アイカツスターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
正月気分はハイおしまい!
VA解散という爆弾を思いっきり投げつけたラスボス、エルザ・フォルテを未だに信じる子供たちが、その視線を取り戻すべく奮戦する回。
やりたいことの大枠、要所要所の演出力はよく刺さりつつ、これまでとの兼ね合いで切れ味が鈍るスターズらしい回
というわけで、終わりを見据えてVA終結宣言が出され、鉄面皮を崩さないエルザの心情を慮った幹部連が走り回る回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
母親を振り向かせるためにVAの子供を切り捨てにかかったエルザと、彼女を振り向かせるべく奮戦する少女たちが鏡合わせな所は好き。
泣いた赤鬼よろしく、きつい態度で自分の業から仲間を遠ざけようとするエルザと、それを見据えて自分に出来ることをする仲間。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
構図自体は美しいし、巧く描けばよく刺さる題材だと思う。しかし、そういう信頼感をエルザもスターズも悲しいかな、僕の中に作っていない。
これまでの描写を見て、エルザが仲間(というか生徒という庇護対象。母を求めるタダの子供が、VAを作った結果望まざる母になってた因果自体は、何度も言うが好き)を思ってあえて遠ざけるキャラとは、やっぱり思えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
そういう広い視野があればやらないことが、彼女の過去には積み重なっている。
エルザは欠けた部分が分かりやすい、負けるべくして負ける存在として描かれたキャラだったと、僕は思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
そういうキャラクターが急に、何かを秘めて堪えていたんですよ、と言われても、そりゃ飲めない。何度袖にされても信じ続けるきららの思いを、素直に納得もできない。
レイちゃんはマニアックな執着を第80話で見事に描いてくれたので、何がどうなろうとエルザにしがみつくのは良く分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
のだが、全て切り捨ててエルザを選べる残酷さが、今度は今回描かれた『みんな』を見据えての動きとぶつかる。レイちゃんの中で何が大事なのか、いまいち見えない。
ここらへんはエルザにとってのVAがどういう存在なのか、VAという場がどういう強さを持っているかを、明瞭に描くエピソードが無かった結果でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
(『場』の持っている意味を掘り下げられず、機能不全に陥ってるのは四ツ星も同じであるが。そこら辺の統一した描写はまぁ、望むべくもない)
きららは『VAはただの道具』というエルザの言葉を、嘘だとなじる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
それは本当のことなのだろう。この流れでその台詞が出て、ハイ思い違いですとはまぁならない。エルザはVAを気にかけて、自分のマザー・コンプレックスと天秤にかけた上で、苦渋の決断を果たした(ということになる)のだろう。
だが、ここまで積んだVAのテーマーパークっぽさ、只々楽しい一瞬の快楽地っぷりを見ていると、そういう価値しかVAに与えられなかったエルザという母の振る舞いを見ていると、言葉をそのまま受け止めたくもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
ひっくり返すための嘘をホントと感じてしまうネジレが、やっぱり僕の中にある。
まぁ一事が万事そんな感じで、後半の展開をまとめるべく布石を打った今回の描写は、僕には軒並みざわついた肌触りだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
確かに、紅茶の鏡面に本心が移り、乱雑にかき回してごまかすラストの演出は良い。でも、それが機能するだけの物語的重量が、あったのだろうか。
作品への愛着なり信心なりがあれば、きららの無辜なる信頼も素直に飲めて、エルザの仮面の奥にある優しさも信じきれるのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
しかしまぁ、僕の中にはそういうものは無い。あってほしかったが、やっぱり無い。
俺はね、アイカツスターズを好きになりたかったの。本当に好きになりたかったのよ
そこら辺の身勝手な慨嘆はさておき、『勝負』に対する扱いの軽さは、単純に戴けなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
VA解散という爆弾を受け止めるのには、ちと軽すぎるバラエティノリ。
マラソンシーンで勝ちを譲る展開に感じる悪酔い。
作中でその不真面目さにフォローを入れて、『アイドルだから』で押し通す用意の良さ。
アイドルだからこそ、大真面目に全力でやりきって欲しいもんだとぼくは思うが、描かれるのは『アイドルだから大丈夫』だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
アイドルだから、勝ちを譲っても大丈夫。美しい友情だから、勝敗を素足で蹴飛ばしても感動してくれる。
そこら辺のロジックが、やっぱ飲めないんよ。
自分独自の答えを作品を書きながら必死に探して、オリジナルでありながら普遍性のある決断をドドンと投げてくれれば、その真剣さは心に届く。それはスターズを視聴する経験の中にも、幾度かあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
でも、今回のお話は美談の外殻に、狂信と歪な優しさを詰め込んだ借り物でしかないでしょうよ。
勝ち負けのロジックがズレれば、キャラクターの真摯さがズレる。真摯さがズレれば、行動と価値観を飲めなくなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
そうやってピースを一個一個外して、気づけばここまで食い違ってしまったわけだが、外したのは俺か、スターズか。もう公平な判断はできないし、並べる話でもないのかもしれん。
ただまぁ、"アイカツ"を継ぐものとして、そしてそこを離れた単独の作品としてアイカツスターズを好きになりたかった一視聴者としては、今回のズレとそれを生み出す過去の描写(の不足)、そしてここから伸びていくだろう展開への不安は、とても感じたくないものだったと身勝手に言っておく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
エルザの行動は今後印象を上書きされて、尊い自己犠牲、苦渋の決断だった、ということになるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
レイちゃんもエルザと、エルザが好きな自分を好きなナルシストではなく、騎士にふさわしい公平さを兼ね備えた立派な幹部ということになるだろう。
でも、そんなのやってなかったじゃないの。
歪なら歪で、悪なら悪で。せっかく巧く描けているものを、なんか一般流通可能な価値に押し込めて捻じ曲げて変質させてしまうのは、勿体無いし見ててシンドい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
エルザは孤独な子供で、あまりにも間違えていた。そう描いてきたのだから、そう貫いてほしかった。
まぁ『そう描いてきた』と思うのがこっちの勝手な思い込みで、製作者は真逆のものを見せてきたのかもしれないが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
そのサインを巧く受け止められなかった俺が悪いのか、伝わらない語り口が悪いのか。答えは出ない。
そこにグジグジと悩んだまま、今回作った線路に乗ってクライマックスがやってくる。
ただ、きららの無垢さ、あこと培った強さには納得できた。彼女が個人的に好きってのもあるが、それは間違えず積んできた道の先に、ちゃんと乗っかるものだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
ただ、彼女だけが一貫性を持っていた所で、別のズレがいろんなものを切り刻んでいく。きらら単推しで見切れる立場でも、作品でもない。
という感じの、VA回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
今回示されたラインの上でクライマックスが展開するなら、正直キツイなぁ…元々相当あやふやだった価値観軸が、更に撹乱されていく予感がある。
それを裏切って欲しいところだが、さてどうなるか。来週はきらら回である。
きらら登場あたりで、彼女がエルザに切り込む未来を期待していた記憶があるが、過ぎてみるとあまり大きな役割を持てないキャラだったかな、と感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日
真昼と何やら楽しそうだが、そのふわふわな夢っぽさを突破して、歯ごたえある存在意義を叩きつけて欲しいと、僕は願ってる。ずっと願っているのだ。
※訂正 きらら→アリア
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月18日