アイカツスターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
去りゆく物語に名残の舞を。すばるが、ローラが、ひめが、それぞれの終わりを語る中心に、虹野ゆめがいる。シンメトリーな舞台に、食いなく燃え上がる思い。
果たしてそれが完全燃焼なのか。当然、そう思っていないからこういう言葉遣いにもなる。
というわけで、ローラとゆめの忘れ物を取りに行く回である。桜庭ローラはステージには上がらず、観客席でトップアイドルの輝きを与えられて、涙を流しつつ忘れ物を思い出す形となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
キツい。負け続け、見上げ続けた展開に正直なポジションとはいえ、無様に過ぎる。ドブネズミの美麗すらない無残。
今回のお話も、かなり色々盛った話である。要素を過積載にした上で、それを調理しきれず、かといって完全に断ち切るわけにもいかず、半端に名残った残滓をパッパと片付けていくように、メインアクターは高速で入れ替わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
ゆめが、主人公として背負う物語が、一番大事だったのは誰か。
余韻もなく断ち切られていく物語、エンドマークの乱立を見ていると、そういう芯を見つけるのは難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
はたまた、物語の芯を見つけられなかったから、余韻を感じないのか。どちらが客観的事実なのかは、僕には断言できない。できるのは相変わらずの『僕はこう思った』だけである。
ローラの話は長くなるかもしれないから、先にすばるとひめの話をする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
クリスマスでざっくり切られたM4、その名残としてのすばる最後の登場も、かなりの駆け足だった。
メンターになりそうでなれなくて、恋仲にもれなくて、夢を同じくする親友にも、同じ夢を目指すライバルにも届かない男の子。
他のキャラクターと同じような、すばりの物分りの良い退場は、M4という要素を扱いきれなかったこれまでの物語に、嘘はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
ハンパな立ち位置だったから、ゆめに真意を届けることなく、自分の心の中だけで決着を見つけて引いていく。第86話のローラに感じたのと同じ白状が、去りゆく背中に香る・
心を衝突させて、一部突き崩して、露出した真実を共有し、お互い前に進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
そういうハードな道のりは、こと二期のゆめに関しては用意されなかったように思う。なんとなく勝つ彼女に、キャラクターの根っこを預けた少年少女もまた、ぶつかるチャンスを略奪された。
そういう話じゃないのは知ってるよ。
思えば今回、次々とゆめの前に立つ三人は、軒並みそういう感じの生煮えだったかなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
踏み込むなら踏み込む。切り捨てるなら切り捨てる。半端な欲を描いて、あるいは未練を残して、画面に映るだけの出番をちょこっともらって去っていく。火が通りきらない内に、舞台から下がる。
恋する少年としても、アイドルとしても、芸事の先輩としても、何処にもポジションを確保できなかったすばるの退場は、そういう半端さの結末だと感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
ゆめは最後の瞬間まで、すばるの心の内には入らない。入るほどのぶつかり合いを用意されていないから、それは嘘のない展開だ。
他人の心に踏み込めない存在が、特別巨大な主役として輝き、何かを成し遂げたことになる。描かれていないものが、描かれたことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
そういう不自然さを体現してしまったゆめの、不気味な表面。そこに足場を置くしかなかったキャラクターは、軒並みつるりと物語から落ちた。
その果てが今回である。
ひめ先輩は、世界中を回って『何か』を見つけた、という。その結果として、月のドレスがある、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
『何か』ってなんだ。口だけでイベントの輪郭をなぞることか、周囲の人間が凄い凄いとリアクションだけすることか。カレー…ではないだろう。
描写されない空白が、二期(もしかすると一期)のひめ先輩の不気味な巨大さ、強キャラオーラを支えていた部分はある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
しかしそれは、『ゆめの忘れ物』…最後の願い足り得る重たさを兼ね備えていない。『あの力』がぱちんと半端に弾けた時から、それを背負うひめもまた、空疎に飲まれた。
S4の赤服と同じく、物語開始時の目標であったから。高く煌く星だったから。それに追いつくことが、物語の形式として終わりを意味する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
そういう構図は判る。
しかしそれに足りるだけの内実を、ひめ先輩も月のドレスも備えてはいない。少なくとも、いないと僕は思う。
世界を回ったことで、ひめ先輩はどう変わったのか。何を手に入れ、何を学んだのか。巨大な形式を埋めていく実感が無いのは、ライバル然としていたエルザと同じであろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
いつか負けるために足踏みさせられていた少女と、乗り越えられるために物語の輪郭に立ち続けた少女。紙に書いた太陽と月。
それを打ち破っても、虹野ゆめが巨大な何かになったとは思えないし、スターズが巨大な何かを語ったとも思えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
そんな事は最初から言っていない、巨大なものにアプローチする気概なんてない、とも言われそうだが、野望くらいは大きく持ってほしいし、たどり着いたと作品が語るものは、常に巨大だ。
到達するガワの巨大さと、それを埋めうる描写の不足。役割の固定、成長の不自由な疎外、変化の兆しの芽むしり子撃ち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
そういう(非常に良くない意味での)スターズ『らしさ』が噴出するエピソードであると、僕には思えた。
辛いのか、呆れているのか。この期に及んで僕は、いまいち自分が見えない。
桜庭ローラの『忘れ物』は、ゆめのステージに感動することであり、勝つと誓うことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
一年間負け役と補佐役を担当し続けた結果、太陽のドレスをまとう最強者に並び立つ権利は、今のローラにはない。
いつか。それがあると、スポットライトが落ちたても世界が続くと信じられるなら、それは約束になる。
しかしローラが『いつか』を掴み取る未来は、ここまでの筆致の先にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
特定の役割を一度定めたら、ほぼそこからは出られない世界。真実心が傷んでも、物分りの良い境界線を超えてキャラクターが踏み込んではくれない世界。
それが閉じた後に『いつか』があるとは、僕には思えない。
ゆめはこれまでと同じように勝ち続け、ローラは負け続けるだろう。曖昧模糊な『なにか』に納得して、自分の道を見定めて、そこを歩いていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
その都合の良さ、物分りの良さが、僕はずっと悲しかったし、そんな悲しい物語のままローラが終わることが、とても辛い。
『いつか』を信じられる物語でいて欲しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
都合よく物語の運びを飲み込んで、与えられた役割から半歩も出ないで、キャラクターを未成熟の檻に閉じ込めたまま成熟したのだと、なにかに到達したのだと語るのではなく。
不都合な息吹すら込みで、彼女たちの魂を躍動させるような物語を僕は見たかった
ステージにも立たないまま、圧倒的な勝者を称え、『いつか』を遠吠えする負け犬。『アイドル』のはずなのにステージをしたから見上げ続ける、星に絶対に手の届かない女の子ではなく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
誰もが認めるような自分の星を、堂々と掴む桜庭ローラが見たかった。
でもその星座は、勝手に描いた妄想である。
俺が桜庭ローラを好きになったのが、まぁ間違いだったのかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
好きになってすまなかった、勝手な思い入れをしてしまって悪かった。
半分本気でそう思いつつ、そう言わせてしまう物語は、やっぱり寂しいものではないのかという問いも、心で疼く。答えは出ない。出ているが、納得はできない。
それは寂しくない。負けるやつは負けて、勝つ奴は勝つ。身勝手さは切開されることなく、徹底的に洗い直されることなく物分り良く治癒して、別にそこに踏み込まなくても『アイドル』は『アイドル』足りうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
僕の目に映るスターズは、そういうテーゼを語っている。一つひとつのエピソードと描写で。
描いているものと、受け取るものの乖離。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
いつからか、それを抱えてこのアニメを見ていた。それを生み出したのが俺の問題か、作品の問題か。原理的に答えは出ないし、出さなくても良い気が、今回のエピソードを見終わって湧いてきた。
僕はこう思った。
そこにしかたどり着けないし、それで良いのでは
そういう身勝手さを、SNSを通じて皆さんの目に触れさせることの是非には、答えが出ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
書いてしまっている以上それが答えなのだけども、スターズを楽しめている人に不快な思いをさせてまで、僕の心に溜まったものを文字化し、公開していく資格があるのかは、しばらく前から悩んでいる。
しかしまぁ、書かなければどうにかなりそうな捻れを、身勝手にも僕はスターズとの間に抱えてしまって、『視聴を中止する』という判断を下せなかった以上、書くしかなかったのだと、今更ながら弁明させていただく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
申し訳なかった。
とある方に『一年かけて作品に絶望していくドキュメント』と言われたこの感想も、残り一話だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
そうなのかもしれないし、そうでないんじゃないか、という意識もある。自分のことは、自分が一番良くわからないのだと、スターズの乾燥を続けた体験は少し、僕に教えてくれた。
それがいかなる学びになるかはさておき、残り一話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
ここまで来たなら、まぁ書き切ろう。
一時期から、そういう思いがあったことは否定しない。コンコルド錯誤は、あらゆる事象と同じく、アニメにおいても発生するし、役もない。
次クール以降は、もうちょい諦めのいい視聴者になりたい。
しかしエンドマークまで見なければ、判断下せないってのも、まぁ客観的な事実としてあろう。それを僕が求めているかは別にしてだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
ゆめとローラは追いかけていたもの全てに、カタをつけた。原点(と作品が言い張るもの)に決着を付け、悔いなく未来に漕ぎ出していく。
その背中が、僕には悲しい。
それが作品にコミットできなくて、でも好きにはなりたかった半端者の負け犬の遠吠えであることを自覚しつつ、次回で感想も終わりである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月23日
スターズがその終わりに何を描くか。正直、期待はしていない。しかし、見届けたい気持ちはある。それが僕のためか、彼らのためか。それを見定めるためにも。