ハクメイとミコチを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
蜂蜜館大決戦！ 謎の美酒、悲しい過去、非情の人質作戦、唸れ必殺空挺降下！！ という派手なキャッチコピーはまぁ嘘なんだが、一話の分量、アクションの強度、キャラクターの感情の色合い、色んな部分が異色な蜂蜜館エピ。
長尺を巧く24分にまとめ、しっかり落とした。
というわけで、短編をザクザクまとめ上げてきたアニメ・ハクミコには珍しい、アクション巨編である。原作でも結構得意なエピソードだが、長さというよりは全体的なムード…退廃的な蜂蜜感の空気、チラチラ暴力が顔を出す雰囲気が、どっか異様な空気を産んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
良い声勢が乱舞するアニメでも、そこら辺のドロッとしたムードはよく出ている。酒場の淀んだ感じ、古参の不健康な目線。それはコンジュ誘拐でピークに達するわけだが、そのコンジュがモグモグ握り飯食ってるシーンで抜けもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
黒と見せておいていつもの白。その反転が気持ちいい。
とは言え、蜂蜜感がなんでもアリなのは事実だし、古参と新参、ヒガキと旋風丸の対立もちゃんとそこにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
重たくてイラガっぽい衝突だって、あのノンキな世界には当然ある。しかしそれは作品世界を壊すほど尖らないまま、巧く居場所を見つけて落着する。マッシュルームの攻城兵器みたいに。
蜂蜜館がギクシャクしているのは、癖の強い住人をまとめるカリスマが、二代目ヒガキに薄いからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
カリスマ溢れる初代・ウカイの無茶苦茶さが延長して、蜂蜜館という場所、そこに漂うムードを産んだ。ヒガキはそれを乗りこなせないまま、表に出るのをやめている。
しかし遂に衝突が表面化して、ヒガキは非常に胡乱な方法で問題解決に乗り出す。魔法のお酒が復活しさえすれば、時間が巻き戻る、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
ここでミコチの料理スキルが話に食い込むのは、ハクミコっぽいなぁと思う。腕っぽしよりメシの旨さなのだ。マッシュルームも再利用しちゃうぞ。
思い出の酒は、実際飲んでみると旨くはなかった。それは今はなきウカイのカリスマと、過ぎ去った時間への郷愁が味を付けた、ただのマズい酒だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
でもそれを味わい直すことで、過去が過ぎ去ってしまったこと、今が目の前で脈動していることを、最古参二人は思い出す。ミント・ジュレップは弔い酒なのだ
良い声のおっさん二人が素直になれないまま、バチバチしたりイチャイチャしたり。そんな感情を繋ぐツールとして、ウカイのジュレップはあるし、ハクメイの大冒険もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
アクションやアイテムそれ自体が意味を持つのではなく、そこに込められた思いが、淀んだ状況を動かし、時計を前に進める。
しかし芯は別の場所にあるとは言え、間を繋ぐ行為や物品もまた、個別に光る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
紙飛行機の空挺作戦、複雑に入り組んだ蜂蜜館のカオスな設計、ダンジョン探索めいた追いかけっこ。今回のアクションは普段とはちょっと違って、でもハクミコらしいワクワクに満ちていた。
囚われのお姫様役のコンジュも、古参が見た目通りの悪役ではなく、あの9センチの世界の住人らしい腹ペコ感を兼ね備えた、気のいい奴らだということを身をもって教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
古参に害意がないことを引っ張り出して、話を落着する足場を作るのが『人質』なのが良い。
今回のお話は番外地でのクライム・アクションっぽく進むわけだが、それはあくまでガワであり、本性としてはノンキな宴を（これまで通り）探している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
緊張したガワは新鮮味はあるが、やっぱ異物ではあり、それがモロモロ剥がれてくる感覚に、安心と納得がある。
『あ、やっぱそれでいいんだ』みたいな
そこら辺の空気調整も、『人質』であるコンジュ、酒や食事を巧く使って小気味よくやってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
長く持ちすぎれば雰囲気を壊してしまうエピソードを、巧く割当を考え演出しきったと思う。原作を別メディアに落とし込む再構築の手腕、ホント仕上がってるねこのアニメ。
巧くエッセンスを抽出し、古参-新参、旋風丸-ヒガキ（-ウカイ）の対立と融和を軸にしっかりまとめ上げた、良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
既に死んでしまったカリスマの幻影に囚われていた男たちが、冒険と酒宴の果に『今』を認め合うまでのお話として、人情の芯がしっかり入っていた。
その変化を手助けするべく、主役勢もそれぞれの立場でいい仕事をして、満足感もあった。アクション、料理、人質。トンチキだけども、それで人生が転がっていくのがハクミコなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月2日
あー面白かった。やっぱ9cmに合わせてアクション工夫するの、最高にいいな。紙飛行機の『風』良かった、来週も楽しみ。
