アイドリッシュセブンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
禍福は糾える縄の如し。Web番組の好評を受けて、遂にアイドリッシュセブンデビュー! 1stPV撮影は沖縄ッ!! と、ハッピーに始まったらMEZZOはギクシャクするし、陸の思いは届かないし、曲はパクられるしで問題山積。
どうする、どうなるアイナナ! つうお話。
前半胸焼けがするほど甘ったるいサービスで押して、環の妹探し…の前、TRIGGERのエレベーター会話あたりから黒い雲が出始める。ガツガツと不協和が強まり、事務所荒らしとデビュー曲被せで極限に達して次回! と、アイナナらしい揺らしを仕掛けてくる展開になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
余裕で犯罪ぶっこまれるの、凄いね
前半の肌色多めキャイキャイサービスは、我々視聴者と同時に、あの世界のファンが見てる(見たい)アイナナの姿なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
楽しい撮影は『疲れる』ものだ。そこには等身大のアイドルがいるが、デビューしファンを獲得する時、疲弊する実像はいらない。欲しいのは美しい虚像だ。
天が四人に正座説教しにいったのもそこで、少なくとも第8話時点のアイナナは、天が望むレベルの『アイドル』には達していない、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
事務所からの抑圧、キャラの押しつけが強い彼らは、否応なく仮面をかぶることを強要されている。しかし、それを否定も反発もしない(できない)
冒頭、龍之介は脂っこい誘惑に絡め取られかけるが、それもまた彼の虚像が産んだ反応だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
ファンが望む、エロくてリッチな十龍之介。その『嘘』を本気で演じているからこそ、ああいうリスクもある。艶笑混じりのコメディシーンにも、虚飾と現実のアンバランスは埋め込まれている。
今回の話は『八乙女事務所による楽曲ドロボウ』という、かなりハードな事件で引く。そこに所属するTRIGGERもまた、不自由な犠牲者なのだというサインは、早めに強めに出す必要がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
『アイドル』の先達としてアイナナを引っ張りつつ、彼らが押し付けられた『嘘』に窒息しかかっている描写は多かった
個人としてのTRIGGERは気のいい奴らで、兄との関係に悩む陸を部屋に引入れたり、ルームサービス付き本気説教してくれたりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
アイナナに宿る『何か』に期待を感じ、自分を語らない仲間を心配するからこそ、情報を集め教えを与える。『アイドル』を信じ、自分を信じるからこその行動だ。
そういう至誠と、パクリ上等ウソ上等な事務所の姿勢は、常に反発する。社長と楽の間にある『父と子』の対立を軸に据えつつ、『アイドル』と『事務所』、あるいは『子供』と『大人』の対立項は、一見順風満帆なTRIGGERの中にしっかり埋め込まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
世界で一番高い場所を抑えつつ、TRIGGERは一瞬の熱狂ではなく、永遠の伝説を求める(ゼロって誰…?)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
彼らの世界に広がる地平線は壁に書かれた絵であったり、分厚いガラス越しに歪んだものだったりする。現状天に一番近い存在は、嘘で窒息しかかった苦しい存在でもあるのだ
©BNOI/アイナナ製作委員会 pic.twitter.com/l1W5VdG50k
彼らの苦しさが事務所の不誠実(というか犯罪)を超えて、アイナナとのラインを繋ぐのは、彼らを窒息させる『嘘』が大事な物だからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
何しろ『アイドル』なので、客の望む『嘘』をつき続けるのは職業が成立する最低条件だ。新曲がパクられたショックに揺れていても、舞台はやりきる必要がある。
そこは流石にフェスの二の舞いとはならず、彼らは青ざめつつ歌い、踊りきる。ウチワとペンライトで武装した信心深いファンたちも、流石に動揺はするが、それをどう受けるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
来週以降も激動の予感だ。デカいヴィジョンで天から歌うTRIGGERと、地べたで、ファンの体温が判る距離で歌うアイナナの対比。
小さいからこそ身軽だからこそ手に入る自由、親密さ、誠実さと、巨大だからこその窒息感。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
アイナナがパワーを付けてきて、TRIGGERもようやく『無敵のあこがれ』から降りて人間味を出すターンに入ったかな、と思う。『アイドル』から人間になってきたのだ。
追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
これが『曲の占有権でマウント取り合うアイドル政治』の領域になると、小さい小鳥遊事務所は不利に、デカい八乙女は有利に進めるあたり面白い。
人生色んな領域があって、得手不得手、利益不利益は角度によって変わるわけだ。これを知ってる大和が『最初で最後かも』言い出すのは良い。
『嘘』の仮面を引っぺがせる所に来ないと、陸を拒絶する天の本心が表に出せず、問題も解決しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
アイナナのアイドル成り上がりバトルは、社会的な地位と同時に、凄くパーソナルな問題を解決する舞台を整えるためでもあろう。ここら辺、スケールの違う物語をシンクロさせてて巧い。
さて、アイナナの方も問題山積であり、それはユニットの内部にも外部にも、心の中にも社会の外にもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
まずはMEZZO。相変わらず想像力も情報開示も足りていない二人は、売れてはいるが心が通じ合わない。ジャガイモキャッチボールできなかった時から、特に変化はないのだ。
自分の心に素直すぎる環は、妹恋しの心を暴走させて、事務所や仲間を置いてけぼりに暴走する。勝手に仕事を受けて、自分を見世物にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
『見世物になりたいから、見世物やってんだ』
そううそぶく環を、『イイコ』である壮五は心配する。キミの体は、キミだけのものじゃないんだよ、と。
それは利益共同体としての身勝手な心配でもあるし、『イイコ』のロールモデルを自動的にやった結果でもあるし、壮五自身の善性が産んだ言葉でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
エゴとアガペが入り混じった、ありふれた人間の行動の複雑さを、ガキである環は見ないし、想像もできない。この『優しくなさ』が、大きな弱点である
もしかしたら、壮五も家庭に事情を抱えているかもしれない。『ビジネスクラスに乗ったことがない』後ろには、凄く薄暗いものが控えているかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
そういう想像力、見えるものの奥を見通す知恵を、子供は持ち得ない。大和や三月が溢れさせてアイナナをケアし、導いてきた要素から、環は遠い。
ワガママは子供の特権だが、それが他人の事情を素足で踏みにじり、自分だけが特別に傷ついているという負のエリート意識に繋がるなら、肯定はできない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
おじさん、『優しいワルイコ』は自由で好きだけども、『優しくないワルイコ』は好きじゃねぇなぁ、環クン…!?(ヤンキー漫画風威圧)
環はガキっぽく、壮五のダンドリを無視してバクバクパフェを食べる。自分が何を食しているかも把握しないまま、壮五には一口も与えないまま独占してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
『あ、壮五も食べたいかも』
想像力を伴う優しさというのは、そういう凄くシンプルな感覚だと思う。妹でスイッチが入ると、環からそれが消える
壮五自身も、自分の事情を相棒に公開し、『お前だけが特権的に傷ついているわけじゃない』と、真実を突きつける勇気がない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
『イイコ』のロールモデルから飛び出す不安か、子供な環をぶっ壊すことに怯える優しさか。どっちにしても、壮五は後ろにヒキすぎ、隠しすぎる。正反対だなアイツラ…。
『いい人』は常に『都合のいいヒト』という意味を孕む。仕事の状況、仲間のエゴをよく見て一歩退く壮五は、『いい人』だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
だがその仮面で自己を抑圧しすぎると、『嘘』が自分を壊していく。なまじっか都合は良いから、それに乗っかる他人はなかなか気づけない部分ではあるが…厄介だな。
環の率直さも、壮五の眼の良さと想像力も、適切に使えば強い武器になる。色んな人に幸せを持ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
だが、そういう個性は振り回し方を間違えると、自分と他人と世界をぶっ壊す。パフェを分け与えられなかった環も、それを適切に是正出来なかった壮五も、破局に足をかけているのだ。
長所は短所、個性は害悪。人格の難しい部分に切り込みつつ、MEZZOは表向き『アイナナの切り込み隊長』として売れ続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
たわんだ時間が長いほど、開放された時の爆発はデカい。これが炸裂するのは、壮五の隠し札…家族の事情が表になったときかなぁ。楽しみである。
『1+1=2』なMEZZOはそんな感じだが、後ろに控える『5=4+1』は、まだコメディやる余裕があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
陸から天に伸びる感情は片思いに見えて、天が『アイドル』に抱く高い理想(それを実現するポテンシャル)で繋がって、解決の糸口がちゃんと見えている。
楽お兄やんが思いの外面倒見が良くて、パーソナルエリアに陸を引き込んで事情を話させ、同志になってくれた。アンタアイナナ好きすぎない?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
大丈夫?
血縁としても社会的にも『オヤジ』である事務所社長に抑圧を受けて、『家族』として自由にやれてるアイナナが少し、羨ましいのかもしれん。
軛を離れて、オヤジに庇護され、導かれ、自分のやりたいことをいう。『嘘』と利益で繋がるだけでなく、愛と真心で分かり合いたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
色々凸凹しつつも、その部分は恵まれてるアイナナにこだわるのは、楽のそういう『子供』らしい夢が反映された結果かな、などと思う。ロマンチストだなぁ。
まぁその親父はパワハラで部下を犯罪に追い込み、パクリ楽曲で『圧』かけてくるゴミクズ人間なわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
このまま八乙女事務所を『圧』の発生源、悪の帝国として描いていくのか、社長にも『家族』の因縁、真心が出口を見つけられない迷路があったと描くかは、ちょっと気になってる。
悪者作らんと話って回らんわけだけども、同時にキャラは役割だけ背負った書割ではない(と僕は楽しい)わけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
現状良いヘイトアーツでガンガン燃料くべてくれてる社長に、僕の好感度は実は高い。物語運営に協力的なキャラは、敵でも味方も好きなのだ。TRPGPlayer的な価値観だと思う。
しかしそこを超えて、『親』としてのわだかまり、悪の源泉を掘りに行くと、より面白くなる感じもある。アニメの範囲だと難しいかなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
社長は楽と直結しているので、そっちを一人間として彫り込むタイミングで、同時にボーリングしていく形か。アニメは『アイナナの話』で収まるだろうし、難しいか
天お兄やんは冷たい素振りでツンしつつ、アイドルの心意気をゼロ距離で教え込む手間を取ってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
こっちも面倒見が良くてありがたい。ホント『アイドル』がどうあるべきかのヴィジョンがしっかりあって、それを実現するために自分を律し、他人にも守って欲しい人なんだな。センター、って感じ。
アイナナは今一、自分の中にある問題と相撲取るのに忙しくて『アイドル』という虚像を踊りきるフェイズに到達できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
これは個人のカルマと闘うことで、人間をデカくし『アイドル』をデカくする精神筋トレみたいなもんでもある。未熟であるがゆえの特権、というか。
『アイドル』として背中で主役を引っ張るTRIGGERは、まだまだ人間の顔を見せて自分の物語に没入することは許されない。気のいい奴らなので、その仮面からニュルニュルと人情が溢れてきちまっているわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
それでも、前に立つ奴らの背筋が伸びてなきゃ、高い場所まではいけない。
三月以外は、『アイドル』を代用品…『家族』などの問題を乗り越えるためのツールと捉えている部分がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
そこで陸という『家族』の真実より、『アイドル』という虚像をプライドを持って握りにいき、その意味を不器用に教えてもくれる天がいるのは、凄く良い遠近法だと思う。
そんなTRIGGERが、曲を盗んだ。デビューは潰されるし、信頼感は蒸発するしの大事件である。広がる不和、頑張って積み上げた仕事がぶっ壊される事態に、どう対処するか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
冒頭、紡が色々手を回して仕事してた描写が、それを崩す形で生きていた。ホント献身的にやってんだけどなー紡CHANG。
一難去ってまた一難。ぶっちゃけありえない、とすら言えない、動き続ける『アイドル』の列車。パフェを分け合えないMEZZOの爆弾、ユニットとしてのサイズ差。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月4日
いい具合に場があれてきて、物語の種がガンガン発芽してきた。さぁ、嵐が来る。来週楽しみだなぁ。