
現在の成功は未来の破綻であり、過去の衝突は現在の勝利の糧。様々な価値がぐるぐると入れ替わるのがデレアニですが、本田未央が自分の傷を乗り越え、渋谷凛が本能的に飛び込んだ風景に意識的に飛び込む姿は、飛びこめない島村卯月の硬直を残酷に浮かび上がらせもします。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
未央はここまでポエティックな言語にはあまり接近せず、軽い調子でみんなを元気づける口語調を、自分の武器として使ってきた。そういうのは乗務と部長とPちゃんの武器だったわけです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
が、あえて演劇という『らしくない』領域に飛び込むことで、未央は歪んだ言語が『使える』実感を得る。
既に作られた創作でしかない『秘密の花園』の、枯れた草花と生きている薔薇の暗喩から、プロジェクトの現状、NGsの状況を把握するヒントを獲得し、それを共有するべく『同じ舞台』に二人を上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
確かに、本田の一見おどけた仕草は、命がけの勝負に他ならないわけです。
コスモス(花言葉は『調和・謙虚・乙女の純真』)が異常なほどに咲き乱れるオレンジ色の舞台で、最初渋谷凛は乗り気ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
台本すら開かないままぶーたれていたが、本田の熱気に引っ張られるように舞台に前のめりになり、体温を上げていく。夏合宿のレクと同じ反応ですね。
渋谷凛がトライアッドプリムスに見た景色を、自分も追体験するべく本田未央は舞台に挑んだ。そこで見つけた景色を共有することで、言語を超えた共感が二人の間には生まれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
対して島村卯月は、お行儀よく台本を広げはしても、そこにあるムードに飛び込めない。共感できない。わからない。
養成所の暗闇に閉じ込められ、ただただ形のないアイドルへのあこがれだけを懐き、実際アイドルになった後も夢の中にいた島村卯月。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
彼女が笑顔の奥に隠したセルフ・イメージは相当に低評価で、でもあまりに優しくて可愛いから、自分を卑下する内的視線に誰も気づかない。気づくことが出来ない。
『出来ない』と心の底で怯えているからこそ、なんとかついていっているふりを続けて『みんな』に混じって、置いてけぼりの自分を表に出せない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
自己防衛本能が強い卯月の仕草は幾度も切り取られているけども、本絵を隠してしまう、見つけられないその姿勢が、状況を極限的に追い込む。
しまむーは天使だから。いつも元気に頑張りますロボだから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
そういう固定化したイメージで細やかなサインを見落としてきたキャラクターと視聴者に、『もう、見逃してるふりは出来ないよ』と叩きつける、破綻のシーン。
それが二期を引っ張ってきた対立構造の破壊の直後に来るのが巧すぎる。
勝った負けたとか、強いとか弱いとか、そういうところでアイドルも人間も動いていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
傷ついて、追いつけなくて、孤独で、怖くて、それを誰にも言えなくて。そういう震えをどう見つけて、見つけられずに破綻してしまったのなら一体どう贖い、癒やせばいいのか。そこに足場が変わる。
サクセス・ストーリーから大幅にはみ出した、魂の危機の問題。卯月はこの後長い時間をかけて、自分の傷を広げ、向き合い、心の闇を下って下って、地獄をくぐり抜けてなんとか帰還することになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
そここそが、このアニメが際しゅう到達点として選び取った物語なのは、非常に面白いと思っています
心が強く願えば、結果はついてくる。晴れやかな気持ちで空は光り、憂鬱な気配を読んで雨が降る。花は心の万色を移して輝き、時計は心理の歩みを反映して時を刻む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
そういう表現を選んできたアニメが最後に問題にするのは、その心がどうしようもなく傷を受けたとき、心の持ち主と仲間はどうするか。
卯月は非常に計画的に、今回の破綻にたどり着くように人格と描写を積み上げられ、必然として内破した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
物語を貫通してきた『シンデレラ・ストーリー』自体を一種の囮にして、成功しても癒やされない一個人の虚無にまつわる物語を盤面に置くべく、物語全体が構築されていた。
その周到さを確認するかのような、本田未央と渋谷凛の共感と先進、CPの改革とタフさ、クローネとの和解と勝利のエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
表面的にそれを追いかけていたと思い込まされていたものが、フッと手をすり抜けて消え去り、一番大事な卯月の笑顔が壊れてしまう衝撃。それを活かすための仮初の勝利
島村卯月が背負っている『笑顔』『健気』『前向き』『普通』という記号が、全て生々しい刃になって、彼女を切り裂いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
その記号に安心して、生々しく脈打つ少女の心臓を見落としていたお前らも、キャラクターも、共犯者としてあの子をあの場所に追い込んだ
そういう幻聴すら聞こえる、見事な絵です
次回のタイトルは『硝子の靴』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
12時が過ぎれば脱げてしまう、偽りの魔法です。
その先にある『裸足の少女』の傷つきやすい素足が、自分の足で地面をつかむパワーに満ちていることを、脚のクローズアップが異常に多いこのアニメは既に予言しています。
それでも、とてもつらいエピソードです。
昔の感想を読み返すと、卯月のヤバさに僕は結構早い段階から気づいてた徴候があって、この内破も物語的必然だなと納得しようとした。来るべきものが来たと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
そう思っていても、まったくもってあの破綻は飲み込めなかったし、想像してたより痛かった。しまむーのこと、俺好きだったんだな、って思った
そんな自分に出会ったことに新鮮な驚きを覚え、そういう感覚を引っ張り出してくれたデレアニは凄いなぁと思った二年前のことを、ふと思い出す終わり方でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
ああ、見たくはないが見る義務がある。あの子の苦闘を見てきた観客として、あの子が好きな一個人として。
次回はあまり楽しみではないです
・第23話 (放送時の感想アイドルマスターシンデレラガールズ 2nd Season:第23話『Glass Slippers』感想 - イマワノキワ)
ハイというわけでね、そろそろ終りが見えてきたシンデレラガールズ再放送です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
ついに炸裂した島村卯月の矛盾点。変化なく、永遠のまどろみの中で揺られていたかった少女に訪れた、現実の軋み。ゆっくりと壊れていく少女が壊れながら踏み込む闇と光の最果てに見えるものは、一体何か。
冒頭凛との通話から入るように、過去の失敗を踏まえて少女達は大人になり、問題への対処法は身につけている。コミュニケーションを密に、助力は存分に。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
しかしそういう手段で島村卯月は引っ張り上げられない。これまでとは異質な、別次元の困難に埋もれている。それは凡俗な、ぼくらの側の問題だ。
ここまでシンデレラガールズはアイドルになる側、顔のないところから選ばれて顔と名前を手に入れ、キャリアを積み上げ、経験を積み、成功に飛び込み、何者かになる側の英雄を描いてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
島村卯月はその流れに乗りつつ、変化と特別さへ実感も同質化もできなかった、アノニマスな少女だ。
『僕らではない誰か』の勝ち負けを秋フェスで語り終えてしまったこの物語は、島村卯月を被験者に唐突に(実はありえないほど巧妙に用意周到に)『僕ら』の物語へと変わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
特別であるがゆえに輝くアイドルから、圧倒的に普遍な、当然の挫折と、再起の失敗の物語へと変わる。あるいは戻る。
卯月は自分の語られなかった起源、物語が始まる前の場所に帰還している。胎内回帰願望。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
ここまで心を癒やしてくれた甘いものを持ってきても、照明は圧倒的にくらい。Pちゃんが側に入っても、問題は解決しない。丁寧に丁寧に、これまでの解決法を潰していく描写。
頑張るな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
卯月がいなくても小日向は機能する。かな子がいなくても智絵里は機能する。Somebody take my place ,If I die。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
あらゆる人が経験する『取り返しの付きよう』を実感させられ、卯月はどんどん辛くなる。無用な自分を思い知らされ、それを見てほしくないと。
『しまむーだったら言いそうじゃん』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
未央はやっぱり、卯月の変質/本質を理解できていないわけだが、過去の経験から状況に接近し、理解しようと歩み寄ってくる。その目の良さと活動力は彼女の美点だ。間違いなく。
踊り続ける。鏡に向かい続ける。でもそこに、真実は映らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
『躰が答えを教えてくれる』という表現力の魔法は効かない。
たい焼き。アスタリスクにかかった魔法も効かない。
効かない。島村卯月の問題を乗り越えるためには、既存の魔法では意味が無いことを画面が呪いのように垂れ流し続ける。
Pちゃんがここで状況を伝えるようになってるのは、アイドルを問題を共有できる大人として再認識し、態度を改めた証明なのだろう。Pの成長/変質は常時画面の隅っこで捕えられ続けた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
別の女と歌っていても、どうしても初恋の女の面影が胸の中に踊り狂う渋谷凛という女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
そんな顔のいい女を見つめる常務。クソデカ感情のブラックホールが質量爆裂寸前である。
ここで凛が頭下げるのではなく、TPのがわから送り出す形になってんのは巧いところだ。話が早いし、なおかれんの株も上がる。実際、あの状況で気を使わない子じゃないし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
これまでの魔法は通用しないので、Pちゃん得意の抱え込みパターンをズラし、アイドル自身がアイドル自身の心の襞に切り込み、言葉を使って戦う戦闘が開始される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
未だ至らざる子供二人は、必死に自我を押さえ込み、他人を受け入れる重さに耐える、人間の戦いをしなければいけなくなる。
それはずっとPちゃんや部長やちっひや常務や、ウサミンときの音響スタッフや切子ガラスのオジサンが戦ってきた、ごくごく普通の苛烈な戦場である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
百億の戦いが、アイドル唯一の戦場の外には広がっている。二人はそこに、二人きりで、保護者無しで飛び込む。
ってーのに自分の感情を思いっきりほとばらせ、超むき出しの言語でぶっこんでいく渋谷のパワー勝負な。お前ホントすげーよ。アーティスト以外の生き方出来るかわっかんねー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
ここの光の側と暗闇のグラデーションな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
卯月が苛まれてる『なければならない』という地獄は、本田が初ステージで追い込まれたのと同じだったりする。気が気じゃないな未央。
自分たちが想定してたのを遥かに超えるディープな傷を見せつけられて、本田は対応しきれない。『ちょっと待って』か……。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
その戸惑いを気にもかけず、闇の中にズカズカと踏み入る渋谷。強く正しい。その苛烈さは乗務と似通っていたりする。
自分にかかった魔法の場所に来れば、なにか起こると信じたから、凛はここに卯月を連れてくるしかなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
『逃げないでよ』『嘘の言葉』
凛は自分以外の可能性を配慮できない。トライアドを後押ししてくれた卯月が嘘だったと思いたくない。爆走するエゴイズム。
こっからの独白は声優一世一代よな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
卯月はようやく、世界と自分が切り離されていることに気づいた。満たされた母体から出てきて、自立で呼吸しなきゃいけない世界に出ていくのは怖い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
再出産されるための蠕動が、卯月の世界を閉ざしていく。
自分の世界の話しかしない凛は子供で、泣きじゃくる卯月は赤ん坊で、自分の涙を投げ捨て仮面を被り直し、卯月の領域に入って自分と卯月の話をする未央は、大人になろうと死ぬほど頑張ってる子供だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
その全てがみんな、意味があると思う。
あの時はPちゃんとの手を繋いだ未央の歩み寄りが、凛と卯月
にかかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
それは問題を解決しない。一時しのぎだ。雲は晴れない。星は輝かない。
だが、ここで心のすべてを吐き出し、それでも受け止めてくれる親友がいることを確認できたことは、義務感と無力感でがんじがらめになっていた卯月にとって、一つの足場になる。
・第24話 (放送時の感想 アイドルマスターシンデレラガールズ -2nd Season-:第24話『Barefoot Girl』感想 - イマワノキワ)
待つ。傷が癒やされ、問題が解決され、自力で立つことを待つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
他人は助産できる。切開し薬を投与できる。だが、生まれてくる事自体は赤ん坊にしか出来ない。
卯月は深くて暗い産道を通って、へその緒が首に巻き付いて窒息寸前の状態から、どうにか生まれ直さないといけない。出産性トラウマ。
そして卯月は、光のある場所にようやくやってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
本田の表情変化がヤバい。感情の激発を一瞬飲み込んで、卯月が受け止められる表情を作って、コミュニケーション・ツールを演じる。歴史の教科書に載るくらい立派。
渋谷は卯月の隣に建てない。自分の感情、エゴイズムを制御して、他人と共有可能な仮面を被り直す余裕はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
それがアイドルとしての強みだし、何がどうなろうと否定しようのない個性だ。
『嫌だ!』子供か! 子供だった…子供であることを許す本田が二億兆点を遥かに超えた百点。
『来てくれてありがとう、嬉しい。』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
他人が言えるのなんてそんくらいだが、それを言える本田は偉い。偉すぎる。
その凄さが分かる程度には、渋谷凛も大人ではある。
やっぱ卯月ではなく仲間が寄っていくんだよなココ。自発性ががんじがらめに動けないなって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
ココ、下げたアタマに猫耳付ける所露骨に『戴冠』で、シンデレラモチーフの物語におけるクライマックスを先取りしてる演出よな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
『勝つよ』っていうサインが出てる。
『なんてことない毎日が かけがえないの』と思い返すほど、あの物語は過去になってしまった。少女達は勝手に大人になったのだ。
裸足の莉嘉。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
卯月がレッスン場にいったように、話が終わるこのタイミングで、語られなかった物語開始以前のゼロエリアに立ち入っていく。
卯月がそこに帰還しなければ終わらないのだから、仲間たちは皆自分なりの起源を語り、卯月をそこに導いていく
他人の鏡以外に、自分を写してくれるものはない
卯月は他者の起源を収集していく。なにもないはずの自分と、他人が同じであることを確認しながら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
過去、物語を変えてきた魔法のアイテムがこの歩みに従って収集される。確かに卯月の抱えた問題は非常に特異で、ディープで重たい。だが、特別な英雄たちもまた、悩める凡俗であったのだ。
『なんにもなくなっちゃったね』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
一期で手に入れた『みんなのお城』は暗く空っぽな場所になった。
何も描いてない星も、島村卯月の心理の具現である。
だがそこには、光と星が輝いている。
サクセス・ストーリーの持っている現実主義、個人の心の弱さや襞を見ない常務のやり方は、一期で追いかけた堅実で分かりやすい物語のシャドウだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
それを解体し、再構築し、別角度から照らした物語が卯月を解体したとき、Pはそこからはみ出したものを必死に守ろうとする。変化した物語を肯定する。
星は見えないどころか、手が届くモノとしてそこにあって、個別の願いを文字で書けるものである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
それは卯月が積み上げてきた物語の収集であり、『なんにもない』はずの彼女が世界で一番大切なものを周囲に産んできたことを再確認する作業でもある。
ここで部長だけが常務の弱さや脆さ、失敗に踏み込んで道を示してやるのは、やっぱ弱い気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
同時に、常務に特定のアイドルを専属でつけたり、その心のゆらぎを物語内部に尺を割く余力は一切なかったとも思う。正着はない。
美嘉の底のすり減ったスニーカー、卯月のローファー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
硝子の靴はまったくもって、ピカピカしていない。
雨ばかりが降ってきたシンデレラの世界に、灰かぶり姫を祝福するがごとく雪が降り積もる。奇瑞である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
物語が終わるのだ。
過去に遡り、蓄積してきた物語を再確認していくエピソードの動きに従い、島村卯月は運命の開始点に帰還していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
薄暗い場所の中の光。階段を登っても問題は解決しない。卯月の問題はもう、下に降りて、降りて、降りることでしか解決しない。
地獄めぐり、出産、内的会話。オルペウスは詩を歌う。
ここの扉でど真ん中割ったレイアウトは、総決算だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
卯月は二期の物語に意図的に置いてけぼりにされていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
凡人たる卯月にとって、変化と成長へのダイナミズムは本心から求めるものではない。夢が永遠に続くタナトスの夢、静止した記号論を求めてしまう。
変化できることが英雄の資質ならば、失敗を恐れて踏み込めない卯月は例外的な凡人である。
そしてPもまた、語られなかったオリジンに帰還し、なぜ『笑顔です』と言ったのかを分かりやすい言語で伝える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
失敗を恐れる凡俗の震えを肯定した上で、それを飛び越えた当たり前で特別な光の意味を伝える。
しかしそれだけでは、物語は完結しない。
卯月の笑顔は仮面だった。Pちゃんが頑張って作ったのと同じ仕草だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
それが偽物でも、価値が無いとは言わせない。人間の証明は、震えたまま産声を世界に撒き散らしすことにある。
ようやく階段を登る。前に進む。七歩進んで仏陀は、「世界に我のみ尊い」と叫んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
過去に戻り、地獄を辿り、闇の中で自分を見つめてようやく、島村卯月は自分の根源にたどり着いたのだ。
その悩みは卯月たった一人のための悩みであり、孤独である。そのことは寂しいことではない。苦しみを誰にも理解されないことは、尊厳の根源だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
そしてPちゃんが言うように、人は一人ではない。一人ではないことを無自覚に証明し続けたから、卯月を求める人が観客席を埋め尽くす。
客席にいる卯月ヲタ、心停止寸前だよなこれ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
輝く夢は ピンクの色合いをしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
頑張れ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
舞台袖から卯月の再生を見守る人々の目は、赤子が世界に生まれてくることを期待し、祝福する人々の目に似ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
凡人でも、なんにもなくても、心の奥底に虚無とカルマを抱えて泣きながら生まれたとしても。人は生きるに値する。
常務が現場に出なかった理由がよく分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
少し泣く(アクマ常務爆誕)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
ハイというわけでね、ここまで横幅広くキャラクターの関わり合い、相互作用と上昇の気配を追いかけてきた物語のベクトルを逆進させて、島村卯月の心と過去に深く、深く入っていって帰還する物語でしたね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
ここで最後の変拍子が入ること、それが非常に計画的になされた犯行であるのは、面白いですね。
デレアニは何者でもない少女がアイドルに選ばれ、仕事のやり方を覚え、仲間とユニティを掴み、衝突し失敗し個別の問題に取り組みながら成功へとたどり着く、キャリアメイクのサクセス・ストーリーとして展開してきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
その一つのピークとして、一期の夏フェスがある。シンプルな成功物語です。
二期、常務という舞台装置をエンジンに成功は解体され、ユニットにはヒビが入り、否応なく『みんな』は解体される。生々流転、愛別離苦。それは否定しようのないリアルなカルマであり、キャラクターではなく人間が踊る物語では必然の変化です。おそらく、製作者はそういう場所に話を持っていきたかった
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
成功に落ち着き、永遠に続く物語を人は求める。『こうして、お姫様は王子様とずっと幸せに暮らしました』で終わらせて欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
その物語的ネクローシスを視界に入れた上で、二期の物語はそれをズタズタにかき回し、かき回される変化の肯定的価値、新しい可能性に踏み込んでいく。
生物が代謝し、情報とエネルギーを吸収/放出しながら生きること。静止した物語/環境のなかで永遠を繰り返すことが、本質的に不可能な存在であることにデレアニは肯定的だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
木石のごとく落ち着いた内向きの物語ではなく、外へ外へ、破滅の可能性に足を取られながら進む物語に肯定的だった。
望まぬ変化が起きること。社会/会社と衝突すること。自分たちが信じた正解以外の答えが、百億世界に転がっていること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
それを『敵/味方』で捕えてしまう一般的視座を本田に背負わせつつ、物語は秋フェスの勝ち負けに物分りよく収束していき、常務はクローネという代理闘士を盤面に並べる。
しかし『敵』に取り込まれてしまうことすらも、人生の新しい喜びを生み出す足場であり、対立構造は修羅場を共有した仲間意識と、表現の喜びによって簡単に瓦解してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
常務の理屈を乗り越えるというよりは、そもそもそれが対立していなかったことを確認して、秋フェスは終わる。格付けが終わる。
そして、島村卯月の物語がようやく始まって、終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
ずーっと丁寧にカメラが捉えてきた、『みんな』においていかれる恐怖。変化を肯定できない表情。自己評価の低さ。怯え、震え、泣き声。
それが揺れる世界と歪なパースでグロテスクに画面に出てきて、『もう見て見ぬふり出来ないよ』と告げる。
計画的犯行。全ての存在が第1話の卯月の笑顔で呪いをかけられる(りんと同じように)ことを、サクセス・ストーリーの波風を癒やしてくれる不変の天使であると思い込めることを前提とし、そのために全ての凶器を準備していく手筋は、こうして通しで見てみると鮮明です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
非常に巧妙に、刺しに来ている
作中のキャラクターと同じように、本田と渋谷とPとアイドルたち(世界のすべて)は卯月を心配し、これまで通用したツールで状況解決を図り、丁寧に破綻していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
英雄が変化に踏み込む勇気を手に入れられたのと、何も持ってない凡人が己の虚無と戦う道は違うのだと確認しながら、物語が進む。
どんどんどんどん、これまでの武器が通用しない状況に追い込まれて、アイドルがアイドルと向き合う未踏の状況が生まれて、渋谷は剥き出しのまま、本田は必死に仮面を被って、卯月と向かい合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
どんどん渋谷が追い込んでいって、助けを求める卯月の視線を未央が受け止めて、卯月はようやく仮面を外す
犯行声明。卯月は頑張りますの魔法と笑顔の仮面を撒き散らしながら、ずっと傷ついていて、自分のことが嫌いで、世界のことが怖くて、英雄たちがキラキラしていた未踏の地なんて欲しくなかったことを告白する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
渋谷の子供の無垢さは、確かに嘘を見抜いていた。プリンセスは裸なのだ。傷つきやすい
夢を叶えるお伽噺のど真ん中にいた主役が、そのお伽噺を自分の物語だとはずっと思えていなかったこと。離人感覚と不信感に苛まれていたことを吐き出して、一つの物語が終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
それは、天使の人間宣言といえるかもしれない。
ここまでが下り坂で、346本社に来たシーンで終わっている時点で昇りだ
卯月が凡人である自分と向かい合い、肯定し、震えながら変化する生へと飛び込むまで、24分かかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
しかし『この話は勝つよ』というサインは、常に画面に埋め込まれていて、これまで使ってきた隠微な心理主義を極限的に磨き上げながら、島村卯月の再誕を掘り下げていく。
当たり前の普通の女の子が、当たり前の存在の耐えられない軽さに怯える中で、どうやって己と世界の距離感を再発見し、階段を登って闇から抜け出すか。クローズアップにされた脚が境界線を超えるシーンを作るか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
24話はだいたい、そのことについてしか語っていない。
震えつつ踏み込むこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
抱きしめられること。
己が積み上げてきたものを確認すること。
他者を鏡に自分を見ること。
皆同じ不安を抱え凡人として変化に飛び込んでいたと思い知ること。
起源に立ち返ること。
深く深く闇に入っていくこと。
手を引いてもらうこと。
愛されること。
それが、24話で語られている内容だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
そういう戦い方で、凡人は戦うしかない。あらゆる人が、顔貌性別年齢を変えて『島村卯月』であるあらゆる人が、ひどく普遍的な不安と戦うためには、自己と他者が複雑に絡み合い、支え合う場所の意味を再確認して、あるき直すしか無いと。
島村卯月の震えを追いかけることで、あるいは彼女をよりしろにありふれた地獄を巡らせることで、デレアニは『選ばれた特別なアイドル』の物語を拡張子、『あらゆる人』の物語を獲得する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
それを『アイドルマスターシンデレラガールズのアニメ』でやるべきだったかは、僕にはわからない。
ただやはり、この巧妙に計画された映像犯罪はその端緒も、過程も、結末もあまりに見事で、馥郁として、味わい深い。いいアニメだし、好きなアニメだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
その評価が腰までアイマスに浸かっていない(浸かることが出来ない)外野故の気楽さから生まれているのは、多分間違いがない。
だがその上で。島村卯月の笑顔の仮面と同じように、アニメーションとしてのみこの作品を見てきた僕の嘘っぱちもまた、自分にとって(そしてもしかしたら幸運なことに、この文章を読んでいる誰かにとって)意味のある演技であったと、信じてみたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
来週はエピローグ。凡人達の勝利の凱歌、終局である
ぶっちゃけ、この二話ほどに語ることはない。見返してみると、島村卯月と一緒にデレアニという作品自体が己を見つめ直し、再誕するダイナミズムは圧倒的だ。物語はその熱量では落着できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
多幸感と勝利宣言。その先にある、変化を肯定してきた物語当然の帰結としての、解体と再出発。
そこにしっかりたどり着いて、物語にネクローシスを求める一部の(もしかしたら多くの)人々の顔面を全力で蹴っ飛ばして最後の離陸をキメるこの物語が、やっぱ僕は好きなのだなと、終わりを前にして思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
なんとなくで見た再放送であるが、やっぱりその引力は強大であった。後一話、楽しみだ。
・第25話 (放送時の感想 アイドルマスターシンデレラガールズ 2nd Season:第25話『Cinderella Girls at the Ball』感想 - イマワノキワ)
ハイというわけでね、ついに最終話を迎えたアイドルマスターシンデレラガールズ、アニメ版再放送であります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
クローネとの格付けを終える秋フェス、島村卯月の旅路と期間を経て、常務との対立構造は既に無化されてしまっている。アイドルが『勝った』この状況下で、一体何が描かれるか。行きましょう
靴、時計、花、お城。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
ここまでアニメを彩ったモチーフ勢揃いの豪華な気配が、最終話なんだと教えてくれる。
島村卯月を贄にして、今ナレーションで言った『魔法は本当にあったのか』を問い直すのが、二期後半の展開なのだろうなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
『シンデレラ』をタイトルに背負うことの意味と無意味を問い直さざるを得なかった理由を、高雄統子の性別に見るのは流石にセクシズムが過ぎる。
というわけで、Pちゃんとシンデレラプロジェクトが辿り着いた答えが、この分割ステージである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
高い場所から低い場所へ、クローネと卯月への情、部長の導きで降りてきた常務が最後にPちゃんと対峙し、論を通わせる場所にもなる。
色々あったが、NGsはようやく原点に帰還する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
こっからのステージ描写は実質ファンサービスで、内実としては秋フェスと卯月の闘争で終わっちゃってる感じはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
そこで語りきれてない部分が一個だけあって、それはアイドルとは関係のない、アイドルの外側にいるからこそ『操作』が可能な立場の人たちの言葉だ。
ここでアイドルの外側にカメラを譲り、アイドルを巡る二つの立場を過剰に詩的な言語で語らざるをえない所が、このアニメの自意識であり作法なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
凄く遠くから『アイドルマスターシンデレラガールズ』を見てるタイミングがあるんだよね。客観性というか離人性というか。
コンテンツホルダーとユーザーの対立だと思うんだけどなぁ、この地下での会話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
常務の方の理を、Pちゃんサイドが塗りつぶす形に見えてしまうのは、描写と内実の乖離で痛いところだ、個人的に。
渋谷やアーニャが自分の城に乗り込んできたとき、常務はどう喜んだのか。クローネをどう導いたのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
そこら辺見えて、常務も『人間』なのだと描いていた場合、二期はどう進んだのか。平行線の二つの価値を等価に描けていた場合は。せんない妄想であるが、せざるを得ない。
ただ、さんざん二つの価値観を飛び越え、現場でステージングを積み重ねて体験を作っていく『生の渦』としてアイドルを描いて場面を手放したのは、つくづく妙手だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
あとここで聖人こっひにしっかり卯月から礼を言わせたのは、二億兆点。
かくして物語は、NGsのスタートポイントである城ヶ崎美嘉のステージを再演する形で、しかし自分たちの物語として終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
ここまでたどり着けたことが一つの奇跡であり、それは繰り返されないが幾度も訪れる矛盾として受け止められている。ありふれていて特別。島村卯月を最後に回した意味。
冬ステージが過去シーンのコラージュになったのは、無論アニメーションのカロリーコントロール(の失敗)が理由なのだろうけども、過剰な意味に満ち溢れていたアニメとして、過去の引用は終わるための良い筆だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
語り直す価値がたくさんある過去なのだ。
そしてもう一度雪が降る中、シンデレラプロジェクトとして最後のステージが始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
夏フェスのような欠損も、秋フェスのような対立もない、完璧な舞台。それを手に入れてしまったのなら、物語は終わるしかない。永遠の中で制止するより、不完全な未来に飛び込む道を。
M@gicはホント総括として完璧。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
デレアニの終わり方(に至るまで積み上げた物語)に関して、だいたい言うべきことはこの歌詞の中にあるんで。
『だってシンデレラは頑張り屋でしょ』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
だいたいそういうアニメだった。
夕日のオレンジ。世界が美しく一色に染まる一瞬。その永遠を幻影だと断じて、手を離していく勇気。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
無限に拡大し、世界そのものへと変質していくもう一つの終わりを、デレアニは別の形で語りたかったんじゃないかな、と思う。
再び春が来て、終わっている世界が映される。新しい可能性も。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
そこにたどり着けたのは、この一年間があったから。つながっていたから。
『新たな光に会いに行こう』という言葉を追いかけ、場面場面がジャンプ=切り離されつつつ、繋がるシーン構成はホント美しい。
顔面偏差値の爆弾だなアーニャのこのユニット。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
らんらん、ちょっと怖い系の衣装もやれるようになりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
各アイドルの到達点をコンパクトに語っていくわけだけども、それが全て、個別のエピソードでしっかりたどり着いた場所の要約になってる所が良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
あとお眠杏ちゃんから仕事キッチリ杏ちゃんのコンボは合わせて四億兆点。
姉妹ではなく仕事相手として対等に向かい合えたのが、城ヶ崎莉嘉の到達点なんだろうな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
ペド野郎の入れ食いポイント、川崎ラゾーナ。
やっぱこの、手を離して新しく繋いで、それが可能なのは離した手を繋いでいた思い出、成功体験、愛の記憶があってこそっていう終わり方、凄く好きだな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
ここで物語が、描かれなかった運命のスターティングポイントに帰還し、魔法使いが硝子の靴を握る。綺麗だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
集合シーンの莉嘉の悪ガキっぽい表情が良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
凛と卯月だけをディープ&コアに掘った第1話から、CP、クローネ、新生CPと拡大して、卯月個人に戻って、最後に広がった物の大きさ、手に入れたものの美しさ、白紙であることの意味を確認して終わるエンドシーンは、やっぱ凄く良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
余韻と情がある。
ハイというわけでね、デレアニ25話、そしてシンデレラガールズというアニメーションの再放送が無事終わりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
アイドル自身の物語としては卯月を再びステージの上げるところで語りきっているので、今回は多幸感のあるファンサービスと、彼女たちを取り巻く二軸の対話、終わった後の風景を描くと
25話はやっぱ後半15分のモチーフの受け渡し、変化の見せ方と総論、画面を彩る華やかなフェティッシュが図抜けて凄くて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
あそこの華麗なるポエジーにゆったり尺を取ったことで、別れていく寂しさよりも広がっていく喜びを狙い通り伝えられるよう、映像が組み上げられています。
それが余韻として機能するのは、やっぱり一期でCPのサクセス・ストーリーを一旦頂点に押し上げ、二期で常務を仮想敵にその成功を解体し、別角度からキャラクターの強さと弱さを掘り下げた上で、対立構造自体を無化して島村卯月個人の弱さに帰還する、物語のBPMコントロールあってのことでしょう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
こうして再放送を見て、欲望の赴くままに書き連ねてみますと、実は当時の感想とそこまで差はなかったりします。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
人間一人が物語を受容できるレセプターは二年程度の時間でそうそう変化するものでなく、初見で気になるところ、見逃せない所は簡単には変化しない、ということでしょう。
しかし通しで見たことで、物語を貫通する巧妙な計画と、そこからこぼれたミスを見つけ、犯行のアラ引っくるめていかにしてシンデレラが生まれ、殺され、新たな姿で再生したかを確認できたのは、なかなか楽しい経験でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
アンチ・シンデレラストーリーを通じて、シンデレラストーリーを再話する形。
島村卯月の危うさを第1話冒頭から仕込んでいることから見ても、非常に計画的・批評的に組み上げられたシリーズであるのは間違いがなく、視聴者のリアクションを操って、意図的に作った死角から殴ることでショックを上げる構成の巧みさは、通しで見ることで再確認した強みです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
一期までは犯行計画にほぼ漏れはなくて、花・靴・裸足・境界線・扉・天候・水・反射などのフェティッシュを繰り返し使って、映像詩学の辞書を視聴者に共有させていく積み重ねも、相当に巧妙かつパワフルです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
モチーフの選び方、ライティングと撮影が綺麗なまま破綻しないんだよね。そこが強い。
七話までをNGsの歩みに贅沢に使って、顔も名前もなかった少女が魔法使い≒王子に見初められ、お城に入り、舞踏会に浮かれて失敗し、歩き直すというサクセスストーリーを書ききる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
それをひな形に、各ユニット単位でキャラを掘って、合宿で総括させ、夏フェスでもう一回起伏をつけてサクセスする。
『シンデレラストーリー』としては一期まででの話数で実は終わってしまっていて、時計は12時にたどり着いてしまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
しかしそこで、『硝子の靴を脱がされたシンデレラは、ただ座って王子様の判別を待っていれば良いのか』という疑問点が、作品内に混入してくる。
意地悪な義母であり、悪い魔法使いであり、『女』である常務がシンデレラのお城をぶっ壊して、リストラクションをするのは、『男』の助言者と共犯関係にあった少女達を開放し、ゼロから自由な選択をさせるためだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
そういう女性学的な読みも、二期には可能かな、と思っています。
無論アイドルたちは自力と己の欲望、個性に基づいてアイドルになり、アイドルであり続けようとしているのであり、『男』であるPもまた、車輪から魔法使いへ、一人間へとアイドルの物語の端っこで変化生成し続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
男女の別を敵味方の判別装置にしなかったことは、デレアニの良いとこだと思います
心地よく視聴者を天井に引っ張った夏フェスの快楽に、わざわざ水をぶっかけてでも解体し、再構築したかったもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
それは自分たちが掘り下げたキャラ記号のさらに裏にある脆さや危うさであり、語り得なかった関係性であり、新たなキャラと交じることで生まれる可能性であったのでしょう。
既存の構造を反復し、あるいは『想像だにし得なかった必然』として再話しつつ、一期は心地よく進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
そこに安住せず、時に自己批判的にキャラクターを語り直す二期の筆は、ストイックで強靭です。一期と真逆のことをやっているように見えて、それを支えているのは同じ作品の特色、強みなわけです。
常務はその破壊/再構築を生み出す舞台装置として扱われつつ、PとCPが肯定する『個性主義・自己実現としてのアイドル活動』へのアンチテーゼを背負うキャラクターとしても、存在していました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
アイドルは経済主体であり、見上げるべき星であり続けるべきだ、という主張。
それはしっかりカメラを据え、その主張と心中する『影のCP』を配置して掘り下げなければ、CPのアンチテーゼとして機能しない(つまりは融和しジンテーゼにもならない)たぐいの問題だったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
そして『アイドルマスターシンデレラガールズ』は、アイドルならざる常務にそれを許さなかった
最終話でアイドルの舞台ではなく、その地下を支える魔法使いたちの対話が非常に詩的な言語で語られるのは、いろいろあってやれなかったテーゼ討論をどうしても最終話、ねじ込まざるを得なかったエゴイズムだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
そしてそのエゴが、(渋谷凛がそうだったように)話を躍動させていたとも。
『アイドルマスターシンデレラガールズ』という、既に存在している外形化された箱。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
そこに依拠しつつ、ツールとして使いつつ、一作品としての『アイドルマスターシンデレラガールズ』はシンデレラ・ストーリーの半歩先へと、計画的に己を進めてきました。
一期のサクセス、二期の対立構造と秋フェスでの勝利。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
キャリアメイクの話を重層的に展開してきた物語は、最後の最後で島村卯月個人の、非常に普遍的な不安へと潜っていく。
計画的に、『しまむーは天使なんだ』と思えるように物語と仕草を積み上げた上で、『天使は人間なんだ』と足払いを食らわす。
作中最大の価値であるかのように、意識して錯覚を積み上げてきた『仕事』『勝ち負け』より、卯月の泣き顔のほうが痛いだろう、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
一己の人間こそが全ての根本であり、英雄的成長から取り残されてなお、特別になりたいと願う凡人の迷妄と救済を最後に持ってくることで、物語は円環を描く。
『特別な誰か』の物語から、『ありふれたアナタ』へと足場を変えていく物語は、はたしてアイドルの物語であり、シンデレラガールズの物語であったのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
コンテンツが持っている『色』みたいなものを暴力的に塗り替える作家性が『アイドルマスターシンデレラガールズのアニメ』にはあったのではないか
そういう疑念が、全て見終わった今僕の胸にあります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
それは最終話、どうしても常務とPに対話をさせ、物語を貫いていた構図とその行き先を『解説』しなければ気がすまなかったスタンスにも、現れていると思う。
興奮のピークをラストライブに持ってくるのは、多分可能だったと思うし。
『憎らしい敵』とも『もう一つの正義』とも描ききれなかった常務が背負っていた役割を台詞(しかも過剰に詩的な)で語らなければ、己の物語を語りきれない、という認識があったからこそ、最終話はああ言う形になっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
私は二つの正義がうねり、混ざり、新たな光に会いに行く扉を開く物語なのだと
しかし僕としては、物語で使われていた尺と快楽のバランスからして、乗務とクローネが背負うはずだった『理』は、CPの『理』を侵食し混濁するというよりは、一方的に塗り上げられた感じも受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
Pちゃんは乗務的な経済感覚を、第2期シンデレラガールズ相手に持てるのか? という疑念があります
そこはやはり、シンデレラを殺しシンデレラを生み直す巨大な犯罪計画に空いた穴であり、脆さでもあるでしょう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
だがしかし、それが全てを瓦解させるかと言えば、答えはNOです。いいアニメだったし、よく出来ていた。僕との波長も良かったけども、客観的に見ても優れた表現力と熱量があった。
こうして再放送を見通し、リアルタイムで感想を書き連ねてみて思うのは、『やっぱ俺このアニメ好きだわ』という当たり前の感想であり、どこがどう好きだったか、何を期待し何が未達だったかを再確認できた喜びです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
このリアルタイム感想、やってよかったなと思います。
あらゆる存在と手をつなぎ、全てを融和しながら永遠になっていく一つの終わり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
手を繋いだからこそ離れても繋がるものがあり、離れたからこそ生まれる新たな可能性があり、そこに新たに飛び込んでいく終わり。
永遠と一瞬、静止と再生を猛烈に睨みつけつつ、後者を取ったエピローグを、僕は支持する
とても良い終わり方にたどり着くために、必要な要素を数え上げ、並び上げ、心に突き刺さる形に磨き上げ、適切に配置する手腕、視聴者を手のひらに載せる犯罪計画を積み上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
終わりから逆算して視ることで、その巧みさ、統一性に驚かされもしました。卯月周りはホント巧妙、性格が悪すぎる。
そういう残忍な犯行計画をドラマとして飲み込めたのは、やっぱキャラクターとコンテンツ、ファン含めたそれを取り巻く状況への愛と熱が、映像から漏れていたからだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
頭がおかしくなるくらいアイマスのこと考えないと、やっぱこのアニメ作れないと思うよ。
感想を見返してみると、やっぱ視聴者は個人の関心をフィルターにして作品見るんだなぁ、とつくづく思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
僕なら童話、関係性、モティーフ、詩学、女性と権力、カテゴリー論あたりを足場に、デレアニを解体咀嚼していた/いるなぁと。それは簡単には捨てられない個性なのでしょう。
そういうことを再確認させてもらって、『やっぱ良く出来てるなぁ』『ああ、俺このアニメ好きだなぁ』ということも蘇らせられる、良い視聴体験でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
多分デレアニ、ずっと好きなんだろうなぁ。約二週間のお目汚しとなりましたが、TL占拠ご無礼。お付き合い、ありがとうございました。