ハクメイとミコチを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
妖精の暮らしは、今日も過ぎていく。家で友人と過ごすときも、野で危険と隣り合わせのときも。
コンジュとハクメイが屋根の下でまったり石鹸造る前編と、ハクメイとミコチが梟という巨大な他者と対峙する後編。弛緩と緊張、シティとウィルダネス。演出含めた対比が良し。
前半と後半、かなり味の違うエピソードだが、それが9cmの暮らしの『色々ある感じ』をよく出していたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
石鹸作りの後始末をする安全な時間も、ワイルドな野外で死にかける瞬間も、両方彼らの日常であり、そこを楽しみ乗り越えつつ生活が編まれているのだ。
前半は歌姫コンジュとミコチがキャイキャイする話。乙女を自認しつつどっかズボラでヌケてるコンジュのキャラ性が、まるで石鹸の中の精油のように良いアクセントとなり、話が転がってく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
こういうヌケた自信家の善人をやらせると、悠木碧はピカイチだなぁ…バカが上手い。
前回ハクメイのビズを紹介した流れに乗って、色々生産しているミコチの仕事も判明。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
ワッフルづくりはまったり楽しい余暇のように見えて、生活の掛かった生産行為でもある。石鹸を新製品開発と考えると、友情が日々の糧に結びつく話でもあるか。存外泥っぽく、でもいい匂いがする生活臭。
料理づくりはポンコツでも、石鹸作りは大の得意。人間色んな得手不得手があって、それが噛み合うと面白くなる。それが見えると好きになれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
後半颪という巨大な他者に向き合う姿勢にも似た、『知らない』を『知ってる』に変えていく喜び。見知ったハクメイが不在だからこその流れかな、とも思う。
前半は漫画的コマ割りを画面の中に入れる演出が多用され、擬音も描かれる。まさにコミカルな風味が出て、好きな演出だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
今回も安藤監督コンテなんで、監督のフェイバリットってことかなぁ。撃空間に独特の色がついて、面白いと思う。
屋根があって暖かく、朗らかな前半に比べ、後半はシャープで危険だ。だから、コマ割り演出は控えめになり、擬音も出ない。マリンバをコロコロと鳴らして心をはずませる感じのBGMから、冷たい印象もある劇伴へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
エピソードのムードを見切って、しっかり道具立てを変えてくるのは素晴らしい。
登場話では尖った部分が目立ったコンジュだが、蓋を開けてみるとなかなかのポンコツで、とびきりの善人で、あと変人である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
原作ファンなら絶対見たい! と思う全裸就寝を、Bにズレ込んでもしっかり入れてくれたのがありがたい。あれがあると、コンジュのキャラが一発で理解るからなぁ。
やっぱ製作シーンの手際の良さ、頼もしさというのはこのアニメの土台の一つだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
ポンコツコンジュが石鹸という見せ場を貰って、テキパキ手順を進め、いい感じの成果物が出来上がることで、彼女への印象が大きく変わる。
『ただの変人じゃないな』と。そこら辺の生っぽい質感が、9cmのリアリティになる
ハクメイ不在の寂しさを見抜いて、友人に寄り添う優しさも。小人の生活を描きつつ、キャラの新しい表情を見つける喜びもある、良いエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
この穏やかさが後半との対比ともなる。Bパート冒頭の引き継ぎといい、やっぱブリッジの作りが良いアニメだ。
そして後半は祝! モンハンワールド発売ッ!! って感じの、巨大生物大冒険。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
前回ハクメイが戦ってた、のんびり世界に潜むリアルな危険性と、また戦う展開である。いや、戦わないが。
物言わぬ颪の巨大さは、存在するだけで死を想起させ、恐怖を呼び込む。そのデカさと怖さを茶ンと絵で見せられたのは、非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
あの動物的な感覚があってこそ、思わず意識を手放しちゃったミコチの衝撃も、基本対立方向で行くハクメイの怯えも、しっかり伝わる。
ハクメイがきっちりビビりつつ、守って死ぬ覚悟を固めている所が好きで。できれば穏やかに過ごしていきたいが、行きてる限り波風は起きる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
ビビりつつ、震えつつ、それでも立ち向かう。等身大の心と尊敬できる勇気を兼ね備えていると判る、良い描写だ。
血と傷跡が痛ましいエピソードなのだが、そういう状況でも人間は飯を食い、一夜の宿を探す。Aパートでは話全体を包んでいた生活の明かりが、Bパートでは暗闇の中の幽き一灯となる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
食と住まい…生活へのフェティシズムを、こういう使い方をすることで、作品世界の裏腹な奥行きがよく出たと思う。
キツい状況でも、ハクメイの造るウィルダネスな料理は旨そうだ。それが出来るハクメイを、ミコチは知らなかった。思わぬアクシデントが、相方の過去を知る切っ掛けにもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
『知らない』が『知ってる』になる喜びは、屋根のある平穏だけの特権ではない。
そして話は梟の恩返しでフッと息が抜けて、綺麗に収まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
巨躯と無言がどうしても交流を阻むけども、鳥類だって知性体。背中を預けられるやつだっているってのは、第1話で示されたところだ。
しかし無条件に体重を預けられる相手でもない、という他者性の書き方は、ハクメイのタフさを強調して好き。
小さい二人は、自分の命を護るために壁を高め、颪を『家』に入れずにいた。松明掲げて向き合ってみれば、颪は恩を忘れない良いやつで、死ぬか死なぬかで悩む必要はなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
でも、アレはビビる。覚悟も決まる。その緊張はけして無駄ではなかったと思う。
無論ピリピリしているより仲良しのほうが断然良いので、二人は梟の真心をきっちり胃袋に入れ、傷を癒やして我が家に帰る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
色んな場所があって、色んな『知らない』があって、それは『知っている』に変えることが出来る。その豊かさを巧く引き立てるエピソードでした。
今週は(も)ハクミコの信頼感と愛情が分厚く描写されてて最高でした。ベタベタはしないんだが、不在だからこそコンジュにのろけたり、手早くザイルを下ろして救援に行ったり、繋がりの深さを感じる描写が、とても生っぽい。素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
家にいても野にあっても、側にいても離れていても。二人はお互い思いあい、傷を受けたら手当をし、一緒に飯を食う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月2日
肉体を持った存在二つが、意志と尊厳を持って当たり前の日々を生き抜いてる感じが、やっぱ凄く良いですね。アニメになって音と色が付き、更に加速してる。来週も楽しみです。