ボールルームへようこそ を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
お相手に出会ったようでいて、男勝りのじゃじゃ馬はなかなか乗りこなせない。悩める多々良が転がる運命に巻き込まれて…というエピソード。
悠木碧が好演する明の存在感と腕力が展開を牽引して、カップルの歪さが白日のもとに晒されるまで一気に進んだ。
自己主張の弱いボーイと、自分が強すぎて素直になれないガール。ちーちゃんと多々良二人に任せていると状況は進展しないわけだが、ここで新キャラ投入、超重量級感情弾頭・甲本明である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
臆病で優しい多々良が踏み込めない領域にガンッガン踏み込み、煽って舞台に乗せる。エースを乗せたサカズキかよ
まぁここでグダグダすれ違いしてても話転がらないので、明は非常にいい仕事をした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
しかし明が煽っているミスマッチは、多々良も内心感じていること。人目を気にしてばかりいた博愛主義者だって、胸の中では千夏の身勝手さに苛つき、腹を立てているのだ。
そういう意味でも、明は二人の代弁者である
他人を立て、尊敬し、よく見てコピーする。多々良のダンスはここまでずっとそれで来て、それに刺激を受けた人も、救われた人もいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
のだが、それが多々良の全てではない。物分りよく『見られる』だけでなく、『見てもらう』ことへの欲望がダンスへの強力な誘引だったことを、僕は忘れていない。
背筋がピッと伸びて、顧客のボディランゲッジを的確に読み、さり気なく最適なポジションに移動する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
背中の曲がっていた少年はすっかりダンサーの目と体捌きを手に入れているのに、リーダーとしての自己主張、『見られたい』という本心をむき出しにする勇気はない。
そんな多々良が現状唯一、感情をむき出しに出来る相手がちーちゃんである。リードの下手な男と、フォローが苦手な女役。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
露骨に婚姻届なカップル手続きが皮肉な笑いを作るが、多々良が秘めている自分は、そんな最悪のパートナー相手にしか顔を出さない。それって、良いことじゃん、というね。
明の挑発に乗っかって結成された当てつけカップルは、ダンスの正道、ありのままの自分を旋律に乗せて表現する本道を無視し、非常に歪な形で踊りきる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
その場しのぎの危うさを、マリサ先生だけは見抜いている。甲斐田さんの声がエロくてエロくて死にそうになるなホント。
二人のギクシャクした運命は回り始めたが、その先は圧倒的に前途多難だ。男を信じられないちーちゃんの潔癖症と、引っ込めすぎて見えなくなった多々良の我を快復させて、それを噛み合わせ、ダンス競技のルールに則って表現する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
テクニックとフィジカル、メンタル全部を作り直すことになる。
でもその凸凹道の中で、多々良の目の良さや真摯さ、ちーちゃんのフィジカルと負けん気の強さは、強力な武器になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
違う自分に変わっていくとしても、これまでの自分が死ぬわけじゃない。その発露の仕方が変わり、新しい武器になるだけだ。
そういう可能性も、マリサ先生は見抜いている。
明は話を転がす舞台装置というだけではなく、ちーちゃんの心に深く食い込み、自分も食い込まれているクッソ面倒くさい女だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
当てつけに元カノを煽りに来てるやな女…と見せかけ、初めてのドレス姿には無防備に『可愛い』って言っちゃうし、自分が引き出せなかった可能性を生んだ多々良には嫉妬する。
明がちーちゃんに抱く感情は凄まじく複雑な色合いをしていて重たく、魅力的だ。アニメがそこまでやってくれるかは分からないが、只の便利なツールではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
そしてその片鱗を、作画も演技もBGMのチョイスとタイミングも、見事に暗喩してくれた。目を引きつけられる引力のあるデビューだ。
骨が太く、ハンサムで、背筋が直線的に伸びたちーちゃんに対し、明はとにかく丸っこく、柔らかで、『女』である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
フォローが苦手な女の前に立ちふさがる、典型的な『女』…というシンプルな構図を描くには、もうこの段階で感情の総量と色彩がデカすぎるが。
しかしこの対比は面白い。
明が隣りにいたからこそ、ちーちゃんは『女』の仕草を学習できず、する必要もなかった。そのことが、多々良とのギクシャクを産んでもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
明は状況が転がる動因であると同時に、状況がこうもややこしくなっている起因でもあるのだ。面白い。完全に元カノVS今カノの愛憎劇である。
そしてちーちゃんにとっても、明の存在はデカい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
煽られて即座にカップル結成してしまうくらい、何らかの感情を揺り動かしたくなる相手なのだ。別れていがみ合っているように見えて、感情の線がつながっている。
愛の反対が無関心なら、憎悪は興味と結びついているわけだ。
明が背中を押した状況が向かう先は、なかなかに面白い(ことを、僕は既に知ってしまっている)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
今週は勝利をかっさらうだけだった正美ちゃんが、来週はその存在感を思いっきりアピールしてくる。それもまた大きな刺激となり、多々良のダンス人生は激しく弾み、新しい道へ転がっていく。
一期がストレートでポジティブな感情と成長の物語だとすると、二期は反発といらだちをたっぷり塗り込めた、人生悲喜劇の根性物語だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
大声でいがみ合いながら、ダンス・パートナーたちは本性を剥き出しにし、新しい自分、新しい可能性と出会っていく。
喧嘩するほど仲がいい、あるいは怪我の功名。
そういう物語のスタートを告げる、スラップスティックで勢いのあるエピソードでした。あ、アニメになった峰さんは強面真摯で非常にグッドナイスでしたね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月10日
明はマジ好きなキャラなので、精神的にも肉感的にも重さたっぷりで描いてくれて素晴らしかったなぁ…いかにも『女』なことが重要なのだ、あの子