からかい上手の高木さん を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
男には、負けられない勝負がある。とは言うものの、純情ボーイは連戦連敗、そもそも勝ち負けの基準が何なのかもよく判らない、見落としだらけの青春絵巻。
しかし無心に打ち込めばこそ、心を貫通する恋の一撃も出る。青春ど真ん中、知らぬは当人ばかりなり。
そんなわけで、寒い冬でも西片が勝手にアツく盛り上がるお話である。いや、高木さんも相当ポッポ来てんだけどね。勝負を握り込むコツは、ポーカーフェイスを維持して自分の手札を明かさないことなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
だから、凄い顔描かれてちょっと悲しくても表には出さず、面白顔で手玉に取りに行くのだ。
猫撫で競争にしてもじゃんけんにしても、西片はバリバリ負けてバリバリ勝つ。しかし『からかい』が恋を巡る勝負だという前提に気づいていないので、自分が掴んだ勝ちには気づかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
毎回必死で真っ直ぐで、自分でもよく判らない理由で高木さんに挑み続ける。恋のドン・キホーテである。
もともと多層な価値観のズレと噛み合いが面白いアニメではあったが、今回色んな勝負を横断していく中で、一体彼らが何を戦っているのか、どうすれば勝負が付くのかを、明瞭に確認するような運びであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
西片に見えているじゃんけんの勝ちは、高木さんには負けるが勝ち。そばに居続けるのが勝利だ。
西片は自分の恋心に気づかない。それが『からかい』のルールを制定して、勝負を成り立たせている前提を知らないまま、高木さんへの対抗心…と思いこんでいる純情をドコドコぶつけ、バカバカ負ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
しかしその状況そのもの、西片の世界が高木さんで埋まっている事自体が、高木さんには勝ちである。
お馬鹿な純情ボーイのピュアネスに、キッチリぶっ刺されてる高木さんにとって、西片が負け続ける『からかい』を続けるのは、勝ちでもあり負けでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
勝負の構造を理解し、『あ、俺勝ってる』と気づいて西片が踏み込む瞬間、自分が負けてゲームが終わる瞬間を、彼女は望みつつ恐れている。
今回は(も)、西片には見えない高木さんの鎧の隙間、負けてる弱い部分がビシビシ表に出ていて、いい表現だっった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
生え際や項、揺れる前髪。妙に髪の描写にフェティシュを感じる作画で、それが西片と高木さんのドキドキともシンクロしていて、とても良かった。
高木さんは恋占いを持ち出して、西片をドギマギさせつつ真実に近づけていく。気づかれたら負けてしまう恋心に、接近しては離れ、季節外れの蝶々のように踊る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
西片のドギマギした仕草は、彼が自分に恋している事実を、自分だけが確かめる優越に繋がる。
それは蕩けるほどに甘くて、少しだけ苦い。友達付き合いを優先して、自分をおいていってしまうかもしれない。離別に怯えつつ、『からかい上手』としては素直に『行かないで』とは言えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
負け続けの西片も苦しいが、勝ちっ放しの高木さんもシンドい。見ている俺らも糖尿病だ。
そんな甘くて苦いマーマレードな恋は、勝つの負けるのが複雑に絡み合っていて、でもそんなのどうでも良くなるくらい純粋でキレイで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
あの瞬間にしか味わえないじゃれ合いの温度、真っ直ぐさ、かすかな匂いみたいなものが一瞬一瞬に満ちるよう、頑張って作ってくれている所がありがたい。
西片はバカなので、常にまっすぐ勝負する。足を止めて勝敗の構造を考える賢さも、そこで脇道にそれるズルさもない。頭の中はいつでも高木さんでいっぱいで、何でそうなってるかすら考えもしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
その真っ直ぐさが、高木さんも僕も好きなのだ。とても好きなのだ。
そして勝ち負けを見ないど真ん中の一発が、気づかずクリティカルを出す。元々両方負けてる勝負なんだから、そら致命打も出るけどさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
賢い高木さんをなぎ倒す問答無用の一撃が、西方自身も無自覚な恋心から生まれているのは、複層的な勝負の本質を最後に見せる形で、とても良かった。
モノトーンのスケッチに、一筋朱を指すような思春期の体温。気恥ずかしくて、目をそらして、でも背中は向けれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
星と星が引力で呼びあうように、不思議な距離を保って回り続ける二人の距離。それは戯れであり、真剣であり、勝ちであり負けでもある。そういう曖昧な矛盾の両立を許してくれる季節。
複雑なダンスを踊る恋のからかいだけでなく、それが成立している思春期それ自体もスケッチするような、勝敗入り乱れるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
神様視点だと勝負の構造が明らかなのに、当事者はなかなか踏み込まず、しかし離れない。このもどかしさを瑞々しく維持しするのが、繰返しが毎回刺さる秘訣だろう
西片ボーイはモノローグ多めで自分の敗戦を滑稽に語り続けるが、『勝つ』役である高木さんは内言を控え、しかし細やかな仕草とフェティッシュで語らせる押し引きの巧さも、展開と噛み合ってよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
シンエイ動画、こういうナイーブな表現力高いよなぁ…流石だ。
かくして季節はまた過ぎる。寒風が肌を刺しても、恋の炎を宿した二人は
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
いつでもあったかい。
押し競饅頭押されて泣くな、ついて離れて恋遊び。
二人の戯れも、そろそろ一旦の幕。最後まで自分の強さをぶん回すアニメになりそうで、来週も非常に楽しみです。