ガンゲイル・オンラインを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
凶器の宴もいよいよ佳境、唸る銃弾、吠える愛! 事情を知るもの知らないもの、あっさり死ぬヤツしぶといヤツ。殺意、狂気、純愛、娯楽。色んな感情がごちゃまぜに加熱する、ここは正にスクワッド・ジャム!!
実は今回、友情を描くエピソードだった気がする。
そんなわけで、イイハナシとグロ死で交互にラッシュを仕掛けてくるSJ2中盤戦である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
対物ライフルで真っ二つ、眼球への狙撃、至近距離でのショットガン、光剣で刺す&斬る。人間を切り株に変えるバリエーションが多く、『エグい死体が見た~い』というどす黒い欲望にしっかり応える、イイアニメである
今回は色んな人の色んな感情がピカピカ輝くエピソードで、そんな儚い思いは情け容赦のない死の描写でより強く見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
どんだけ気持ちが強くても、銃弾は容赦なく、区別なく死を与える。しかし効率的に殺すには、心が繋がっていたほうが良いし、そんな気持ちは人を動かすのだ。
冒頭、ボスがバトルマニアッ面を収めてレンの事情を聞くシーン、そこからの身を捨てての共闘がなかなか良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
そらまー、あくまでストレス解消&チームワーク育成を目的にやってんだから、『ヴァーチャル死とリアル死を直結させたキチガイを止めなきゃで…』って聞いたら、そっち優先よね。
ボスはSJの良心というか、"マトモ"な人代表で。大概の人はゲームとリアルの線引は出来ていて、ゲームの結果リアルな命が損なわれると知ったら、ゲーム的な楽しみは横においてそっちを優先できる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
しかし、ピトさんは出来ない。したくない。しないために、ゲームでも必死に無様に暴れまくる。
そんなピトさんにもすべてを捧げてくれる恋人がいて、Mさんの純愛は名もなきモブ傭兵を動かす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
仲間のためにFPS即身仏と化したソフィーと、お姫様の覚醒のために身を捨てて時間を稼いだモブ傭兵は、結構似ている。GGO…というかゲームの根源を掘ってる気もする。
敵対するにしても共闘するにしても、ゲームはコミュニケーションの要素を強く持つ。銃弾を介して、相手のことが喋るよりよく判る。会話をするように殺し合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
そういう楽しさがあるから、人はゲームにダイブし、濃厚な時間を過ごす。結果、やめられなくなる。
そのループが健全か不健全か、その判断は横に置くとして、ソフィーも傭兵も、あっという間に死んでたマシンガンラバーズも他の参加者も、みなバーチャル化された死を通じて、人間の根本にあるコミュニケーション願望を満たせたから、死ぬのに、死ぬからこそ楽しく遊べる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
加えて、物語の快楽も二人の死にはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
『死んでなお、仲間のために銃座兼盾になる』
『金の付き合いだったはずが、情にほだされて金以上のもののために死ぬ』
二人の死にはそういう物語が付随し、美味しいロールを堪能して気持ちよく死んでいく。
自分の行動が誰かと分かり合うためにあり、集団の中で意味を持ちうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
これは社会的動物であるヒトにとって根源的なもので、しかもSJはゲームである。
現実から切り離され、仮想の身体に夢を託し、後腐れなく生きたり死んだり出来る。思う存分、美しい物語のど真ん中で生きたり死んだり出来る。
これがリアルな戦争だった場合、ただの女子高生やおっさんに過ぎない人達は、当然死ねないだろう。薄汚い生存本能を全開にして、美しい物語を、せっかく手に入れたコミュニケーションを汚してしまうだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
しかしゲームでありバーチャルでもあるGGOは、そういう剥き出しの生存本能を遠ざけてくれる。
気楽なゲームだからこそ、しょせん遊びだからこそ、心の底から面白がれるものがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
ソフィーも傭兵も、死んでログアウトした後『あー! 楽しかった!!』と言ったと思う。それが思い出の中にしか無い一瞬の発火だから、ある種のバーチャルだから無意味、とは誰も言わないだろう。
SJ2は凄く良い大会で、それはみんな本気で楽しんでいるからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
"しょせんゲーム"としらけることはせず、自分たちなりの設定や楽しみを定めて、それを味わい尽くすために全力を尽くす。
それに溺れず、"ゲームより大事なもの"を見据える冷静さもあるし、"ゲームより大事なもの"がゲームを面白くもする
ピトさんがスゲェあっさり死んだのは示唆的で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
ゲームとリアルのバランス感覚が壊れてしまったピトさんは、人間の悪意を引きつけるようなヘイトアーツを行うことで、"しょせんゲーム"の熱量をあげようとする。憎まれることで濃い殺意を集め、狂ったSAOに狂った自分にゲーム世界を引きつけようとする。
しかしそれは、他人を無視した身勝手な行為で、踏みにじられた漁師娘は怒りを込めて銃を撃つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
人間を大事にできないアイツは、人間以下の害獣だ。そんな義憤は、思い上がったピトさんをブチ抜き、致命打を与える。魔王は義憤のこもった弾丸で、足下をすくわれるわけだ。
漁師娘の感情は、チームメイトとのリアルな繋がり合ってこそだろう。純朴な猟師はバトルロイヤルのセオリーを知らず、あっという間に食い物にもされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
そういうナイーブな部分を、"ゲーム"に取り憑かれたピトさんは無意識に、また意識的に踏みにじる。
現実では不可能な夢想を叶える、隔離された楽園として"ゲーム"を見ているなら、ピトさんは撃たれていないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
好き勝手絶頂に大暴れして、悪辣な快楽を視聴者に与えて、善なるレンと正面から撃ち合って、奮戦の果てに負けてハッピーエンド。そんな流れだと思う。
しかしピトさんが踏みにじった猟師娘の"リアル"は、ちゃんと彼女の思い上がりを撃ち抜く。死にかけた彼女が命を繋げたのも、Mさんが本気で彼女を守り、その姿勢がモブ傭兵の心を動かしたからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
どんだけ高度なバーチャル技術で動いていても、人間の心と体が生み出すリアリティは切り離せない。
それが憎悪を生んだり感動を生んだりするから、"ゲーム"は面白い。リアルとバーチャルは常に共犯者であり、へその緒で繋がった魂の双子のはずだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
ボスがレンの事情を飲み込み共闘したのも、レンガ猟師娘を怒りとともに排除したのも、VとVRの共犯関係が生み出した結果だろう。
原作たるSAOは、そういう共犯関係を切り離し、また癒着させることで特殊な空間を生み出していた。それが独特の無双感、仮想だからこその快楽を生んでもいた(と思う)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
"たかがゲーム"であるはずなのに、それがかけがえない命を奪う。シリアスでヘヴィな、慣れ親しんだ妄想現実の具現。
無論そこにも、コミュニケーションと物語が色濃くあったからこそ、スピンオフを生み出すほどの支持を受けたわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
そのスピンオフたるGGOは、あえて"しょせんゲーム"という前提に立ち返り、それでも湧き上がるゲームの楽しみ、危うさを見つめている。
レンがナチュラルに『ワタシが殺すまで死なないでね!』と吠えてるシーンは、ゲームが持ってる強烈な引き込みを巧く表現していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
仮想だからこそ遊びは楽しく、また特別だ。日常生活している中では絶対に出てこない言葉も出るし、気が違ったかのような振る舞いもする。
そういう熱狂に本気で飛び込みつつ、バランスを維持して制御するからこそ、ゲームは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
今回見えた色んな人の生き死にと感情は、そういうGGOの視点を浮き彫りにしてくれた。かなりクレバーで、真っ当で愛のある目線だと思う。僕は好きだな、やっぱ。
世界全てを塗り替えてしまうほど、強力でなくとも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
リアルな生き死にがかかっていなくても。
ゲームの中のロールと、現実の自分がどうしても離れてしまうとしても。
それでも、本気で遊ぶゲームは面白いし、そこで生まれる体験は特別だ。人生を豊かにするのに、十分なくらい。
ピトさんはそういう、"マトモ"なバランス感覚を見失ってしまっている。だからみんなの楽しいゲームにリアルな生き死にを持ち込んで、事情を知ってるプレイヤーと知らないプレイヤーの間に温度差を生んだりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
『知ってる/知らない』をギャップに使って話を転がすのは、なかなか上手かったな今回。
レンは主人公としてピトのアンバランスを是正する立場にいるが、しあkしレンも十分キチガイだ。つーか、ナチュラルに殺意満点な分、キチ力は主役が一番高い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
それはつまり、『ゲームに狂ってしまった可哀想な仲間を、マトモな主役が助けてあげる』という構造から離れている、ということだ。
没入型FPSという、かなり不謹慎なゲームを遊んでいる時点で、登場人物軒並み"マトモ"じゃあない。しかし狂っているからといって、人間の根源を忘れたわけでもないし、そこから生まれるものに価値がないわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
大事なのは、GGOがゲームであり遊びで、真剣に楽しむものってことだ。
ピトを殺そうとするレンは、そういう根源を再獲得しようとしている。的に回っているMさんも、もしかするとピト自身もそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
しかし捻れに捻れてしまった歯車は、銃弾でぶっ飛ばすことでしか元には戻らない。ゲームの生んだ歪みは、ゲームでしか乗り越えられないのだ。
ピトさんが少しは"マトモ"になって、自分の命を賭け他人を踏みにじらないとゲームを楽しめない状況から脱するのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
こんだけ周囲を振り回し、莫大な感情を浴びてなお『SAOで死にたかった!』と吠えるマジモンのクレイジーなのか。
お話の眼目はそこかな、と思う。
まぁこれで『それでも死にまーす!』となったら読後感最悪なので、少しはピトさんも感じ入ってくれる…レンを通じて視聴者とコミュニケーションしてくれるとは思うけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
真摯な行動は、人の心を動かす。そういうルールがGGOにあることを、あの妙にノリの良い傭兵は証明したわけで。
過剰なリアルを持ち込む人も、割り切りつつ本気で楽しんでいる人も。色んな人を巻き込みつつ、スクワッド・ジャムは更に加速する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月16日
その中心にいるレンの思いは、果たしてピトに届くのか。その前準備としても、色んな人が暴れまわる今回素晴らしかったです。来週も楽しみ。