シュタインズゲート・ゼロを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
かけ違えたボタン、狂った歯車が動き始める。12年越しの探し人、疑心を追い詰める見えない監視。何かがズレている感覚は日常の中で加速し、思わぬ邂逅を果たす。
先週ばらまいた種が一気に発芽し、別の謎、別の物語へと繋がるエピソード。動いてきたな…。
というわけで、いろんな偶然がゴロゴロ転がり、様々に不穏なものを巻き込んで動いていくエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
ゼロはとにかく『オカリンマジ限界ッ!』というどん詰まりを、ネトネトネトネト積み上げてこっちを窒息させてきたわけだが、良かれ悪しから停滞から変化へ、物語の潮が変わってきている印象だ
今回も萌郁との『始めまして』に揺らいだり、真帆がヒロイン力をガン稼ぎしたり、まゆりがヒロイン力をガン稼ぎしたり、かがり関係の状況が一気に進展したり、岡部くん周辺の状況はかなり動いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
しかしそれは薄暗い閉塞の中のもがきであり、重たい。出口が新しい迷路の入口のような不吉さもある
前回の中鉢亡命といい、今回の類人猿死体遺棄といい、BGM代わりのニュースがひっそりと、破滅の時計が針を進める音を聞かせている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
岡部くんとは関係のない場所で、着実に悪化する状況。パラノイアめいた包囲網は、足音を忍ばせて着実に、日常を侵食しつつある。
レスキネン教授にからかわれつつ、『気分転換』のために一時間かけてアキバに出て、岡部くんに会いに来る真帆。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
彼女は集団ストーカー的な視線を感じ、警察より先に岡部くんに助けを求める。それはジュディ教授との朗らかな出会いによって、日常に収まっていく。
しかしそれは一種の迷彩で、真帆が感じ取った監視の目がどこから来るか、真実明らかにはされない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
かがりを追う謎の外国人といい、岡部くんの手の届かないところで、不気味な陰謀がひたりひたり、間合いを詰めている。このパラノイドな空気は、なかなか心臓に悪い。
それと混じり合うことなく、愉快な日常は輝いても見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
真帆がスンゴイ勢いでヒロインポイントを稼ぎに着ているのが、微笑ましくも痛ましい。岡部くんと真帆は『不在なる牧瀬紅莉栖』で繋がっているわけだが、二人が見ている世界は似ていて違う。真帆はリーディング・シュタイナー能力者ではない。
積み重なる世界の重さも、それ故の絶望の濃さも、真帆は共有してくれない。真帆以外の誰も、岡部くんの孤独に寄り添えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
しかし、岡部くんはあらゆる場所に紅莉栖の残影を探すし、真帆もまた同じ視線を共有してしまう。重なりそうですれ違う、二人の視界。
まーたアマデウス紅莉栖がのんきでいいヤツなのが、二人の悲劇感を強めるというか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
愛すべき天才はもういなくて、アマデウスはそれを模しているだけなのに、無残な生存者はそこに、ありえないほど重たいものを見取ってしまう。アマデウスの自意識と生者の認識もまた、すれ違っていく。
秘密と認識、優しさと残虐が千鳥格子に嚙み合って、どこにも逃げ場がない。第3話ですれ違った屋上とは違って、今は闇夜ではないけども、傾いだ視界と鋼の手すりが、岡部くんと真帆を檻に閉じ込めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
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あの屋上のシーンは岡部くん周辺の現状と、それを大きく取り巻く陰謀の息苦しさをうまく表現した、いいシーンだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
真帆から助けてコールが入ったら、サイリウムセイバー握って思わず飛び出す。ボロボロになっても、オカリンは相変わらずヒーローで、それがなんとも辛い。
萌郁を前にした超挙動不審も、鈴羽とのすれ違い方も、岡部くんの限界っぷりを強調して、なんとも辛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
まゆりの死がフラッシュバックしまくるところに、紅莉栖にまつわる事象以外も、岡部くんをズッタズタに追い込んでるのがよく分かる。いやまぁ、当然だけども。
オカリンはまゆしぃも助手も真帆も、みんな助けたい。でも助けられなかった。諦めてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
正義と良心をしっかり持った好青年だからこそ、良心の呵責と無力感にも苦しむ。百億回繰り返した夏は当たり前に過去に過ぎ去って、冬が来て雪が降る。そのやるせなさ。
ゼロの季節を冬に設定したのは、まさに妙手だなぁと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
陰鬱な空、肌寒い空気感。過ぎ去ってしまった時間、取り返しのつかない失敗を刻んで、あの狂騒の夏は遠い。
寂寥感を込めて降る雪は、それでも美しい。眼下で踊るまゆりと、一緒にはしゃげないオカリンの苦笑いが、あまりにも悲しい。
ダルがいい塩梅にキモい動きをして、久々に岡部くんがオカリンっぽい空気を出して。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
エプロン付けたまゆりのお嫁さん力に大興奮したいところだが、灰色の世界は明るい気配を、素直に受け止めさせてはくれない。そういうゼロの雰囲気が、僕は結構好きである。
なんとも言えない緊張感は、ルカ子が持ち込んだ見知らぬ客で加速していく。落ち着きのない手がアップになり、目と目、記憶と記憶が噛み合わない出会いを表現する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
ゼロルカ子がカラーレギンス履いてるの、マジハイセンスでスゲェ良いと思う。(息苦しさのあまり、唐突に性癖をパナすマン)
鈴羽からの依頼がダル経由で萌郁に繋がったように、かがりの記憶喪失はルカ子経由で岡部くんに届き、あっという間にまゆりと鈴羽まで繋がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
なかなか出口が見えない、どん詰まりの冬。ゼロの舞台には似合わないスピーディーな出会いが、この後どう転がっていくのか。
奇縁の行く先は、無明の闇の中だ
いろいろ不穏な気配がありつつ、ヒトが集まると昔の愉快なラボの雰囲気も戻ってくる。そんな温もりがあっという間に醒めて、後悔と陰謀が周囲を埋め尽くす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
パラノイアックな演出に乗せて、そんな現状を追いつつ状況を転がすエピソードでした。なかなか息苦しく、温度差もあり。
心の何処かは、可愛い可愛い真帆たんやまゆしぃのヒロイン力に飛び込みたいと思うのに、重苦しい描写がそうさせてくれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月10日
岡部くんが雁字搦めにされているアンビバレントを、じっとりと強調しつつ、時を超えた出会いがどうなるか。転がりだした物語の行方、来週も楽しみですね。