ひそねとまそたん を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
ひそねが歩く、恋の迷い路破れ道。"まつりごと"を前に揺れ動く岐阜基地で、様々な思いが錯綜する。
恋を押しのけるもの、真実を見つけらないもの、己を偽るもの。
何が正しいかを自分の外側と中側から探り、とんでもないマジレスにぶっ飛んでいくエピソード。
というわけで、先週起きた『吻合』を引き受け、岐阜基地が揺れ動くエピソードである。とは言ってもキャラの動きは比較的静かで、最終的な大団円に向けて陣形を整えている印象を受けた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
自分の中の心を探り、それを外界と照らし合わせていく。こういう過程をひそまそ、結構丁寧にやる。
色んな人が揺れ動く群像劇を、ひそねが横目に見続けて糧とし、最終的にドカンと一発! ぶちかます。オチを見ると、やっぱひそねの話だった気もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
まぁまつりごとが始まっちゃうと、どうしてもDパイ&ドラゴンに話がよっていくわけで、岐阜基地舞台に出来る間に裏方を掘る話でもあったか。
ひそねは今回、まそたんに搭乗することもなく、じっと走り続ける。自分の中に芽生えたものが何なのか探り、それを名付けるべく考える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
いろいろ考えつつも言葉が出てこない状況は、口から言葉の棍棒が飛び出していた過去との対比で、なかなか味わい深い。まぁ最後に特大級の棍棒が出るわけだが。
ひそねが横目に見る物語は、色んな人の色んな思いが詰まっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
小此木くんと棗ちゃんの、家族のような関係性。『鼻に息を吹きかけると泣き止む』というアクション一つで、どれだけ彼らが親密なのか(そしてそれが恋にはなりえないか)を見せるのが、凄く良い。
小此木くん突然の男泣きは、やっぱ『楔女』が生贄だからこその涙…なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
お国のため、氏神様のため死ぬのが誉れ。山奥の集落でそう教え込まれた棗ちゃんが泣かず、空自で集落の外を知った小此木くんが泣いているのは、なかなか示唆的でもある。今回のひそねにも通ずる視座だ。
比較対象が増えればこそ、自分の中にあるもの、目の前にあるものの形が見えてくる。客観性を確保することが、主体性を養うことにもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
母への無批判な憧れを客観視し、Dパイとの間合いを適正化しようとする名緒の成熟した立ち回りからは、そんな人生の道理が透けて見える。
ぶっちゃけワリを食いまくってた名緒が、メンテ担当とはいえ空を飛び、ヘンテコな信頼感で想い人と結ばれたのは、彼女が好きな僕としては嬉しい描写だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
ひそねからは鳴りを潜めているマジレス性が、幾島さんを前にした名緒から溢れている所が好き。特長の相互反射というか。
名緒は自分のDパイコンプレックス(それはつまり、マザーコンプレックスでもある)を言葉にして、胸の奥から吐き出す。自分のドロドロした部分を見据えて受け止め、形にして取り出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
そんな成熟がドラゴンから彼女を遠ざけるけども、人間の智慧は結構大したもんで、ヘロヘロ飛行くらいは出来る。
ポンコツスーツのヘロヘロ飛行は、神代の残酷なルールを人間の技術が乗り越えることが可能なんだ! と見せてくれてるようで、棗ちゃん救済ルートへの希望も繋いでくれてるな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
まつりごとのシステムが犠牲を強いるなら、システムを改善していく方向で舵を切ればいい…んじゃなかろうか。どーだろ。
話がクライマックスに差し掛かる直前で、花形を支える裏方の矜持と輝きをちゃんと描いたのは、凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
幾島さんの言うとおり、飛ばない人がいて初めて、龍が飛ぶ。そこに貴賤はない。その輝きを受け取ったからこそ、ひそねも"辞める"という選択肢が見えたんだろう。さーどうするんだマジ。
今回の話しは作品を支える沢山の柱を、ひそねが走り回りながら確認していくお話だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
絵瑠の夢と未来のため、再びゲス野郎に戻る財投さん。擬態を見抜けず、荒れに荒れた後恋を捨てる絵瑠。それも一つの結末だけど、果たして正しいのか、否か。
色んな人の決断が、主役の選択をもり立てていく。
ジョアおばさんの無私報竜論も、そのまま"イイハナシ"と鵜呑みにしていいか、悩ましい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
永遠不変、無限に無邪気で無垢なる神竜は、確かに美しい。そんな存在に向かい合うために、己も揺れず崩れず一つの機械になることを飲み込んで、星野はDパイに帰還する。ひそねは、ジョアを飲まない。
今回のラストの意味合いは、やっぱり次回以降広げて初めて見えると思う。ひそねがどんなつもりで『止めます!』という結論にたどり着いたか。考えなしのマジレス凶器か、そこを超えた彼女なりの決断か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
それを判断するためには、"飛ばない"選択肢が"飛ぶ"物語にどんな影響を及ぼすか、見る必要がある
お国の大事を背負う、74年に一度のまつりごと。それは個人の意思や価値観を超えた、非常に大きなうねりだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
でもそれは、ドラゴンという生物に向き合い、揺れ動く情と取っ組み合いすることでしか、多分果たしえない。
"飛ばない"という選択肢が出たことで、物語が公と私を軸にうねり出した感じもある。
"私"としての感情は、相も変わらず穏やかで暖かく、ペロペロであるっつーのも、今回描写が重なるところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
小此木くんと棗ちゃん、小此木くんとひそね、星野と財投さん、名緒とひそね、名緒とまそたん、ひそねとまそたん。
人と人(あるいは竜)を繋げる感情は、悪意なく柔らかで優しい。
ゴミクズ人間どもが剥き出しでもみくちゃになって、ようやくたどり着いた温もり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
第4話で超絶ギスってた飲み会は、行き場のない心を吐き出し受け止め合う掛け替えのない場所になった。恋心も、ドラゴンへの愛情だって、しっかり生きている。新しく居場所を見つけた感情だってある。
しかしドラゴンの異質な生理は、まつりごとのソリッドな質感は、そういう当たり前で掛け替えのない"私"を弾き飛ばしてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
それを前に、心を押し隠して事情を飲み込むか、自分に向かい合ってマジレス投げるか。『楔女』の宿命を飲む棗、仕事に戻る絵瑠と、自分に帰還したひそねとの対比。
それがバラバラになっちゃうと、お話全体がまとまりを失ってしまうわけで、みんな笑顔で飛べる終わりだと良いなぁ、と思う。フトモモがそうであるように、せっかく獲得した"みんな"がいない空は、なんだか寂しいのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
同時に全員が"公"を飲み込んで情を殺すのも、テーマが片手落ちになる。
みたつ様を鎮め、国家を安土する。まつりごとが本格化することで、"公"の持つ正当性もより強く描かれるだろう。となれば、それに背中を見せたひそねの身勝手さ、危うさも強調される形になるが…そっからどう転がすか。どうひそねを帰還させるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
色んなことが正しくて、でも衝突してしまって。そこでみんなが一つの答えにたどり着く、一時停留所のようなお話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
ここで出した結論がファイナルアンサーには当然ならんのだけど、それぞれのキャラ、それぞれの立場に納得と正当性があるのは、群像劇としてとても良いと思う。
公と私、押し付けと身勝手さ、犠牲と奔放。二つの極は別れているように見えるが、それが実は一つである、一つになりうると見せれるのが物語の面白さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月15日
さて、久々に特大級の言論凶器をぶん回した主役が、一体どこへ流れ着くか。来週も楽しみですね。