Infini-T Forceを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
かくして冒険は終わり、日常が始まる。
先週終わらせた決戦の先にある未来を、一話かけてじっくり描くお話。ここまでの物語で笑が獲得したもの、取り戻したもの、物語それ自体を、余韻たっぷりに確認するエピローグ。
んーむ、映画へのヒキ含めて大満足。いいアニメだった…。
というわけで、どっしり時間を使ったエピローグでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
まず笑が取り戻した日常を見せて、第1話の荒んだ生活との対比で獲得したものを確認して、時間を戻して最後の非日常という流れが、ベタ足ながらもナイス。
僕はこのアニメの日常描写がとても好きだったので、最後にタップリ味わえて嬉しかった。
この話はケツだけは良いクソアマが、ジテゃキツめのネグレクトを受けたベイビーちゃんであることを思い出し、気持ちのいい連中の助けを借りて素直な人格を思い出すまでの、人間的成長物語でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
その普遍性が、ヒロイズムやアクションの乗っかる土台なわけで、そこに帰還して終わるのが良い。
パパとの約束や思い出、ヒーローとの日々を糧にして、笑は自分と他人を大事にしながら、丁寧に生きていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
食事を整え、掃除をこなし、エグい部屋着もちゃんと肌を覆うものに。衣食住の変化で生活レベルの、それを生み出す心理の変化を描く筆は、最後になっても冴えている。
笑はベイビーちゃんな心に反して、過剰にセクシーな衣装をまとっていた。それは自暴自棄な心の反映であり、大人ぶることで自分が『捨てられた子供』でしかない事実から目をそらす迷彩でもあったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
戦いの果てに、笑は暖かく尖っていない、『普通の衣装』を着込む。それが彼女のコスチュームだ
どっしり流れる日常シーンが感慨深いのは、序盤のクソアマっぷりとの対比、文句言いつつもいい感じだったヒーローとの共同生活が、随所にあふれていたおかげだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
英雄は去っても、その思い出は残る。パパとの約束を律儀に守る笑の生き方に、そういうことを思わされる。
そして大事な『あの後どうなったか』のシーン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
健が余裕でスーパーヒーロー着地キメたのには『ハメられた！』と叫んだが、まぁそりゃ死なないわ火の鳥だもの。犠牲無しでも、輝く未来は創れるというアニメだったしね。
それでもハラハラしながら一週間待てたんだから、ヒキの強さ凄いねこのアニメ。
笑を中心に世界が再生していくシーンは、スペクタクルに満ちた良い映像だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
前半日常をしっとり流しておいて、後半ド派手な世界再生神話を見せてくるメリハリ、凄くグッドです。時系列入れ替えて、興奮のピークを後ろに持ってくるのは巧いやね。
あのシーンは笑の英雄譚、そのクライマックスなわけですが、第1話サブタイ『ISOLATED FLOWER（≒自暴自棄な高嶺の花だった笑）』を回収し、青い花をその象徴に使ったのは凄く綺麗でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
更に言うと、キャシャーンSinsの名OP”青い花”にもかかっているのかッ！！（マニア特有の過剰な文脈読み）
『お前が、お前の世界のヒーローなんだ』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
このニヒルなご時世に、ベタ足でド熱血なテーマを殴り込む。
そのダイレクトさがIFTの気持ちよさだったと思うのですが、それを〆るシーンでもちゃんと物語の意味、受け取ってほしいメッセージをちゃんと言葉にしていたのは、凄く良かったです。
英雄が理不尽に傷つき、それでも戦う姿を彼らの物語で完結させず、道に迷う子供に伝える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
笑（と彼女の背後にいる僕ら）に、体を張ってメッセージを伝えることを照れないスタンスは、タツノコヒーローがかつて放送されていた時と共通していると思います。
アクションもドラマも、新しい表現も、物語内部でしっかり完結するよう、妥協なく追求する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
その上で物語に淫するのではなく、それを見ている生身の視聴者、答えを見つけられない子供（と全ての人）に、胸を張ってアンサーを返すパワフルな姿勢。
それは、何億回やっても光り輝くヒロイズムだ、と。
最後まで堂々と言い切ってくれたこのアニメは、単純なノスタルジーでもリバイバルでもなく、作品の真意を継承する立派な最新作だったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
真実はありふれてるからこそ価値があって、でもだからこそくすんで行ってしまう。だから、真新しい表現とキャラ、物語で幾度も語り直す必要と必然がある
笑が12話かけてたどり着いたヒロイズムをしっかり褒め称え、自分たちの戦いに帰還していくレジェンドたちを見て、『リバイバル』の真の意味が、ストンと胸に落ちた気がしました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
現在は過去に支えられていて、過去は未来を照らす光なんだなぁ…。
圧縮率高めに進めた結果、お別れのシーンが駆け足ではなく、これまでの情感をタップリ込めて展開できたのも、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
覚めた現代っ子だった笑が、自分の人生を大事に歩き、それを足場に他人にも優しく出来るようになったのは、あの気持ちのいい連中との出会いがあればこそ。
だからこそ別れには哀しみが付きまとうし、それを振り切って別れていく意味もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
色んな物を思い出せる離別で、とっても良かったと思います。最後に笑の戦いを褒めて去っていく所、凄くこの作品っぽいなぁと思う。過去を踏まえての、現代へのポジティブな視線というか。
かーらーの！
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
笑ちゃんをぶっ殺しにかかる世界の補正はやっぱキツくて、このままじゃ死んじゃう！ って展開からあっという間のガッチャマン・カンバック！ そして映画へ…。
終わったと思ったら新しい冒険が始まるの、”YAIBA”最終回っぽくていいですよね。（オッサンの感想）
『尖ってニヒルな大人の自分』を演じることで自分を守ってた笑は、第1話では死をゲームにして、かっちょいいバイクに乗ってました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
それが今回、身の丈にあったベスパでラッタッタと進み、死が弱者を噛み砕こうとした時、体を張って守る。何も出来ないと言いつつ、ヒロイズムはそこにある。
『死んでもいいや』と思っていた彼女が、『死にたくない』と思えるまでの、遠くて短い心の距離が縮まり、空っぽの題目だったヒロイズムが自分のものになったのだと、シチュエーションを重ねることで見せるのは、好きな演出ですねやっぱ。リフレイン大好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
『何かをしたい』という希望に満ち溢れつつ、『何をするか』は見えない所にまとめてるのも好きで。それを見つけていく物語は、映画を含めた『この後』、自由に描いていくものなのでしょう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
レジェンドに助けられた笑が、今度はレジェンドを助ける側になるのも好きだなぁ…映画超楽しみ。
というわけで、Infini-T Force完結しました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
映画に続けつつ、笑という少女が自分を見つけるまでの物語、彼女の周辺で起こった異常で、でも普遍的な事件の決着は、アニメ内部で十二分にまとめてくれる、良い終わりでした。
はー…まじ良いアニメだったなぁ。
良い所は色々あるんですが、過去作の魂をしっかり引き継ぎ、なおかつ笑という『大人を演じる子供』が『子供である自分』『新たなヒーロー』になるまでの歩みを、しっかりと描いたのがとにかく良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
形だけ過去をなぞるのではなく、そのエッセンスで自分の物語をちゃんと書く、という。
既に自分の物語を終えた『大人』が本気で支えることで、面倒くせー笑の歩みも安定感を手に入れていたし、その過程でレジェンドたちの物語がどんなものだったか、もう一回問い直すことも出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
現在の物語と過去の伝説が共鳴して、凄く骨の太いアニメを展開してくれました。
それが可能になるのは、各キャラクターが魅力的だったから。アクターをしっかり入れた精気のある芝居で、『いそうな感じ』を画面に宿しくれました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
キャラの個性の配置の仕方、物語内部での仕事の分配も、悪役含めとても良かった。それぞれがそれぞれを照らすポジションを、しっかり取っていました。
3Dという新しい表現に挑戦した意義も、随所に満ちていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
毎回工夫をこらしたアクションとカメラワークも良かったし、ややバタ臭いモデルも、濃口正統派の物語をしっかり支える腰の強さがありました。
つーか元々、吉田竜夫のデザインむっちゃ脂っこいしそこが魅力なわけで、原点回帰と言えるのでは。
過去作へのリスペクトも随所に溢れ、使用法も的確でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
レジェンドが歩んだ道のりを無視するわけではなく、むしろ現在に繋がる大事な過去として、新しい補助線を引いていくような、クレバーな引用でした。
そういう形で過去が生きるのも、現在の物語が太いから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
多元世界を全てを巻き込む壮大な設定と、一少女とその父の心の物語をしっかり絡ませ、レジェンドたちとの出会いで変化していく状況を、丁寧に描いてくれました。
ああいう生活感があるから、デカいネタもちゃんと食えるわけですよ。
そういう構図の話だけではなく、キャラが一箇所に集い仲間に、家族になっていく様子には血が通っていて、見ていてとにかく愛おしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
衣食住を的確に使って、積み上げられる日常と感情をしっかり視聴者に伝えられたことが、作品への愛着とテーマへの理解に繋がっていたと思います。
最初マジクソアマだった笑も、ジワジワ日常を共有するうちにその内面が見て取れ、愛着が生まれてきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
とっつきにくいニヒルな主人公をあえて設定し、その変化がヒロイズムの深層を浮き彫りにする構造にしたのは、凄く巧かった。現代的でもあったと思う。
アツいシチュエーション、ド直球のテーマから一切逃げず、むしろ堂々と渡り合ったことも、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
本当のことを言うのは恥ずかしいから、ついついヒネた道に逃げちゃいがちなんですが、そこでしっかり受け止め、なおかつ自分なりに嘘のないアンサーに仕上げるのは、本当に凄い。
四人のレジェンドでもケンを特権化し、『昭和のオッサン』である彼と笑が繋がっていく過程を暖かく見せたのも、素晴らしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
ホッコリするだけでなく、オールドスクールな正義が現代でどう生きるか、彼らの魂の交流を通じてテーマが浮き彫りになるところが、とてもクレバー。
事程左様に、感情のドラマとテーマの構造が巧く絡み合い、お互いを引き立てるアニメだったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
シンプルにドラマとキャラを愉しむこと、彼らが背負うメッセージを読み取ること。両方がガッチリタッグを組んで、強く脳髄を叩いてくるアニメに、ちゃんとなってました。
今この時代に、古い真実を問う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月26日
なかなか難しいネタに正面から取り組み、過去へのリスペクトと新たな表現、自分だけの物語を携えて語り切る。
そういう欲張りな奇跡を、しっかり形にして届けてくれるアニメでした。工夫と感情に満ち満ちた、良いアニメだった。ありがとうございました！
