宇宙よりも遠い場所を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
隠して動き出した女たちの運命!
思ってたよりアホアホ人間だった報瀬ちゃんを推進力に、バイト見つけたり新しい仲間が出来たり歌舞伎町猛ダッシュだったり、青春は常に躍動するッ!!
テンポと勢いのある元気な展開の中に、しっとりとした象徴性が活きる回。
というわけで、よりもい第2話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
女と女が出会っちまった衝撃を、豊かな詩情で描ききった第1話を受けて、更に発展させていくエピソードとなった。
ミステリアスだからこそ引き込まれた報瀬ちゃんの、人間臭いアホアホ力をコレでもか! と積んでくる展開が、賑やか楽しくて良い。
宇宙よりも遠い『南極』という異界。その不思議さがキマリと視聴者を引き込んでいるわけだが、遠いだけでは地面に足がつかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
フワッとした憧れを推進力に使いつつ、地道な銭金稼ぎとか、アホアホダメダメなバカ高校生のバカっぽさとか、作品に重力を産んで地面に縫い止めるシーンが今回多い。
水商売の中身を知らず、ススーっと引き寄せられてしまうバカさ、ピュアさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
それはキマリだけではなく報瀬ちゃんにも共通で、『南極』を背負う謎の女はあっという間に、アホバカ主人公と同じレベルまでスーッと降りてくる。笑いにまぎれて、キャラの印象を操作する筆が緻密で巧い。
今回の爆走トーンを見ていれば判るように、このアニメ多分『南極』に辿り着くか否かは、そこまで重要ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
『南極』を目指して、足元がおぼつかないまま突っ走る少女たちのエネルギーと想い、それが輝かせる青春それ自体が主役のアニメだろう。
報瀬は遠い場所で輝くのではなく、一緒に戦う仲間だ
なので、すまし顔で低能な部分を嫌味なく見せ、報瀬もまた青春の主体であり、未完成な輝きを放つ原石であると見せる必要がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
なので、今回はアホバカな部分多めでコメディ調に、と。最後の隊長解任でストンと収まる作りが、非常に考え抜かれている。
とは言え、キマリと報瀬はタイプの違うバカである。臆病で前に踏み出せないキマリの気質は第1話でも強調されていたが、今回もそれがリフレインする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
キマリは点滅する信号を前に足踏みしてしまう女であり、報瀬は荒波を超えて先に行ってしまう女なのだ。
しかし二人の道は運命的に繋がっていて、赤信号の先で報瀬はキマリを待っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
感情やドラマを象徴が後追いするこのアニメらしい表現で、あの信号のシーンはとても良かった。それぞれ別々の魂を持っていても、それは惹かれ合い必ず出会うのだ。
運命力を叙情的に描けるのは強いなぁ、やっぱ。
そういうエモさと、『夢のためにはまずゼニカネ』という生臭さ、地道なアルバイト探しの地道さ、ドタバタ騒がしい青春の賑やかな楽しさが多彩に入り混じっていて、凄く良い味わいである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
『ガハハ、アホやな!』と一笑いした後、必ず何か発見があるよう仕込まれている。粗雑さと緻密さの幸運な同居。
あまりにもアホバカな前髪パッツン南極チームに笑いつつ、『ダイジョブなん?』と思った感情を、前半はめぐみちゃん、後半は日向ちゃんが補助していくのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
W知性派が要所を締めてくれるからこそ、アホバカ人間の大騒動も安心して笑いに変わるのだ。
キマリが感じた青春の躍動に、めぐみちゃんは飛び込まない。でも、マブが本気で追い求める熱意に感じ入り、積極的に手助けはしてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
『南極』にかかわらない彼女の冷静さと優しさがあることで、作品の世界が広がってる感じがあって、僕はとても好きだ。今後もちまちま顔を出して欲しい。
一方、『南極』の輝きを放散するアホバカ二人に魅せられ、フッドになった日向ちゃん。前髪パッツン祭りだよオイ…四人目も黒髪前髪パッツンっぽいし…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
集団行動に馴染めないアウトサイダーながら、自分の道をしっかり見定めた知性派であり、ノリ重視のようで落ち着いて周囲を見ている、面白いキャラ
ずさんな南極行計画に振り回される高校生と、先を見据えた人生を選び取っている中卒。ガワと内実が食い違う面白さが、日向がチームに入ることで生まれる『何か』への期待を、丁寧に煽ってくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
『いや、ほんとあの二人アホバカ過ぎるから、参謀役ぜってぇ必要だって』て思わせてから入れる。巧い。
日向のクレバーな表情と思い切りの良さは、直接台詞で言葉にもされるし、それを描写が追いかけもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
集団に馴染めないカルマを口にするシーンで、彼女の背中に広がるゴチャゴチャとした棚。それを置き去りにして広がる光は、『南極』を語る少女の青春の輝きだ。
引っ込み思案なキマリの懐に、意識してスッと入って仲良くなり、いい感じの距離をもぎ取ってしまえるコミュ力。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
バイトで遭遇したときのちょっとカタい反応から、マブな空気が生まれてくるまでを手早く、しかし丁寧に切り取る筆が、関係性が生まれる瞬間をしっかり魅せてくれる。最高。
『この女はこういうやつなんですぅゥゥ!』と早口濃口で叩きつけて、数多の光が交錯するホームへ向かう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
この途中で改札を通る時、『Suicaの残高』で抜け目なくキャラの計画性を対比させるところとか、いしづか演出真骨頂って感じだった。
日向はタップリ用意してて、キマリは残金ギリギリなのだ。
過去と現在、停滞していた時間と走り出した夢が交錯する告白を、『電車』で表すシーンも非常に良かった。第1話でキマリの『停滞』を印象づけていた場を、今度は日向の『決意』のキャンバスに使う多様性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
コメディ回なのにエモさの精度が凄くて、色んな方向から感情グチャグチャにしてくるアニメである
かくして新たなフッドを手に入れた青春南極探検隊であるが、まず向かったのは歌舞伎町である。…極東最大の歓楽街と、『南極』にどういう関係が?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
そういうミスマッチで首をひねらせておいて、ギラギラした活力のある『街』を異常な精度でスケッチして、腕力で引き込んでくるギャップが好き。
無茶苦茶だけどパワーがあって、何かが起きそうな予感に満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
夜の歌舞伎町とアホバカ三人組の未来は、見事にシンクロしている。だから、二人が三人になった祝祭の舞台に選ばれたのであろう。
猥雑で、方向性がなく、混沌としていて魅力的。少女たちの疾走は、『街』の喧騒と同じ匂いがする。
このうわっついた空気の中で、いろんなものが再確認される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
報瀬のアホバカ力。
三人が三人でいることのムテキ感。
意味もなく駆け出していく心の危うさと躍動。
『南極』と出会い、仲間と出会って動き出した青春は、おしとやかに止まってなんていられない。良い作画で走る、走る、疾走るのだ。
歌舞伎町大疾走はロケハン力と作画力で、彼女らの胸に宿る『今』をドガンと伝えてくる、とても良いシーンだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
あの無茶苦茶な歩み、カオスの只中を駆け抜けていくアッパーテンションな気持ちよさが、この亜に目を引っ張っていくエンジンなのだと、肌で判る見せ場だ。2話でコレ、強いなぁ。
そういうぶっ飛びを描きつつ、『南極』が保たなきゃいけないシビアさ、現実感に引き戻す動きを必ず入れるのも、このアニメの特徴だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
女子高生のド素人走りに対比されるように、現役調査員の疾走は着実で早い。息一つ乱さないタフさが、『南極に行く』という行為の重さ、主役の至らなさを強調する。
キマリ達にとって、『南極』はあくまで遠いイマージュだ。だからこそ、青春が躍動する理由にもなる遠い光だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
しかし大人たちにとって、そして現実に存在する場所として、『南極』はリアルでシビアな手触りがあるし、なきゃいけない。その最たるものとして、小淵沢貴子の『死』がある。
それを接点に、ゆめを見ない大人もまた『南極』に想いを宿しているのだとちゃんと見せたのも、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
無意味でカオスな疾走の季節は終わっても、譲れないモノがある。それが浮かれポンチ女子高生と大人とを繋ぐ道糸になっていて、今後二つの世代が交わる未来への期待にも繋がる。
どんだけ祝祭的な全力疾走をしても、『南極』は夢だけでは辿り着けない遠い場所だ。そのシビアさとリアルさがあればこそ、アホバカ人間たちが『何か』を追い求めて青春を走り抜ける歩みが重力を手に入れ、視聴者に身近なモノにもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
ここら辺のバランス感覚は、このアニメ凄く良い。
一話であれだけ大騒ぎのネタにしていた『しゃくまんえん』は、大人にとっては端金…ってわけじゃないが、全てを解決する魔法でもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
ゼニの生臭さを巧く織り交ぜ、キャラの見ている世界の違い、『南極』を捉える視差表現に活かしてきたのは巧いなぁ。
印象的なアイテムだしね、『しゃくまんえん』
少女たちの浅はかな疾走は、そうそう簡単には現実を変えない。ただそれは異常に元気で楽しくて、『何か』が起きそうな予感に満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
キャラクターが目指す天の高さと、地の豊かさをしっかり描く歌舞伎町ランであった。詰め込んでるのにテンポが良くて、窮屈さより勢いを感じるエピソードだった。
特別なイベントを共有することで縮まった距離を、人気のない電車のボックス席で見せるエピローグも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
報瀬がクールぶったアホバカ人間であることはようよう分かったので、知性派日向が舵を取る儀式をやってたのは、色んな意味で安心だ。ほんと危なっかしいよあの女達…だから目が話せないんだが。
『こいつはこういう奴で、だからこうなります』っていうお話の流れを、描写の楽しさと勢い、そこに埋め込んだ詩情で無理なく食わせ、大きな筋立てとキャラの関係性(変化)を飲み込ませる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
物語がやるべき操作を非常にスマートにやっていて、熱量も一切死なない所が、ホント凄いなぁと思います。
第1話でキマリを『南極』に引き込んだ報瀬だけど、その印象よりはバカで無計画で、等身大の高校生。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
だからその地金をこれでもか見せて、『あ、こいつがトップじゃダメだ』と思わせておいて、参謀役の日向を置く。彼女の知性も、さり気なく会話の中で見せていく。
アホバカ暴走特急のスタンピードにガハハと笑いつつ、そういう印象が染み込んだ所で『楽しい青春の儀式』として隊長解任式をやって、正式に報瀬を先頭から下ろす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
『南極』を背負うミステリアスな女から、『南極』を目指す仲間の一人に丁寧に格下げする。
すごーく巧妙な操作がされているんだけども、それをわざとらしくなく楽しい物語に埋め込んで、キャラが生きている現実の描写だと納得させたまま展開しているのが、本当に凄いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
ここで報瀬を『下げた』ことで、今後の物語が『みんな』を主体に展開できるようになったからなぁ…。
こういう操作をスムーズにやれるということは自分たちが何を作っていて、何を見せたいのかをしっかり把握している、ということだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
そしてそれは、味気ない説教を叩きつけるのではなく、躍動する感情と笑いに満ちた、青春が疾走する物語であることを、今回のテンポと楽しさが教えてくれる。
このアニメが持っている志、腕前、眼の良さ。またキャラクターと物語への惜しみない愛情と、それを視聴者に届けるための工夫がみっしりと詰まった、非常に優れたエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月9日
今後もこの小気味良い活発さを失わず、『南極』を目指して丁寧に疾走して欲しい。来週もとても楽しみです。